JPS642277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はビデオテープレコーダのテープの巻取
り、または巻戻しトルクを測定する装置に関する
ものである。

ビデオテープレコーダは、完成品の試験として
駆動部の回転トルクの検査を行なう必要がある。
その検査のため、従来よりカセツトケース内にト
ルクメータを組込んだ測定器が用いられ、これを
テープレコーダのデツキに装てんしてテープ走行
状態、あるいは、静止状態で測定が行われてい
る。この目的に使用する従来の測定器は、第１図
に示すように、内輪１に矢印３を、外輪２に目盛
４を付し、両内外輪１，２間に渦巻ばね（図示
略）を介在させてなるトルクメータをカセツト５
に内装したもので、内輪１をデツキの回転軸（図
示略）に結合させ、外輪２をカセツトの一部に固
定するか、あるいは、他方のトルクメータの外輪
との間にテープを巻付けて、このテープに運転時
と同一条件で送りを与えつつ静止時またはテープ
走行時のトルクを測定するものであつた。回転ト
ルクの指示目盛はカセツト５の上面に設けられた
透明の窓６を通して読みとるのであるが、回転す
る内輪１に矢印が付されているため、これを目盛
りの全体にわたつて指示させる必要上、窓６の面
積を大きくとらなければならず、一般に外輪２の
輪郭に沿つて円形の透明窓６が設けられていた。
したがつて、トルクメータを内蔵するカセツトケ
ースとして、通常のカセツトケースを転用するこ
となく、測定器用カセツトケースを別に製作しな
ければならなかつた。

また、回転軸の静止状態でトルクを測定する装
置についてもトルクメータに内外輪の組合せを用
いていたので、構造が複雑となり、またばねの取
付けやばね圧の微妙な調整が非常に厄介であつ
た。

本案はビデオデツキの回転軸の回転トルクを静
止状態で測定する巻取トルクの測定装置を提供す
るので、目盛板を一体に備えた軸筒を基板の中央
に回転可能に装着し、該基板を通して軸筒内に回
転軸の挿入孔を開口し、基板上の一側に設立され
た支柱に矢印などの指標を有する指示板を取付
け、軸筒と支柱とを渦巻ばねで連結してユニツト
を構成し、このユニツトをカセツトケースに形成
された窓内に指示板と目盛板の一部とを臨ませて
該ケース内に一定の範囲で上下方向に遊動可能に
装てんしたことを特徴とするものである。

以下本案の実施例を図面によつて説明する。第
２図において、ビデオテープのカセツトケース１
１には周知のようにリールの回転中心からその周
縁までの範囲にわたつてその一部が外部からみる
ことができる透明の窓１２が設けられている。本
案はこの窓１２をそのまま利用してカセツトケー
ス１１内にトルクメータユニツトを組込むもので
ある。

第３図、第４図にトルクメータユニツトを示
す。トルクメータユニツト１３は、次の構成から
なるものである。すなわち、円盤状の基板１４の
中心にボールベアリング１５を介して軸筒１６を
回転可能に装着し、該軸筒１６の上面に目盛り１
７（例えば０〜100g^-cmの表示）を外周縁に沿つ
て付された目盛板１８を水平に固定する。軸筒１
６には基板１４の盤面を通してカセツトデツキの
回転軸を嵌合させる挿入孔１９が開口されてい
る。一方基板１４には、中心より一定距離離れた
位置に、支柱２０を設立し、その上面に目盛板１
８の目盛り１７を指示する矢印、その他の指標２
１が付された指示板２２を取付ける。

この指示板２２及び目盛板１８の一部をカセツ
トケース１１に形成された窓１２内に臨ませるも
ので、窓孔１２の大きさ、形状に対応させて、目
盛板１８と指示板２２との関係位置ならびに大き
さを設定する。この支柱２０と、軸筒１６とに、
該軸筒１６の周囲に巻回した渦巻ばね２３の端末
をそれぞれ固定し、目盛板１８の回転に対して所
定の回転抵抗を与えるようにする。

基板１４の外周縁にはその数個所に切込み溝２
４が形成されており、カセツトケース１１の内底
面に取付けられた取付具２５のピン２６を切込み
溝２４に挿通し、該取付具２５の上下面で規制さ
れる範囲内で上下方向に遊動できるようにして、
このユニツト１３の１〜２個をテープリールに代
えてカセツトケース１１内に装てんする。

なお、ユニツト１３をケース１１内に設置する
場合の取付具は、実施例の構造に限られるもので
はなく、要はユニツト１３の基板１４を一定の範
囲内で上下方向に遊動できるものであればいかな
る構造のものでも利用できる。また、カセツトケ
ースに備えたリール抑え用のばねで、目盛板１８
の上面を押圧させるのみでもよい。

実施例において、トルクメータユニツト１３を
内蔵したカセツトをビデオデツキに装てんする
と、デツキの各回転軸が挿入孔１９内に嵌入す
る。この状態で回転軸を回転させると、目盛板１
８はその回転力をうけて渦巻ばね２３のばね圧に
抗して転回し、機構部の巻取りまたは巻戻しトル
クと釣合い、転回角変位による目盛りが指標２１
で指示される。

本案は常時窓１２内に臨ませてある指示板２２
の指標２１に対して目盛板１８が転回して、その
指示値を窓１２を通してよみとることができ、装
てんの際には通常のリールと同様に基板が上下に
変位して実際のテープの使用と同一の条件の下で
測定できる。また、ビデオテープカセツトのケー
スをそのまま用いてトルクメータユニツトを組込
めばよいため、特別にケースを製作したり、ある
いは、既製のケースを加工したりする手数は必要
でなく、しかも同一のトルクメータユニツトの方
向を反転して左右のリール取付位置にそれぞれ設
置することができる。また、本案によれば、基板
１４をベースとしてその上面中央に目盛板１８
を、側方一部に指示板２２を設置して両者間に渦
巻ばね２３を連繋させるのみでよいため、構造を
簡略化でき、ばねの取付け、あるいは、ばね圧の
調整、交換などの操作を容易に行なうことができ
る効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転トルク測定器の平面図、第
２図は本案の一実施例を示す一部断面平面図、第
３図はトルクメータユニツトの縦断面図、第４図
は同一部断面平面図である。 １１……カセツトケース、１２……窓孔、１３
……トルクメータユニツト、１４……基板、１５
……ボールベアリング、１６……軸筒、１７……
目盛り、２０……支柱、２１……指標、２２……
指示板、２３……渦巻ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 目盛板を一体に備えた軸筒を基板の中央に回転
   可能に装着し、該基板を通して軸筒内にリール軸
   の挿入孔を開口し、軸板の一方に設立された支柱
   に矢印などの指標を有する指示板を取付け、軸筒
   と支柱とを渦巻ばねで連結してトルクメータユニ
   ツトを構成し、該ユニツトを、カセツトケースに
   形成された窓内に指示板と目盛板の一部とが見え
   るように、且つカセツトケース内に一定の範囲で
   上下方向に遊動可能に装てんしたことを特徴とす
   るビデオテープレコーダのトルク測定装置。