JPS644077Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本考案は、加熱炉の耐火物構造に用いられるセ
ラミツクフアイバーブロツクの構造に関する。 （従来の技術） 加熱炉の耐火構造として用いられるセラミツク
フアイバーブロツクのブロツクライニング法は、
特公昭57−20553号によつて知られている。 この工法に用いられる従来のセラミツクフアイ
バーブロツク２０（以下ブロツクという）は、第
２図に示すようにセラミツクフアイバーブランケ
ツト（以下ブランケツトという）１を葛折り状に
折り畳み、これをチヤンネル２、ビーム金物３な
どで１ブロツクを構成している。 ブランケツト１は、第２図で示す外側折り目７
の或る複数個所でビーム３によつて支持され、ビ
ーム３は高温に強い金属または合金あるいは他の
適当な板材料を折り曲げて棒状に形成される。ビ
ーム３は、第３図に示すようにビーム３の中央部
分８において、ビーム３と同様の材質の板からな
るタブ６の下端接合部に形成された輪９内に装着
されタブ６の直角方向に固定される。また、ビー
ム３はタブ６の尖つたタブ上端１０をブランケツ
トの外側折目７とチヤンネル２の開口部５を貫通
し、チヤンネル２の上面に突き抜けたタブ上端１
０の部分を下方に折り曲げることによりチヤンネ
ル２に支持される。チヤンネル２は葛折りしたブ
ランケツト１の外側折り目７のある側の外側に葛
折り方向にブランケツトの中央部に設けられ、加
熱炉々壁等にブランケツト１からなるブロツク２
０を据え付けるための金具であり、金属あるい
は、他の適当な材料の板からＣ字型に形成され
る。この場合、使用されるブランケツト１は、用
途即ち使用温度に応じて耐熱強度の異なる品種が
準備されている。例えば、第４図においてブラン
ケツト１ａは、高温用セラミツクフアイバーブラ
ンケツト（以下高温用ブランケツトという）であ
る。この高温用ブランケツト１ａの場合は、安全
使用温度が1300℃まで有効であるが、難点は、結
晶質のセラミツクフアイバー繊維が層状に重なり
合つた状態でブランケツトが形成されているた
め、ブロツク２０の施工時あるいは加熱炉取付時
に高温雰囲気にさらされる露出面１１（チヤンネ
ル取り付け側と反対の面）のセラミツクフアイバ
ー繊維層の表面剥離及び折り曲げによるセラミツ
クフアイバー単繊維の切断が生じ、施工性の悪化
とともに使用後の劣化が早くなることにある。 一方、セラミツクフアイバー繊維が結晶質でな
く、繊維層の剥離及び単繊維の切断が少ない安全
使用温度が1100℃と低い低温用ブランケツトで
も、施工中の表面性状の悪化により劣化が早くな
る場合がある。 （考案の目的） 本考案はブロツクの施工性と使用後の劣化を有
するブランケツトの高温使用に耐え得るブロツク
を提供するものであり、その要旨とするところは
高温雰囲気にさらされるセラミツクフアイバーブ
ロツクの露出折り曲げ部分の表面を可燃性の保護
シートで被つたことを特徴とするものである。可
燃性の保護シートとは、紙、布、合成繊維等の可
燃性シート状物のことをいう。 （考案の構成） 以下、本考案ブロツクの構成を高温ブランケツ
トの実施例に基づき、図面により詳述する。 高温ブランケツト１ｂを葛折りに折り畳みなが
ら保護シートを挿入してゆきブロツク２０′を成
形する。すなわち、所定のブロツク厚み（上下の
折り曲げ間距離）になるように高温ブランケツト
１ｂを葛折り状に折り畳み、外側折り目７の重ね
合せ面が出来ると、その合せ面の間に保護シート
４をブロツク厚みの中程まで挿入する。さらにブ
ランケツト１ｂを折り畳み、次の外側折り目７の
重ね合せ面が出来ると、その合せ面の間に保護シ
ート４をブロツク厚みの中程まで挿入して、重合
面間の折り曲げられた露出面１１を保護シート４
で被うものである。この作業を合せ面がくる毎に
操り返してゆき、第１図に示すように保護シート
４を挿入したブロツクを成形する。保護シート４
はあらかじめ挿入するブロツク２０′の厚み方向
の長さと、露出面１１を被うに必要長さを計算し
て、葛折りにしたものを用意しておくものであ
る。ブロツク葛折り方向の両端部にはダンボール
紙を配置し、保護シート４の端部はこのダンボー
ルで保護されれる。保護シート４の巾はブロツク
の巾方向長さと同じである。ビーム３は外側折り
目７の或る個所に来る毎に挿入され、タブ６を通
してチヤンネル２に支持される。 このように高温雰囲気側に露出するセラミツク
フアイバーの表面を可燃性の保護シート４で包囲
せしめて構成されたブロツク２０′により施工時
のセラミツクフアイバー繊維層の表面剥離および
単繊維の切断が防止でき、施工性が向上し、使用
時には可燃性の保護シートが焼失して健全なセラ
ミツクフアイバー層が露出するので使用時の劣化
を従来の低温用セラミツクフアイバーブランケツ
トによるブロツク２０に匹敵するレベルまで、高
温使用において達成できる。 （実施例） 次に本考案により実施した例を第１表に示す。

【表】 上記本考案品を製作したところ、ブロツク製作
時及び鋼材加熱炉施工時のブランケツトの劣化が
従来品に比べ少なく、炉温1300℃の鋼材加熱炉に
耐火物として用いた場合、従来品に比べ断熱性が
向上するとともに、炉温1100℃における低温用ブ
ランケツトのみのブロツクと同等の寿命が確保で
きた。また、低温用ブランケツトのみのブロツク
において、本考案を用いたところ、ブロツク製作
時及び鋼材加熱炉施工時のブランケツトの劣化が
大巾に減少し、炉温1100℃の鋼材加熱炉に使用し
た場合、従来品に比べ断熱性の向上及び寿命の延
長がはかれた。 〔考案の効果〕 以上の説明から明らかなように本考案によれ
ば、高温使用のセラミツクフアイバーブロツクに
おいて、施工性の向上が図れ、また、使用後の劣
化が著しく抑制でき、実施による効果大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のセラミツクフアイバーブロツ
ク断面図、第２図はセラミツクフアイバーブロツ
クの概念図、第３図はチヤンネル、ビーム及びタ
ブの概念図、第４図は従来のセラミツクフアイバ
ーブロツクの断面図である。 １……セラミツクフアイバーブランケツト、１
ａ，１ｂ……高温用セラミツクフアイバーブラン
ケツト、２……チヤンネル、３……ビーム、４…
…保護シート、５……開口部、６……タブ、７…
…外側折り目、８……中央部分、９……輪、１０
……タブ上端、１１……露出面、２０，２０′…
…セラミツクフアイバーブロツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. セラミツクフアイバーブランケツトを葛折り状
   に畳んで作つたセラミツクフアイバーブロツクに
   おいて、高温雰囲気にさらされる該ブロツクの露
   出折り曲げ部分の表面を可燃性の保護シートで被
   つたことを特徴とするセラミツクフアイバーブロ
   ツク。