JPS641430B2 - - Google Patents

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JPS641430B2
JPS641430B2 JP56048952A JP4895281A JPS641430B2 JP S641430 B2 JPS641430 B2 JP S641430B2 JP 56048952 A JP56048952 A JP 56048952A JP 4895281 A JP4895281 A JP 4895281A JP S641430 B2 JPS641430 B2 JP S641430B2
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JP
Japan
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weight
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molybdenum
sintering
tic
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JP56048952A
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Michito Myahara
Takehiko Hagio
Mitsuhiko Furukawa
Shizuki Koga
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Nippon Tungsten Co Ltd
Original Assignee
Nippon Tungsten Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS57160959A publication Critical patent/JPS57160959A/ja
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本願発明は焼結工程において、焼結体の構成結
晶粒子の成長を極度に抑え、強靭でかつ耐摩耗性
に優れた酸化アルミニウム(Al2O3)−炭化チタ
ン(TiC)系セラミツクの工具や耐摩耗部材用に
関するものである。 この種のセラミツク材料は、常温において強度
及び硬度が高く、しかも高温域においても硬度の
低下が少なくかつ機械的強度が大であり、更には
被削材との親和性が少なく、耐摩耗性に優れ長時
間の使用に耐えることが要求される。 これらの要求を満たすべくAl2O3−TiC系材料
に酸化チタンあるいは金属成分を配合し、ホツト
プレス法あるいは熱間等方圧加圧焼結(以下HIP
と記す)法により緻密焼結体を製造する方法が知
られている。特にAl2O3−TiC系の焼結体を改善
するために配合する酸化チタンの最適範囲は
TiO2/(TiC+TiO2)=5重量%〜15重量%が有
効で、高速切削工具材料及びその製造方法が明ら
かにされ、現在これらの工具材料は市場で広く採
用されるところとなつている。 又Al2O3−TiC系工具材料の製造工程において、
品質を改善しかつ、結晶粒子の成長を抑制する手
段としてMgO、NiO及びCr2O3の1種若しくは2
種以上を約1.5重量%以下添加する方策がとられ
ているが如何なる粒成長抑制剤又は焼結促進剤を
添加しても、比較的低温焼結が可能なホツトプレ
ス法においても1400℃以上の温度を必要とするた
め、その焼結温度に相当する粒成長を伴ない機械
的強度並びに耐摩耗性の改善に限界があつた。 なおHIP法においては、還元性あるいは不活性
雰囲気下での予備焼結工程において、HIP処理に
よる緻密化を生ぜしめるためには対理論密度を少
なくとも94%の予備焼結体となす必要があるとこ
ろから、ホツトプレス温度よりも高温度に保持し
なければならない結果、必然的にホツトプレス法
よりも構成結晶粒子が粗大化するのを避けること
はできなかつた。従つてHIP法及びホツトプレス
