JPS641203B2 - - Google Patents
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- JPS641203B2 JPS641203B2 JP58205985A JP20598583A JPS641203B2 JP S641203 B2 JPS641203 B2 JP S641203B2 JP 58205985 A JP58205985 A JP 58205985A JP 20598583 A JP20598583 A JP 20598583A JP S641203 B2 JPS641203 B2 JP S641203B2
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Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
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- A24B—MANUFACTURE OR PREPARATION OF TOBACCO FOR SMOKING OR CHEWING; TOBACCO; SNUFF
- A24B3/00—Preparing tobacco in the factory
- A24B3/14—Forming reconstituted tobacco products, e.g. wrapper materials, sheets, imitation leaves, rods, cakes; Forms of such products
Landscapes
- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は高負荷圧延条件に耐える耐摩耗性、靭
性および耐肌荒性を備えた高クロム鋳鉄ロールに
関する。この本発明に係るロールは、ホツトスト
リツプミルにおける仕上圧延機用ワークロールお
よびコールドストリツプミル用ワークロール等に
適用される。 (従来技術) 最近新設ストリツプミルは成品板の形状、寸法
精度の飛躍的な品質改善のために、仕上スタンド
における6Hiミル化や、4Hiミルのクロス化等の
新技術が採用されつつある。これらのミルではロ
ール間の面圧が著しく増加し、局部的に従来ミル
の1.5倍以上の接触応力を生じる結果ワークロー
ルに肌荒を発生しやすくなる。 即ち従来から使用されているアダマイトロール
は、高接触応力下での塑性流動による肌荒や転動
被労によるスポーリングおよび遊離共晶炭化物
Fe3Cの剥離によるバンデイングが懸念され、ま
たNiグレンロールでは更に黒鉛の欠け落ち等の
損傷により、甚しく作業に支障をきたすことがし
ばしばあり、これの解決が望まれていた。 一方、高クロム鋳鉄ロールはアダマイトロール
やNiグレンロールに比べて耐摩耗性にすぐれ、
ホツトストリツプミル用ワークロールやコールド
ストリツプミル用ワークロールに用いられ、外層
の性能が高く評価されている。しかしながら圧延
使用条件によつて熱衝撃、熱疲労に起因するロー
ル表面の劣化が認められ、必ずしも耐肌荒性が十
分とはいえない。 (発明の目的) 本発明の目的は、耐摩耗性、靭性を保持すると
ともにヒートクラツク特性にすぐれ、良好な耐肌
荒性を有する高クロム鋳鉄ロールを提供すること
である。 上記の目的のために高クロム鋳鉄ロールの肌荒
を調査、解析の結果、肌荒は熱疲労に伴なう炭化
物と基地組織界面の縦割れ(ロール表面に直角方
向の割れ)に始まり、次いで転動疲労、熱応力に
よる横割れ(ロール表面に平行な割れ)の発生、
伝播により進行することが明らかになつた。この
ために高クロム鋳鉄ロール材の凝固セルサイズの
粗大化を抑制して、不規則に析出する炭化物を微
細化することが肌荒を防止するうえで有効なこと
を見出した。また、残留オーステナイトが多量に
存在すると熱負荷によつて変態してミクロ的な応
力を生し、肌荒を助長することを見出した。 (発明の構成・作用) 本発明の特徴は上記諸問題を解消するために、
