JPS645271Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は地板に関するものである。

従来上ケースと下ケースとよりなる地板を組み
立てる際、一方のケースから柱を立設し、他方の
ケースの孔に柱の先端を嵌合することにより両ケ
ースの相対的な位置を合わせ、ねじを柱にねじ込
むことにより離脱不能に連結していた。しかし近
来上、下ケースをそのまま外装枠とする場合があ
り、双方の外周の接合をぴつたりと合わせること
が要求された。そこで従来の柱による位置合わせ
に頼ると、外周で不揃いとなる不都合が生じた。

そこで本考案の目的は、常に上，下ケースの外
周における接合部をぴつたりと一致させることで
あり、上，下ケースの相対的な位置関係を常に一
定させて、正しい輪列の組込みを可能とすること
にある。

本考案の構成の特徴は、上，下ケースの対接す
る端面に段差を設けてその立上り面で両ケースを
嵌合させ、両ケースの隣り合う二つの側面を他の
二つの側面より肉厚とし、この肉厚の側面におけ
る立上り面を基準面としたところにある。

本考案の一実施例について説明する。第１，２
図において、上ケース１と下ケース２とが対向し
外周の側面の端面で接合して地板を構成してい
る。両ケースの四つの側面１ａ，１ｂ，１ｃ，１
ｄおよび２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄの互に対向する
端面には段差が設けてあり、この例では上ケース
１においては外側が内側より長く、このためにこ
の段差による立上り面３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄは
内方へ向つている。また下ケース２においては外
側が内側より短く、このためにこの段差による立
上り面４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄは外方へ向つてい
る。したがつて上，下ケースはこの段差の立上り
面３ａ〜３ｄ，４ａ〜４ｄで嵌合合体している。

上ケース１および下ケース２において、隣り合
う二つの側面１ａ，１ｂと２ａ，２ｂは他の二つ
の側面１ｃ，１ｄと２ｃ，２ｄよりも肉厚に形成
してある。このために側面１ａ，１ｂ，２ａ，２
ｂは剛く、側面１ｃ，１ｄ，２ｃ，２ｄは比較的
軟らかい構成となる。これにより剛性の側面１
ａ，１ｂ，２ａ，２ｂにおける立上り面３ａ，３
ｂ，４ａ，４ｂが基準面となり、軟性の側面１
ｃ，１ｄ，２ｃ，２ｄにおける立上り面３ｃ，３
ｄ，４ｃ，４ｄはわずかの成形誤差を吸収してぴ
つたりと接合する。

上ケース１と下ケース２との間には時計輪列
５、モータ６が組込まれる。両ケースには多数の
軸受７および支持柱８などが形成されるが、それ
らの位置はすべて基準面である立上り面３ａ，３
ｂ，４ａ，４ｂから位置出しが行われている。

上ケース１と下ケース２との適宜の側面この例
では側面１ａ，１ｃと２ａ，２ｃとには、係止部
９ａ，１０ａと被係止部９ｂ，１０ｂが形成して
あり、相互に係止して離脱不能となつている。

このような構成であるので、組立てに際しては
まず剛い構造である側面１ａ，２ａおよび１ｂ，
２ｂの基準面である立上り面３ａと４ａおよび３
ｂと４ｂとを接合させた後で、軟い構造である側
面１ｃ，２ｃおよび１ｄ，２ｄの立上り面３ｃと
４ｃおよび３ｄと４ｄとを嵌合させる。外周寸法
に若干の寸法誤差があつても、立上り面３ｃ，４
ｃおよび３ｄ，４ｄにおいて吸収されるので基準
面に影響がおよぶことなく、したがつて輪列は正
しく軸受される。係止部９ａ，１０ａと被係止部
９ｂ，１０ｂが係止することにより、上ケース１
と下ケース２とはもはや離脱不能となる。

このように本考案によれば、上，下ケースの外
周における接合部はぴつたりと一致し、上，下ケ
ースの相対的な位置関係は基準面によつて常に一
定に保たれ、正しい輪列の組込みが可能であり、
構造が簡単で安価に提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は一部切欠平面図、第２図は第１図−線断面
図である。 １……上ケース、２……下ケース、１ａ，１
ｂ，１ｃ，１ｄ，２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ……側
面、３ａ，３ｂ，４ａ，４ｂ……基準面である立
上り面、３ｃ，３ｄ，４ａ，４ｄ……立上り面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 地板を構成する上ケースと下ケースとの対接す
   る端面に段差を設けてこの段差の立上り面で両ケ
   ースを嵌合合体させ、 上記上ケースおよび下ケースにおける隣り合う
   二つの側面を他の二つの側面よりも肉厚として剛
   体に構成し、 この肉厚の側面における立上り面を基準面とし
   たことを特徴とする地板。