JPS64556Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 本考案は、トンネル状の炉体内に被焼成物を搬
送するための多数の耐熱金属製のローラを並列し
たローラハースキルンにおけるローラ支持装置に
関する。

近年、被焼成物の焼成装置として、炉体内に両
側の炉壁を貫通する多数のパイプ状をなすローラ
を並列し、このローラの回転によりローラ上に載
置した被焼成物を一方向に搬送しつつ連続的に焼
成するようにしたローラハースキルンが普及して
おり、かかるローラハースキルンにおけるローラ
の支持方法は、ローラが偏心回転しないように、
ローラの長さ方向の両側に夫々テーパ状の先端部
を有する一対の駆動軸と支持軸を同心に設けて、
そのテーパ部をローラ端部の孔内にばね力で押し
付けることによりローラの軸線を両軸の軸線に一
致させて支持するのが一般的であるが、金属製の
ローラをこのように両側から押し付けて支持する
と、金属製のローラは高温に熱せられたときに曲
げ剛性が著しく低下することから、圧縮荷重によ
りローラが湾曲してローラが偏心回転し、搬送面
の高さにバラつきができて被焼成物を整列して搬
送できなかつたり、被焼成物が一本のローラで部
分的に支持されて成品にまがり等の不良が生じる
不具合がある。

このため従来、金属製のローラを支持する場合
には、駆動軸及び回転軸に設けたカツプ形の支持
部材をローラの両側に外嵌めしてピンを挿通する
ことにより結合するようにしていたが、ローラは
付着した煤などを除去するために定期的に取り外
して清掃する必要があり、また、操業中にローラ
が摩耗若しくは湾曲して取替が必要となる事態が
往々にして生ずることから、ローラの取り外し及
び取り付けが簡単にできるようにローラと支持部
材との間に隙間を設けるのが一般的であり、この
ため、ローラの軸線を両軸の軸線に正確に一致さ
せて支持するのが困難となつて、ローラが偏心回
転するおそれがあり、また、取り外し及び取り付
けに際してピンの抜き差しを必要とすることか
ら、その作業に手間が掛かる不具合があつた。

本考案は、叙上の点に鑑み成されたものであつ
て、ローラに軸線方向の圧縮荷重が加わらないよ
うにし、しかも、ローラが偏心回転することがな
いとともにローラの着脱を簡単にできるようにし
てローラ支持装置を提供することを目的とする。

実施例 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。

１，１はトンネル状の炉体の両側の炉壁であつ
て、一方の炉壁１の外側には、細長い箱形の取付
体２が、炉壁１との間に一定間隔をおいてブラケ
ツト３によつて取り付けられており、この取付体
２の外側に、図示しない駆動部材に連結されて循
環走行するチエーン５が配設され、その上側の水
平走行部が、取付体２にブラケツト６で取り付け
られた摺動抵抗の小さい合成樹脂からなるレール
７で支承され、下側の水平走行部が、同じく取付
体２に取り付けられたローラ８で支承されてい
る。