法においても、従来のAl2O3−TiC系の公知材料
成分では構成結晶粒子の微細化に限界があり、ひ
いては工具材料の強靭性の改善更には硬度改善及
び耐摩耗性の向上等に限界があり、今後改良すべ
き大きな問題として残されていた。 本願発明は上述の諸問題を解消するセラミツク
工具あるいは耐摩耗部材用材料を提供せんとする
ものである。即ち、本発明は、炭化チタンと酸化
チタンの合計量が15重量%〜60重量%で残部酸化
アルミニウムよりなるA混合物100重量部に対し
て、モリブデンと酸化ジルコニウムよりなるB混
合物を0.1重量部〜4.0重量部と、ニツケル、コバ
ルト、クロム、マグネシウム、イツトリウム、マ
ンガンの各酸化物の少なくとも1種の焼結促進剤
を0.1重量部〜1.0重量部含有し、しかも上記A混
合物中の酸化チタンは炭化チタンと酸化チタンの
合計量に対して5重量%〜15重量%で、かつ上記
B混合物中のモリブデンと酸化ジルコニウムの重
量比は3:7〜7:3であることを特徴とするセ
ラミツク工具あるいは耐摩耗部材用材料に係るも
のである。なおこの様な組成の本発明材料中、モ
リブデンは、後で詳記する如く、製造に於ける原
料としてはMoOx(0≦x≦3)、即ち金属モリブ
デン、MoO3あるいはモリブデンの低級酸化物の
いずれの形態で用いてもよいが、焼結の過程で
は、MoOx(0<x≦3)の酸化モリブデンは、
還元されて実質的には金属モリブデンの形態で存
在するのである。更に詳述すると、MoOx(0<
x≦3)の酸化モリブデンは、非常に酸素を放出
し易い、即ち還元され易い性質があり、焼結時に
黒鉛型から発生するCO等の還元性ガスや、黒鉛
型やTiC成分中のフリーカーボンとの直接反応に
よつて還元されるのである。 以下に本願発明を開発するに至つた実験及びそ
の結果を述べ本願発明を詳しく説明する。即ち、 <実験> (a) 実験方法及び結果 純度99.9%、平均粒子径0.6μmのα−Al2O3
純度99%、平均粒子径1μmのTiC、TiO2及び
ニツケル、コバルト、クロム、イツトリウム、
マンガン各酸化物、並びに純度99.9%、平均粒
子径0.2μmのモリブデン、マグネシウム、ジル
コニウムの各酸化物とモリブデンの低級酸化
物、あるいは純度99.9%、平均粒子径0.5μmの
モリブデンを各種配合したものを、ボールミル
機により20時間湿式混合粉砕を行なつた後、こ
れを充分に乾燥して焼結用原料とし、50×50mm
角、高さ60mmの黒鉛型内に上記焼結用原料を充
填して高周波コイルに挿入し、1350℃〜1850℃
の温度範囲内で60分間保持すると共に200Kg/
cm2の圧力を加えてホツトプレスを行なうことに
より対理論密度が98.5%以上を有する50×50×
5.5mmの焼結体を得、これをダイヤモンド砥石
により切断後研削を行なつてSNGN432、糸面
寸法0.1×30の切削工具を得た。 この場合における各種配合物の配合割合とホ
ツトプレス温度及び工具材料特性との関係を第
1表、第2表及び第3表に示し、又代表例とし
て(70Al2O3−27TiC−3TiO2)100重量部に対
しMoO3中に占めるMo:ZrO2=5:5の割合
を有する組織改善及び耐摩耗性改善剤を2.5重
量部、MgO0.5重量部を配合したものについて
の電子顕微鏡組織写真を第1図に、Mo(MoO3
として配合)及びZrO2を各々単独に1.5重量部
配合した場合の組織写真を第2図と第3図に、
更に比較の為に70Al2O3−27TiC−3TiO2
0.5Y2O3−0.25MgO(モリブデン成分及びZrO2
を全く含まないもの)についての電子顕微鏡組
織写真を第4図にそれぞれ示す。なお第1図は
第1表のNo.11の試料でありホツトプレス温度は
第2図、第3図、及び第4図のいずれも1700℃
の場合を示している。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 次いでこれら各種工具の切削性能を判定する
目的で、被削材SKD−11(HRC60)を旋盤によ
り切削速度(V)×切込(d)×送り(f)=
90m/min×0.5mm×0.2mm/revの条件で10分間
