JP6349949B2 - 担体供給方法及び担体供給装置及び細胞培養システム - Google Patents
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Description
本発明は、培地中に懸濁させた担体を培養槽に均等に供給する担体供給方法及び担体供給装置及び細胞培養システムに関するものである。
動物細胞、植物細胞等の細胞には、それぞれ培養の際に増殖用の足場を必要とする付着性の細胞と、増殖用の足場を必要としない浮遊性の細胞とがあり、培養した細胞は有用物質の生産等に広く使用されている。
Vero細胞やES細胞、iPS細胞等の付着性の動物細胞の培養方法の1つとして、浮遊培養法がある。浮遊培養法は、マイクロキャリア等の微小な担体に細胞を付着させ、ボトル等の容器に導入された培地中に担体を浮遊させ培養を行う。その際に担体に付着した細胞に撹拌等で生じる剪断応力を許容剪断応力(細胞が破損しない強さの剪断応力)以下で与えることで、効率よく細胞の培養を行なうものである。
担体を用いた浮遊培養を行なう為の担体の供給方法として、担体を手動で供給する場合と、担体を自動で供給する場合の2つの方法がある。
担体を手動で供給する場合には、予めPBS(Phosphate Buffered Saline:リン酸緩衝生理食塩水)等の緩衝液に懸濁させておいた担体をピペットで吸取り、担体を細胞や培地と共に培養槽に供給する。その後、撹拌等により細胞の付着した担体を培地中に浮遊させることで、細胞の培養を行う。
又、担体を自動で供給するものとして、特許文献1に示されるものがあり、第2供給槽に予め貯溜されたマイクロディスク浮遊液を、第2供給ポンプにより第2供給管を介してチャンバ内に供給する構成が開示されている。
然し乍ら、担体を手動で供給する場合、担体を懸濁させたPBS等からの回収に作業者の技術が必要であり、作業も繁雑である。又、ピペット等のツールが汚染されていた場合には、結果の信頼性、再現性を失う虞れがある。
又、特許文献1の場合、マイクロディスクをPBS溶液等に懸濁させた後、静置するとマイクロディスクが沈殿することから、単に第2供給ポンプによりマイクロディスク浮遊液を移送しようとすると、マイクロディスクを均一に供給することができない。マイクロディスクを均一に供給できないことで、細胞の付着していないマイクロディスクができる、或は細胞が付着しすぎて細胞が増殖する余地がないマイクロディスクができる等の問題が発生する。
尚、特許文献2には、マイクロキャリアで満たされたスラリー作製槽に培地貯液槽から培地を供給し、撹拌装置により前記スラリー作製槽に設けられた撹拌翼を回転させることで、マイクロキャリアスラリーを作製する構成が開示されている。
本発明は斯かる実情に鑑み、担体を培養槽に均一に供給可能とした担体供給方法及び担体供給装置及び細胞培養システムを提供するものである。
本発明は、担体供給容器に細胞接着物質溶液に懸濁された担体を供給する工程と、該担体が沈降した後に前記細胞接着物質溶液を排出する工程と、培養槽内の培地を前記担体供給容器に供給する工程と、振盪で前記培地中に前記担体を懸濁させる工程と、振盪を維持した状態で前記担体を懸濁させた前記培地を前記培養槽に導入する工程とを有する担体供給方法に係るものである。
又本発明は、前記細胞接着物質溶液を排出する工程と、前記培養槽内の前記培地を前記担体供給容器に供給する工程との間に、該担体供給容器に薬液を供給する工程と、振盪で前記担体供給容器を撹拌して前記薬液で前記担体を洗浄する工程と、該担体を沈降させる工程と、前記薬液を排出する工程とを有する担体供給方法に係るものである。
又本発明は、担体供給容器と、該担体供給容器に担体を供給する担体供給手段と、前記担体供給容器を振盪させ前記担体を浮遊させて培地中に懸濁させる振盪手段と、前記担体供給容器内の液体を排出する排出手段と、前記担体供給容器に細胞を培養する培養槽から培地を供給すると共に、前記振盪手段により懸濁された前記培地を培養槽に導入する培地給排手段とを具備する担体供給装置に係るものである。
又本発明は、前記担体供給手段と前記培地給排手段は、それぞれ担体供給管と培地給排管とを有し、前記担体供給管の下流端部は前記担体供給容器の内部に延出し、前記担体供給管及び前記培地給排管が前記下流端部の上流で接続された担体供給装置に係るものである。