初晶セルサイズを50μm以下の微細な凝固組織と
し、更に残留オーステナイト量を5%以下に規制
してHs硬さ70以上を有する高クロム鋳鉄ロール
を得ることにある。ここに初晶セルサイズとは第
1図に示すように1次デンドライトaまたは2次
デントライトbの大きさである。 この特徴を満たすために外層成分は、C:3.0
〜3.5%、Si:0.3〜1.2%、Mn:0.5〜1.5%、Ni:
0.5〜2.0%、Cr:15〜27%、Mo:0.5〜3.5%、
Al:0.01〜0.1%残部実質的にFeからなる鋳鉄、
または更に前記成分に好ましくはV:0.1〜1.0%
を含有する鋳鉄からなり、内層成分はC:3.0〜
3.6%、Si3.0〜3.5%、Cr:1.8%以下、Mn、Ni、
Moの一種又は二種以上の合計が2.5%以下、
Mg:0.02〜0.1%残部実質的にFeからなる鋳鉄の
二層で構成される。 なお、外層の初晶セルサイズを50μm下とする
手段として既述の外層成分とする他に 外層注入後の溶湯の凝固を迅速に行わせるた
めに金型内面の耐火物裏装厚さが1.5mm以下の
鋳型を用いる。 このような金属組織的な特徴から高クロム鋳鉄
ロール材は、靭性に富みすぐれた転動疲労性とヒ
ートクラツク性を有し、耐摩耗性と耐肌荒性は飛
躍的に向上し、本発明ロールをホツトストリツプ
用ワークロールに適用することで圧延成績の向上
が可能である。 さらにこの高クロム鋳鉄ロールは冷間における
耐ヒートクラツク性と耐摩耗性、耐凹性を必要と
するコールドストリツプミル用ワークロールに適
用すれば従来ロールに比べて著しくロール鋳命の
延長が期待できる。 尚、高クロム鋳鉄材単体でロールを製造する場
合、ロール内部の残留応力が過大となつて製造ま
たは使用中に割損の危険性があり、靭性の不足を
補うために内層は強靭な鋳鉄材として複合化する
必要がある。 以下に本発明の高クロム鋳鉄ロールの外層材の
化学成分の限定理由を述べる。 C:3.0〜3.5%、Cr:15〜27% CはCrとのバランスで決定されるが、3.0%未
満では基地組織中にオーステナイトが残留し、さ
らに凝固過程で生じる初晶セルサイズが50μmを
越えるために不適である。3.0%以上では共晶組
織に近くなり、初晶セルサイズが50μmの微細凝
固組織が得られるために耐肌荒性が改善されると
ともに、炭化物量の増加によつてHs70以上の硬
さの確保が容易である。3.5%超えると炭化物量
が増大し、靭性が劣化するとともに炭化物の周辺
のオーステナイトの残留量が急激に増加する。さ
らに製造過程でのロール割損の危険性が高くな
る。よつてC含有量は3.0〜3.5%とする。 Crは15%未満では比較的硬さの低い共晶炭化
物(Fe・Cr)3Cを混在するために好ましくなく、
また27%を超えて添加すると粗大なクロム炭化物
を析出し、、炭化物の分布が不均一となつて好ま
しくない。従つてCr含有量は硬質クロム炭化物
(Fe・Cr)7C3が均一に分散析出して、耐摩耗性と
靭性に最もすぐれた特性を有する15〜27%の範囲
とする。 Mo:0.5〜3.5%、V:0.1〜1.0% C量およびCr量が多くなると、硬質クロム炭
化物(Fe・Cr)7C3の析出量が増加して摩耗量軽
減のうえで有利となる反面、基地組織中の残留オ
ーステナイトが増加する。そのためこれらの残留
オーステナイト量を減少させ且つ、クロム炭化物
よりも硬質な炭化物を析出させるために、Mo、
もしくはMoとVを添加する。Moは硬質炭化物
Mo2C形成による析出硬化を促進して基地硬さを
高め耐摩耗性を向上させるほかに、焼入、焼戻特
性を大巾に改善する。Hs70以上のロール硬さを
得るために、Moは0.5%以上が必要であり、Hs
硬さ90以上の硬さが要求されるコールドミルワー
クロールの場合Moは3.5%で十分である。 又、必要に応じて添加されるVは、0.1%以上
でVC炭化物を析出してオーステナイトが減少す
るために耐摩耗性は改善される。1%以上の添加
によつても残留オーステナイト量の減少効果は小
さい。従つて経済性も考慮してVの上限は1%と