切削して逃げ面摩耗幅(VB)を測定しその耐
耗性を調べた結果を第4表と第5表に示す。又
各種工具の耐欠損性を調べるため、鋳鉄
(FC25)をV×d=250m/min×1.5mm送り
(f)=0.4mm〜1.0mm/toothの範囲でフライス切
削した結果を第4表と第5表に併記する。なお
第1表はTiO2/(TiC+TiO2)=10重量%一
定、(Mo+ZrO2)=2.5重量部一定及びMgO=
0.5重量部一定の条件のもとに(TiC+TiO2
量と(Mo:ZrO2)重量比を変化させた場合で
あり、第2表は(70Al2O3+27TiC+3TiO2
100重量部とMgO=0.5重量部一定として、Mo
とZrO2の合計配合量及び重量比を変化させた
場合の結果で第3表中の試料No.1〜No.12はMo
成分をMoO及び金属Moとして種々配合量を変
える一方、焼結促進助剤としてMgOを0.5重量
部一定にした場合と、試料No.13〜No.19は焼結促
進助剤の種類を種々変えた場合の結果を示す。 又第4表、第5表中の耐欠損性は送りを徐々
に大きくしていき、寸法が幅90×長さ252mmの
FC25を長手方向に1回切削する途中で欠損し
た場合を寿命とし、同じ送り速度で2回の繰返
しテストを行ない、2回テスト中少なくとも1
回欠損した送りを耐欠損限界とした。 更に本願発明品は非常に硬く耐摩耗性が改善
される反面研削性が困難となるため、各種配合
組成の焼結体を50×50×5mmに研削した後、切
断機にセツトして切断送り力を1.25Kgの重鎮に
より作用させてダイヤモンド切断ホイールを重
力で送り、50mmの長手方向を切断するに要する
時間を2回求め、その平均値を研削性として第
4表と第5表に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】 以上の実験の他に、第1表の試料No.5、6、
7、10、11、12、15、16及び17に対し、それぞ
れTiO2/(TiC+TiO2)を4〜16重量%の範
囲で変化させてホツトプレスを行なうと共にニ
ツケル、コバルト、クロム、マグネシウム、イ
ツトリウム、マンガンの各酸化物の配合効果に
ついても調査を行なつた。 (b) 考察 Al2O3−TiC系セラミツク工具材料の製造に
際しその焼結性を最も促進する添加物は酸化チ
タンであり、その最適量範囲はTiO2/(TiC
+TiO2)×100=5重量%〜15重量%であるこ
とが公知となつている。本願発明の各種組成品
に対しても同様の結果が得られた。ここで
TiO2/(TiC+TiO2)が5重量%未満におい
ては焼結促進効果が少なくなり、焼結温度が高
くなる他、対理論密度が98.5%以上の緻密焼結
体を得難くなる傾向がある。又15重量%を越え
るとホツトプレス焼結の際、黒鉛型との反応が
著しくなり接着あるいは接着割れが発生し、焼
結歩留が低下する他、TiC成分を酸化させる方
向に作用し工具材料を脆くする傾向がある。 又モリブデン及び酸化モリブデン又はモリブ
デンの低級酸化物などのモリブデン成分は、金
属モリブデン換算で0.03〜2.8重量部の範囲で
Al2O3−TiC系セラミツク工具材料の構成結晶
粒子を微細化する効果が顕著であり、その結果
硬度及び強度を著しく改善する。ここで金属モ
リブデン換算値が0.03重量部未満においては、
その効果が少なくなり均一微細な組織の工具材
料が得られず、在来のAl2O3−TiC系セラミツ
ク工具材料に近いものとなる。又2.8重量部を
越えると組織面では微細であるが、ダイヤモン
ド砥石による研削加工性が悪くなり加工コスト
が上昇し経済性が劣るようになる。一方酸化ジ
ルコニウムについてはAl2O3−TiC系組成に対
し、構成結晶粒を微細化する作用も幾分ある
が、主たる配合効果は切削工具材料として本願
発明品を使用した場合、耐摩耗性を著しく改善
し、ひいては工具寿命を飛躍的に増大させるこ
とにあり、その理由は明確ではないが被削材と
の摩擦抵抗を減少させると共に被削材との親和
性(反応性)を少なくする方向に改善するため
と思われる。 以上モリブデンと酸化ジルコニウムの配合効