又本発明は、前記担体供給容器に薬液を供給する薬液供給手段を更に具備し、該薬液供給手段は薬液供給管を有し、該薬液供給管は前記下流端部よりも上流で前記担体供給管に接続された担体供給装置に係るものである。
又本発明は、前記担体供給容器は逆円錐状又は逆角錐状であり、前記担体供給容器の頂角は、45°〜120°に含まれる担体供給装置に係るものである。
更に又本発明は、前記担体供給装置を有する細胞導入装置と、細胞培養装置と、細胞剥離装置と、細胞回収装置とを具備し、前記細胞導入装置が前記細胞培養装置に担体と細胞と培地とを導入し、前記細胞培養装置が前記担体を前記培地に浮遊させて細胞を前記担体上で培養し、前記細胞剥離装置が前記細胞培養装置から供給された前記培地に含まれる前記担体から細胞を剥離させ、前記細胞回収装置が前記細胞剥離装置に剥離させた細胞を回収する細胞培養システムに係るものである。
本発明によれば、担体供給容器に細胞接着物質溶液に懸濁された担体を供給する工程と、該担体が沈降した後に前記細胞接着物質溶液を排出する工程と、培養槽内の培地を前記担体供給容器に供給する工程と、振盪で前記培地中に前記担体を懸濁させる工程と、振盪を維持した状態で前記担体を懸濁させた前記培地を前記培養槽に導入する工程とを有するので、該培養槽で特に幹細胞を培養する際に前記担体上に細胞の塊が形成されることがなく、未分化状態が維持されて該担体上に均一に細胞を培養させることができる。
又本発明によれば、担体供給容器と、該担体供給容器に担体を供給する担体供給手段と、前記担体供給容器を振盪させ前記担体を浮遊させて培地中に懸濁させる振盪手段と、前記担体供給容器内の液体を排出する排出手段と、前記担体供給容器に細胞を培養する培養槽から培地を供給すると共に、前記振盪手段により懸濁された前記培地を培養槽に導入する培地給排手段とを具備するので、前記振盪手段により前記担体供給容器を振盪させることで、前記担体供給容器の下端まで満遍なく撹拌することができ、前記担体を前記培地中に均一に懸濁させ、前記担体を前記培養槽に均一に供給することができる。
更に又本発明によれば、前記担体供給装置を有する細胞導入装置と、細胞培養装置と、細胞剥離装置と、細胞回収装置とを具備し、前記細胞導入装置が前記細胞培養装置に担体と細胞と培地とを導入し、前記細胞培養装置が前記担体を前記培地に浮遊させて細胞を前記担体上で培養し、前記細胞剥離装置が前記細胞培養装置から供給された前記培地に含まれる前記担体から細胞を剥離させ、前記細胞回収装置が前記細胞剥離装置に剥離させた細胞を回収するので、前記担体を前記細胞培養装置に自動で均一に供給でき、細胞と前記担体との比が容易に調整され、自動培養の効率を向上させることができるという優れた効果を発揮する。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
先ず、図1に於いて、本発明の実施例に係る細胞培養システムについて説明する。
細胞培養システム1は、主に細胞導入装置2、細胞培養装置3、細胞剥離装置4、細胞回収装置5によって構成され、細胞の導入から培養、剥離、回収迄の一連の処理を行う。尚、図1中、実線の矢印は各構成同士が常時接続されている状態を示し、破線の矢印は各構成同士が必要に応じてその都度接続される状態を示している。
前記細胞導入装置2は、主に担体供給部6、薬液タンク7、担体供給容器8、細胞供給部9、冷蔵庫11等により冷蔵保存された培地タンク12から構成されている。
前記担体供給部6には、細胞接着物質の溶液中に懸濁された担体13が貯溜され、前記薬液タンク7には、所定の薬液が貯溜され、前記培地タンク12には培地14が貯溜されている。前記細胞導入装置2は、前記細胞培養装置3の培養槽15に、前記担体13、細胞、前記培地14をそれぞれ導入する様になっている。尚、前記薬液タンク7に貯溜される薬液としては、PBS、HBS、TBS、BBS等が用いられる。
前記細胞培養装置3は、主に内部を恒温状態に維持する恒温槽16と、該恒温槽16内に設けられた前記培養槽15と、培地循環ポンプ17と、廃液タンク18とから構成されている。前記細胞培養装置3は、前記細胞導入装置2から導入された前記担体13を前記培地14中に浮遊させ、前記培地循環ポンプ17により前記培地14を循環させることで、細胞に許容剪断応力以下の剪断応力を与え、前記担体13上で細胞を培養する。
前記細胞剥離装置4は、主に剥離槽19、緩衝液や剥離液等の各種薬液が貯溜された薬液タンク21から構成され、該薬液タンク21から供給された薬液と、剪断応力付与手段(図示せず)により与えられる剪断応力により、前記剥離槽19内で前記担体13から細胞を剥離させる。更に、前記細胞回収装置5は、前記細胞剥離装置4により剥離された細胞のみを回収する様になっている。
