JPS644766Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は棒鋼をコイル状に巻取るための棒鋼巻
取用リーラに関する。

従来、リーラにおいて問題となつているのは、
芯部に棒鋼をコイル状に巻回した後、そのコイル
を芯部から抜き出す際に、その芯部との摩擦によ
りコイルに掻き傷がつきやすいということであ
る。そこでかかる問題点を解消するため、芯部と
して所定の円に沿つて適当間隔ごとに配列される
と共にその円の半径方向に沿つて回動自在な複数
の棒鋼支持棒を設け、該各支持棒をその上端が内
方向へ向かうように付勢するばねを設け、棒鋼の
巻取りの際には、その各棒鋼支持棒を回転させ
て、その遠心力により各支持棒をばねに抗して外
方へ若干広げるようにすることが考えられてい
る。この構成によると、巻取後、各支持棒の回転
を止めると、ばねにより各支持棒が内方向へ移動
して、コイルとの間に間隔が生じるから、コイル
を各支持棒から抜き出す際に、そのコイルが各支
持棒により傷つけられることはない。しかし、そ
の反面、各支持棒が下端部のみ支持され上端部は
まつたく支持されておらず、しかも各支持棒の回
動量は少しだけであるので、その調整をすること
が困難で、各支持棒の回動量が多すぎたり、少な
すぎたりしやすいものである。そしてその回動量
が多いときには、コイルが上広がりのテーパー状
となり、またその回動量が少ないときには、コイ
ルが抜き出しの際に各支持棒により傷つけられる
おそれがある。

そこで本考案はかかる問題点を解消した棒鋼巻
取用リーラを提供するものであつて、その特徴と
するところは、回転駆動装置により垂直軸心回わ
りで回転させられる回転台を設け、基端部が回転
台にこの回転台の半径方向に沿つて回動自在に支
持されると共に所定の円に沿つて適当間隔ごとに
配列されかつ前記基端部近傍で「く」の字形に折
れ曲がつて上方に延びる支持部を有するととも
に、回転台静止時に自重により内方へ回動する複
数の棒鋼支持棒を設け、各棒鋼支持棒の上端に形
成された長穴に挿通されて前記棒鋼支持棒と連結
される連結ピンを有し、かつ回転台回動時に各棒
鋼支持棒が遠心力を受けて外方へ回動する各棒鋼
支持棒の棒鋼巻取り姿勢を前記長穴に係合する連
結ピンにより維持する連結体を設け、各棒鋼支持
棒の外側に巻取られた棒鋼を支持するリング状棒
鋼支持台を昇降自在に設け、該棒鋼支持台を昇降
させる昇降駆動装置を設けたことにあり、かかる
構成によれば、各棒鋼支持棒の回動量は各棒鋼支
持棒の上端に形成された長穴に挿通した連結体の
により規制され、各棒鋼支持棒が外方へ広がりす
ぎることはなく、棒鋼からなるコイルが上広がり
のテーパ状になることはない。また回転台の回転
を停止させると、各棒鋼支持棒が自重により内方
向へ回動し、コイルとの間に間隙が生じるから、
コイルを抜き出す際に、このコイルが各棒鋼支持
棒により傷つけられるおそれもない。

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。１は上方固定円筒２に軸受３を介して垂直軸
心回わりで回転自在に支持されたボス、４は該ボ
ス１内に挿通された垂直軸、５は上方固定円筒２
の下方において該上方固定円筒２と同心状に配設
された下方固定円筒６内に昇降自在に配設される
と共に垂直軸４の下端小径部に軸受７を介して取
付けられたスライダ、８は本体が下方固定円筒６
の下端に固定されると共にピストンロツド先端が
スライダ５に連結された油圧シリンダ、９は中央
の貫通穴が垂直軸４の上端に回転自在に外嵌する
と共にボス１上に載置された回転台、１０は回転
台９上にボルト止めされた外筒、１１は下端が回
転台９のブラケツト１２に回転台９の半径方向に
沿つて回動自在にピン１３連結されると共に上端
が回転台９の貫通穴１４を通つて上方へのびかつ
所定の円に沿つて適当間隔ごとに配列された複数
（この実施例では６本）の棒鋼支持棒であつて、
下端部近傍において「く」の字形に折れ曲がつて
おり、自重により内方向（矢印Ａ方向）へ回動す
るように構成してある。１５は連結リングであつ
て、その外周面に突設した各一対のブラケツト１
５Ａ間には上記各棒鋼支持棒１１の上端が挿入さ
れている。１６は各棒鋼支持棒１１の上端に形成
された長穴１７に挿入されると共に両端が上記ブ
ラケツト１５Ａに支持された連結ピン、１８は回
転台９を貫通する複数（この実施例では４本）の
貫通ピンであつて、この貫通ピン１８の上端小径
部にはスリーブをナツト止めしてある。１９は貫
通穴が上記各貫通ピン１８に昇降自在に外嵌する
と共に外周に形成した切欠部が各棒鋼支持棒１１
に昇降自在に係合しかつ垂直軸４の上端に固着さ
れた昇降板、２０は外筒１０と各棒鋼支持棒１１
との間に配設されたリング状棒鋼支持台であつ
て、上面には棒鋼２１からなるコイルを支持する
ためのフオーク２２が挿入するための挿入溝２３
を形成してある。２４は棒鋼支持台２０と昇降板
１９とを一体連結する突出リブ、２５は回転台９
の下面に固着された従動傘歯車、２６は固定枠２
７に軸受を介して回転自在に支持されると共に従
動傘歯車２５に噛合する駆動傘歯車であつて、駆
動モータ（図示せず）により回転させられるもの
である。

