JPS642618Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバインにおける穀粒タンク装置
の改良に関する。

従来のコンバイン穀粒タンク装置では、タンク
内に収容した穀粒の取出しを、スパイラーを用い
た排出装置によつて行うようにしているが、この
スパイラーによる排出装置では、穀粒損傷や所要
動力の関係でむやみに速度を早くしたり、断面径
を大にしたりできないので、排出所要時間が多く
掛り、コンバイン作業のトータル能率は向上しに
くい問題点があるし、スパイラー排出装置内に穀
粒が残留するので格納とか種類の異なる穀粒の脱
穀処理に供す場合には不具合の生ずる難点があ
る。

そこで本考案は、従来の穀粒タンクにおける上
記難点を解消する穀粒タンク装置を提供せんとす
るものであり、穀粒タンクの底部及び外側部を、
作動一連のベルトコンベアで形成し、該コンベア
を穀粒搬出姿勢に切換え得るようにして、単位時
間当りの搬出量を大にするとともに残留穀粒のな
い状態に排出できるようにしたものである。

以下、本考案の実施例を、図面にもとずいて説
明する。

第１図は、実施例穀粒タンク装置をもつたコン
バインの概略側面図を示し、第２図および第３図
はその要部縦断面状態を示す。

コンバインの各部配置構成は、従来公知のもの
と同様であり、走行部１を有する車台２に脱穀機
３、エンジン・刈取搬送部・運転部を配設すると
ともに、脱穀機３横側部へ穀粒タンク４を設置し
この穀粒タンク４に脱穀機の揚穀装置５を開放連
通して構成されるのである。

穀粒タンク４は、内側部４ａと機体進行方向前
後部４ｂ，４ｃおよび上側部４ｄが、それぞれ固
定壁材で形成され、底部４ｅと機体外側部４ｆと
が開放させられて、これらの開放箇所はベルトコ
ンベアＢを壁材として囲繞させ、ベルトコンベア
Ｂを収納姿勢としたときには、第２図のように、
これと前記固定壁材とで収容部６を構成するよう
になされるのである。

ベルトコンベアＢは、底部４ｅに設置される固
定フレーム７と、該フレームに屈折固定自在に連
設される可動フレーム８，９とをベース材とし
て、これらに設置する多数の輪体１０，１１…に
搬送ベルト１２を掛回し、底部４ｅの機体内側端
の輪体１０を、作動停止自在の駆動機構１３によ
つて強制駆動することにより矢印イ方向に回動す
るように構成される。

そして、このベルトコンベアＢの収納姿勢（第
２図状態）維持は、穀粒タンクの前後部４ｂ，４
ｃに固設されたブラケツト１４，１５へ、コンベ
アの適宜箇処を支持固定させることによつて行わ
れるのであり、前記のブラケツト１４，１５によ
る支持固定を解いて、第３図のように外方へ引出
し屈曲させて適宜の支持具１６により保持させる
ときは、ベルトコンベアＢが搬出姿勢となるよう
に成される。

尚、１７，１８はベルトコンベアＢが搬出姿勢
になされたとき、その幅方向両側に位置して穀粒
のこぼれを防止する側板であり、１９，２０は搬
送ベルト１２の屈曲内側に当接するごとく適宜配
設されるアイドラー、２１はベルトコンベア移送
終端部に設けられる穀粒案内体である。

実施例の穀粒タンク装置において、脱穀機揚穀
装置５から吐出される穀粒を、タンクの収容部６
内に貯留しようとするときは、可動フレーム８，
９を底部固定フレーム７部に対して屈曲させて、
可動フレーム８，９部の搬送ベルト１２が、外側
部４ｆの開放口全体を閉塞するようにして、ブラ
ケツト１４，１５により同状態に維持させる、こ
のとき側板１７，１８は前後部４ｂ，４ｃの固定
壁材に重合するように格納されるとともに、支持
具１６は車台２側に格納され、かつ、コンベアＢ
の駆動機構１３は停止される、このような操作に
よつて、ベルトコンベアＢは底部４ｅから外側部
４ｆにかけての開放部を覆う壁材となり、他の固
定壁材とで穀粒タンクを構成することとなる、し
たがつて揚穀装置５から排出されてくる穀粒は、
このタンク収容部６内に支障なく貯留されるので
ある。

貯留した穀粒を取出す際は、先づベルトコンベ
アＢの屈曲可動部分のブラケツト１４，１５によ
る固定を解いて、その屈曲可動部分を外方に引出
し、支持具１６によつて所定の搬出姿勢に保持さ
せる（第３図状態）、そして駆動機構１３の作動
を開始すれば、ベルトコンベアＢは、穀粒移送可
能の搬送ベルト１２が矢印イ方向に回動すること
となつて、該ベルトにより、前後部４ｂ，４ｃ固
定壁材間の幅全体にわたつて一挙に貯留穀粒を搬
出して行き、移送終端から矢印ロの方向に排出す
るのである、よつてこの排出部に適宜の受具を予
め用意しておくことにより、その受具内に迅速に
穀粒を取出せるのである。

本考案は、コンバインに有せしめる穀粒タンク
４の底部４ｅ及び外側部４ｆを、一連に作動する
コンベアＢで形成し、該ベルトコンベアＢを穀粒
搬出姿勢に切換え得るように構成したことを特徴
とするものであるから、スパイラー移送による穀
粒取出構造の従来装置に比し、著しく短縮された
時間で穀粒取出しを行うことができ、しかも穀粒
損傷を少なくして、穀粒タンク内に残留を生じな
いように最後まで排出させることができるといつ
た利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は実施例の穀粒タンク装置をもつたコンバインの
側面概略図、第２図と第３図はその要部縦断背面
概略図を示す。 ４…穀粒タンク、４ｅ…タンク底部、４ｆ…タ
ンク外側部、Ｂ…ベルトコンベア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 穀粒タンクを有するコンバインにおいて、前記
   穀粒タンク４の底部４ｅ及び外側部４ｆを、一連
   に作動するベルトコンベアＢで形成し、該ベルト
   コンベアＢを穀粒搬出姿勢に切換え得るように構
   成したことを特徴とするコンバインにおける穀粒
   タンク装置。