JPS645243Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は多相流体の通路に沿つて取付け、多相
流体中の特定物質の濃度等を静電容量の変化によ
つて測定する静電容量式測定装置に関する。

［従来の技術］ 掘削中の原油採集において原油に混入している
水分の量、重油と微粉炭との混合燃料（COM）
中の微粉炭の混合比あるいは粉体気相における粉
体濃度等は、流体通路壁に静電容量検出部を設
け、この検出部によつて得られる静電容量の変化
により、オンラインで連続的に測定している。

かかる静電容量式測定装置において、従来、金
属電極を金属製導管から電気的に絶縁して直接流
体に接触させたり、あるいは電気的絶縁材料製の
導管の外壁に金属電極を取付けて、電極と流体と
を接触させないようにして静電容量の変化を検知
している。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、従来のこれらの静電容量式測定
装置にあつては、それぞれ次に示すような欠点が
あつた。すなわち、金属電極に流体を直接に接触
させると、石油や微粉炭等の混入している流体の
場合に電気火花による爆発の危険性があり、また
金属電極の形状や取付構造によつては流体中の固
形分による導管の閉塞の虞れもある。

また、電気的絶縁材料を用いて導管を形成し、
金属電極が流体には直接に接触することがないよ
うにする場合には、固体と液体との混合流体や固
体と気体との混合流体の輸送が一般に高温高圧の
状態で行なわれるので、電気的絶縁材料を用いた
導管の機械的強度に問題があつた。

本考案の目的は、上述した欠点を除去して、機
械的強度の十分な金属製導管に配設し、しかも防
爆性があり粉体の閉塞等の虞れのない静電容量式
測定装置を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ このような目的を達成するために、本考案は、
多相流体を輸送する金属製導管と、この金属製導
管の半径方向に沿つて前記金属製導管に穿設され
た取付孔と、前記金属製導管の取付孔内に固着さ
れた電気絶縁体と、この電気絶縁体の内部に埋設
された金属電極とを備え、前記電気絶縁体の内壁
面の形状を前記金属製導管と同一形状、同一寸法
に形成して、前記金属製導管と前記金属電極との
間の静電容量を測定することを特徴とする。

［実施例］ 以下に図面に基づいて本考案を説明する。

第１図ＡおよびＢは本考案を適用した静電容量
式濃度測定装置の一実施例を示すものである。こ
こで、１は静電容量を検出する金属電極であり、
２は金属電極１から静電容量を電気信号として取
出すリード線である。３は流体通路４を形成して
いる金属製の導管であり、導管３には金属電極１
を設けるための取付孔５を穿設しておく。６は電
気絶縁体であり、電気絶縁体６に金属電極１を埋
設する。また、電気絶縁体６の形状を取付孔５の
形状に合わせるようになし、更に絶縁体６の一方
の端部が流路４の一部を形成するようになし、し
かもその形状を導管３の内壁と同一形状、同一寸
法となす、これにより流体流路の障害とならない
ようにしておく。電気絶縁体６の材料としては、
耐熱性がありしかも機械的強度の優れている例え
ばセラミツクス等を用いるのが好適である。７は
このようにして形成した絶縁体６を取付孔５に固
着する接合材であり、例えばろう付け等により高
温高圧下においても流体が導管３から漏洩するよ
うなことのないようにする。

次に、このように構成した静電容量式濃度測定
装置における流体中の対象物の濃度測定について
説明する。

このような測定装置を設けた導管３の流体通路
４に多相流体が流れると、多相流体における異な
る相の物質の混合状態によつて、金属電極１と金
属導管３との静電容量が変化する。このことは、
流体中に含まれる測定対象物質の比誘電率が測定
対象物質の流体中に占める割合（濃度）によつて
変化することによる。

すなわち、測定対象物質の濃度が増すと、それ
に応じて流体の比誘電率も増加若しくは減少し、
従つてこの比誘電率の変化により金属電極１と金
属導管３との間の静電容量が変化するものであ
る。

よつて、予め測定対象物質の濃度に対応した電
極１と導管３との間の静電容量の値を求めておけ
ば、金属電極１から静電容量に関する情報を電気
信号として得ることができ、以て濃度測定を行う
ことができる。

第２図ＡおよびＢは本考案の他の実施例を示す
もので、以下で第１図ＡおよびＢと同様の個所に
は同一符号を用いる。

本例においても第１図ＡおよびＢに示した例と
同様にして、金属電極１をリード線２と共に電気
絶縁体６中に埋設する。１３は金属導管３とは別
体に形成した電極ケースである。本例では、ケー
ス１３を導管３に設けた取付孔１４に合わせて例
えば溶接により取付ける。よつて、ケース１３お
よび導管３の内壁形状に合わせて形成しておいた
電気絶縁体６をケース１３に嵌め込み接合材７に
よつて接合する。ここで電気絶縁体６および接合
材７の材質については前述した例と変わるところ
がない。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案においては、多相
流体を輸送する金属製導管の半径方向に沿つてこ
の金属製導管に取付孔が穿設され、この取付孔内
に電気絶縁体が固着され、この電気絶縁体の内部
に金属電極が埋設され、金属製導管と金属電極と
の間の静電容量が測定される。

従つて、このような本考案によれば、多相流体
を輸送する金属製導管自身を測定電極の１つとし
て兼用可能になるので、測定電極として２つの金
属電極を設ける必要がなくなり、その結果測定装
置の構成が簡単化し、それゆえ製作が容易になる
と共に部品点数が減少すると言う効果が奏され
る。

また、電気絶縁体の流体に接触する側の形状を
流体通路に合わせて形成したので、流体通路に沿
つて流れる流体の障害となるものがなく、従つて
流体中の固体によつて流体通路が閉塞されるよう
なことがない。

更にまた、電気絶縁体は導管の一部若しくは導
管に取付けたケースに、ろう付け等により密接か
つ強固に固着するので、高温高圧の下で行われる
輸送等においても破損するような虞れがなく、従
つて流体洩れの心配がない。

なお、以上の説明では本考案を静電容量式濃度
測定装置として述べてきたが、本考案の応用はか
かる濃度測定装置に限られるものではなく、静電
容量の変化により粉体の質量や流量を測定する装
置や、粉体輸送の際に粉体が送られていることを
確認する検知装置または粉体による閉塞の発生を
検知する装置等の各種測定装置に広く適用するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ＡおよびＢは本考案による静電容量式濃
度測定装置の構成の一例を示すそれぞれ横断面図
および縦断面図、第２図ＡおよびＢは本考案の他
の実施例による静電容量式濃度測定装置の構成の
一例を示すそれぞれ横断面図および縦断面図であ
る。 １……金属電極、２……リード線、３……導
管、４……流体通路、５……取付孔、６……電気
絶縁体、７……接合材、１３……ケース、１４…
…取付孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 多相流体を輸送する金属製導管と、 該金属製導管の半径方向に沿つて当該金属製導
   管に穿設された取付孔と、 前記金属製導管の取付孔内に固着された電気絶
   縁体と、 該電気絶縁体の内部に埋設された金属電極と、 を備え、前記電気絶縁体の内壁面の形状を前記金
   属製導管と同一形状、同一寸法に形成して、前記
   金属製導管と前記金属電極との間の静電容量を測
   定するようにしたことを特徴とする静電容量式測
   定装置。