JPS646010B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、被混練物を混練槽内に投入してコン
クリートを製造する方法に係り、更に詳しくは被
混練物を投入した混練槽を水平・傾斜・水平・傾
斜させてコンクリートを製造する方法に関する。

＜従来の技術＞ 従来から、被混練物を混練してコンクリートを
製造する方法としては、整置固定した状態の混練
槽内で混練翼により被混練物を所定時間混練し、
排出ゲートを開口して製造したコンクリートを槽
外に排出させている。

＜発明が解決しようとする課題＞ しかしながら、被混練物によつては混練初期状
態から所定時間が経過し混練が進行すると、被混
練物が混練槽内でバランス良く納まつて塊状態と
なり混練羽根と一諸に回転する、所謂「共回り現
象」を生じる場合がある。この「共回り現象」が
生じると、混練羽根が回転しているにもかかわら
ず被混練物相互の混練が行われず、その為十分な
混練効果を上げることができない。

よつて従来から混練速度を可変させたり又混練
羽根の大きさ、配置、数及び取付け角度等に工夫
を加え、更に混練槽の側壁に突起を設けたりして
いるがすべての被混練物に対して一律に「共回り
現象」を排除することはできなかつた。

上記「共回り現象」をなくす手段として混練初
期から混練終期に至るまで混練槽を傾斜させてお
く製造方法がある。この方法は、被混練物が槽内
の一方に片寄るので混練羽根には不均衡、すなわ
ち片持的に負荷がかかるが、剪断的に混練され、
「共回り現象」はなくなる。しかし、新たに砂利
が投入されると上記負荷は突出的に増大する。

この負荷の増大に対処する為、駆動モータの容
量を大きなものにしておく必要がある。その結
果、混練効率は向上するが、装置自体が大型化
し、装置の製作コスト高騰原因となる。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明は上記課題を解決する為のコンクリート
の製造方法で、水平状態の混練槽に砂、セメン
ト、混練水を投入して所要時間混練後、前記混練
槽を順次所望する角度に傾斜させて被混練物を槽
内に偏在させた状態で混練し、次いで該混練槽を
水平状態に戻して砂利を投入し、所要時間混練後
該混練槽を再び所望の角度まで傾斜させて混練し
た後排出させることを特徴とするものである。

＜実施例＞ 以下、図面に基づき本発明のコンクリートの製
造方法を詳細に説明する。

第１図は、コンクリート製造方法に用いられる
所謂パンタイプの混練装置を示す一部破断側面図
であり、第２図は同一部破断平面図である。

当該パンタイプの混練装置は架台１上に強制練
り混練槽２を載置して形成されている。

架台１は、所謂固定脚台１１，１１と、可傾脚
台１２，１２から成る。各脚台の数は通常二本づ
つ、所謂四脚により混練槽２を支持する状態とな
つている。

可傾脚台１２，１２は、油圧シリンダー、空圧
シリンダー等の駆動装置によつて上下可動が可能
となつており、又固定脚台１１，１１は混練槽２
と軸承された状態となつている。

一方混練槽２は、その槽底部２１の下面に駆動
用モータＭが設けられ、この駆動用モータＭの回
転により主軸２２を回転させる。この主軸２２か
らはロータ２３，２３…が延出されており、これ
らロータ２３，２３には緩衝装置を介してアーム
２４，２４…が固定されている。更にこのアーム
２４，２４の下方先端には混練羽根２５，２５…
が取付けられている。

すなわち、駆動用モータＭによつて回転するロ
ータ２３，２３に従動して混練羽根２５，２５…
が一定方向に回転し、槽内に投入された被混練物
はこの混練羽根２５，２５…によつて剪断的に混
練される。

又槽底部２１には例えば扇型の排出ゲートＧが
設けられており、この排出ゲートＧがエアシリン
ダーＡにより支点を中心に旋回して開口し、被混
練物が槽外に排出される。

尚排出ゲートＧは上記の如く旋回開口方式に限
定されるものではなく、例えばダンパ式開閉機構
を有するものであつてもよい。

上記構成を有する混練装置の混練工程を説明す
る。

先ず第１図の状態、すなわち可傾脚部１２，１
２の油圧シリンダーを制御し、槽底部２１を水平
状態にして混練槽を配置する。

次いで駆動用モータＭを起動させた後、被混練
物を所定の順序で平均的に投入し、混練羽根２
５，２５…によつて被混練物を混練してゆく。所
定時間混練したのち可傾脚台１２，１２の油圧シ
リンダーを制御して、第３図の一部破断側面図で
示す様に槽底部２１を順次所望する角度に傾斜さ
せてゆく。すると被混練物は混練されながら混練
槽２の一方（第３図では向かつて右側）に移動し
て偏在することになる。

上記傾斜角度は被混練物の量、種類及び混練時
間等より適宜選定される。

斯かる状態において被混練物は混練槽２内の一
方に片寄つている為、混練羽根２５，２５…はこ
の片寄つた（偏在した）被混練物を剪断的に混練
することになり、所謂「共回り現象」を生じさせ
ない。

次いで所定時間混練した後油圧シリンダーを逆
駆動させて槽底部２１が水平状態となるまで混練
槽２を戻す。そして新たな被混練物を投入して所
要時間混練した後再び所望の傾斜状態にして混練
する。そしてエアシリンダー等の駆動装置により
排出ゲートＧを開口して混練した被混練物を混練
槽２外に排出する。

