JPS64629Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内側の裏ブタを振動板として使用す
る二重裏ブタ構成による圧電型ブザーを有する腕
時計用ケースの構造に関するものである。

第１図は従来例を示す腕時計ケースの断面図で
ある。胴１には12時方向と６時方向の外側側面に
溝１ａが設けられ、下面にはパツキン２が取り付
けられる。裏ブタ３には圧電素子４が接着され、
側方突起部３ａが胴１の溝１ａと噛み合うことに
より裏ブタ３が胴１に保持される。また、裏ブタ
３はパツキン２に押し当てられ、防水性が確保さ
れる。

この構造は比較的安価である点で好ましいが、
裏ブタ３が腕に押し当てられた時に裏ブタ３の振
動が抑制され、音圧低下を生じる欠点がある。

本考案は、上記の欠点を除去し、比較的安価で
安定したアラーム発音性能を有する圧電型アラー
ム腕時計用ケースを供給することを目的とするも
のである。

以下図面を用いて本考案を詳細に説明する。

第２図は本考案の一実施例を示す断面図であ
る。胴５には12時方向と６時方向の外側側面に溝
５ａがあり、下面にはパツキン６がある。第１の
裏ブタ（内裏ブタ）７の内面平坦部には圧電素子
８が接着され、側方部には突起７ａがあり、胴５
の溝部５ａと噛み合つている。バツキン６は内裏
ブタ７と胴５の間に挿入され、防水性を保持す
る。第２の裏ブタ（外裏ブタ）９には放音孔９ａ
が設けられ、図には示されていないが側方の突起
により胴５と喰い付いている。

喰い付き部分の斜視図を第３図に示す。外裏ブ
タ１０には３個の放音孔１０ａ，１０ｂ，１０ｃ
が設けられ、側方には２分された喰い付き部１０
ｄ，１０ｅがあり、それぞれ突起１０ｆ，１０ｇ
を有する。この突起１０ｆ，１０ｇは胴１１の溝
１１ａに噛み合つて、外裏ブタ１０を胴１１に固
定する。胴１１と外裏ブタ１０の間には内裏ブタ
１２があり、内裏ブタの喰い付き部１２ａが外裏
ブタの２分された喰い付き部１０ｄ，１０ｅの間
から出ており、喰い付き部１２ａには突起１２ｂ
があり胴の溝１１ａに噛み合つている。

次に圧電型ブザーとしての動作について説明す
る。圧電素子８に交番電圧を加えると圧電素子８
と内裏ブタ７が１体に振動する。この振動により
生じた音波は、内裏ブタ７と外裏ブタ９との間の
空間と放音孔９ａとの作用により音圧が増大さ
れ、放音孔９ａより外部へ放射される。

振動板の振動性能は周辺の固定により影響さ
れ、固定が強固な方が性能が良い。この点につい
ては、本考案では胴５と内裏ブタ７が喰い付き固
定されているので比較的高性能である。

なお、図では外裏ブタの喰い付き部が２分され
ているが、逆に内裏ブタの喰い付き部を２分し、
その間から外裏ブタを喰い付かせたり、喰い付き
部を２分せず、内裏ブタ、外裏ブタ片側１ケ所づ
つで喰い付かせるなどの変更が可能であるが、い
ずれも外裏ぶたの喰い付き部と内裏ぶたの喰い付
き部を胴に対し交互に喰い付かせるものは、本考
案に含まれるものである。

以上述べたように、本考案によれば安価な構造
を大きく変要すること無く、安定な音響出力が得
られ、その効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図、第２図は本考案
の一実施例を示す断面図、第３図は第２図の喰い
付き部斜視図である。 ５，１１……胴、６……パツキン、７，１２…
…内裏ブタ、８……圧電素子、９，１０……外裏
ブタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】

12時方向と６時方向の外側側面にそれぞれ一本
ずつの溝を有する胴と、内面の一部に圧電素子を
接着し、時計ケース内外の防水性を保持する内裏
ブタと、内裏ブタの振動により生じた音波を外部
に伝達するための放音孔を有する外裏ブタとより
成り、前記胴の12時、６時方向の溝に、内裏ブタ
の突起部と外裏ブタの突起部を前記胴の溝に対
し、交互に喰い付かせて固定する構造としたこと
を特徴とする腕時計用ケース。