する。 Ni:0.5〜2.0% Niは基地組織を強化し、Hs硬さ70以上の所要
硬さを得るために0.5%以上が必要であり、2%
を超えて添加するとオーステナイトが安定化して
残留オーステナイト量を5%以下に下げるために
長時間の熱処理を要する。このために経済性も考
慮して上限を2%に限定する。 Si:0.3〜1.2%、Mn:0.5〜1.5% Siは溶湯の脱酸のために0.3%以上必要である
が、これが高くなると機械的性質が劣化するため
に上限を1.2%とする。又、Mnは溶湯の脱酸作用
のほかにSと結合して熱間での機械的性質の劣化
を防止するが、その効果は0.5%未満では十分で
なく、1.5%を超えると靭性を低下する。よつて
Mn含有量は0.5〜1.5%とする。 Al:0.01〜0.1% Alは溶湯中でAl酸化物を生成して、結晶核と
して作用するとともにOを低下させ、溶湯の粘性
を増して熱勾配を小さくし、その結果凝固過程で
の初晶の成長を抑制する作用があり、C3.0〜3.5
%の範囲で顕著である。その効果は0.01%未満で
は十分でなく、0.1%を超えると介在物となつて
残留する。よつてAl含有量は0.01〜0.1%とする。 次に本発明の内層を化学成分の限定理由を述べ
る。 C:3.0〜3.6% 内層は外層の成分特にCrの拡散によつて黒鉛
化が阻害され、本発明の高クロム鋳鉄ロールにお
いて3%未満のCでは黒鉛化が不十分となり、軸
部の靭性が低下する。Cが3.6%を超えると黒鉛
が過剰となつて軸部の強度が低下する。よつてC
含有量は3.0〜3.6%とする。 Si:3.0〜3.5% Siは外層のCrの拡散による内層材質の劣化を
防止するために3%以上が必要であるが、3.5%
を超えると黒鉛が過剰となつて材質が劣化する。
よつてSi含有量は3.0〜3.5%とする。 Cr:1.8%以下 外層からの拡散によつて内層のCrが高くなる
と、内層の白銑化によつて靭性が劣化し、ロール
内部に生じる残留応力の増加に伴なつて割損す
る。本発明において疑固時の内層Crの許容量は
1.8%以下とする必要があり、このために内層の
注入条件にもよるが内層溶湯時のCrを0.5%以下
とする。 Mg:0.02〜0.1% Mgは球状化のために必要な元素であるが、
0.02%未満では球状化不良を来たし、軸部の強靭
化ができない。しかしMgが0.1%を超えて含有さ
れると、Mgのチル化作用およびドロス生成の点
で弊害を生じる。よつてMgの含有量は0.02〜0.1
%の範囲とする。 その他内層鋳鉄材を構成する合金元素として、
Mn、Ni、Moの一種または二種以上を内層の強
度を付与する目的で合計2.5%の範囲内で添加す
る。含有量の合計が2.5%を超えると内層が硬化
して靭性が低下するために不適である。 次に、外層材の残留オーステナイト5%以下お
よび初晶セルサイズ50μm以下の限定理由とその
効果について示す。第2図は残留オーステナイト
量と圧延使用後の肌評価の関係を示した。この図
から明らかなように残留オーステナイト量を5%
以下に抑制することで、ロール肌は安定し再使用
が可能である。第3図は初晶セルサイズと熱衝撃
クラツク深さの関係を示した。初晶セルサイズが
小さくなるにつれて最大クラツク深さは減少し、
熱衝撃特性の改善が顕著である。従つて初晶セル
サイズは、実ロール製造可能な50μm以下とする
ことが好ましく、これを実機ミルに適用すること
でさらにすぐれた耐肌荒性が十分期待される。 (発明の効果) 本発明の高クロム鋳鉄ロールは、外層および内
層の成分範囲を以上のように限定することによつ
て、耐摩耗性、靭性を有し且つ耐ヒートクラツク
性、耐肌荒性にすぐれ特に高負荷圧延に耐え得る
性質を付与し得たものである。 本発明ロールは遠心鋳造などの複合鋳造法で二
層の鋳塊を形成後、400〜600℃での反復焼戻また
はA1点以上からの焼入と400〜600℃での焼戻に
よつて製造される。 (実施例) 製品胴径775mm、製品胴長1750mm、全長5175mm
のホツトストリツプミル用ワークロールを製造
し、第1表に示すような成分および材質特性を有