果について、各々単独状態で示したが、本願発
明はモリブデン成分と酸化ジルコニウムを7:
3〜3:7の重量比で0.1重量部〜40重量部の
範囲で同時に配合し、その相剰効果を発揮させ
ることを特徴とする。即ち同時配合量が0.1重
量部の場合モリブデン成分と酸化ジルコニウム
はそれぞれ0.07重量部〜0.03重量部と0.03重量
部〜0.07重量部となり、又同時配合量が4重量
部の場合はそれぞれ2.8重量部〜1.2重量部と1.2
重量部〜2.8重量部となる。ここで0.1重量部同
時配合の場合、第5表の試料No.第2表−5〜9
に示す如く組織改善剤として効果を発揮し
1.5μm以下に微細化するモリブデン成分の最小
配合量は0.03重量部であり、かつ耐摩耗性改善
剤兼組織改善助剤の酸化ジルコニウムは0.07重
量部を必要とし、モリブデン成分が0.03重量部
未満においては酸化ジルコニウムを多くしても
組織改善効果が不充分で構成結晶粒の平均粒子
径は1.5μmを越えるようになり相剰効果は発揮
しなくなる。又逆に同時配合量が0.1重量部に
おいてモリブデン成分を0.07重量部まで徐々に
多くするにつれ組織はより改善されるようにな
るが、その反面酸化ジルコニウムによる耐摩耗
性改善効果が少なくなり、酸化ジルコニウムが
0.03重量部未満になるともはやその配合効果が
現われなくなりVB摩耗幅が0.1を越えるように
なる。 更にモリブデンと酸化ジルコニウムの同時配
合量が0.1重量部未満になると、組織改善及び
耐摩耗性改善の相剰効果が少なく構成結晶粒が
均一微細で耐摩耗性に富む工具材料が得られな
くなることが第5表の試料No.第2表−2の例か
ら判る。 次にモリブデン成分と酸化ジルコニウムの同
時配合量を多くすると、組織及び耐摩耗性改善
効果は現われるが、研削加工性が悪くなる傾向
となり4重量部を越えると第5表の試料No.第2
表−22と23に示す如く研削性が3分以上となる
ため加工コストが高くなり、経済性の点で劣る
ようになると共に、酸素を放出しやすい成分が
多くなるためにTiCが酸化される結果工具材料
として硬脆い性質を帯びるようになるので好ま
しくない。なおモリブデン成分と酸化ジルコニ
ウムの7:3〜3:7の割合で合計量を4重量
部まで多くして行く場合、モリブデン成分が
2.8重量部までは研削加工性は経済的範囲にあ
るが徐々に被削材との親和性が増加していく傾
向になるので被削材との摩擦係数を小さくし耐
摩耗性を改善するためには第5表試料No.第2表
−16及び17から判る如く酸化ジルコニウムを少
なくとも1.2重量部配合しなければならないこ
とを見出した。一方酸化ジルコニウムを2.8重
量部まで多くすると摩擦係数は小さくなるが主
成分であるAl2O3及びTiCより硬さの低い成分
が増加することになり工具材料の硬さが改善さ
れなくなるが、モリブデン成分を少なくとも
1.2重量部配合することにより第5表の試料No.
第2表−19と20に示す如く硬さが改善されると
共に耐摩耗性に優れた工具材料が得られるよう
になることを見出した。 更に付け加えれば、モリブデン成分及び酸化
ジルコニウムを単独で0.1重量部〜4.0重量部配
合した場合よりも同時に配合する方が組織はよ
り均一微細になることが第1図、第2図及び第
3図から明らかであり、従来の工具材料即ち
MoとZrO2を含まないものである第4図より、
大巾に改善されることが判つた。 以上の他ニツケル、クロム、マグネシウム、イ
ツトリウム、マンガンの各酸化物は、その大部分
がAl2O3主成分のセラミツク工具にとり粒成長抑
制剤兼焼結促進剤として公知となつているが、本
願発明品においても、単独又は2種以上の合計量
が0.1重量部〜1.0重量部の範囲で焼結性を改善す
る効果がある。なおその量が0.1重量部未満にお
いては焼結促進効果が不充分であり、逆に1.0重
量部より多く配合すると、これらがAl2O3又は
TiC粒子と反応して工具材料の大部分を占める構
成粒子を軟かくする傾向が強くなるので好ましく
ない。 最後に配合するモリブデン成分としては、
MoO3が市販の微粉末があるので便利であるが、