前記細胞導入装置2について更に詳しく説明する。
前記担体供給部6には、前記担体13上で細胞、特に多能性幹細胞を未分化状態を維持したまま培養する為の細胞接着物質溶液、例えばカドヘリン、マトリゲル、ラミニン等の溶液が貯溜されると共に、該溶液中に185μm程度の球状、或はディスク状のマイクロキャリアである前記担体13が懸濁されている。
又、前記薬液タンク7には、前記担体13を洗浄する為の緩衝液、例えばPBS(リン酸緩衝生理食塩水)が貯溜されている。
前記担体供給部6には担体供給管22の上流端が接続され、該担体供給管22の下流端が前記担体供給容器8に接続されている。前記担体供給部6は、前記担体供給管22を介して前記担体供給容器8に接続され、前記担体供給管22には、上流側から順に担体供給バルブ23、ポンプ24が設けられている。尚、前記担体供給部6、前記担体供給管22、前記担体供給バルブ23、前記ポンプ24により担体供給手段が構成される。
又、前記薬液タンク7には薬液供給管25の上流端が接続され、該薬液供給管25の下流端が前記担体供給管22の前記担体供給バルブ23と前記ポンプ24との間に接続されている。前記薬液タンク7は、前記薬液供給管25、前記担体供給管22を介して前記担体供給容器8に接続され、前記薬液供給管25には薬液供給バルブ26が設けられている。尚、前記薬液タンク7、前記薬液供給管25、前記担体供給管22、前記薬液供給バルブ26、前記ポンプ24により薬液供給手段が構成される。
前記担体供給バルブ23と前記薬液供給バルブ26のいずれか一方を開放し、いずれか他方を閉塞した状態で、前記ポンプ24を駆動することで、前記担体供給管22より細胞接着物質溶液に懸濁された前記担体13と薬液のいずれか一方を選択的に前記担体供給容器8に供給できる様になっている。
又、前記担体供給容器8は、排液管27を介して前記廃液タンク18に接続され、前記排液管27に排液ポンプ28が設けられている。該排液ポンプ28を駆動させることで、前記排液管27を介して前記担体供給容器8内の液体を前記廃液タンク18に排出可能となっている。尚、前記排液管27、前記排液ポンプ28により排出手段が構成される。
又、前記担体供給容器8は、前記担体供給管22の中途部に接続された培地給排管29を介して前記培養槽15に接続されている。又、前記培地給排管29には正転及び逆転が可能な培地給排ポンプ31が設けられている。該培地給排ポンプ31を駆動させることで、前記担体供給容器8中の担体懸濁液(後述)を前記培養槽15に供給できると共に、該培養槽15内の前記培地14を前記担体供給容器8内に導入できる様になっている。尚、前記培地給排管29、前記担体供給管22、前記培地給排ポンプ31により培地給排手段が構成される。
前記培地タンク12は培地供給管32を介して前記培養槽15に接続され、前記培地供給管32には培地供給ポンプ33が設けられている。該培地供給ポンプ33を駆動させることで、前記培養槽15内に培地を供給できる。更に、前記細胞供給部9は前記培地給排管29の中途部に接続された細胞供給管34を介して前記培養槽15に接続され、前記細胞供給管34には細胞供給ポンプ35が設けられ、該細胞供給ポンプ35を駆動させることで、前記培養槽15内に細胞を供給できる。
次に、図2(A)(B)に於いて、前記担体供給容器8及びその周辺部の詳細について説明する。
該担体供給容器8は、水平断面積が上方に向って漸次増大する逆円錐部36と、該逆円錐部36の上端に連続する円筒部37とから構成されている。尚、前記逆円錐部36の頂角は所定の角度αを有しており、例えば頂角αは45°〜120°の範囲で任意の角度が選択される。尚、45°は前記担体供給容器8を振盪させた場合に該担体供給容器8内の液体を撹拌可能な下限値であり、120°は前記逆円錐部36に堆積した前記担体13を前記逆円錐部36の頂部に収集し、効率的に回収可能な角度の上限値となっている。又、本実施例に於いては、図2(A)に示される様に頂角αを90°とした場合と、図2(B)に示される様に頂角αを60°とした場合について説明する。
前記担体供給容器8の下部には、該担体供給容器8を振盪可能に保持する振盪手段である振盪機構38が設けられている。該振盪機構38は、前記担体供給容器8を水平方向に大きく往復動させるもの、該担体供給容器8を小刻みに振動させるもの、該担体供給容器8を大きくゆっくりと円運動させるもの等が適宜選択される。又、往復動、振動、円運動の複合動作を行わせてもよい。