上記構成に基づいて棒鋼２１の巻取手順に基づ
いて説明する。まず第１図に示す巻取前の状態で
は、各棒鋼支持棒１１が自重により矢印Ａ方向へ
回動しており、棒鋼支持棒１１と外筒１０との間
の間隔は上の方が大きくなつている。かかる状態
から駆動モータにより駆動傘歯車２６を回転させ
る。すると従動傘歯車２５を介して回転台９、外
筒１０、棒鋼支持棒１１、昇降板１９、棒鋼支持
台２０および垂直軸４が一体となつて一方向へ回
転させられる。またこれにより各棒鋼支持棒１１
が遠心力を受けてピン１３回わりで、連結リング
１５の連結ピン１６に棒鋼支持棒１１の長穴１７
の端縁部が当接するまで矢印Ｂ方向へ回動させら
れ、棒鋼支持棒１１と外筒１０との間の間隔は上
も下も同じになる。また、これと同時に第４図に
示すごとく上方からリング状の棒鋼２１が棒鋼支
持棒１１と外筒１０との間に供給され、その棒鋼
２１は棒鋼支持棒１１に巻き付けられ、コイルが
形成されていく。次に巻取りが完了したならば、
駆動モータの作動を停止する。すると各棒鋼支持
棒１１が遠心力を受けなくなつて、自重により矢
印Ａ方向へ回動させられ、棒鋼支持棒１１と棒鋼
２１からなるコイルとの間に若干の間隔が生じ
る。次にコイルの上端を次に送られてくる棒鋼２
１から切断し、油圧シリンダ８を作動させ、垂直
軸４を上昇させる。すると、昇降板１９および棒
鋼支持台２０が上昇させられ、第５図に示すごと
く棒鋼支持台２０が最上昇した時点でフオーク２
２を前進させて、その先端を挿入溝２３内に挿入
する。次に棒鋼支持台２０を降下させると、フオ
ーク２２上にコイルが残り、取出される。

以上述べたごとく本考案の棒鋼巻取用リーラに
よれば、各棒鋼支持棒の回動量は各棒鋼支持棒の
上端に形成された長穴に挿通した連結体のにより
規制され、各棒鋼支持棒が外方へ広がりすぎるこ
とはなく、棒鋼からなるコイルが上広がりのテー
パ状になることはない。また回転台の回転を停止
させると、各棒鋼支持棒が自重により内方向へ回
動し、コイルとの間に間隙が生じるから、コイル
を抜き出す際に、このコイルが各棒鋼支持棒によ
り傷つけられるおそれもない。しかも自重および
遠心力を利用して各棒鋼支持棒が回動する構成で
あるので、構造が簡単となる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断面
図、第２図は平面図、第３図は第１図の−矢
視図、第４図は巻取中の概略縦断面図、第５図は
巻取完了直後の概略縦断面図である。 ４……垂直軸、８……油圧シリンダ（昇降駆動
装置）、９……回転台、１１……棒鋼支持棒、１
５……連結リング（連結体）、１６……連結ピン、
１７……長穴、２０……棒鋼支持台、２１……棒
鋼、２６……駆動傘歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転駆動装置により垂直軸心回わりで回転させ
   られる回転台を設け、基端部が回転台にこの回転
   台の半径方向に沿つて回動自在に支持されると共
   に所定の円に沿つて適当間隔ごとに配列されかつ
   前記基端部近傍で「く」の字形に折れ曲がつて上
   方に延びる支持部を有するとともに、回転台静止
   時に自重により内方へ回動する複数の棒鋼支持棒
   を設け、各棒鋼支持棒の上端に形成された長穴に
   挿通されて前記棒鋼支持棒と連結される連結ピン
   を有し、かつ回転台回動時に各棒鋼支持棒が遠心
   力を受けて外方へ回動する各棒鋼支持棒の棒鋼巻
   取り姿勢を前記長穴に係合する連結ピンにより維
   持する連結体を設け、各棒鋼支持棒の外側に巻取
   られた棒鋼を支持するリング状棒鋼支持台を昇降
   自在に設け、該棒鋼支持台を昇降させる昇降駆動
   装置を設けたことを特徴とする棒鋼巻取用リー
   ラ。