JPS642629B2

JPS642629B2 -

Info

Publication number: JPS642629B2
Application number: JP16157879A
Authority: JP
Inventors: Tanji Aoki; Terusato Inoe
Original assignee: Kowa Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Kowa Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1979-12-14
Filing date: 1979-12-14
Publication date: 1989-01-18
Also published as: JPS5684749A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はセメントまたはモルタル添加用の合成
樹脂の改良に関する。従来セメントまたはモルタルに強度、接着、防
水などの種々の特性を改善するため天然ゴムラテ
ツクス、スチレンブタヂエンラテツクス、ポリク
ロロブレンラテツクス、アクリロニトリルブタヂ
エンラテツクスなどの合成ゴムラテツクス、ポリ
酢酸ビニル樹脂エマルシヨン、エチレン酢酸ビニ
ール共重合樹脂エマルシヨン、ポリアクリル酸エ
ステルのエマルシヨンなどの混入使用が行なわれ
ていた。此等の種々の合成樹脂エマルシヨンを添
加したセメント（またはモルタル）混合物即ちポ
リマーセメントはコンクリート板、コンクリート
ブロツク、若しくは壁、モルタル壁、スレート
板、石材などの鉱物質構造物表面、ベニヤ板、ハ
ードボード板の如き木質板若しくは構造物表面、
或いは鉄板等の金属質構造表面に塗布し防水性、
接着性のすぐれた塗膜を形成することができた。
しかしながら、特に金属質構造物表面に塗布した
場合金属の腐蝕により強度の低下また被覆表面を
汚損するなど構造物の保守に重大な問題があつ
た。本発明者等は此等の問題点について種々検討し
た結果ポリマーセメントの密着性及び防錆効果な
どの向上のため種々の添加剤について研究した。
その結果アミノアルコールの添加により従来のポ
リマーセメントの特性を損うことなく防錆力を向
上せしめ得ることを知つた。本発明の合成樹脂エマルシヨン中にその樹脂固
形分100重量部に対し0.05〜５重量部の炭素数２
〜８ケのアミノアルコールを混和してなるセメン
トまたはモルタル添加用合成樹脂組成物である。本発明において合成樹脂エマルシヨンとはポリ
マーセメント用のアクリル系合成樹脂エマルシヨ
ン、酢酸ビニール系合成樹脂エマルシヨン、スチ
レンブタヂエンラテツクス、アクリルニトリルブ
タヂエンラテツクス、エポキシ樹脂エマルシヨン
などを指すものである。特にアルキル基の炭素数
が１〜８個のアクリル酸またはメタアクリル酸の
アルキルエステル、またはそれらの共重合物酢酸
ビニール及びその重合体、エチレン−酢酸ビニー
ル共重合物、酢酸ビニール−バーサテイツク酸ビ
ニールエステル共重合物、プロピオン酸ビニール
−酢酸ビニール共重合物、などのエマルシヨンが
好ましい。また、エポキシ樹脂エマルシヨンとし
てはビスフエノールＡとエピクロルヒドリンとを
縮合したものを水に均一に分散せしめたものが使
用出来る。又、エポキシ樹脂硬化剤としてはポリ
アマイド、アミンアダクト等の一般のエポキシ樹
脂硬化剤が使用できる。本発明においてアミノアルコールとは炭素数２
個ないし８個よりなるエタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、
ヘブタノール、オクタノールまたはそれらの異性
体のアミノ化合物を称し、例えばプロパノール誘
導体で示すと１−アミノ−２−プロパノール、３
−アミノ−１−プロパノール、２−アミノ−２−
メチル−１−プロパノール、２−アミノ−１−プ
ロパノール、１−ブタノール、２−メチル−１−
プロパノール、２−ブタノール、２−メチル−２
−プロパノールなどのアミノアルコールが密着性
及び防錆効果が大なるために好ましい。しかして、アミノアルコールを合成樹脂エマル
シヨンの樹脂固形分100重量部に対し0.05〜５重
量部と限定した理由は、0.05重量部末満ではセメ
ント、モルタルの目的とする効果が得られず、ま
た５重量部以下としたのは経済的理由によるもの
で好ましくは0.2ないし1.5重量部使用する。また
必要により１種または２種以上配合して使用する
ことが出来る。本発明のセメントは各種ポルトランドセメン
ト、アルミナセメント、白色セメントなどであり
必要により此等に細骨材その他種々の骨材を混入