この微粉末を還元して低級酸化物又は金属モリブ
デンとして用いてもよい。モリブデンの低級酸化
物を用いる場合は、分析により金属モリブデン含
有率を調べて本願請求範囲になるよう配合する必
要があるが、MoO3及び金属モリブデン又は
MoOx(xは0を越えかつ3未満)のいづれを用
いても、金属モリブデン換算量により本願発明品
の特性が決まることを確かめた。 <実験> 前項<実験I>(a)項と同じ方法でボールミル機
により20時間湿式混合粉砕を行なつた後、ワツク
スを添加して造粒し、1.2ton/cm2の圧力で焼結後
の寸法が13.0mm角、厚さ5.0mmの切削工具素材と
なるよう成型して得た素体を、アルゴンガス及び
還元性ガス雰囲気炉で1600℃〜1900℃の範囲でそ
の温度に達して1時間保持後の予備焼結体の密度
が理論密度に対して94%以上になるよう予備焼結
を行なつた。更にこの様にして得た各種配合成分
の予備焼結体を熱間等方圧加圧焼結(以下HIPと
略す)装置で1400℃×1Hr.1000Kg/cm2の高圧Ar
ガス圧下で最終焼結体を得た。次いでこの最終焼
結体をダイヤモンド砥石で研削加工後、対理論密
度及び硬さ(HRA)を測定した結果、第6表に
示す如く、先にホツトプレスの所で示したのと略
同様な結果が得られた。
【表】
【表】
【表】 次いで、これら各種工具の切削性能を判定する
目的で、旋盤により、被削材として高硬度材
SKD−11(HRC60)を用い、V×d×f=9m/
min×0.5mm×0.2mm/revの切削条件で10分間連続
切削試験を行い逃げ面摩耗幅(VB摩耗幅)を測
定した。 又、これら各種工具の耐欠損性を見る為、鋳鉄
(FC25)をV×d=250m/min×1.5mm、送り=
0.4〜1.0mm/toothの範囲でフライス切削した結果
を第7表にまとめて示す。 (b) 考察 配合原料の組成、量比が予備焼結性及びHIP
による最終焼結体に及ぼす影響については、<
実験I>のホツトプレス法の場合とほぼ同様で
あるが、HIPにより対理論密度98.5%以上の緻
密焼結体とする為には、前段階の予備焼結工程
において対理論密度を少なくとも94%しておく
必要があり、予備焼結品の対理論密度が98%を
越えるような条件、即ち高温で予備焼結すると
組織改善剤(Mo成分)の効果により従来品よ
りも優れてはいるが、本願発明品といえども比
較的に組織が大きくなる傾向があるため、94%
〜98%の範囲の予備焼結体としておくことが好
ましい。 なお予備焼結体の対理論密度を少なくとも94
%にしなければならない理由は、<実験>の
段階で94%未満の予備焼結体についてもHIP処
理を行なつたところ、HIP法による最終焼結体
の対理論密度が98.5%未満となり、充分な緻密
化が行なわれなかつたためである。ちなみに第
6表試料No.−5の配合成分であつて対理論密
度が93.5%の予備焼結体を1400℃×1Hr.1000
Kg/cm2及び1500Kg/cm2の異なるArガス圧下で
HIP処理した結果、最終焼結品の対理論密度は
94.6%及び94.7%と低いものでありその緻密化
しない理由は予備焼結体内部まで圧力媒体であ
るアルゴンガスが浸透し加圧力が作用しなかつ
たためと考えられる。 なおこのHIP法において、その予備焼結時に
還元性ガスか不活性ガス(チツ素ガスは含ま
ず)雰囲気にする理由は、酸性化雰囲気であれ
ばTiCが酸化されTiO2となるので好ましくな
く、又真空条件下であればAl2O3が約1450℃位
から分解蒸発を起こし、緻密な焼結体は得られ
ない。又チツ素ガス雰囲気下では、該チツ素が
本願セラミツク焼結体の構成成分と反応を起こ
し、最終製品の組成が変化するので好ましくな
い。 この予備焼結時の雰囲気ガスの影響を調べる
為に第6表の試料No.−5の配合成分を有する
ものについて焼結雰囲気を変えて対理論密度が
94%〜95%となるように予備焼結を行ないその
後アルゴンガス圧下でHIP処理した最終焼結体
の対理論密度と硬さを下記第8表に示す。
【表】 この第8表から明らかな如くCOガス及び水
素ガス雰囲気においてアルゴンガスとほとんど
