JPS64291Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 この考案は、２段開閉弁付気動工具に関する。

〈従来技術〉 一般に、インパクトレンチやナツトランナー等
の気動工具は給気通路に設けた一段のオン・オフ
またはアナログ形開閉弁によつて、エアモータに
供給するエア量を制御し、ドライブシヤフトの回
転速度およびトルクを制御するようになつてい
る。

ところで、従来、この種の気動工具で被締付物
（たとえばナツト）を締付けるには、起動当初は、
作業者の感覚的判断で開閉弁のノブを軽く押し込
んでその開度を小さくして、エアモータへのエア
供給量を少なくし、ドライブシヤフトを極く低速
で回転させて、ドライブシヤフト先端の連結金具
をナツトにスムーズに装着し、その後、ノブを強
く押し込んで開閉弁の開度を大きくして、エアモ
ータおよびドライブシヤフトを高速、高トルクで
回転させて、締付作業を行なうようにしている。

しかしながら、上記従来の気動工具では、開閉
弁が一般のオン・オフあるいはアナログ式である
ため起動時に際して、開閉弁のノブの押し込み量
の調整が難ずかしく、ドライブシヤフトの回転速
度が早くなり過ぎ、連結金具をナツト等にセツト
するのが困難であるという欠点があつた。

〈考案の目的〉 そこで、この考案の目的は、簡単かつ自然な開
閉弁の操作でもつて、起動時にドライブシヤフト
を極く低速で回転させることができ、被締付物に
対してドライブシヤフトをスムーズかつ確実に取
付けることができる一方、締付作業時には、ドラ
イブシヤフトを高速高トルクで回転させることが
できる気動工具を提供することにある。

〈考案の構成〉 上記目的を達成するため、この考案の構成は、
軸受部に摺動自在に嵌合した弁軸の上記軸受部か
ら突出した部分に、ストツパー部とクリツプを軸
方向に互いに一定間隔をおいて設け、上記ストツ
パー部とクリツプとの間の弁軸に、その弁軸の外
周に所定間隔をおいて弁体を軸方向に移動自在か
つクリツプと当接可能に嵌合すると共に、上記弁
体とストツパー部との間に環状シール部材を介設
して、上記弁体に対向する位置に設けた弁座に、
上記弁体を環状シール部材を介してストツパー部
で付勢し得るようにしてなる２段開閉弁を、給気
通路に設けた点に特徴を有する。

〈実施例〉 以下、この考案を図示の実施例により詳細に説
明する。

第１図はインパクトレンチを示し、１はエアモ
ータ部、２は衝撃発生部、３はドライブシヤフ
ト、４はハンドル部、５は給気通路、６は排気通
路、７は給気通路５を開閉する２段開閉弁であつ
て、上記エアモータ部１の回転力を衝撃発生部２
を介して、ドライブシヤフト３に伝えて、ドライ
ブシヤフト３を衝撃的に回転させるようになつて
いる。

上記２段開閉弁７は、気動工具のケーシング１
１に嵌合したスリーブ１２に形成した軸受部１２
ａに、弁軸１３を摺動自在に嵌合して、上記弁軸
１３の一端部１３ａを、ケーシング１１およびス
リーブ１２内の給気通路５に突出させる一方、上
記弁軸１３の他端部１３ｂをケーシング１１の外
部に突出させている。上記弁軸１３の一端部１３
ａの先端にはフランジ状のストツパー部１５を形
成し、さらに上記弁軸１３の一端部１３ａに、上
記ストツパー部１５に対して軸方向に一定間隔を
あけてクリツプ１６を固定している。上記クリツ
プ１６とストツパー部１５との間の弁軸１３ａに
は、その外周と一定間隙１８をあけて、略半球体
の形をしたポペツト状弁体２１を軸方向に移動自
在かつクリツプ１６と当接可能に嵌合している。
上記弁体２１は、テフロン、ウレタン等の弾性部
材で形成している。上記弁体２１とストツパー部
１５との間の弁軸１３ａには、環状シール部材と
してのＯリング２２を密に外嵌し、このＯリング
２２をストツパー部１５に当接させている。上記
弁体２１の球面部が当接すべき弁座２３は、スリ
ーブ１２の内周コーナに形成している。他方、上
記弁軸１３の他端部１３ｂには、ノブ２５をピン
２６によつて取付けている。

