JPS642359B2 - - Google Patents

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JPS642359B2
JPS642359B2 JP24460583A JP24460583A JPS642359B2 JP S642359 B2 JPS642359 B2 JP S642359B2 JP 24460583 A JP24460583 A JP 24460583A JP 24460583 A JP24460583 A JP 24460583A JP S642359 B2 JPS642359 B2 JP S642359B2
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JP
Japan
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carrier particles
microorganisms
liquid
biological reaction
raw material
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JP24460583A
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Masaaki Noguchi
Yoshinori Yushina
Hiroshi Sato
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Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は生物反応方法に関し、詳しくは密封系
とした生物反応装置(バイオリアクター)内に微
生物を付着させて該系内に存在する液体よりも比
重が小さい担体粒子の層を設け、該層に対して下
向流で反応原料液を通して流動層を形成せしめて
生物反応を行なわせしめる新規な生物反応方法に
関するものである。 いわゆる固液流動床(あるいは流動層)は化学
工学の定義上、液体を上向流で固体粒子の流動開
始速度以上終末速度以下の速さで通したとき粒子
層が形成される状態を意味するものであり、液体
に浮上する比重の小さい粒子群に液体を下向流で
流したときに前記粒子群と同様の挙動を示すが、
これは通常の流動層の概念には含まれていない。
本発明では、このような下向流によつてもたらさ
れる浮上性担体粒子の状態を流動床または流動層
と称する。 近年、適当な担体に固定化した微生物を生物反
応装置に充填して連続的に生物反応を行なうこと
が試みられている。 本発明は、このような固定化微生物を使用する
生物反応、具体的には発酵法による有用物質(化
学品、医薬品等)の生産方法の改良に関する。 本発明は、外気を遮断し、内部を滅菌処理した
密封系内に微生物を付着せしめた該系内に存在す
る液体よりも比重が小さい担体粒子の層を保持す
ると共に、生物反応を行なうに必要な成分を含有
する原料液を該層に対し下向流で通すことによつ
て担体粒子を流動層状態に維持し、原料液と微生
物との接触によつて生物反応を連続的に行なわし
め、生物反応の効率が低下した段階で(a)原料液の
供給を停止し、(b)系内に存在する液体のPHを4以
下もしくは10以上に調節して撹拌することにより
担体粒子に付着する微生物を剥離し、(c)剥離した
微生物を系外に除去し、(d)担体粒子の滅菌処理を
行ない、(e)再び原料液を供給し、かつ種微生物を
移植して生物反応を行なうことを特徴とする生物
反応方法を提供するものである。 本発明における生物反応は微生物の種類、発酵
型式等に制限はなく、細菌、酵母、カビ、放線
菌、担子菌、藻類等の微生物を使用して好気的あ
るいは嫌気的条件下に培養を行ない目的とする有
用生産物を得るものである。 微生物を担持する担体粒子は、バイオリアクタ
ー内に存在する液体よりも比重が小さいものであ
り、さらに液体の浸透性も小さくて半永久的に浮
上性を有し、かつ微生物が付着し易い構造および
表面をもつていることが望ましい。担体粒子の素
