JPS644191Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、家庭用の吊り下げ照明器具に用い
られるプルスイツチ等、操作部に連動して回転す
る導電性接触板を使用するスイツチの固定子電極
構造に関する。

家庭用の吊り下げ照明器具の内、特に蛍光灯を
２灯備えてプルスイツチの操作に応じて２灯→１
灯→豆球→消燈と繰り返す照明器具においては、
プルスイツチに、一般に多板回転切り替えスイツ
チが使用される。この切り替えスイツチは、相互
に対向する２枚の屈曲した接触子を有し、プルス
イツチレバーの上下動に連動して回転する導電接
触板と、この導電接触板の回転角に応じて前記接
触子に接触するラチエツト状の端子を選択的に変
える固定子とを備えている。このうち、ラチエツ
ト状の端子のなかで一つの端子は２灯→１灯と変
化する時に１灯の点灯状態を維持しておく必要が
有ることから、ラチエツト爪部の２段部に渡る長
さを備えている。しかし、この端子を２段に渡る
ラチエツト爪部略爪部に応じて分離しておくと、
接触子がその端子の分離している段部を通過する
瞬間に電気的な接触状態が一時的に切れてしまう
ために、連続点灯すべき蛍光灯は、一旦消燈して
から再び再点灯する不都合が生じる。そこで、従
来は、実公昭47−288号公報に開示されているよ
うに、ラチエツト爪部の２段部に渡る長さの傾斜
面を有する２段連続接触端子を形成するようにし
て、その接触端子表面においては、段部が無いよ
うにした固定子の電極構造が実用されていた。し
かしながら、この構造によると、２灯から１灯に
切り替わつた時、上記２段連続接触端子の表面に
位置している接触子はストツパにて係止されてい
ないために、結局、接触子の反回転動作を禁止す
るストツパ機能は、上記２段連続接触端子表面に
接触している接触子の反対側に位置するもう一方
の接触子が接触するラチエツト段部だけに依存す
ることになり、１灯点灯状態においては接触子の
位置が不安定となり、安定な接触状態を長期に渡
つて維持出来ない不都合があつた。

この考案は上記の欠点を解消し、上記２段連続
接触端子の表面のスイツチ切り替え位置に接触子
の反回転動作を禁止するストツパ片をプレス成形
したことを特徴とし、接触端子が段部によつて分
離しないように連続させるとともに、端子と同一
素材の導電性のストツパ片を設けることによつて
２ケ所の接触子をそれぞれラチエツト爪部および
ストツパ片に当接させ、導電接触板を安定して保
持するようにしたものである。