前記担体供給管22の下流端部は、鉛直方向に屈曲されて屈曲部22aが形成される。該屈曲部22aは、前記担体供給容器8の軸心に沿って上方から該担体供給容器8に挿入され、前記屈曲部22aは前記逆円錐部36の底部迄延出している。前記屈曲部22aの下端は前記逆円錐部36の頂部に位置し、前記屈曲部22aの下端と前記逆円錐部36の頂点とは供給に支障がない様接近していることが好ましい。尚、前記屈曲部22aの内径は、前記担体13が詰まらない大きさ、例えば2mm〜3mm程度となっている。
又、前記屈曲部22aの上流端に前記培地給排管29が接続され、前記担体供給管22、前記屈曲部22a、前記培地給排管29はT字状の配管を構成している。更に、前記担体供給管22の前記屈曲部22aの上流側に前記薬液供給管25が接続されている。
前記逆円錐部36の周面の所要位置には、前記排液管27が接続されている。尚、該排液管27が接続される高さは、前記担体供給管22により供給された前記担体13が沈降し、堆積した堆積層39よりも上方となっており、前記担体供給容器8より液体を排出する際に、液体と共に前記担体13が排出されない様になっている。
尚、前記担体供給容器8、前記担体供給手段、前記薬液供給手段、前記培地給排手段、前記排出手段、前記振盪機構38等により担体供給装置が構成される。
次に、図3のフローチャートを用い、前記担体供給容器8から前記培養槽15に前記担体13を供給する場合について説明する。
STEP:01 先ず、前記担体供給バルブ23を開放し、前記薬液供給バルブ26を閉塞した状態で、前記ポンプ24を駆動させる。該ポンプ24の駆動により、前記担体供給部6から細胞接着物質、例えばカドヘリン溶液と前記担体13との懸濁液が屈曲部22aより前記担体供給容器8の頂部近傍に供給される。
STEP:02 前記担体13の供給後、前記担体供給容器8を所定時間静置し、前記担体13を沈降させ、前記逆円錐部36の頂部に前記堆積層39を形成させる。前記担体13の沈降速度は、数cm/min程度であり、前記担体供給容器8の静置時間は前記カドヘリン溶液の液位や前記逆円錐部36の頂角α等により決定される。
尚、図2(A)に示される様に、頂角αが大きい場合、或は前記担体13がディスク状等容易に移動しない形状の場合、前記逆円錐部36の斜面に沈降した前記担体13が前記逆円錐部36の斜面に留まり易く、下方に移動し難い。この場合、前記振盪機構38を駆動させ、前記担体供給容器8に小刻みな振動を与えるか、或はゆっくりと円運動させ、前記担体13の移動を促進してもよい。
又、図2(B)に示される様に、頂角αが小さい場合、前記逆円錐部36の斜面に沈降した前記担体13は、斜面に沿って降下するので、該担体13の形状に拘わらず容易に前記逆円錐部36の下方に移動し、前記振盪機構38による前記担体供給容器8への振盪動作は省略することもできる。
STEP:03 前記逆円錐部36の頂部に前記堆積層39が形成されると、次に前記排液ポンプ28を駆動させ、前記担体供給容器8中のカドヘリン溶液を前記廃液タンク18に排出する。この時、前記排液管27が前記堆積層39よりも上方に接続されているので、カドヘリン溶液と共に前記担体13が排出されるのを防止できる。
STEP:04 カドヘリン溶液の排出後、前記薬液供給バルブ26を開放し、前記担体供給バルブ23を閉塞した状態で、前記ポンプ24を駆動させる。該ポンプ24の駆動により、前記薬液タンク7から、例えばPBSが前記屈曲部22aより前記担体供給容器8の底部に供給される。
STEP:05 PBSの供給後、前記振盪機構38を駆動させ、前記担体供給容器8を大きく往復動させることで、該担体供給容器8の内部が撹拌され、前記担体13の表面に付着したカドヘリン溶液がPBSにより洗浄される。
この時、図2(A)に示される様に、頂角αが大きい場合、PBSの液位が低くなるので、液体は水平方向に移動し易く、小さな振動、或は小さな振幅で前記担体供給容器8全体を撹拌することができ、該担体供給容器8に与える往復動の振動数、振幅等を小さくすることができる。
STEP:06 前記担体供給容器8の撹拌後、該担体供給容器8を所定時間静置し、前記担体13を沈降させて前記逆円錐部36の頂部に前記堆積層39を形成させる。