材としては親水性を有するものが好ましく、担体
粒子の具体例としてはたとえば黒曜石、石英粗面
岩、松脂岩、頁岩等の鉱石を砕石、焼成すること
によつて水分をガス化し、発泡軽量化したもの
や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等により代表される合成樹脂の粒子を発泡させ
たり、表面を粗面化処理したもの、さらには合成
樹脂を基材としてその表面に無機材(タルク、ク
レー、パーライトなど)や繊維等を適当な手段で
付着させた複合担体粒子などを挙げることができ
る。このように、担体粒子は親水性であり、ミク
ロ的にみた表面が滑らかでなく凹凸やヒダ、突起
部、引掻き傷などが存在するものが好ましい。 担体粒子への微生物の付着は任意の方法によつ
て行なうことができるが、好適には担体粒子を充
填したバイオリアクターに生物反応を行なうに必
要な成分を含有する原料液(培地、反応基質液)
を回分式あるいは連続的に供給すると共に種微生
物を加えて微生物の増殖、担体粒子への付着を行
ない、担体粒子への付着微生物濃度が十分な値に
達したときに連続的な生物反応を開始する。 なお、ここで担体粒子への微生物の付着とは通
常の付着状態のほか、担体粒子表面への懸垂、担
体粒子表面の凹凸部や引掻き傷等の間に挾まつて
いる状態、さらには微生物が担体粒子表面上に多
層重なつている状態をも含む広い概念を意味す
る。微生物を利用した発酵生産方法においては使
用する原料液、装置、機器類等を予め滅菌してお
くことは不可欠の事項である。バイオリアクター
の滅菌処理はスチーム等による熱処理法、塩素処
理などによる薬品処理法等により行なう。同様に
原料液の貯槽、配管、担体粒子等についても予め
滅菌処理をしておくことが必要である。バイオリ
アクター系は外気を遮断し密封系としたものを用
い、浮上性の担体粒子を充填し、内部を滅菌処理
して微生物を付着せしめ、該担体粒子の層に対し
て原料液を上方から下向流として供給して担体粒
子層を流動化して効率よく接触せしめる。本発明
における下向流の流動床は既存の上向流流動床を
単に上下を逆転させたものにすぎない様にみえる
が、実際は従来の流動床では解決し得なかつた問
題点を解決する極めて独特な、かつ新規な方法で
ある。すなわち、まず第1に好気性条件下におけ
る発酵生産を考えると、従来の上向流流動床にお
いて担体粒子してバイオリアクター内の液体より
も大きい比重を有するものを使用すると、微生物
反応に必要な空気あるいは酸素含有気体を上向流
流動床内に供給することは該流動床の明らかな混
乱を招き、担体粒子を系外に流出させるという大
きな問題が存在する。一方、本発明の方法では、
下向流流動床の下部より空気あるいは酸素含有気
体を供給しても、原料液の供給部がバイオリアク
ター上部にあり、処理液の抜出し部がバイオリア
クター下部に設けられるため、担体粒子が系外に
流出することがない。また、気泡が担体粒子に付
着した場合について考えると、本発明では担体粒
子の浮力が増大し、担体粒子の系外流出の防止を
助けることとなる。 さらに、気液の接触という立場から考えた場
合、流体が下向流であり、気体が上向流であるた
め、両者は向流的に接触することとなり、酸素吸
収の効率が増大するという利点を有している。 次に、嫌気性条件下における発酵生産を考える
と、発生ガスによる影響が極めて大きく、従来の
上向流流動床では担体粒子に付着している微生物
に該発生ガスが付着し、担体粒子が浮上して液体
の上向流に同伴して担体粒子が系外に流出する場
合が多い。これに対し、本発明の下向流流動床で
は担体粒子に浮上する力を与えることとなり、担
体粒子の系外流出防止を助けることになり、キヤ
リーオーバーという問題点が解決される。 原料液は生物反応を行なうに必要な成分、すな
わち炭素源、窒素源、無機塩類、その他必要に応
じて微生物の増殖や目的とする生産物の収率を向
上させるための成分等を含有するものである。炭
素源、窒素源等については使用する微生物の種類
などを考慮して適宜選択する。原料液は、前記し
たように、バイオリアクターの上部より供給して
