JPS644935Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、濾過された濾水を無気泡水と成し
て、極めて効率的に地中へ注入浸透できる処理装
置に関する。

例年の如く発生する豪雨、大雨等による水害に
よつて河川の氾濫、崖崩れ、田畠、道路の冠水、
一般家屋への浸水等によつて生じる莫大な損害と
その復旧作業は大いなる損失となつて国家、及び
地方財政を圧迫し続けている。

特に近年都市近辺に人口が集中し、従来自然の
貯水池であつた水田、農業用水池等が次々に宅地
化され、多数保有していた中、小河川の水路を埋
め立てて自動車道路等に変換する等の結果、降雨
水は一挙に都市下水道を通じて下流に集中し都市
中心部にかつて無かつた、道路の冠水、家屋の浸
水等が発生する原因となつていることは周知の通
りであるが、未だに雨水処理の決定的な対策は確
立されていない。

本考案は前述の雨水処理に関し、唯、単に井筒
内に放水するだけでは、水中に多くの気泡が生
じ、その気泡が地中のみずみちに詰り、其の結果
数刻を経ずして濾過水の地中注入が不可能となる
現象を発見し、研究、実験の結果、本考案に至つ
たものであり極めて合理性の高い実用的な創案の
提供である。

以下図面に基づいて詳述する。

第１図は本考案の実施例の斜視説明図であり、
第２図はその断面図である。

浸透井筒１内周の適宜な位置へ係止リング２を
設け、該リング２上部へ該リング２の内径より大
きい径の係止円板３を濾水導入管４の中間部位外
周へ固着せしめ挿設し、該導入管４と浸透井筒１
の間隙部５へ径と高さを有し内部を中空とした円
筒形状の浮子６を上下動自在と成る如く係止円板
３上へ挿載置して、筒状浮子と浸透井筒の空隙部
７へ設ける用に構成したもので、係止円板３はド
ーナツ状とし内径へ濾水導入管４を貫通させて固
定し、下面を独楽状体８として係止リング２内へ
挿入し、該リング２上と係止円板３との間は洩水
防止用のパツキン９を介して設置する。次いで浸
透井筒１と濾水導入管４との間隙部５の係止円板
３上へ、筒状浮子６の内周面へ濾水導入管４が密
着状態に、かつ、上下動が円滑に行える様にスリ
ーブを挿入して載置する。

続いて筒状浮子６と浸透井筒１との空隙部７へ
別体の濾過装置で濾過した濾水を導入口１０より
導入して筒状浮子６を浮きあがらせ、濾水導入管
４の筒状浮子６が接した部位へ多数の小孔を穿つ
た多孔部１１より濾水を濾水導入管４内に注入し
て該導入管４の下端部より浸透井筒１内へ放出す
る。以上の如く構成した装置である。

導入口より導入した濾水が井筒内に設けた筒状
浮子を浮上させ井筒の中央部に挿設した濾水導入
管の多孔部を通うつて該導入管より井筒下部に放
出されるのであつて、現今まで行われている井筒
内へ直接に恰も滝の如く放水される方法ではなく
本装置によつて極めて穏やかに井筒内へ無気泡水
として注水され、従来の様に地中の「みずみち」
を気泡によつて塞ぐことなく、経年変化の少ない
計り知れない効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施装置の斜視説明図であ
り、第２図はその要部を説明するための断面図で
ある。 １……浸透井筒、２……係止リング、３……係
止円板、４……濾水導入管、５……間隙部、６…
…筒状浮子、７……空隙部、８……独楽状体、９
……パツキン、１０……濾水導入口、１１……多
孔部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 別体の濾過装置にて濾水と成した雨水、溜水等
   を堅牢な地下浸透井筒を埋設し地中へ注入浸透せ
   しめる装置において、 浸透井筒内周の適宜な位置へ係止リングを設
   け、該リング上部へ該リングの内径より大きい径
   の係止円板を濾水導入管の中間部位外周へ固着せ
   しめ挿設し、該導入管と浸透井筒の間隙部へ径と
   高さを有し内部を中空とした円筒形状の浮子を上
   下動自在と成る如く係止円板上へ挿載置し、筒状
   浮子と浸透井筒の空隙部へ濾過装置より濾水を導
   入して筒状浮子を浮上させて、濾水導入管に穿つ
   た多孔部より該導入管内へ注入し、該導入管下端
   部より浸透井筒内へ無気泡濾水と成して放出せし
   めることを特徴とする浸透井筒内気泡浸入防止装
   置。