JPS643545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プレス装置、殊にブランクホルダの
下降ストロークの途中で、支持クツシヨン圧が増
加されるようになつた２段クツシヨン式プレス装
置に関する。

プレス装置により深絞りを行なうに際し、材料
の流入と張出しを個別に制御することが望ましい
場合があるが、本考案はこのような個別制御が比
較的容易に実現できるプレス装置を提供すること
を目的とする。

すなわち、本考案によるプレス装置は、ブラン
クホルダをその下方で支持するクツシヨン装置を
有し、このクツシヨン装置は、ブランクホルダと
当接するクツシヨン台と該クツシヨン台の下方に
設けられた支持台とからなり、前記クツシヨン台
と支持台とは、閉空間を形成するように互に摺動
係合する摺動係合部を有し、前記摺動係合部の外
側にはシリンダが形成され、前記シリンダ内には
ピストンが上下方向摺動可能に配置され、前記支
持台には前記ピストンの上昇位置を定めるストツ
パが上下位置調節可能に設けられ、前記クツシヨ
ン台には、該クツシヨン台の上昇位置において、
前記ストツパに係合する位置にある前記ピストン
に対し上方に間隔をもつて位置するように係止部
が設けられ、前記クツシヨン台が所定ストローク
だけ下降したとき前記係止部が前記ピストンの上
端に係合するようになつており、前記閉空間及び
前記シリンダ内は前記クツシヨン台とピストンが
上方に押し上げられるように空気圧力源に接続さ
れたことを特徴とする。

このように構成された本考案のプレス装置にお
いては、ブランクホルダの支持力が２段階に変化
するので、最初の支持力の小さい段階では、材料
の流入が比較的容易になり、材料の流れを伴なつ
た絞り成形が行なわれ、所定ストローク後にはク
ツシヨン台側の係止部がピストンに当るので、該
ピストンによる支持力が加わり、ブランクホルダ
の支持力が２段階に増加することになる。したが
つて、最初の支持力の小さい段階では、材料の流
入が比較的容易になり、材料の流れを伴なつた絞
り成形が行なわれ、所定ストローク後には後段ピ
ストンにより支持力が高められ、材料の流れが制
限されて、張出し量の多い成形が行なわれる。支
持力の増加する位置は、ストツパの上下方向位置
の調節により容易に制御することができる。

以下、本考案の一実施例を図について説明する
と、まず図において、プレス機械は上型１と下型
２とを有し、下型２はムービングボルスタ３上に
固定される。下型２の周囲には、上型１の周辺に
形成されたブランク押え面１ａとの間にブランク
４を挟むためのブランクホルダ５が配置され、該
ブランクホルダ５は、ボルスタ３を貫通して下方
に伸びる支持ロツド６を介してクツシヨン装置８
のクツシヨン台７により支持されている。

クツシヨン台７の下面には、下方に突出するよ
うに中空のシリンダ９が形成され、このシリンダ
９には、支持台１０に固定した上向きの中空シリ
ンダ１１が摺動自在に嵌合する。すなわち、シリ
ンダ９，１１は、クツシヨン台７と支持台１１と
の間の摺動係合部を構成し、内部には閉空間１２
が形成される。支持台１０には、シリンダ１１を
囲むようにシリンダ１３が設けられ、該シリンダ
１３内には環状のピストン１４が上下方向摺動自
在に配置されている。シリンダ９は、クツシヨン
台７が降下したときに、その下端がピストン１４
の上面に当たるように配置されている。すなわ
ち、シリンダ９の下端は、クツシヨン台７と一体
に動くように形成された係止部を構成する。シリ
ンダ１１内の閉空間１２とピストン１４の下方の
空間１５とは、それぞれ蓄圧器１６ａ，１６ｂを
有する配管１７ａ，１７ｂにより空気圧縮機１８
ａ，１８ｂに接続されている。

係止部すなわちシリンダ９の下端がピストン１
４の上端に当るまでのクツシヨン台７の下方移動
量を定めるために、ストツパ２０が設けられる。
すなわち、シリンダ１３の上部外面にはねじ１３
ａが形成され、このねじ１３ａに、ストツパ保持
部材１９が係合している。ストツパ保持部材１９
は、上端に内向きのフランジ１９ａを有し、この
フランジ１９ａにストツパ２０の上端が当るよう
になつている。ストツパ２０はほぼ円筒形で、下
端はピストン１４の上面に当つてその上昇位置を
制限するようになつている。保持部材１９の外面
にはウオームホイール１９ｂが形成され、このウ
オームホイール１９ｂにウオーム２１が噛み合つ
ており、このウオーム２１は、モーター２２によ
り駆動される。したがつて、モーター２２でウオ
ーム２１を駆動して、保持部材１９を上下に動か
すことにより、ストツパ２０の上下方向位置が調
節される。

以上述べた構造において、上型１を降下させ、
ブランクホルダ５との間にブランク４を挟んで、
さらに上型１とブランクホルダ５とを降下させる
と、ブランクホルダ５には最初の段階で閉空間１
２内の空気圧力による支持力が与えられる。この
間には、支持力はさほど強くなく、ブランク４の
縁は或る程度のすべりが許容され、材料の流れを
伴なつた絞り成形が行なわれる。ストツパ２０の
位置で定まる所定ストロークの後に、クツシヨン
台７と一体のシリンダ９はその下端がピストン１
４の上面に当り、この時点から空間１５内の空気
圧力による支持力が加わるため、ブランクホルダ
に与えられる支持力は強くなる。したがつて、ブ
ランク４のすべりは制限され、張出しの多い成形
が行なわれる。支持力の強められる点は、ストツ
パ２０の位置を調節することにより任意に変更で
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すプレス装置の断
面図である。 ５……ブランクホルダ、７……クツシヨン台、
１０……支持台、１２……閉空間、１３……シリ
ンダ、１４……ピストン、１９……ストツパ保持
部材、２０……ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブランクホルダをその下方で支持するクツシヨ
   ン装置を有し、このクツシヨン装置は、ブランク
   ホルダと当接するクツシヨン台と該クツシヨン台
   の下方に設けられた支持台とからなり、前記クツ
   シヨン台と支持台とは、閉空間を形成するように
   互に摺動係合する摺動係合部を有し、前記摺動係
   合部の外側にはシリンダが形成され、前記シリン
   ダ内にはピストンが上下方向摺動可能に配置さ
   れ、前記支持台には前記ピストンの上昇位置を定
   めるストツパが上下位置調節可能に設けられ、前
   記クツシヨン台には、該クツシヨン台の上昇位置
   において、前記ストツパに係合する位置にある前
   記ピストンに対し上方に間隔をもつて位置するよ
   うに係止部が設けられ、前記クツシヨン台が所定
   ストロークだけ下降したとき前記係止部が前記ピ
   ストンの上端に係合するようになつており、前記
   閉空間及び前記シリンダ内は前記クツシヨン台と
   ピストンが上方に押し上げられるように空気圧力
   源に接続されたことを特徴とする２段クツシヨン
   式プレス装置。