担体粒子を流動化せしめる。 原料液と微生物との接触による生物反応は連続
的に行ない、この際に空気あるいは酸素含有気体
の導入が必要な場合にはバイオリアクター下部よ
り供給する。 生物反応を終了した処理液はバイオリアクター
下部に設けた抜出口より系外に導き、生産物質の
単離、精製を行なう。なお、好適には処理液の一
部を循環させバイオリアクターの上部より原料液
を共に担体粒子層に送り、生物反応を行なわせ目
的とする物質の生産をより効率的に行なう。この
循環はポンプを用いて行なつたり、バイオリアク
ターにドラフトチユーブを設置してガスを供給し
ガスリフトにより行なう方法、さらには該ドラフ
トチユーブ内にインペラーを設けて行なう方法な
どを採用して行なうことができる。 以上に説明したように、原料液と微生物との生
物反応は連続的に行なわれるが、ある期間経過
後、雑菌の混入、老廃物の蓄積、その他の理由に
よつて反応効率が低下してくることは避け得な
い。そこで、本発明ではこのような反応効率が低
下した段階において(a)原料液の供給を停止し、(b)
系内に存在する液体のPHを4以下もしくは10以上
に調節して撹拌することにより担体粒子に付着す
る微生物を剥離し、(c)剥離した微生物を系外に除
去し、(d)担体粒子の滅菌処理を行なうのである。 原料液の供給を停止した後、バイオリアクター
内に塩酸、硫酸などの酸を加えて系内の液体のPH
を4以下、好ましくは3以下とするか、あるいは
水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカ
リを加えて10以上、好ましくは11以上のPHとし、
この状態で通常は室温にて30分〜10時間撹拌する
ことによつて担体粒子に付着する微生物を剥離す
る。この場合、温度を上げることによつて撹拌時
間を短縮することも可能である。ここで撹拌はポ
ンプ循環、ガスリフト、インペラーの使用等によ
り行なうことが好ましい。 本発明者らは、バイオリアクター内に担体粒子
を保持する場合、担体粒子の比表面積が極めて大
きく、従つて付着微生物量も多いため、滅菌処理
に際しては予め付着微生物を出来るだけ完全に剥
離する工程が不可欠であると推考した。すなわ
ち、担体粒子は表面にヒダ、凹凸、細孔等が形成
されており、また付着した微生物の膜厚は原料
液、微生物により異なるが、通常数百ミクロンか
ら数ミリメートルの範囲にあることから、そのま
まスチーム等の熱処理による滅菌操作を施しても
担体粒子を完全に滅菌することは極めて困難であ
る。その上、微生物の付着している担体粒子表面
の面積はバイオリアクターの内表面積に比較して
圧倒的に大きいのである。たとえば有効直径4
m、有効高さ5mの工業規模の発酵槽(容積63
m3)に直径4mm、長さ4mmの中空円筒型担体粒子
30m3を充填した場合、粒子の比表面積が約1000
m2/m3であるから、担体粒子の全表面積は30000
m2となり、バイオリアクターの内表面積76.4m2
りも著しく大きい。 そこで、本発明者らは様々の剥離方法のテスト
を行ない、微生物の剥離量とPHとの関係を検討し
たところ、上記の如くPH4以下もしくは10以上の
PHに調節して撹拌を行なうことによつて顕著な微
生物剥離が可能であることを見い出し、本発明を
完成するに到つたものである。 上記の特定PH域で剥離操作を行なうと、担体粒
子は微生物付着による変色も無くなりほぼ原素材
の色に戻る。さらに、該系内に存在する液体より
も比重が小さい担体粒子を使用しているため、撹
拌を停止すると、担体粒子は浮上し、剥離した微
生物は沈降するので、両者の分離は極めて容易に
行なわれ、微生物を系外に排出することができ
る。この場合、バイオリアクター内の液体の一部
も同時に除去する。ここにも、比重の小さい担体
粒子を使用する大きな特徴が存在する。 なお、系内に存在する液体のPHを4以下もしく
は10以上に調節して撹拌する付着微生物の剥離工
程は、PHを4以下もしくは10以上に維持する場合
と、一旦、液のPHを4以下に調節して撹拌し、次
に液のPHを10以上にして再度撹拌するようなPHを