同じ最終焼結体が得られたが、別途同様の試験
よりチツ素ガス雰囲気下で予備焼結を行なう
と、Al2O3及びTiCがチツ素と反応し窒化物を
含む工具材料となり、本願発明品と異なるもの
となるので好ましくない事が確認された。 次に第6表に示す各種配合成分のものについ
て考察する前に、念の為補捉説明する。 まずAl2O3−TiC−TiO2の合計100重量部に
対して、金属モリブデン換算値とZrO2の配合
重量比を( )内に示しかつ( )の前に両者
の合計重量部を記すと共に、モリブデン成分と
して用いた原料の分子式を−の後に記してい
る。なお焼結助剤欄は配合する焼結促進助剤の
重量部を数値でかつその右側に配合するものの
分子式を示しており、予備焼結温度は対理論密
度が94%〜98%の予備焼結体を得るに必要な温
度を示している。 上記第6表及び第7表から明らかな如く、ホ
ツトプレス温度よりも予備焼結温度を高くする
必要があるため、ホツトプレス法よりもわずか
ながら構成結晶粒が大きくなる結果、最終焼結
体の硬さが<実験I>の同一配合成分のものよ
り約0.2程度低目となる。しかしながら高硬度
材切削時のVB摩耗幅を第7表に示しているよ
うに耐摩耗性はホツトプレス品とほぼ同等の結
果が得られ、又耐欠損性はホツトプレス品より
幾分優れたものとなつており、その理由として
はHIP法により方向性のない均質な工具材料が
得られた為と考えられる。 更にHIP法による本願発明品に対するMo成
分及びZrO2の組織改善効果について第5図〜
第8図にそれぞれ示す。即ち第5図は試料No.
〜5の組織で、第6図及び第7図は(70Al2O3
−27TiC−3TiO2)−0.5MgOにMoのみを1.5重
量部びZrO2のみを1.5重量部配合したもので、
第8図は(70Al2O3−27TiC−3TiO2)−
0.5Y2O3−0.25MgOの配合成分からなる焼結体
の電子顕微鏡組織写真である。なお上記1.5Mo
重量部の原料としてはMoO3を使用した。 以上の図から明らかな如くMoとZrO2を同時に
配合した本願発明品が如何に優れているかが判
る。 以上述べて来た様に本願発明によるセラミツク
材料は、従来品に比較して焼結温度の高低にかか
わらず構成結晶粒子の大きさがあまり左右される
ことなく、材料組織を大幅に改善し、高硬度かつ
緻密で、強度が大きく靭性もあり、更に耐摩耗性
が一段と改善された材料となり、例えば切削工具
として用いた場合には優れた切削性能を発揮し、
又耐摩耗材料として用いた場合は摩擦係数が小さ
くてかつ優れた耐摩耗性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図はそれぞれ<実験I>を代表す
る工具材料の電子顕微鏡組織写真、第5図〜第8
図はそれぞれ<実験>を代表する工具材料の電
子顕微鏡組織写真を示し、電子顕微鏡組織写真の
倍率は全て3000倍である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 炭化チタンと酸化チタンの合計量が15重量%
    〜60重量%で残部酸化アルミニウムよりなるA混
    合物100重量部に対して、モリブデンと酸化ジル
    コニウムよりなるB混合物を0.1重量部〜4.0重量
    部と、ニツケル、コバルト、クロム、マグネシウ
    ム、イツトリウム、マンガンの各酸化物の少なく
    とも1種の焼結促進剤を0.1重量部〜1.0重量部含
    有し、しかも上記A混合物中の酸化チタンは炭化
    チタンと酸化チタンの合計量に対して5重量%〜
    15重量%で、かつ上記B混合物中のモリブデンと
    酸化ジルコニウムの重量比は3:7〜7:3であ
    ることを特徴とするセラミツク工具あるいは耐摩
    耗部材用材料。
JP56048952A 1981-03-30 1981-03-30 Ceramic tool material and manufacture Granted JPS57160959A (en)

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