JPS64405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、桁上部の左右いずれかのコーナーに
沿つて列車自動制御装置（ATG）用管体を布設
した跨座式モノレール用軌道桁に関するものであ
る。

（従来技術とその問題点） 従来のATG用管体を布設した跨座式モノレー
ルの軌道桁は、桁上部の左又は右側のコーナーに
全長に亘つて形成した凹部に管体を配置し、管体
保持部材と桁本体とを溶接し、凹部の残余の空間
にモルタルを充填した構成のものであつた。

しかしながら、一般にATG用の管体は硬質塩
化ビニル樹脂で成形されているため、モルタルと
の熱膨張率が大きく異なり、管体の膨張収縮時の
応力の集中によつてモルタルの背割れが発生する
不都合があつた。

また、管体は継手を用いて順次連結されている
が、継手と管体の外径の相違から生ずるわずかの
段差が、管体の伸縮によつて移動するために、段
部でモルタルを押圧してモルタルにクラツクが発
生する不都合もあつた。

（技術的課題） 本考案は、桁１上部の左右いずれかのコーナー
部２に沿つて、列車自動制御装置（ATG）用管
体６を布設した跨座式モノレール用軌道桁におい
て、軌道桁とATG用管体とが相対的に移動でき
るようにすることを課題としたものである。

（技術的手段） この技術的課題を解決するための技術的手段
は、 (イ) 桁コーナー部２を樹脂モルタル層４で構成
し、 (ロ) 樹脂モルタル層４の外側コーナー部に管体６
外径より大きな凹部５を全長に亘つて設け、 (ハ) この凹部５内に管体６を位置させて弾性シー
リング材７で固着すること、 である。

（技術的手段の作用） 樹脂モルタルの熱膨張率は、通常のモルタルに
比較して管体の膨張率に近く、管体との剪断力を
極力小さく押さえることができると共に、軌道桁
本体の伸縮や撓みに対する追随性も良い。

管体は、その外径より大きな凹部内に収容され
ているため、管体の自重で弾性シーリング材が剥
離して管体が脱落することもない。

樹脂モルタルと管体とは、弾性シーリング材で
接着されているため、管体と樹脂モルタルに膨張
率の差が生じて両者間に剪断力が生じても、シー
リング材がその弾性によつてこれを吸収してしま
うため、桁と管体とが相対的に移動できることに
なる。

（本考案の効果） 桁と管体とが相対的に移動できる結果、管体の
伸縮が樹脂モルタルに外力を加えることがなくな
り、樹脂モルタルにクラツクや背割れの発生頻度
を極めて小さくできる利点がある。

ATG用管体は軌道桁とは十分離れ、しかもそ
の間に金属が何ら介在しないため、ATG信号を
正確に伝える利点がある。

尚、この軌道桁の構成をとれば、管体の布設及
びその連結作業が容易となり、しかも管体の取替
も極めて容易となり、新規施工や取替作業の能率
は極めて良くなる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る桁の縦断面図である。 １……桁、３……凹溝、４……樹脂モルタル
層、５……樹脂モルタル層の凹部、６……管体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 桁上部の左右いずれかのコーナーに沿つて列車
   自動制御装置用管体を布設した跨座式モノレール
   用軌道桁において、桁コーナー部を樹脂モルタル
   層で構成すると共にモルタル層の外側コーナー部
   に管体外径より大きな凹部を全長に亘つて設け、
   この凹部内に管体を位置させて弾性シーリング材
   で固着させた軌道桁。