JPS646001Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案の耕耘爪Ａは、第４図に示す様に農耕
機の耕耘軸Ｋに取付けて使用し、耕耘爪Ａの回転
円Ｆに沿つた、打込角度Ｈに対する背角度Ｇに示
す通り殆んど零に近い状態で、未耕土Ｌは裏面Ｅ
に、耕土Ｍは表面Ｄに接して作動するので、耕耘
抵抗が非常に少い両面接土形状を構成しており、
主として稲作収穫後の廃藁や雑草を耕耘と同時打
込みを行い、廃藁を耕土内に還元する手段に関す
るものである。

従来のロータリー耕耘装置に装着して使用する
耕耘爪は我国の全メーカーが標準爪としてナタ爪
を採用しており、耕耘軸の爪配列と間隔を設計さ
れ現在も同様である。

従来のナタ爪は第７図の平面図及第９図に示す
形状で第８図の爪配列状態となり、互に隣り合う
耕耘爪先の回転円はとなりの爪の回転円との間に
僅かなすき間があり廃藁や園芸作物の残桿が入つ
て耕耘軸に巻きつく。又先部が急に曲つて居り、
其の上打込角度Ｈに対する背角度Ｇが大きいの
で、此の部分の刃部及背部に廃藁等が２つ曲りに
なつて引つかゝり、外れにくいのでこれが又巻き
つきの原因となり大量の長い廃藁や園芸作物の残
桿がある場合短時間で農耕機の運転が出来なくな
る。

故に止むを得ず現在は焼却処理をしている。こ
れが為交通機関及び周辺の人畜に煙公害が発生す
ると共に地力低下が叫ばれる様に成り農家の大き
な悩みとなつてゐる。

本考案に依る耕耘爪Ａは此の問題を解決し、省
力的にしかも有益な有機性の堆肥を焼失すること
なく、耕耘と同時打込みを実施出来る様に構成し
た手段を提供しようとするものである。

この考案の耕耘爪Ａを図面に基づいて説明する
と、第１図に於て符号１は取付基部であり、農耕
機の第４図及第９図の耕耘軸Ｋは、機種に依り取
付本数が異るが、必要量取付けて耕耘作業を実施
する。

耕耘爪Ａは右に曲つた右耕耘爪Ａと左に曲つた
左耕耘爪Ａと、左右対照形状の物を具備してお
り、土盛耕か平面耕かに依り耕耘爪Ａの装着配列
を変える事になる。

耕耘爪Ａは取付基部１附近よりなぎなた状にそ
り、耕耘軸Ｋの中芯線に直行する面に対し、側方
に次第に遠ざかる様に曲り乍ら先端に向うに従つ
て大きく曲り、先の方で耕土を耕起する様に捻じ
曲げてある。

第２図、第３図、に示す刃部３の表面Ｄと裏面
Ｅを耕耘爪Ａの回転円Ｆに沿うように彎曲して、
刃部３は両面接土形状を構成しており、背部２と
其のさかいを形成することなく滑らかな面で連な
り、第４図の耕耘爪Ａの断面Ｂ，Ｃを順次連設し
て同時に刃部３と背部２の境界を極めることなく
形成され、裏面Ｅはほぼ表面Ｄに平均に揃つた肉
厚に成つて、刃部３と背部２が接土する形状の耕
耘爪Ａは、回転円Ｆにそつた打込角度Ｈに対する
背角度Ｇが殆ど無いので背部２の表面Ｄに刃部３
の表面Ｄ、が接続した様に出来、矢印の方向に回
転する様に耕耘軸Ｋに取付ける。従つて耕耘爪Ａ
は土壌を切削し乍ら進耕する。