なお、３１はスリーブ１２をケーシング１１に
固定するストツプリング、３２，３２，３２はス
リーブ１２の外周とケーシング１１との間をシー
ルするＯリングである。

上記構成のインパクトレンチにおいて、いまノ
ブ２５を押し込まないで、開閉弁７をノーマル状
態にしているとする。このとき、開閉弁７の上流
の給気通路５に矢印Ｘ方向にエアが供給されてい
るため、弁軸１３のストツパー部１５および弁体
２１は、エア圧により第１図中左方に付勢され、
その結果、弁体２１は弁座２３に密着させられ、
かつストツパー部１５は弁体２１の後端面にＯリ
ング２２を押し付ける。したがつて、開閉弁７は
完全は閉鎖状態となり、インパクトレンチは非作
動状態になる。

次に、開閉弁７のノブ２３を一定寸法押し込む
と、弁体２１が弁座２２に密着したままで、弁軸
１３のみが第１図中右方へ移動し、Ｏリング２２
が弁体２１の後端面から離れて、エアは弁体２１
と弁軸１３との間の間隙１８を通つて、弁体２１
の下流へと流れ、エアモータ１は間隙１８に相応
した低速、低トルクで回転させられる。そのた
め、ドライブシヤフト３に取付けた図示しない連
結金具をスムーズかつ確実にナツト等に取付ける
ことができる。

次に、ノブ２５をさらに押し込むと、クリツプ
１６が弁体２１の前端に当接して、弁体２１を第
１図中右方へ移動させ、弁座２３から弁体２１を
離間させる。その結果、大量のエアがエアモータ
１に供給され、エアモータ１は高速・高トルクで
回転させられ、ナツト等の締付作業を行なう。こ
のように、開閉弁７が２段動作を行なうのでナツ
ト等にドライブシヤフト３をスムーズにかつ確実
に取付けた後、ナツト等の締付作業をすることが
できる。

上記クリツプ１６を弁体２１の前端に当接させ
て、弁体２１を弁座２３から離間させるためのノ
ブ２５の操作力は、その前の操作によつて間隙１
８が既に開放されて、弁体２１の前後部にエア圧
が作用して、弁体２１に作用するエア圧が略バラ
ンスしているため、弁座２３の口径の割には小さ
くてよい。したがつて、インパクトレンチの操作
性が向上する。

上記実施例の開閉弁はノブで操作するものであ
るが、レバーで操作するものであつてもよい。ま
た、開閉弁の弁体は円板形状であつてもよい。

〈考案の効果〉 以上の説明で明らかなように、この考案によれ
ば、簡単，安価な構成でもつて、確実に、気動工
具の低速、高速の２段操作ができ、ドライブシヤ
フトを被締付物にスムーズかつ確実に取付けるこ
とができ、しかも、開閉弁の操作力が小さくなる
ため、気動工具の操作性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の断面図である。 ５……給気通路、１２ａ……軸受部、１３……
弁軸、１５……ストツパー部、１６……クリツ
プ、２１……弁体、２３……弁座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸受部に摺動自在に嵌合した弁軸の上記軸受部
   から突出した部分に、ストツパー部とクリツプを
   軸方向に互いに一定間隔をおいて設け、上記スト
   ツパー部とクリツプとの間の弁軸に、その弁軸の
   外周に所定間隙をおいて弁体を軸方向に移動自在
   かつクリツプと当接可能に嵌合すると共に、上記
   弁体とストツパー部との間に環状シール部材を介
   設して、上記弁体に対向する位置に設けた弁座
   に、上記弁体を環状シール部材を介してストツパ
   ー部で付勢し得るようにしてなる２段開閉弁を、
   給気通路に設けてなることを特徴とする気動工
   具。