する健全な高クロム鋳鉄ロールを得ることができ
た。このロールを実機圧延に供した結果摩耗、肌
荒、折損等の事故はなく、良好な圧延成績を収め
た。
性および耐肌荒性を備えた高クロム鋳鉄ロールに
関する。この本発明に係るロールは、ホツトスト
リツプミルにおける仕上圧延機用ワークロールお
よびコールドストリツプミル用ワークロール等に
適用される。 (従来技術) 最近新設ストリツプミルは成品板の形状、寸法
精度の飛躍的な品質改善のために、仕上スタンド
における6Hiミル化や、4Hiミルのクロス化等の
新技術が採用されつつある。これらのミルではロ
ール間の面圧が著しく増加し、局部的に従来ミル
の1.5倍以上の接触応力を生じる結果ワークロー
ルに肌荒を発生しやすくなる。 即ち従来から使用されているアダマイトロール
は、高接触応力下での塑性流動による肌荒や転動
被労によるスポーリングおよび遊離共晶炭化物
Fe3Cの剥離によるバンデイングが懸念され、ま
たNiグレンロールでは更に黒鉛の欠け落ち等の
損傷により、甚しく作業に支障をきたすことがし
ばしばあり、これの解決が望まれていた。 一方、高クロム鋳鉄ロールはアダマイトロール
やNiグレンロールに比べて耐摩耗性にすぐれ、
ホツトストリツプミル用ワークロールやコールド
ストリツプミル用ワークロールに用いられ、外層
の性能が高く評価されている。しかしながら圧延
使用条件によつて熱衝撃、熱疲労に起因するロー
ル表面の劣化が認められ、必ずしも耐肌荒性が十
分とはいえない。 (発明の目的) 本発明の目的は、耐摩耗性、靭性を保持すると
ともにヒートクラツク特性にすぐれ、良好な耐肌
荒性を有する高クロム鋳鉄ロールを提供すること
である。 上記の目的のために高クロム鋳鉄ロールの肌荒
を調査、解析の結果、肌荒は熱疲労に伴なう炭化
物と基地組織界面の縦割れ(ロール表面に直角方
向の割れ)に始まり、次いで転動疲労、熱応力に
よる横割れ(ロール表面に平行な割れ)の発生、
伝播により進行することが明らかになつた。この
ために高クロム鋳鉄ロール材の凝固セルサイズの
粗大化を抑制して、不規則に析出する炭化物を微
細化することが肌荒を防止するうえで有効なこと
を見出した。また、残留オーステナイトが多量に
存在すると熱負荷によつて変態してミクロ的な応
力を生し、肌荒を助長することを見出した。 (発明の構成・作用) 本発明の特徴は上記諸問題を解消するために、
初晶セルサイズを50μm以下の微細な凝固組織と
し、更に残留オーステナイト量を5%以下に規制
してHs硬さ70以上を有する高クロム鋳鉄ロール
を得ることにある。ここに初晶セルサイズとは第
1図に示すように1次デンドライトaまたは2次
デントライトbの大きさである。 この特徴を満たすために外層成分は、C:3.0
〜3.5%、Si:0.3〜1.2%、Mn:0.5〜1.5%、Ni:
0.5〜2.0%、Cr:15〜27%、Mo:0.5〜3.5%、
Al:0.01〜0.1%残部実質的にFeからなる鋳鉄、
または更に前記成分に好ましくはV:0.1〜1.0%
を含有する鋳鉄からなり、内層成分はC:3.0〜
3.6%、Si3.0〜3.5%、Cr:1.8%以下、Mn、Ni、
Moの一種又は二種以上の合計が2.5%以下、
Mg:0.02〜0.1%残部実質的にFeからなる鋳鉄の
二層で構成される。 なお、外層の初晶セルサイズを50μm下とする
手段として既述の外層成分とする他に 外層注入後の溶湯の凝固を迅速に行わせるた
めに金型内面の耐火物裏装厚さが1.5mm以下の
鋳型を用いる。 このような金属組織的な特徴から高クロム鋳鉄
ロール材は、靭性に富みすぐれた転動疲労性とヒ
ートクラツク性を有し、耐摩耗性と耐肌荒性は飛
躍的に向上し、本発明ロールをホツトストリツプ
用ワークロールに適用することで圧延成績の向上
が可能である。 さらにこの高クロム鋳鉄ロールは冷間における
耐ヒートクラツク性と耐摩耗性、耐凹性を必要と
するコールドストリツプミル用ワークロールに適
用すれば従来ロールに比べて著しくロール鋳命の
延長が期待できる。 尚、高クロム鋳鉄材単体でロールを製造する場