図はこの考案の実施例であるプルスイツチの、
固定子部分を拡大した分解斜視図である。同図に
おいて、１はスイツチ本体で、２はスイツチの操
作部であるレバー、３０はレバー２の上下動案内
をする案内筒Ｐは図示しない部品ブロツク下本体
に設けられる固定子部分である。スイツチ本体１
は、レバー２に復帰力を与えるスプリング１０、
レバー２の上下動を回転動に変換する回転子１
１、回転子１１の回転に応じて二つの係合爪１２
ａによつて１方向回転（時計方向）する導電接触
板１２、この導電接触板１２の回転角に応じてそ
の二つの接触子１２ｂ，１２ｃに接触するラチエ
ツト状の端子９ｂ，９ｃを選択的に変える固程子
８、この固程子８のラチエツト爪８ｂ内側に延伸
している共通端子９ｄと上記導電接触板１２とを
常時導通させるスプリング１４から構成される。
端子９ａは第１の蛍光灯電源端子に、端子９ｂは
豆球ランプの電源端子に、端子９ｃは第２の蛍光
灯電源端子に、また、端子９ｄは電源供給端子に
それぞれ接続されている。端子９ａ〜９ｃは、以
上のように第１の蛍光灯、豆球、第２の蛍光灯に
それぞれ接続されているが、この内端子９ｃはラ
チエツト爪２段分に渡る長さに設定された２段連
続接触端子であり、その表面は連続している一
方、略中央部にプレス加工によつて上方に突出さ
せた半円錐状のストツパ片９ｅが形成されてい
る。このストツパ片９ｅは円錐形状の底部を導電
接触板１２の回転方向側にして形成されている。
また、このストツパ９ｅは端子９ｃに一体に形成
されていることから導電性を有する。以上の構成
において、今、導電接触板１２の一方の接触子１
２ｂが端子９ａ上に接触し、また、他方の接触子
１２ｃが端子９ａに対向する端子９ｃの領域Ａ上
に接触している場合において、レバー２を一度引
くと回転子１１が固定子８のラチエツト爪部１段
分時計方向に回転する。そしてそれに応じて導電
接触板１２も同じ回転角だけ回転し、接触子１２
ｃはストツパ片９ｅを乗り越えて端子９ｃの領域
Ｂに移る。この時、接触子１２ｂは端子９ａから
次の段のラチエツト爪部８ｂに移る。従つて接触
子１２ｂ，１２ｃがそれぞれ端子９ａ，９ｃの領
域Ａ上に接触しているときには、蛍光灯２灯が点
灯されているが、接触子１２ｂがラチエツト爪部
８ｂに移り、接触子１２ｃが端子９ｃの領域Ｂに
移つたときには、端子９ｃが接続されている第２
の蛍光灯のみが点灯状態になる。この２灯点灯状
態から１灯点灯状態に移る時、接触子１２ｃは連
続した端子９ｃ上を領域Ａから領域Ｂに移るだけ
であるため、２灯点灯状態が１灯点灯状態に移り
換わる瞬間の接触子１２ｃが接触する端子９ｃの
位置、すなわちスイツチ切り替え位置では、接触
子１２ｃに端子９ｃが確実に接触している。この
ため、２灯点灯状態から１灯点灯状態に移つて
も、第２の蛍光灯は一旦消燈することなく、点灯
状態を維持することが出来る。一方、１灯点灯状
態に移つた時には、接触子１２ｃはストツパ片９
ｅに係止し、また接触子１２ｂは段部８ａに係止
されているために、導電接触板１２の反時計方向
への回転を確実に防ぐことが出来る。

このようにこの考案によれば、ラチエツト状の
端子の内２段連続接触端子の表面をラチエツト爪
部の２段部に渡る長さの傾斜面にするとともに、
その表面のスイツチ切り替え位置に接触子の反回
転動作を禁止するストツパ片をプレス成形により
設けたので、スイツチ切り替え時において２段連
続接触端子の接触状態を確実に保持したまま、そ
の切り替え後における導電接触板の位置保持を確
実に行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例である照明器具用プルス
イツチの一部を拡大した分解斜視図である。 １……スイツチ本体、２……レバー、８……固
定子、８ａ……ラチエツト爪部の段部、８ｂ……
ラチエツト爪部、９ａ〜９ｃ……ラチエツト状の
端子、９ｄ……共通端子、９ｅ……ストツパ片、
１２……導電接触板、１２ｂ，１２ｃ……接触
子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 相互に対向する２枚の屈曲した接触子を有し、
   操作部に連動して一方向に回転する導電接触板
   と、この導電接触板の回転角に応じて前記接触子
   に接触するラチエツト状の端子を選択的に変える
   固定子とを有するとともに、前記ラチエツト状端
   子がラチエツト爪部の２段部に渡る長さの傾斜面
   を有する２段連続接触端子を含む多板回転切り替
   えスイツチにおいて、 前記２段接触端子の表面の一部のスイツチ切り
   替え位置に前記接触子を含む導電接触板の他方向
   への回転動作を禁止するストツパ片をプレス成形
   により形成したことを特徴とする、多板回転切り
   替えスイツチの固定子電極構造。