JPS643034B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、コネクタ内に収容された接続端子を
固定するための接続端子押え機構に関するもので
ある。

従来のコネクタにおいては、合成樹脂等の絶縁
材料から成るコネクタハウジング内に接続端子を
保持する場合に、ハウジングの前方への移動防止
は、接続端子の前端部をハウジングの止め部に当
接して行い、後方への移動防止はハウジング内に
形成した所謂ケースランスと呼ばれるばね状突出
部を接続端子の突起部等に接触させて実施してい
る。

しかし、特に接続端子が小型の場合などには、
接続端子のハウジング内への挿入を容易にするた
めに、前記ケースランスを小型にする必要があ
り、製作公差の影響等もあつて係止部が小さくな
り、相手側接続端子の押込力に耐え切れずに接続
端子が後方に抜け出す虞れが多分にある。

本発明の目的は、コネクタハウジングからの接
続端子の抜け出しを確実に防止する接続端子押え
機構を提供することにあり、その要旨は、絶縁材
料によつて形成したコネクタのハウジングの後端
部に、押え部材を取外し自在に取付け、該押え部
材には、２個一対として前記ハウジングの隔壁を
両側から挟み付けながら前記ハウジング内に入り
込み、前記ハウジング内に収容した接続端子を前
方に向けて押える押え杆を設けたことを特徴とす
るものである。

本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

第１図は雄ハウジング１を雌ハウジング２に結
合する状態を示し、雌ハウジング２内の挿込接続
端子３が雄ハウジング１内の受け用接続端子４内
に挿入される直前の位置関係を示している。接続
端子４は第２図ａ，ｂに示すように、１枚の導電
性の金属薄板を成形して、前端の接点部４ａと後
端の電線圧着部４ｂとが形成され、電線圧着部４
ｂには電線５が接続されている。接点部４ａは金
属板を折曲してほぼ断面長方形の箱型とし、箱型
の上方を覆う上面４ｃ，４ｃに２個のスリツト４
ｄ，４ｄが形成され、その中にそれぞれ舌状接点
４ｅ，４ｅが軸線にほぼ平行に斜設されている。
接点４ｅの下面は曲面とされ、底面板４ｆとの間
で前記挿込接続端子３の挿入接点部３ａを弾性的
に挟着するようになつている。接点部４ａの後端
には、肩部４ｇ，４ｇが設けられていると共に、
上面４ｃ，４ｃの後縁に縁部４ｈが形成されてい
る。また、上面４ｃ，４ｃには軸方向に凹条溝４
ｉ，４ｉが形成されており、雄ハウジング１に設
けられた凸条部と嵌合して、接続端子４の上下が
逆になつて挿入されることを防止している。な
お、図示の接続端子４は一つの例示であつて、他
の型式とすることもできるが、その場合でも接点
部４ａには肩部４ｇ又は縁部４ｈを有することが
必要である。

第３図に示すように雄ハウジング１には、例え
ば８個の接続端子４を収容するための隔壁６，７
が設けられ、これらの隔壁６，７により区画され
た収容部８内に接続端子４を挿入するようになつ
ている。収容部８の前端には前方への移動を防止
する第１図に示す止め部９が設けられ、更に隔壁
６の下面から下方斜めに突出する弾発性を有する
ケースランス１０は、接続端子４の接点部４ａの
縁部４ｈに係止して接続端子４の後方への移動を
防止している。

上述の構成のようなケースランス１０が接続端
子４の縁部４ｈに係止して、接続端子４の抜け出
しを防ぐことについては既に実用化されている。
しかし、抜け止めとしては必ずしも十分でないこ
とは先に説明した通りであり、特に小型のコネク
タでは確実な押え機構を必要とする場合がある。
実施例のコネクタでは、その対策として雄ハウジ
ング１の後端に嵌合する押え部材２０を有してい
る。即ち、第４図〜第７図に示すように押え部材
２０は合成樹脂の一体成形部材とされ、電線５の
通る部分に外縁に連通した刳り抜き部２１を有す
る後面２２と、雄ハウジング１の外面の三方を囲
む縁面部２３とが形成されている。縁面部２３の
両側及び底部側から突出した２個の部材に計４個
所の凹部２４が配置され、これらには雄ハウジン
グ１の外面から突出した爪部１５が係合するよう
になつている。また、押え部材２０の後面２２か
ら内方に、雄ハウジング１の収容部８にそれぞれ
挿入し得る押え杆２５が突出されている。実施例
では、８個の接続端子４が雄ハウジング１内に収
容されているため、８個の押え杆２５が設けられ
ている。押え杆２５の先端部は平面とし、接続端
子４の左右の肩部４ｇ，４ｇの何れか側を前方に
押圧して、接続端子４を確実に保持するようにな
つている。また、本実施例では押え杆２５は第４
図、第６図、第７図に示すように、２個ずつ隣接
するように配置されており、これらは雄ハウジン
グ１の隔壁７に沿つて収容部８に入り、隣接する
２個一対の押え杆２５の間に隔壁７を挟みつける
ようにして位置決めされるようになつている。