合、ロール内部の残留応力が過大となつて製造ま
たは使用中に割損の危険性があり、靭性の不足を
補うために内層は強靭な鋳鉄材として複合化する
必要がある。 以下に本発明の高クロム鋳鉄ロールの外層材の
化学成分の限定理由を述べる。 C:3.0〜3.5%、Cr:15〜27% CはCrとのバランスで決定されるが、3.0%未
満では基地組織中にオーステナイトが残留し、さ
らに凝固過程で生じる初晶セルサイズが50μmを
越えるために不適である。3.0%以上では共晶組
織に近くなり、初晶セルサイズが50μmの微細凝
固組織が得られるために耐肌荒性が改善されると
ともに、炭化物量の増加によつてHs70以上の硬
さの確保が容易である。3.5%超えると炭化物量
が増大し、靭性が劣化するとともに炭化物の周辺
のオーステナイトの残留量が急激に増加する。さ
らに製造過程でのロール割損の危険性が高くな
る。よつてC含有量は3.0〜3.5%とする。 Crは15%未満では比較的硬さの低い共晶炭化
物(Fe・Cr)3Cを混在するために好ましくなく、
また27%を超えて添加すると粗大なクロム炭化物
を析出し、、炭化物の分布が不均一となつて好ま
しくない。従つてCr含有量は硬質クロム炭化物
(Fe・Cr)7C3が均一に分散析出して、耐摩耗性と
靭性に最もすぐれた特性を有する15〜27%の範囲
とする。 Mo:0.5〜3.5%、V:0.1〜1.0% C量およびCr量が多くなると、硬質クロム炭
化物(Fe・Cr)7C3の析出量が増加して摩耗量軽
減のうえで有利となる反面、基地組織中の残留オ
ーステナイトが増加する。そのためこれらの残留
オーステナイト量を減少させ且つ、クロム炭化物
よりも硬質な炭化物を析出させるために、Mo、
もしくはMoとVを添加する。Moは硬質炭化物
Mo2C形成による析出硬化を促進して基地硬さを
高め耐摩耗性を向上させるほかに、焼入、焼戻特
性を大巾に改善する。Hs70以上のロール硬さを
得るために、Moは0.5%以上が必要であり、Hs
硬さ90以上の硬さが要求されるコールドミルワー
クロールの場合Moは3.5%で十分である。 又、必要に応じて添加されるVは、0.1%以上
でVC炭化物を析出してオーステナイトが減少す
るために耐摩耗性は改善される。1%以上の添加
によつても残留オーステナイト量の減少効果は小
さい。従つて経済性も考慮してVの上限は1%と
する。 Ni:0.5〜2.0% Niは基地組織を強化し、Hs硬さ70以上の所要
硬さを得るために0.5%以上が必要であり、2%
を超えて添加するとオーステナイトが安定化して
残留オーステナイト量を5%以下に下げるために
長時間の熱処理を要する。このために経済性も考
慮して上限を2%に限定する。 Si:0.3〜1.2%、Mn:0.5〜1.5% Siは溶湯の脱酸のために0.3%以上必要である
が、これが高くなると機械的性質が劣化するため
に上限を1.2%とする。又、Mnは溶湯の脱酸作用
のほかにSと結合して熱間での機械的性質の劣化
を防止するが、その効果は0.5%未満では十分で
なく、1.5%を超えると靭性を低下する。よつて
Mn含有量は0.5〜1.5%とする。 Al:0.01〜0.1% Alは溶湯中でAl酸化物を生成して、結晶核と
して作用するとともにOを低下させ、溶湯の粘性
を増して熱勾配を小さくし、その結果凝固過程で
の初晶の成長を抑制する作用があり、C3.0〜3.5
%の範囲で顕著である。その効果は0.01%未満で
は十分でなく、0.1%を超えると介在物となつて
残留する。よつてAl含有量は0.01〜0.1%とする。 次に本発明の内層を化学成分の限定理由を述べ
る。 C:3.0〜3.6% 内層は外層の成分特にCrの拡散によつて黒鉛
化が阻害され、本発明の高クロム鋳鉄ロールにお
いて3%未満のCでは黒鉛化が不十分となり、軸
部の靭性が低下する。Cが3.6%を超えると黒鉛
が過剰となつて軸部の強度が低下する。よつてC
含有量は3.0〜3.6%とする。 Si:3.0〜3.5% Siは外層のCrの拡散による内層材質の劣化を