酸性側とアルカリ側に交互に調節する場合を含む
ものである。 担体粒子に付着する微生物として反応に適する
PH領域が中性のものを用いる場合には、液のPHを
4以下あるいは10以上のどちらかに維持して撹拌
して行なうが、好酸性微生物を用いる場合には、
その剥離操作は液のPHをアルカリ側、すなわちPH
を10以上に調節して撹拌することにより行ない、
一方、好アルカリ性微生物を用いる場合には、液
のPHを酸性側のPH4以下に調節して撹拌すること
により行なう。 また、異種微生物を含むものを用いる場合に
は、前記の単独微生物を用いる場合に比し、さら
に剥離を完全に行なうことが困難と考えられる。
この場合には液のPHを4以下もしくは10以上に維
持して撹拌しても微生物の剥離が完全に行なえな
い場合があるので、その場合には前記のように液
のPHを酸性側とアルカリ側に交互に調節して撹拌
する操作を行うことにより微生物の剥離を完全に
行なうことができる。 次いで、担体粒子の滅菌処理を行なうが、スチ
ーム等による熱処理法もしくは塩素等による薬品
処理法を採用する。好ましくは、この滅菌処理を
行なう前に系内に水を導入して担体粒子を水洗す
ることによつて微生物の剥離と剥離操作に用いた
塩酸等の薬品除去をより完全に行なう。 このようにして本発明の方法で滅菌を行なう
と、粒子は浮かんでいて移動し易い為、例えばス
チーム滅菌の場合、全粒子が高温にさらされ易く
滅菌が完全に行なわれる。 一方、仮りに沈澱するような粒子を用いた場
合、沈澱した剥離微生物と一緒のゾーンに粒子が
あるため、粒子の移動がしにくくなつたり、高温
にさらされないで熱伝導のみの部分ができ易く滅
菌が不完全になる。 さて、滅菌、洗浄処理を行なつたのち、(e)再び
原料液を供給し、かつ種微生物を移植する。種微
生物が増殖して十分量の微生物が担体粒子に付着
したことを確認してから本発明の生物反応を再開
する。 従来のように微生物を培地に懸濁させて行なう
発酵型式の場合、雑菌が混入した際の発酵槽の滅
菌は、槽内の液体等を抜きとり発酵槽本体を滅菌
すればよく、比較的容易な作業であつた。これに
対して、本発明のような担体粒子の流動床を用い
る発酵型式では、雑菌が混入した場合に担体粒子
を廃棄処分とするか滅菌するかいずれかを選択す
る必要が生じることになる。経済的な立場からす
れば、担体粒子を滅菌して永続的に使用すること
が望ましい。 このように、担体粒子の滅菌処理は重大な問題
であるが、本発明者らが試行錯誤により到達した
上記の操作によつて担体粒子の滅菌を十分に行な
い得ることが確認された。 次に、本発明の好ましい実施態様を図面ととも
に説明する。 第1図は嫌気性発酵の場合を示したものであ
り、担体粒子の流動床は発生ガスを循環させてガ
スリフトさせることによつて液体の下向流を生ぜ
しめて行なつている。一方、好気性発酵の場合に
は、発生ガスの代りに空気または酸素含有気体を
ドラフトチユーブあるいは担体粒子層下方より供
給することによつて行なうことができる。 反応系の滅菌が終了し、担体粒子に所定の微生
物が付着したところで定常運転を開始する。原料
槽1からポンプ2により供給管3を経て原料液を
発酵槽4に供給する。発酵槽4内には槽内の液体
よりも比重が小さい担体粒子5が充填されてお
り、この担体粒子表面に微生物が付着している。
原料液はドラフトチユーブ6から上昇してくる一
部の担体粒子を含む循環液を混合されデイストリ
ビユーター7を通つて流動床10に至り生物反応
を行なう。 生物反応を行ない最終生産物を含む処理液の一
部を排出管11より抜出し、同伴する粒子表面か
らの剥離微生物を分離するため、固液分離機12
を通過させ、次いで生産物回収工程13を経て最
終生産物14を得る。生産物回収工程は生産物の
性状に応じて膜分離、蒸留、抽出等の単位操作を
選択することができる。 嫌気性発酵により発生したガスはデイフユーザ
ー8によりドラフトチユーブ6に供給され、ガス
リフト用に供される。余剰のガスはガス抜28よ
り系外へ出す。 連続運転を続けた後、発酵槽4が雑菌により汚
染された場合、また他の原因で能力が劣化した場