取付体２の両側板には、縦長の長円孔１０，１
０が多数個等間隔で穿設され、夫々の長円孔１
０，１０内には駆動ユニツト１１が取り付けられ
るようになつている。この駆動ユニツト１１を第
２図によつて説明すると、駆動軸となる回転軸１
２が支持筒１３内にベアリング１４，１４を介し
て回転自由に嵌装されており、回転軸１２の一方
の突出端に第４図及び第５図に示すように、ロー
ラ５６に略緊密に嵌合する嵌合孔１６と小径の取
付孔１７とを同心に形成した連結筒１５の前記取
付孔１７が嵌合されてスプリングピン１９で固定
され、その嵌合孔１６の口縁には外周に向けて斜
めに拡がつた案内面２０が形成されているととも
に、嵌合孔１６の外周部に長さ方向に沿つた２本
のすり割２１が形成されており、この嵌合孔１６
内に、第４図に示すように、一対の押圧片２４を
突設した弾性材料からなる保持板２３が、両押圧
片２４をすり割２１内に収容した状態で嵌装さ
れ、その中心孔２６を嵌合孔１６内に突出した回
転軸１２の先端に嵌めてナツト２８で固定されて
おり、両押圧片２４の先端部が夫々内側に屈曲さ
れて常には嵌合孔１６内に突出しているととも
に、両押圧片２４の先端部の対応面に係合突起３
０が突成され、さらに、両押圧片２４の先端に斜
め外方を向く案内部３１が形成されており、ま
た、回転軸１２の他端にチエーンスプロケツト３
３がスプリングピン３４で固定され、連結筒１５
と一方のベアリング１４の間にカラー３６が、ス
プロケツト３３と他方のベアリング１４の間にカ
ラー３７が夫々介挿されて、回転軸１２を軸線方
向の移動不能とした構造になり、この駆動ユニツ
ト１１を、連結筒１５を炉壁１側に向けて長円孔
１０，１０内に挿入し、取付体２の上板に螺合し
た止めねじ３８の先端を支持筒１３の外周の小孔
３９内に嵌入することによつて、駆動ユニツト１
１が取付体２に固定され、各スプロケツト３３が
前記チエーン５の上側の水平走行部に噛合される
ようになつている。

他方の炉壁１の外側には、前記した取付体２と
同様に細長い箱形の取付体４２が、同じく炉壁１
との間に一定間隔をおいて取り付けられ、この取
付体４２の両側板に、多数の円形孔４３，４３が
前記取付体２の長円孔１０，１０と対応する位置
に穿設され、夫々の円形孔４３，４３内に支持ユ
ニツト４５が取り付けられるようになつており、
この支持ユニツト４５は、第３図に示すように、
支持軸４６が支持筒４７内にベアリング４８，４
８を介して回転自由にかつ軸線方向の移動自由に
嵌装され、支持軸４６の一方の突出端に、前記し
た回転軸１２に固定した連結筒１５と同一構造に
なる連結筒１５が固定され、その嵌合孔１６内に
前記したと同一構造になる保持板２３が固定され
ているとともに、支持軸４６の他方の突出端に、
ノブ５０がスプリングピン５１で固定された構造
になり、この支持ユニツト４５を、連結筒１５を
炉壁１側に向けて円形孔４３，４３内に挿入し、
取付体４２の上板に挿通したピン５３の先端を支
持筒４７の外周の小孔５４内に嵌入することによ
つて、支持ユニツト４５が取付体４２に固定さ
れ、各支持軸４６と対応する回転軸１２とが炉壁
１，１を挾んで同心に支持されるようになつてい
る。

また、両側の炉壁１，１には、前記した取付体
２の長円孔１０，１０及び取付体４２の円形孔４
３，４３と対応する位置に、縦長の長円形をなす
挿通孔５５，５５が形成され、対応する両挿通孔
５５，５５内に、パイプ状をなす耐熱金属製のロ
ーラ５６が、両炉壁１，１を貫通して挿通される
ようになつており、各ローラ５６の両端部の外周
面には、第４図に示すように、前記した一対の押
圧片２４に形成した係合突起３０に嵌合する係止
孔５８が２個ずつ穿設されている。

次に、ローラ５６を対応する回転軸１２と支持
軸４６に連結する手順について説明すると、ま
ず、駆動ユニツト１１を一方の取付体２に固定し
た後、ローラ５６を他方の取付体４２の円形孔４
３，４３から両炉壁１，１の挿通孔５５，５５内
に挿通して、回転軸１２に固定した連結筒１５に
向けて押し込むのであるが、このとき、ローラ５
６と連結筒１５の軸線が一致していない場合で
も、ローラ５６の先端面が押圧片２４の案内部３
１に当つてこれを外側に逃がすとともに、嵌合孔
１６の口縁の案内面２０に当つてそれに沿つて進
むことによりローラ５６の芯出しが自動的に行な
われ、ローラ５６の一端が、一対の押圧片２４を
弾力に抗してすり割２１内で外側に拡げつつ嵌合
孔１６に嵌合されて、押圧片２４の復元弾力で係
合突起３０が係止孔５８内に嵌入することによつ
て固定され、続いて、支持ユニツト４５を他方の
取付体４２に固定して、ノブ５０を掴んで支持軸
４６をローラ５６に向けて押し込むと、支持軸４
６に固定した連結筒１５がローラ５６の他端の先
端面に押し付けられ、前記したと同様に、案内面
２０によつてローラ５６が自動的に芯出しされた
後、ローラ５６の他端が押圧片２４を押し拡げつ
つ嵌合孔１６に嵌合されて、係合突起３０が係止
孔５８内に嵌入することによつて固定され、ロー
ラ５６は、その軸線を対応する回転軸１２と支持
軸４６の軸線と一致させ、かつ、その両端を連結
筒１５の嵌合孔１６に略緊密に嵌合して固定され
た状態で支持される。