防止するために3%以上が必要であるが、3.5%
を超えると黒鉛が過剰となつて材質が劣化する。
よつてSi含有量は3.0〜3.5%とする。 Cr:1.8%以下 外層からの拡散によつて内層のCrが高くなる
と、内層の白銑化によつて靭性が劣化し、ロール
内部に生じる残留応力の増加に伴なつて割損す
る。本発明において疑固時の内層Crの許容量は
1.8%以下とする必要があり、このために内層の
注入条件にもよるが内層溶湯時のCrを0.5%以下
とする。 Mg:0.02〜0.1% Mgは球状化のために必要な元素であるが、
0.02%未満では球状化不良を来たし、軸部の強靭
化ができない。しかしMgが0.1%を超えて含有さ
れると、Mgのチル化作用およびドロス生成の点
で弊害を生じる。よつてMgの含有量は0.02〜0.1
%の範囲とする。 その他内層鋳鉄材を構成する合金元素として、
Mn、Ni、Moの一種または二種以上を内層の強
度を付与する目的で合計2.5%の範囲内で添加す
る。含有量の合計が2.5%を超えると内層が硬化
して靭性が低下するために不適である。 次に、外層材の残留オーステナイト5%以下お
よび初晶セルサイズ50μm以下の限定理由とその
効果について示す。第2図は残留オーステナイト
量と圧延使用後の肌評価の関係を示した。この図
から明らかなように残留オーステナイト量を5%
以下に抑制することで、ロール肌は安定し再使用
が可能である。第3図は初晶セルサイズと熱衝撃
クラツク深さの関係を示した。初晶セルサイズが
小さくなるにつれて最大クラツク深さは減少し、
熱衝撃特性の改善が顕著である。従つて初晶セル
サイズは、実ロール製造可能な50μm以下とする
ことが好ましく、これを実機ミルに適用すること
でさらにすぐれた耐肌荒性が十分期待される。 (発明の効果) 本発明の高クロム鋳鉄ロールは、外層および内
層の成分範囲を以上のように限定することによつ
て、耐摩耗性、靭性を有し且つ耐ヒートクラツク
性、耐肌荒性にすぐれ特に高負荷圧延に耐え得る
性質を付与し得たものである。 本発明ロールは遠心鋳造などの複合鋳造法で二
層の鋳塊を形成後、400〜600℃での反復焼戻また
はA1点以上からの焼入と400〜600℃での焼戻に
よつて製造される。 (実施例) 製品胴径775mm、製品胴長1750mm、全長5175mm
のホツトストリツプミル用ワークロールを製造
し、第1表に示すような成分および材質特性を有
する健全な高クロム鋳鉄ロールを得ることができ
た。このロールを実機圧延に供した結果摩耗、肌
荒、折損等の事故はなく、良好な圧延成績を収め
た。
【表】
第1図は初晶セルサイズの大きさを示すデンド
ライトの説明図、第2図は残留オーステナイト量
と実機ロールの肌評点の図、第3図は初晶セルサ
イズと熱衝撃最大クラツク深さを示す図である。
ライトの説明図、第2図は残留オーステナイト量
と実機ロールの肌評点の図、第3図は初晶セルサ
イズと熱衝撃最大クラツク深さを示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量比で C:3.0〜3.5%、Si:0.3〜1.2% Mn:0.5〜1.5%、Cr:15〜27% Ni:0.5〜2.0%、Mo:0.5〜3.5% Al:0.01〜0.1% 残部実質的にFeからなり、体積比で残留オー
ステナイト量が5%以下でかつHs硬さ70以上を
有する高クロム鋳鉄の外層と、 重量比で C:3.0〜3.6%、Si:3.0〜3.5% Cr:1.8%以下、Mg:0.02〜0.1% Mn、Ni、Moの一種又は二種以上を2.5%以下
残部実質的にFeからなる内層と、 から成ることを特徴とする高クロム鋳鉄圧延ロー
ル。 2 重量比で C:3.0〜3.5%、Si:0.3〜1.2% Mn:0.5〜1.5%、Cr:15〜27% Ni:0.5〜2.0%、Mo:0.5〜3.5% Al:0.01〜0.1% V:0.1〜1.0% 残部実質的にFeからなり、体積比で残留オー
ステナイト量が5%以下でかつHs硬さ70以上を
