JPS645410B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、相分離母線の中間に接続される圧
縮ガスしや断器に関するもので、しや断時に発生
するアークにさらされた分解ガスによる固体絶縁
物の劣化を防止するようにした消弧室構造に関す
るものである。

しや断器技術の向上にともない、近年大容量の
発電機回路に適用可能なしや断器が製作されるよ
うになつてきた。発電機回路に適用するしや断器
としては相分離母線と容易に接続できる構造であ
ることが大切であり、投入・しや断の動作時に発
生する機械的衝撃力を考えると、相分離母線の設
置されている床面に水平に配置できる構造になつ
ているのが好ましい。また、大電流の相分離母線
に適用する場合は容易に冷却ができる構造になつ
ている必要があり、第１図に示すように、相分離
母線の冷却風で、しや断器部を冷却できる方式が
簡単で一般的である。

相分離母線の冷却風によりしや断器部を冷却す
る方式の場合、しや断器の消弧室部は絶縁物によ
つて立地電位より支持される構造になり、圧力容
器内に圧縮ガスが封入されたしや断器では開路状
態における極間の電気的絶縁は固体絶縁物により
維持される方式になる。このような構造の消弧室
ではしや断時に発生する高温の分解ガスにより、
固体絶縁物の内表面が劣化し、最後には開路時の
極間絶縁に耐えられなくなる恐れがあつた。

以下に、従来の消弧室構造について述べると、
第１図に示すように、相分離母線と接続されたし
や断器の外被１内に、相分離母線の主回路導体と
接続される端子２，２９をそれぞれ両端に有する
消弧室部は絶縁物３，２２により大地電位より絶
縁支持されている。消弧装置部は内部に圧縮ガス
を封入した筒状絶縁物４内に内蔵され、絶縁物は
開路時の極間耐圧を維持する。絶縁物内に収納さ
れたしや断部の固定側は固定側アーク接触子５、
固定側通電接触子６よりなるしや断動作により圧
縮されたガスをアーク接触子５に吹付るためのガ
イド７を具え、可動側は可動側アーク接触子８、
しや断動作によりピストン１１と共働して内部の
ガスをアーク接触子に吹付けるシリンダ形の通電
用の可動接触子９を具えている。可動側アーク接
触子８は内部にガス流通路１２を有するロツド１
３の先端にロツドと一体に形成されている。内部
にガスが封入され、主回路の電流路も兼ねている
圧力容器１４内にロツド１３が収納され、容器１
４の先端には可動接触子９の外周に接触して通電
路の一部となる通電接触子１０が取付けてある。
ロツド１３の後端はピン１８でリンク１５の先端
に枢着され、リンク１５の後端はピン１９でレバ
ー１６の一端に、レバー１６の他端はピン２１で
可動接触子を操作する絶縁ロツド１７に枢着され
ている。絶縁ロツド１７は絶縁物２２内を延長
し、内部ガスと大気と絶縁するメカニカルシール
を有する圧力容器２３に対し、ピン２４，２６、
レバー２５，２７を介し、外部にある可動接触子
を駆動する操作装置２８に接続されている。

以上のように構成された従来のしや断器は第１
図に示すしや断器投入位置で、しや断動作により
可動接触子９が図面右方向に移動し、接触子９の
内部のガスが圧縮され、アーク接触子部に吹付け
られると、そのアークにさらされた圧縮ガスはガ
ス流路１２を通つて、圧力容器１４内に吹出され
るものと、絶縁容器４内に直接吹出されるものに
分れる。

以上の従来のしや断器ではアークにさらされた
温ガスは分解生成分と共に絶縁容器４の内部に
吹出され、絶縁物内面に当り長期の使用中にはこ
の内面が浸食され劣化し、これが進展すると開路
時の絶縁が保てないのみならず圧力容器としての
性能をも損なう結果になる欠点があつた。

この発明は以上のような従来装置の欠点を改善
することを目的とし、消弧装置部を金属容器内に
配置し、しや断時の温ガスが絶縁物に直接当ら
ないようにし、長期の使用に耐えうるしや断器を
提供しているものである。

以下に、図示する実施例に関してこの発明を説
明する。第２及び３図に示す実施例で、第２図は
しや断器投入位置を示し、第３図は開路位置を示
しているが、以下に説明する部分以外は第１図に
示す従来のものと同一構造であるから同等部分に
は同一数字の符号をつけ、説明は省略する。この
発明ではしや断時の温ガスを吹出させるための
金属容器３０を設け、これを主回路の通電路も兼
ねさせるように固定側においてアーク接触子５に
接続し、接触子５に金属容器３０内に通ずる窓３
１を設けている。更に金属容器３０と同様に通電
路を兼ねた金属容器３２を絶縁物４と金属容器３
０との間に置き、これには高温の分解ガスと分解
生成分が絶縁物４内へ流入するのを防ぐ絶縁物か
らなる突起３３をその内周に設け、突起３３は内
向きに突出し、可動接触子９の外周との半径方向
すきまを小さくして可動接触子９と摺動するよう
にしうる。

このような構造にすることによつて、しや断時
のアークにさらされた高温の分解ガスが、絶縁物
容器４の内面に直接触れるのと分解生成分物の堆
積を避けることが出来、絶縁物の寿命を半永久的
にすることが期待できる。

また、突起と可動接触子とのすきまを小さくす
ると、可動接触子上に付着するごみを除去するこ
とができ、可動接触子が固定接触子との良好な通
電状態を維持しうる効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の相分離母線直結用の圧縮ガスし
や断器の投入位置における断面図、第２図はこの
発明によるしや断器の投入位置における断面図、
第３図は第２図のしや断器の開路位置を示す断面
図である。 １……しや断器外被、２，２９……端子、３，
４，２２……絶縁物、５……固定側アーク接触
子、６……通電接触子、７……ガイド、８……可
動側アーク接触子、９……可動接触子、１０……
通電接触子、１１……ピストン、１２……ガス流
通路、１３……ロツド、１４……圧力容器、１５
……リンク、１６……レバー、１７……絶縁ロツ
ド、１８，１９，２０，２１，２４，２６……ピ
ン、２３……圧力容器、２５，２７……レバー、
２８……操作装置、３０，３２……金属容器、３
１……窓、３３……絶縁物からなる突起。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 大電流相分離母線間に設けられたしや断器の
   消弧装置部周囲に配設された金属容器、該金属容
   器と接続し、上記消弧装置部以外のしや断器周囲
   に設けられ内部の圧縮ガスと共に上記母線間の極
   間絶縁を維持する筒状絶縁物、上記金属容器に設
   けられ、上記しや断器のしや断動作中に発生する
   アークにより分解された上記圧縮ガスが上記筒状
   絶縁物に達するのを防止する突起を備えた相分離
   母線直結用の圧縮ガスしや断器。