この時、頂角αが大きい、或は前記担体13の形状がディスク状等である場合、沈降した該担体13が前記逆円錐部36の斜面に沿って移動し難くなる。従って、前記振盪機構38を駆動させ、前記担体供給容器8に小刻みな振動を与えるか、或はゆっくりと円運動させることで、前記逆円錐部36の斜面に沈降した前記担体13を移動させ、前記逆円錐部36の頂部に前記堆積層39を形成させることができる。
又、頂角αが小さい、或は前記担体13の形状が球状である場合、前記逆円錐部36の斜面に沈降した前記担体13は、容易に前記逆円錐部36の斜面に沿って頂部に移動するので、前記振盪機構38による前記担体供給容器8への振盪動作は省略してもよい。
STEP:07 前記担体13が沈降し、前記逆円錐部36の頂部に前記堆積層39が形成されると、次に前記排液ポンプ28を駆動させ、前記担体供給容器8中のPBSを前記廃液タンク18に排出する。
STEP:08 PBSの排出後、前記培地給排ポンプ31を逆転駆動させ、前記培地給排管29、前記屈曲部22aを介して前記培養槽15中の前記培地14を前記担体供給容器8内に供給する。
STEP:09 前記培地14の供給後、前記振盪機構38を駆動させ、前記担体供給容器8を往復動させて該担体供給容器8内を撹拌する。該担体供給容器8内が撹拌されることで、前記担体13が前記培地14中に浮遊し、懸濁されて担体懸濁液が生成される。
尚、前記振盪機構38による振盪動作に加え、前記培地給排ポンプ31に正転駆動及び逆転駆動を繰返し行わせ、前記担体供給容器8に対して前記培地14を出し入れすることで、該培地14を撹拌し、前記担体13を浮遊させ、懸濁させてもよい。この場合、前記培地給排ポンプ31及び前記振盪機構38が振盪手段を構成する。
STEP:10 最後に、前記振盪機構38による振盪動作を維持した状態で、前記培地給排ポンプ31を正転駆動させ、前記屈曲部22a、前記培地給排管29を介して前記担体供給容器8中の前記担体懸濁液を前記培養槽15内に供給することで、前記担体供給容器8から前記培養槽15へ前記担体13が均一に懸濁された状態で自動で供給することができる。
上述の様に、第1の実施例では、前記担体供給容器8の下部が、水平断面積が上方に向って漸次増大する前記逆円錐部36となっているので、カドヘリン溶液やPBS中で沈降した前記担体13を斜面に沿って降下させ、該担体13を1箇所(頂部)に集めることができるので、該担体13の回収が容易となる。
又、前記担体供給容器8の下部が前記逆円錐部36となっているので、前記振盪機構38により前記担体供給容器8を振盪させることで、前記逆円錐部36の頂部迄満遍なく撹拌することができ、前記担体13を前記培地14中に容易且つ均一に懸濁させることができる。従って、前記担体13を前記培養槽15に自動で均一の状態で供給することができるので、細胞と前記担体13との比を容易に調整でき、自動培養の効率を向上させることができる。
又、前記担体供給容器8の下部が前記逆円錐部36となっているので、円柱状の場合と比べて前記担体供給容器8の容積を減少させることができ、前記排液管27を介して前記担体供給容器8中の液体を排出する際の、残留液量を低減させることができる。
又、前記担体供給管22の前記屈曲部22aが、上方から前記逆円錐部36の頂部迄延出しているので、前記屈曲部22aからの液体の給排動作によっても前記担体13を懸濁させることができ、より容易に該担体13を前記培地14中に懸濁させることができる。
又、前記屈曲部22aの上流端で前記担体供給管22と前記培地給排管29が接続され、前記屈曲部22aよりも上流側で前記担体供給管22と前記薬液供給管25とが接続されているので、前記担体13及びPBSの供給、及び前記培地14の給排が全て前記屈曲部22aを介して行われることとなり、配管の本数が低減され、前記担体供給装置の小型化を図ることができる。
前記担体13は、カドヘリン等の細胞接着物質溶液に懸濁された状態で前記担体供給部6に保管され、細胞接着物質溶液と共に前記担体供給容器8に供給される様になっているので、細胞を培養する際に前記担体13上に細胞が固まった状態で培養されることがなく、未分化状態が維持されて該担体13上に均一に細胞を培養させることができる。
更に、図2(A)に示される様に、頂角αが大きい場合、前記逆円錐部36の水平断面積が大きくなり、カドヘリン溶液やPBS等前記担体供給容器8中に供給される液体の液位が低くなるので、前記担体13の沈降に要する時間を短縮することができ、前記培養槽15に対する前記担体13の供給処理の時間を短縮することができる。