有する高クロム鋳鉄の外層と、 重量比で C:3.0〜3.6%、Si:3.0〜3.5% Cr:1.8%以下、Mg:0.02〜0.1% Mn、Ni、Moの一種又は二種以上を2.5%以下
残部実質的にFeからなる内層と、 から成ることを特徴とする高クロム鋳鉄圧延ロー
ル。 3 外層の初晶セルサイズが50μm以下の微細緻
密な凝固組織を有することよりなる特許請求の範
囲第1項又は第2項記載の圧延ロール。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58205985A JPS6099408A (ja) | 1983-11-04 | 1983-11-04 | 高クロム鋳鉄圧延ロ−ル |
US06/932,513 US4770194A (en) | 1983-09-26 | 1985-03-22 | Method of manufacturing wrinkled sheet tobacco |
PCT/JP1985/000138 WO1986005366A1 (en) | 1983-09-26 | 1985-03-22 | Process for manufacturing wrinkled sheet tobacco |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58205985A JPS6099408A (ja) | 1983-11-04 | 1983-11-04 | 高クロム鋳鉄圧延ロ−ル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6099408A JPS6099408A (ja) | 1985-06-03 |
JPS641203B2 true JPS641203B2 (ja) | 1989-01-10 |
Family
ID=16515983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58205985A Granted JPS6099408A (ja) | 1983-09-26 | 1983-11-04 | 高クロム鋳鉄圧延ロ−ル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6099408A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6228012A (ja) * | 1985-07-30 | 1987-02-06 | Kawasaki Steel Corp | スケ−ルブレ−カ用ロ−ル |
CH667285A5 (de) * | 1986-02-14 | 1988-09-30 | Sulzer Ag | Walze mit harter mantelflaeche. |
JPH0819535B2 (ja) * | 1989-08-17 | 1996-02-28 | トーカロ株式会社 | 高温熱処理炉用ロールおよびその製造方法 |
JP4922971B2 (ja) * | 2008-03-07 | 2012-04-25 | 株式会社フジコー | 熱間圧延用複合ロール及びその製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57134539A (en) * | 1981-02-13 | 1982-08-19 | Kubota Ltd | High chromium work roll |
JPS5855549A (ja) * | 1981-09-29 | 1983-04-01 | Kubota Ltd | H型鋼圧延用複合スリ−プロ−ル及びその製造法 |
-
1983
- 1983-11-04 JP JP58205985A patent/JPS6099408A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6099408A (ja) | 1985-06-03 |
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