耕耘爪Ａの刃部３の打込角度Ｈに対する背角度
Ｇが回転円に沿つて居り、耕耘抵抗が少く農耕機
に振動が起らないように構成している。

耕耘爪Ａの形状は上述の通りであり爪形状の曲
り、そり、彎曲面、ねじれ、等が回転時に未耕土
Ｌに逆らわない様に滑らかに未耕土Ｌを切削し乍
ら表面Ｄに沿つて耕起する。例へば和犁の犁塊の
様で第３図、第５図のＮ，Ｏで示す耕耘爪体の表
面ＤのＮの位置が犁先でＯにつらなり犁ヘラに相
当して、刃部３、の刃先も犁先の役割をすること
になる。刃部３、の先端は基部附近より先部に到
るすべての部分が耕耘爪Ａに対して接触物が引つ
掛ることなく流れるように後方に角度が引けてい
て、更に両面が接土している為に耕土Ｍと未耕土
Ｆに裏・表で接触している為に起きる摩擦抵抗に
よりその効果は一層増大される。よつて刃部３に
Ｖ字状に引つ掛つた廃藁等は刃部３のＮの方向か
らＯ、の方に向つて滑る様に導かれ、耕土Ｍは反
転し乍ら左右斜後方に耕土Ｍを放擲し廃藁等は土
壌内にすき込んだ状態に埋込まれてゆく。又耕耘
爪Ａは両面接土形状を構成しており、耕耘抵抗が
非常に少くその為に耕耘時の振動が非常に少くな
つた。又現行の耕耘機の耕耘軸を改造することな
く取付が自由である。

此の考案の耕耘爪Ａは更に上述の通り滑らかな
面、そり、曲り、ねじれ等により形成されている
と同時に、第５図、考案の耕耘爪Ａの平面図と第
７図の従来の耕耘爪の平面図を比較してみると異
る様に、刃体Ａは取付基部より耕耘軸の中芯線に
直行する面に次第に遠ざかる様に曲つている為従
来の耕耘爪より曲り巾が大きくなるので従来の爪
と比較して取付けると、第６図、第８図を比較し
た状態になり隣り合う耕耘爪に、爪先回転円が重
なつて回る事になる、廃藁や園芸作物の残桿が重
なりをくぐつて入り耕耘軸Ｋに巻き付くことなく
総て耕土Ｍの下層部に引き込まれて行き、耕土Ｍ
内に埋込んだ状態となる。

この考案は長い廃藁や、園芸作物の残桿が大量
にある圃場を耕耘した時、残桿などは耕耘爪に引
つかからず、耕耘軸にも巻きつかずに耕耘土中に
効果的に打込まれる。又其の時の振動は非常に少
く耕耘抵抗も非常に少く、理想的な耕耘が出来る
事を特徴とする耕耘爪である。

【図面の簡単な説明】

第１図は耕耘爪Ａの側面図、第２図は背面図、
第３図は正面図、第４図は実施例による側面図、
第５図は考案の耕耘爪Ａの平面図、第６図は耕耘
爪の配列図、第７図は従来の耕耘爪の平面図、第
８図は従来の耕耘爪の配列図、第９図は従来の爪
の実施例による側面図。 １……取付基部、２……背部、３……刃部、Ａ
……耕耘爪、Ｂ……基部附近の断面図、Ｃ……先
部の断面、Ｄ……耕耘爪の表面、Ｅ……耕耘爪の
裏面、Ｆ……耕耘爪の回転円、Ｇ……背角度、Ｈ
……打込角度、Ｋ……耕耘軸、Ｌ……未耕土、Ｍ
……耕土、Ｎ……元部、Ｏ……先部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 耕耘爪Ａの取付基部附近よりなぎなた状にそ
   り、耕耘軸の中心線に直交する面に次第に遠ざか
   る様に側方に曲り乍ら、先に向うに従つて大きく
   曲がると同時に、土を耕起する様に捻じ曲げた耕
   耘爪Ａに於いて、刃部３を両面接土状に構成すべ
   く、耕耘爪Ａの爪先回転円に沿つて彎曲した事を
   特徴とする構造。