又、頂角αが大きい場合、前記担体供給容器8中に供給される液体の液位当たりの容積が大きくなるので、懸濁可能な前記担体13の量を増大させることができる。更に、頂角αが大きいと、液体が水平方向に移動し易いので、振盪効果が大きい。
又、図2(B)に示される様に、頂角αが小さい場合、前記逆円錐部36の斜面に沈降した前記担体13は、形状に拘わらず容易に前記逆円錐部36の頂部に移動するので、該逆円錐部36の斜面に沈降した前記担体13を下方に移動させる為の振盪動作を省略することができる。
又、頂角αが小さい場合、前記逆円錐部36の水平断面積が小さくなり、容積が小さくなるので、排液の際に前記担体供給容器8内に残留する液体の液量をより低減させることができる。
従って、使用する前記担体13の形状、供給する該担体13の量等、種々の条件に応じて最適な頂角αを有する前記担体供給容器8を用いることで、効率よく、且つ均一に懸濁された前記担体13を前記培養槽15内に自動で供給することができる。
尚、第1の実施例では、前記担体13の表面に付着したカドヘリン溶液をPBSで洗浄した後、前記培養槽15に供給しているが、前記担体13として洗浄が不要な担体を用いることもできる。この場合、表面にカドヘリン溶液が付着した担体を前記培養槽15に供給することとなるので、図3中のSTEP:04〜STEP:07の行程を省略することができる。
次に、図4(A)(B)に於いて、本発明の第2の実施例について説明する。尚、図4(A)(B)中、図2(A)(B)中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。又、第2の実施例に於いても、逆円錐部36の頂角は45°〜120°の範囲で任意の角度が選択される様になっており、図4(A)は頂角αを90°とした担体供給容器8を示し、図4(B)は頂角αを60°とした該担体供給容器8を示している。
第2の実施例では、担体供給管22が前記担体供給容器8の下方に配設され、下流端部が上方に屈曲して屈曲部22bを形成しており、該屈曲部22bは前記逆円錐部36の頂点に開口している。尚、前記屈曲部22bの径は、例えば2mm〜3mm程度であり、担体13が詰まらない大きさとなっている。
第2の実施例に於いても、カドヘリン溶液排出後の前記担体13をPBSで洗浄し、PBSを排出した後に培地14(図1参照)を前記担体供給容器8内に供給し、振盪機構38を駆動させて前記担体供給容器8を撹拌することで、前記担体13を前記培地14中に浮遊させ、均一に懸濁させた担体懸濁液を生成することができる。
更に、前記振盪機構38による振盪動作を継続した状態で、培地給排ポンプ31(図1参照)を駆動させることで、前記担体13を均一に懸濁させた前記担体懸濁液を自動で培養槽15(図1参照)に供給することができる。
1 細胞培養システム 2 細胞導入装置
3 細胞培養装置 4 細胞剥離装置
5 細胞回収装置 6 担体供給部
7 薬液タンク 8 担体供給容器
13 担体 14 培地
15 培養槽 22 担体供給管
24 ポンプ 26 薬液供給管
27 排液管 28 排液ポンプ
29 培地給排管 36 逆円錐部
37 円筒部 38 振盪機構
39 堆積層
3 細胞培養装置 4 細胞剥離装置
5 細胞回収装置 6 担体供給部
7 薬液タンク 8 担体供給容器
13 担体 14 培地
15 培養槽 22 担体供給管
24 ポンプ 26 薬液供給管
27 排液管 28 排液ポンプ
29 培地給排管 36 逆円錐部
37 円筒部 38 振盪機構
39 堆積層
Claims (7)
- 担体供給容器に細胞接着物質溶液に懸濁された担体を供給する工程と、該担体が沈降した後に前記細胞接着物質溶液を排出する工程と、培養槽内の培地を前記担体供給容器に供給する工程と、振盪で前記培地中に前記担体を懸濁させる工程と、振盪を維持した状態で前記担体を懸濁させた前記培地を前記培養槽に導入する工程とを有することを特徴とする担体供給方法。
- 前記細胞接着物質溶液を排出する工程と、前記培養槽内の前記培地を前記担体供給容器に供給する工程との間に、該担体供給容器に薬液を供給する工程と、振盪で前記担体供給容器を撹拌して前記薬液で前記担体を洗浄する工程と、該担体を沈降させる工程と、前記薬液を排出する工程とを有する請求項1の担体供給方法。