そして、チエーン５を循環走行させることによ
つてチエーンスプロケツト３３を介して各回転軸
１２が回転し、連結筒１５によつて一端を固定さ
れたローラ５６が回転駆動され、さらに、ローラ
５６の他端に連結筒１５で固定された支持軸４６
が連れ回りし、ローラ５６上に載置された被焼成
物が炉体内を一方向に搬送されつつ連続的に焼成
されるのであるが、前記したように、ローラ５６
は、その両端を回転軸１２及び支持軸４６に固定
した連結筒１５に押圧片２４を介して結合するこ
とにより支持されているため、ローラ５６に軸線
方向の圧縮荷重が加わることがなく、しかも、ロ
ーラ５６は連結筒１５の嵌合孔１６内に略緊密に
嵌合されているため、その軸線を両軸１２，４６
の軸線と略一致させて支持されており、偏心回転
が防止されて各ローラ５６の上面の高さを一定の
レベルに維持でき、また、ローラ５６が熱膨張に
よつて長さ方向に伸びた場合にも、支持軸４６が
押されて外側に逃げ、ローラ５６に圧縮荷重が加
わるのが防止される。

また、ローラ５６を取り外す場合には、支持軸
４６側の炉壁１から突出したローラ５６の他端部
を押えながらノブ５０を掴んで支持軸４６を引張
ると、押圧片２４がすり割２１内で外側に拡がつ
て係合突起３０が係止孔５８から離脱することに
より、支持軸４６がローラ５６の他端から外れ、
続いてピン５３を抜いて支持ユニツト４５全体を
水平に抜き出した後ローラ５６の他端を引張る
と、同じように、ローラ５６の一端が回転軸１２
から外れるため、ローラ５６をそのまま円形孔４
３，４３を通して抜き出すことができる。なお、
本実施例では、ローラ５６を駆動側からも簡単に
取り外すことができ、この場合は、止めねじ３８
を緩めて駆動ユニツト１１を外し、回転軸１２側
の炉壁１から突出したローラ５６の一端部を押え
ておいて、駆動ユニツト１１全体を、スプロケツ
ト３３をチエーン５から外すようにして長円孔１
０内で持ち上げながら引張ることにより、回転軸
１２をローラ５６の一端から外し、駆動ユニツト
１１を抜き出した後ローラ５６の一端を引張るこ
とによつて、その他端を、ノブ５０をベアリング
４８に衝き当てて移動不能となつた支持軸４６か
ら外し、ローラ５６を長円孔１０を通して抜くよ
うにすればよい。