合、原料液の供給を停止し、滅菌操作を行なう。
まず第1に、アルカリ貯槽15からポンプ16に
よりアルカリ液を発酵槽内に導入し、該槽内の液
体のPHを10以上、好ましくは11〜14程度にする。
所定のPHに達したときポンプ16を停止し、ブロ
ワー17を稼動してドラフトチユーブ6内および
流動床10内へ発生ガスあるいは空気を供給し、
流動床内を撹拌して担体粒子表面より微生物を剥
離する。室温にて約2〜3時間撹拌を行なうと、
担体粒子表面に付着している微生物がほぼ完全に
剥離する。複雑な形状をしている担体粒子や付着
性の強い微生物が系内に存在している場合は、撹
拌条件を変えたり撹拌時間を延長する。 次いで、酸貯槽18からポンプ19により酸を
供給し、槽内の液体のPHを中性付近に調整し、ブ
ロワー17を停止する。その後、担体粒子5は浮
力により発酵槽上方へ移動し、また剥離した微生
物は下方に沈降する。微細な微生物の沈降を促進
させるため、ブロワーを停止する前に適当な凝集
剤を添加することにより微生物を凝集させること
ができる。このように、本発明では担体粒子と微
生物の移動方向が異なるため、微生物の分離が極
めて容易である。 次に、槽内の液体等を抜出すには、まずライン
20を通して沈降性微生物を含む液体を抜出し、
濃縮槽21に送り、ここで微生物の濃縮を行な
い、さらに脱水機22により脱水を行なう。微生
物の流出が少なくなつたら、ライン20を閉め、
ライン23を開けて排水として系外に抜出す。発
酵槽内の液体が全部抜出されたならば、水洗用水
24を発酵槽に満たし、ブロワー17を再び稼動
して前記と同様の撹拌を1〜2時間行なつたのち
ブロワーを停止する。この操作によつて残存する
微生物を剥離して分離することができる。この水
洗を1〜3回行なうことにより発酵槽内の微生物
をほぼ完全に除去することができる。 上記の如く系内のPHを高く(もしくは低く)す
ることは単に微生物の剥離を行なうばかりでな
く、微生物の種類によつては滅菌効果も大きく、
次の連続運転を再開することも可能である。この
場合には剥離操作と滅菌処理が同時に行なわれて
いることになる。しかしながら、通常はこの後ス
チーム等を使用した滅菌処理を行ない、より完全
な滅菌を行なう。すなわち、スチーム25を水洗
用水で満たされた発酵槽の中に供給する。このと
き、発酵槽内の担体粒子は流動させてもよく、固
定状態でもよい。スチーム25は第1図に示すデ
イフユーザー8より導入してサーモサイフオン方
式により担体粒子を流動させながら滅菌すること
ができる。また、第2図に示すように、スチーム
25の供給口は発酵槽の下部26および壁の接線
方向27に設け、担体粒子が緩やかに槽内を回転
し担体粒子の全体の滅菌が出来るように配慮して
もよい。滅菌のための温度、時間等は対象となる
微生物の種類により異なり一義的に決められない
が、予め実験を行ない条件を決定しておけばよ
い。滅菌温度を100℃以上とすることが不可欠と
なる場合には発酵槽を耐圧性のものとする必要が
ある。発酵槽や担体粒子以外にも原料液貯槽、各
配管、ポンプ等についても滅菌を行なう。 以上の滅菌処理を行なつたのち、再び原料液の
供給と種微生物の移植をし、十分量の微生物が担
体粒子に付着してから次の連続運転に入る。 上記の説明では微生物の剥離をアルカリ性のPH
に調節して行なつたが、塩酸、硫酸等の酸を使用
してPH4以下、好ましくは3以下にしても同様の
剥離効果をあげることができる。この場合は、剥
離作業終了後にアルカリ貯槽15よりアルカリを
送り中和すればよい。 本発明の方法によれば、担体粒子に高濃度の微
生物を保持することができ、効率よく生物反応を
行なえる上に、滅菌操作が容易かつ確実に行なえ
る。また、本発明の方法によれば、担体粒子の滅
菌を完全に行なうことができるので、担体粒子の
再使用、長期使用が可能となる。さらに、発酵生
産物の収率を向上させるには、バイオリアクター
を多段化すればよく、目的とする物質を短時間に
高率で得ることができる。したがつて、本発明の
方法は発酵法による化学品、医薬品等の製造に極