- 担体供給容器と、該担体供給容器に担体を供給する担体供給手段と、前記担体供給容器を振盪させ前記担体を浮遊させて培地中に懸濁させる振盪手段と、前記担体供給容器内の液体を排出する排出手段と、前記担体供給容器に細胞を培養する培養槽から培地を供給すると共に、前記振盪手段により懸濁された前記培地を培養槽に導入する培地給排手段とを具備することを特徴とする担体供給装置。
- 前記担体供給手段と前記培地給排手段は、それぞれ担体供給管と培地給排管とを有し、前記担体供給管の下流端部は前記担体供給容器の内部に延出し、前記担体供給管及び前記培地給排管が前記下流端部の上流で接続された請求項3の担体供給装置。
- 前記担体供給容器に薬液を供給する薬液供給手段を更に具備し、該薬液供給手段は薬液供給管を有し、該薬液供給管は前記下流端部よりも上流で前記担体供給管に接続された請求項3又は請求項4の担体供給装置。
- 前記担体供給容器は逆円錐状又は逆角錐状であり、前記担体供給容器の頂角は、45°〜120°に含まれる請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の担体供給装置。
- 請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の担体供給装置を用いた細胞培養システムであって、前記担体供給装置を有する細胞導入装置と、細胞培養装置と、細胞剥離装置と、細胞回収装置とを具備し、前記細胞導入装置が前記細胞培養装置に担体と細胞と培地とを導入し、前記細胞培養装置が前記担体を前記培地に浮遊させて細胞を前記担体上で培養し、前記細胞剥離装置が前記細胞培養装置から供給された前記培地に含まれる前記担体から細胞を剥離させ、前記細胞回収装置が前記細胞剥離装置に剥離させた細胞を回収することを特徴とする細胞培養システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014103298A JP6349949B2 (ja) | 2014-05-19 | 2014-05-19 | 担体供給方法及び担体供給装置及び細胞培養システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014103298A JP6349949B2 (ja) | 2014-05-19 | 2014-05-19 | 担体供給方法及び担体供給装置及び細胞培養システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015216880A JP2015216880A (ja) | 2015-12-07 |
JP6349949B2 true JP6349949B2 (ja) | 2018-07-04 |
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ID=54776880
Family Applications (1)
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JP2014103298A Active JP6349949B2 (ja) | 2014-05-19 | 2014-05-19 | 担体供給方法及び担体供給装置及び細胞培養システム |
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Families Citing this family (1)
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CN108018208A (zh) * | 2017-11-08 | 2018-05-11 | 浙江大学 | 一种批量化和个体化兼备的自动化干细胞增殖系统 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS60137288A (ja) * | 1983-12-27 | 1985-07-20 | Chiyoda Chem Eng & Constr Co Ltd | 生物反応方法 |
JP5415330B2 (ja) * | 2010-03-12 | 2014-02-12 | 株式会社日立製作所 | 生体細胞の培養装置及び培養方法 |
-
2014
- 2014-05-19 JP JP2014103298A patent/JP6349949B2/ja active Active
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