考案の構成及び効果 上記実施例によつて具体的に説明したように、
本考案のローラハースキルンのローラ支持装置
は、トンネル状の炉体内に両側の炉壁を貫通する
多数の耐熱金属製のローラを並列し、該ローラの
回転により該ローラ上に載置した被焼成物を一方
向に搬送しつつ連続的に焼成するようにしたロー
ラハースキルンのローラ支持装置において、一方
の前記炉壁の外側に、駆動機構に連結される多数
の回転軸を回転のみを自由に軸支し、他方の前記
炉壁の外側に、前記各回転軸と同心で互いに対を
成す支持軸を回転自由にかつ軸線方向の移動自由
に軸支し、該両軸の対応する先端に、前記ローラ
に略緊密に嵌合する嵌合孔を有しかつ長さ方向に
すり割を形成した連結筒を設け、該連結筒に、前
記すり割内に収容されかつ前記嵌合孔内に突出す
る一対の弾性材料からなる押圧片を取り付けて、
該両押圧片の先端の対応面に係合突起を突設する
とともに、前記ローラの両端の外周面に前記係合
突起に嵌合する係止孔を穿設し、前記ローラの両
端を前記連結筒の前記嵌合孔に前記両押圧片を弾
拡しつつ嵌合して、前記係合突起を前記係止孔に
嵌入することにより、前記ローラを前記両軸に着
脱自由に結合したことを要旨とするものであつ
て、ローラの両端を、同心に配置された回転軸と
支持軸の対応する先端に設けた連結筒の嵌合孔に
略緊密に嵌合して結合するようにしたから、ロー
ラを軸線方向の圧縮荷重が加わることなく支持す
ることができてローラの湾曲を防止でき、なおか
つ、ローラの軸線を両軸の軸線に略一致させて支
持することができて、ローラの上面の高さを一定
のレベルに維持することができるため、被焼成物
を確実に整列して搬送することができるととも
に、成品にまがり等の不良が生じるのを防止で
き、また、ローラと回転軸若しくは支持軸を押圧
片の弾力に抗して軸線方向に相対的に引張ること
により、ローラを回転軸若しくは支持軸から簡単
に引き抜け、逆に、相対的に押し込むことにより
押圧片を介して簡単に固定することができるた
め、ローラの取替作業を迅速に行なうことがで
き、さらに、ローラが熱膨張した場合にも、支持
軸が軸方向へ逃げることによつてローラに圧縮荷
重が加わるのを回避し得る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るローラハース
キルンの一部切欠外観斜視図、第２図はローラの
駆動側端部の支持構造を示す断面図、第３図はそ
の従動側端部の支持構造を示す断面図、第４図は
ローラと回転軸若しくは支持軸との連結部分の分
解斜視図、第５図はローラと回転軸の連結部分の
拡大断面図である。 １……炉壁、５……チエーン、１２……回転
軸、１５……連結筒、１６……嵌合孔、２０……
案内面、２１……すり割、２４……押圧片、３０
……係合突起、３１……案内部、４６……支持
軸、５６……ローラ、５８……係止孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ トンネル状の炉体内に両側の炉壁を貫通する
   多数の耐熱金属製のローラを並列し、該ローラ
   の回転により該ローラ上に載置した被焼成物を
   一方向に搬送しつつ連続的に焼成するようにし
   たローラハースキルンのローラ支持装置におい
   て、一方の前記炉壁の外側に、駆動機構に連結
   される多数の回転軸を回転のみを自由に軸支
   し、他方の前記炉壁の外側に、前記各回転軸と
   同心で互いに対を成す支持軸を回転自由にかつ
   軸線方向の移動自由に軸支し、該両軸の対応す
   る先端に、前記ローラに略緊密に嵌合する嵌合
   孔を有しかつ長さ方向にすり割を形成した連結
   筒を設け、該連結筒に、前記すり割内に収容さ
   れかつ前記嵌合孔内に突出する一対の弾性材料
   からなる押圧片を取り付けて、該両押圧片の先
   端の対応面に係合突起を突設するとともに、前
   記ローラの両端の外周面に前記係合突起に嵌合
   する係止孔を穿設し、前記ローラの両端を前記
   連結筒の前記嵌合孔に前記両押圧片を弾拡しつ
   つ嵌合して、前記係合突起を前記係止孔に嵌入
   することにより、前記ローラを前記両軸に着脱
   自由に結合したことを特徴とするローラハース
   キルンのローラ支持装置。 ２ 前記連結筒が前記嵌合孔の口縁に外側に傾斜
   した案内面を有するとともに、前記一対の押圧
   片が夫々の先端に外側に傾斜した案内部を有す
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のローラハースキルンのローラ支持装
   置。