めて有用である。 次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明
する。 実施例 1 担体粒子としてポリプロピレンを素材とし、表
面に多数の凹凸を有する中空円筒粒子(4.5mm径、
4.5mm長、0.3厚、比重0.76)を使用し、バイオリ
アクターとして容積140ml、30mm径、200mm高の容
器を用いた。担体粒子37mlをバイオリアクターに
充填し、これにザイモモナス・モビリス
(Zymomonas mobilis)IFO13756を付着(定常
状態で担体粒子当りの微生物濃度は28600mg/
せしめ、所定濃度のグルコースを含む培地を所定
の割合で供給して30℃でエタノール発酵を行なつ
た。定常状態で2ケ月間連続運転を行なつたとき
の結果を第1表に示す。
【表】 して
上記結果から明らかなように、本発明によるエ
タノール生産速度は極めて高いことが判明した。 実施例 2 この例では担体粒子に付着した微生物の剥離と
PHとの関係について調べた。実施例1と同じ担体
粒子(白色)を用い、この粒子に対し異種微生物
が存在する好気性活性汚泥を付着させた。 好気性活性汚泥には球状菌、桿状菌、糸状菌等
極めて多種類の微生物が含まれているので、この
活性汚泥の剥離とPHとの関係を調べることによ
り、その関係が殆んどの微生物に適用し得ると判
断し、好気性活性汚泥を使用したものである。 活性汚泥を付着させた担体粒子300mlを1容
ビーカーに入れ、蒸留水を加えて500mlとした。
次に、硫酸もしくはカセイソーダを用いて所定の
PHに調整し、50℃でスターラーにて1時間撹拌し
たときの剥離した微生物濃度を測定した。結果を
第2表に示す。
【表】
【表】 上記結果より、PH4以下もしくは10以上とする
ことにより極めて効果的に微生物が剥離すること
が認められた。 実施例 3 この例では微生物の剥離を常温で行なう場合の
所要時間を調べた。担体粒子実験方法は実施例2
の場合と同じであるが、PHは13を選んだ。結果を
第3表に示す。
【表】 上記結果より、常温の場合でも2〜3時間の撹
拌時間を与えれば担体粒子に付着している微生物
は有効に剥離できることが判明した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の説明図、第2図a,
bはスチームによる滅菌方法の説明図である。 1……原料液貯槽、4……発酵槽、5……担体
粒子、6……ドラフトチユーブ、10……流動
床。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 外気を遮断し、内部を滅菌処理した密封系内
    に微生物を付着せしめた該系内に存在する液体よ
    りも比重が小さい担体粒子の層を保持すると共
    に、生物反応を行なうに必要な成分を含有する原
    料液を該層に対し下向流で通すことによつて担体
    粒子を流動層状態に維持し、原料液と微生物との
    接触によつて生物反応を連続的に行なわしめ、生
    物反応の効率が低下した段階で(a)原料液の供給を
    停止し、(b)系内に存在する液体のPHを4以下もし
    くは10以上に調節して撹拌することにより担体粒
    子に付着する微生物を剥離し、(c)剥離した微生物
    を系外に除去し、(d)担体粒子の滅菌処理を行な
    い、(e)再び原料液を供給し、かつ種微生物を移植
    して生物反応を行なうことを特徴とする生物反応
    方法。 2 担体粒子の層を通過して生物反応が行なわれ
    た処理液の一部を系外に回収すると共に該処理液
    の残部を再び該層の上部に循環供給して生物反応
    を行なう特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 (d)工程の担体粒子の滅菌処理を行なう前に該
    担体粒子の水洗を行なう特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
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