したものを使用し、その目的により本発明の合成
樹脂組成物をセメント100重量部に対し５重量部
ないし60重量部の範囲で使用するが、好ましくは
10重量部から40重量部である。本発明の合成樹脂組成物を混和したセメントま
たはモルタルは鉱物質構造物、木質構造物等の表
面に使用した場合はその表面のボルト、鉄骨、釘
などの金属の腐蝕により生じた赤錆による塗面の
汚損が生じない。また、金属質構造物表面には防
錆の目的で下塗をすることにより上塗り面の赤錆
による汚損を防止出来る効果がある。したがつ
て、金属質構造物の防錆塗料として使用出来ると
同時に種々の金属質構造物、鉱物質構造物、木質
構造物の化粧層またはその下塗りとして使用出来
る。アミノアルコールを合成樹脂エマルシヨンに添
加するには通常樹脂固形分30〜50％のエマルシヨ
ンに混和するが使用目的により更に成膜助剤とし
て「CS−12」（チツソ株式会社商品名）、「テキサ
ノール」（イーストマンケミカル社商品名示）な
ど、消泡剤、亀裂防止剤、殺菌剤、低温安定剤な
どの微量添加剤を添加して液状の合成樹脂エマル
シヨン混和物とし、これをセメントにセメントミ
キサーなどを使用して混和して均一なセメント系
塗材を製造する。なお、必要により骨材を加え
る。骨材としては、例えば珪石粉、珪砂、タル
ク、マイカ、酸性白土、ケイ藻土、カオリン、
砂、色砂、炭酸カルシウム（寒水石）、有機およ
び無機繊維などの通常の左官用の骨材などであ
る。その他必要により酸化チタン、カーボンブラ
ツク、ベンガラなどの着色顔料類、メチルセルロ
ースなどの水溶性高分子増粘剤、消泡剤、防腐剤
などを加える。通常合成樹脂エマルシヨンにアミ
ノアルコールおよび成膜助剤、消泡剤、その他の
微量添加物を加え混和物を製し、使用に際してセ
メント及び種々骨材を混和した粉状物に添加混和
機にて混和し水を加えて必要な粘度として使用す
る。塗布方法は一般に知られている吹付塗装、ロ
ーラー塗装、刷毛塗り塗装、こて塗りなどにより
目的に応じて適当な塗布量で塗布する。防錆塗装
の場合は塗布量0.2Kg／m²〜３Kg／m²程度で効果
がある。実施例１ (1) セメント添加用合成樹脂組成物の製法アクリルエステル系合成樹脂エマルシヨンと
して樹脂固形分45％の「ボンコート4500」（大
日本インキ株式会社商品名）82.5重量部に成膜
助剤として「CS−12」を1.6重量部、消泡剤と
してトリブチルスヘート1.4重量部、メチルセ
ルロース（２％溶液）13.6重量部、防腐剤0.45
重量部、エチレングリコール0.45重量部を加え
た組成物100重量部に１−アミノ−２−プロパ
ノールを0.1、0.5、0.9、５、10重量部を別々に
添加して均一に混和し、(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)
の
５種の本発明のセメント添加用合成樹脂組成物
を製した。 (2) セメント混合物の製法白色ポルトランドセメント 30部（重量）珪石砂（粒子径100メツシユ） 26.7〃（〃）珪砂（７号） 35.6〃（〃）ゼオライト６〃（〃）ステアリン酸カルシウム 0.5部（〃）ナフタレンスルフオン酸ソーダホルマリン縮合
物 1.2〃（〃） 100部（重量）上記の組成の粉体を均一に混合した。 (3) 塗布防錆試験 (1)のセメント添加用合成樹脂組成物20重量
部、(2)のセメント混合物80部、水道水10〜15重
量部を充分に混練してセメントを基材とした本
発明の塗材(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の５種を製し
た。別に対照品として(1)のセメント添加用合成
樹脂組成物中より１−アミノ−２−プロパノー
ルを加えないものを使用し、厚さ0.6mm、たて
15cm、横7.5cmの大きさの磨き軟鋼板の表面に
塗布量１Kg／m²の割合にて均一に刷毛塗りして
６種の試験板を製した。35℃、90時間および
200時間の条件で塩水噴霧試験（JIS−Z2371）
を行つた。下記の通り本発明によるものはすぐ
れた防錆力を示した。

【表】実施例２実施例１の(1)セメント添加合成樹脂組成物中の
１−アミノ−２−プロパノールに換えて、３−ア
ミノ−１−プロパノール、２−アミノ−２−メチ
ル−１−プロパノール、２−アミノ−１−プロパ
ノールを0.9重量部添加した本発明の合成樹脂組
成物３種を使用して実施例１と同様に防錆試験を
行なつた。その結果を下表に示す。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】

１合成樹脂エマルシヨン中にその樹脂固形分
100重量部に対し0.05〜５重量部のアミノアルコ
ールを混和してなるセメント添加用合成樹脂組成
物。