上記の混練工程において、最初に槽底部２１を
傾斜させることにより被混練物「共回り現象」が
解消される。

一方傾斜状態の混練途中で新規な被混練物を投
入すると、偏在状態の被混練物が増大することに
なり、その結果混練羽根２５，２５…にかかる負
荷も大きくなる。

その為上記工程途中において、混練槽を一旦水
平状態にもどしてから新規な被混練物を投入し、
混練羽根２５，２５…にかかる最大負荷、すなわ
ち駆動用モータＭのピーク電流値を小さくしてい
る。

次に本発明のコンクリートの製造方法をより具
体的に説明する。

コンクリートの製造工程に用いられるパンタイ
プの混練装置は、第４図の一部破断側面図で示す
様に混練槽３の上部に各被混練物の投入装置４を
設けている。投入装置４は被混練物の数、種類に
応じて適宜配備される。すなわち、コンクリート
を製造する場合には、配設されたセメントシユー
ト４１と砂シユート４２及び砂利シユート４３，
４３、更に水パイプ４４を経て各計量槽５１，５
２，５３，５４から所定量のセメント、砂、砂
利、混練水が夫々配給される。混練槽３内には、
上述した混練装置を同様に混練羽根２５，２５…
が回転して剪断的混練機能を果すものである。

次に各被混練物の混練工程を、第５図のサイク
ルタイム表に基づいて詳細に説明する。

先ず混練槽３を第４図で示す状態、所謂槽底部
３１を水平の整置状態にしておき、予め計量され
た「混練水」、「セメント」、「砂」、「砂利」の被混
練物を投入装置４の各シユート４２，４２，４
３，４４を介して混練槽２内に投入する。投入順
序としては、先ず「砂」を投入し次いで「セメン
ト」、「混練水」を夫々投入する。この投入開始か
ら終了までの所定時間内を均等に混練する。所定
時間（例えば10sec）混練した後、油圧シリンダ
ーを駆動させて槽底部３１を順次所望の角度まで
傾斜させる。この傾斜状態にて所要時間（例えば
10sec）混練することにより被混練物は槽内で偏
在し、且つ「共回り現象」を起すことなく剪断的
に混練される。

次いで再び可傾脚台１２を駆動させて槽底部３
１を水平状態にもどした後、所要量の「砂利」を
新規に投入して混練を行う。新規に「砂利」を投
入しても混練槽は水平となつているので、上述の
如く混練羽根２５，２５…にかかる負荷は突出的
に増大することはない。

更に上記と同様の手段により槽底部３１を傾斜
させて混練しつつ排出ゲートＧを開口して混練さ
れた被混練物（コンクリート）を槽外へ排出す
る。

以上の工程によつて混練の一サイクルが終了す
る。

上記混練工程を第一回、第二回…と順次繰返し
て行えば、コンクリート製造の連続工程において
「共回り現象」が生ずることなく混練も均一且つ
十分に行われ、好適なスランプ及びフロー値が得
られ、より高い強度を発現するコンクリートが製
造される。しかも混練羽根にかかる負荷も突出的
に増大することはない。

又上記実施例ではパンタイプの混練装置におけ
る混練槽を可傾させたが、２つの混練槽を上下段
に積層した所謂デユアル式の混練装置においても
同様である。すなわち一次混練を受け持つ上段混
練工程と二次混練を受け持つ下段混練工程の何れ
か若しくは両工程とも、混練槽を順次水平・傾
斜、水平・傾斜させて混練させて混練し、且つ排
出することが可能である。

＜発明の効果＞ 以上説明した様に、本発明のコンクリートの製
造方法は混練槽を水平状態にして被混練物を所定
時間に混練した後に、混練槽を所望する角度に傾
斜させて被混練物を混練槽内に偏在させて混練す
ることにより「共回り現象」を排除し、又新規混
練物を投入する際には再び混練槽を水平状態にも
どして混練し、次いで混練槽を傾斜させて混練・
排出するので被混練物は十分且つ均一に混練され
ることとなる。更に混練槽を傾斜させた状態で排
出するので槽内から迅速且つ円滑にコンクリート
を取り出せることになり、混練効率とともに製造
工程の能率を大幅に向上させる。

よつて本発明のコンクリートの製造方法を用い
たミキシングプラントでは、コンクリート製造の
バツチサイクルが短縮されて短時間で安定した品
質のコンクリートを製造できる。

更に又、駆動用モータにかかる負荷も大き過ぎ
ないので装置全体をコンパクト化にでき、且つ製
作コストの低減が図られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に用いられる混練装置の一部
破断側面図、第２図は、同一部破断平面図、第３
図は、混練装置の可傾状態を示す一部破断側面
図、第４図は、コンクリートの混練工程に用いら
れる装置の一部破断側面図、第５図は、コンクリ
ートを混練するサイクルタイム表である。 １……架台、１１，１１……固定脚台、１２…
…可傾脚台、２……混練槽、２１……槽底部、２
５，２５……混練羽根、Ｇ……排出ゲート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被混練物をパンタイプ強制練リ混練槽に投入
   してコンクリートを製造する方法において、 水平状態の混練槽に砂、セメント、混練水を投
   入して所要時間混練後、前記混練槽を順次所望す
   る角度に傾斜させて被混練物を槽内に偏在させた
   状態で混練し、次いで前記混練槽を水平状態にも
   どして砂利を投入し、所要時間混練後、前記混練
   槽を再び傾斜させて混練し、排出させることを特
   徴とするコンクリートの製造方法。