従つて、接続端子を雄ハウジング１に挿入した
後に、電線５を刳り抜き部２１を通すようにし
て、押え部材２０を雄ハウジング１の後面に被着
すると、押え部材２０は凹部２４と爪部１５との
係合により雄ハウジング１に保持されることにな
る。この押え部材２０と雄ハウジング１との係合
は、４個所の凹部２４と爪部１５との係合である
ため、少なくとも３個所を故意に外さなければ係
合が解けることはなく、従つて自然の使用状態で
は押え部材２０が外れる虞れは全くない。押え部
材２０と雄ハウジング１とのこの嵌合により、押
え杆２５は第７図に示すように接続端子４の肩部
４ｇに当接するか、或いはその近くにまで進入す
るので、接続端子４の後退に際しては抜け出しを
防止することが可能となる。また、押え杆２５を
接続端子４の肩部４ｇと電線圧着部４ｃとの間の
彎曲部に当接するようにすれば、接続端子４及び
押え杆２５は常に一方の隔壁７側に押圧されるこ
とになる。従つて、接続端子４は雄ハウジング１
内で揺動することがなく確実に保持され、押え杆
２５は隔壁７に押圧されるので、強度的に補強さ
れ細径のものが使用できる。

なお、雄ハウジング１と雌ハウジング２の上面
には錠止機構３０が設けられ、雄ハウジング１に
は弾性爪３１、雌ハウジング２には爪３２が形成
され、両者を互いに係止させることにより、ハウ
ジング１，２同志の錠止ができるようになつてい
る。

本実施例では、押え杆２５を接続端子４の肩部
４ｇに接触させたが、縁部４ｈ等に接触させるこ
ともできる。また、雄ハウジング１のケースラン
ス１０を省略し、押え部材２０のみによつて接続
端子４を固定することも可能である。なお、押え
部材２０を雌ハウジング２に取付け、接続端子３
を保持することもできることは勿論である。

以上説明したように本発明に係る接続端子押え
機構は、ハウジングの後端部に取外し自在な押え
部材の押え杆により、単独に又はケースランスの
固定と共働して接続端子を保持するようにしたの
で、接続端子が小型の場合であつてもその保持は
極めて強固となり、不時に接続端子が抜け出す虞
れは全くない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る接続端子押え機構の一実施
例を示し、第１図はコネクタの一部を除去した縦
断面図、第２図ａは接続端子の平面図、ｂはその
正面図、第３図は雄ハウジングの背面図、第４図
は押え部材の正面図、第５図はその側面図、第６
図はその平面図、第７図は第４図の−線に沿
つた断面図、第８図は押え部材を取付けた状態の
雄ハウジングの背面図である。 符号１は雄ハウジング、２は雌ハウジング、
３，４は接続端子、４ｇは肩部、４ｈは縁部、５
は電線、６，７は隔壁、８は収容部、９は止め
部、１０はケースランス、１５は爪部、２０は押
え部材、２１は刳り抜き部、２２は後面、２３は
縁面部、２４は凹部、２５は押え杆である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 絶縁材料によつて形成したコネクタのハウジ
   ングの後端部に、押え部材を取外し自在に取付
   け、該押え部材には、２個一対として前記ハウジ
   ングの隔壁を両側から挟み付けながら前記ハウジ
   ング内に入り込み、前記ハウジング内に収容した
   接続端子を前方に向けて押える押え杆を設けたこ
   とを特徴とする接続端子押え機構。