JPS6411044B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6411044B2
JPS6411044B2 JP10131081A JP10131081A JPS6411044B2 JP S6411044 B2 JPS6411044 B2 JP S6411044B2 JP 10131081 A JP10131081 A JP 10131081A JP 10131081 A JP10131081 A JP 10131081A JP S6411044 B2 JPS6411044 B2 JP S6411044B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
hydrogenation
reaction
styrene
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP10131081A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS585304A (ja
Inventor
Hideo Morita
Isaburo Fukawa
Hidefumi Hirai
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP10131081A priority Critical patent/JPS585304A/ja
Publication of JPS585304A publication Critical patent/JPS585304A/ja
Publication of JPS6411044B2 publication Critical patent/JPS6411044B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、メタノール中の貴金属コロイド(た
だし、オスミウムのコロイドを除く)〔以下、単
に“貴金属コロイド”と云う〕を水添触媒とする
水添重合体の製造方法に関するものである。
重合体中に不飽和結合を有するジエン系重合体
は、熱安定性、耐候性および耐オゾン性が劣り、
これを改良する方法として該重合体を水添する方
法が知られている。
かかる重合体の水添に使用される触媒として
は、(1)ニツケル、コバルトの有機酸塩またはアセ
チルアセトン塩と、有機アルミニウム等の還元剤
を溶媒中で反応して得られるいわゆるチーグラー
タイプの均一系触媒と、(2)ニツケル、パラジウ
ム、ルテニウム等の金属を一般にカーボン、アル
ミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、ケイソウ土等
の担体に担持させた担持型不均一系触媒やラネー
ニツケル等の不均一系触媒などが知られている。
前者のチーグラータイプの均一触媒は、不均一
系触媒に比べ、低い温度と低い水素圧の緩かな水
添条件で反応が進む特徴があり、また共役ジエン
とビニル置換芳香族炭化水素共重合体を水添する
際に共役ジエン部分を選択的に水添することが可
能である。
しかしながら、この触媒は発火性の有機アルミ
ニウムを原料として使用すること、又触媒自体が
空気、水、その他極性化合物に敏感で失活しやす
く、水添に使用する重合体や溶媒中から、これら
の失活の原因となる不純物をあらかじめ除去した
り、水添反応を空気、水を十分断つて行う必要が
ある等、取り扱いが難しく、繁雑となる。
又、水添反応の際に、重合体中に溶媒に不溶の
ゲルが生じやすいことも、この触媒の欠点の一つ
である。
一方、不均一系触媒は一般に活性が低く、水添
反応条件は高温、高圧の厳しい条件となる。とく
に、触媒と重合体が接触して反応が進むため、重
合体では大きな立体障害を受けて水添しにくい。
水添反応を促進するためには、特に高温かつ高圧
での反応が必要となるが、この際、重合体の分解
やゲル化が起りやすい。
又、一般に不均一系触媒では水添の選択性がな
く、共役ジエンとビニル置換芳香族炭化水素共重
合体を水添すると共役ジエン部とビニル置換芳香
族炭化水素部が同時に水添される。水添の通常の
目的は共役ジエン部の不飽和結合を無くし、耐候
性と熱安定性を改良することにあるので、芳香核
部分まで水添することはメリツトがなく、水素消
費量が増える不利を招くものである。
本発明者らは、かかる問題点を解決すべく、鋭
意検討した結果、取り扱い容易なメタノール中の
貴金属コロイドを触媒としてジエン系重合体を水
添すると、穏かな水添条件においても、極めて速
い速度で水添反応が選択的に進み、かつ得られた
水添重合体はゲルがほとんど含まれていないこと
を見い出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、貴金属化合物(ただし、
オスミウム化合物を除く)〔以下、単に“貴金属
化合物”と云う〕のメタノール溶液を、アルカリ
金属メトキシドまたは系内でアルカリ金属メトキ
シドを生成し得る試薬および保護コロイドとして
の極性基をもつ合成高分子化合物の存在下に加熱
することにより、該貴金属化合物を金属に還元し
て得られるメタノール中の貴金属コロイドをジエ
ン系重合体の水添触媒として使用することを特徴
とするジエン系重合体の水添方法である。
本発明に用いられるジエン系重合体としては、
共役ジエン重合体、共役ジエンとビニル置換芳香
族炭化水素の共重合体、共役ジエンとアクリロニ
トリルとの共重合体が含まれる。たとえば、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジ
エン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、
NBRである。
このうち、特に共役ジエンとビニル置換芳香族
炭化水素のブロツク共重合体は、熱可塑性弾性体
として、加硫せずに使用されるため、耐候性と熱
安定性の劣る点が問題となつており、水添によつ
てこれら物性を改善することの、工業的意義は極
めて大きい。かかるブロツク共重合体とは少なく
とも一つのビニル置換芳香族炭化水素を主とした
重合体ブロツクAと少なくとも一つの共役ジエン
を主とした重合体ブロツクBを有する共重合体
で、たとえば次のような一般式で示される。ブロ
ツクAには少量の共役ジエンが、またブロツクB
には少量のビニル置換芳香族炭化水素が含まれて
いてもよい。
A(−B−A)n B−A(−B−A)o {(A−B)p}−qX {B(−A−B)p}−qX (式中、m=1〜5、n=0〜5、p=1〜
5、q=2〜10であり、Xは炭素、ケイ素、錫、
ジビニルベンゼン等を表わす。) 一般式 A(−B−A)n、B−A(−B−A)oで示
される直鎖状重合体は、有機アルカリ金属触媒を
用い、共役ジエン単量体とビニル置換芳香族炭化
水素単量体を逐次添加して重合することにより製
造できる。
また、{(A−B)p}−qXと{B(−A−B)p
q
で示される分岐型、ラジアル型あるいは星型のブ
ロツク共重合体は、上記の方法でつくつたブロツ
ク共重合体のリビング末端を、ハロゲン化炭化水
素、四塩化ケイ素、四塩化スズ、ジビニルベンゼ
ン等のカツプリング剤でカツプリングすることに
より製造できる。
かかるブロツク共重合体中のビニル置換芳香族
炭化水素重合体の含有量は好ましくは10ないし80
%である。
さらに好ましくは、本発明に使用されるブロツ
ク共重合体は、スチレン−ブタジエン共重合体あ
るいはスチレン−イソプレン共重合体であり、前
者についてはブタジエン部分のミクロ構造がビニ
ル結合30〜70%、1,4−結合(シス結合とトラ
ンス結合)70〜30%である。これらのブロツク共
重合体は、水添した後、オレフイン部分がゴム弾
性を有するため、工業的価値が高いばかりでな
く、水添重合体の溶液が均一で粘度が低く、水添
反応がし易くかつ水添重合体と触媒及び溶媒との
分離が容易となる。
本発明に用いられるジエン系重合体のうち、工
業的意義の大きいその他のものとしては、ポリイ
ソプレンとハイビニルのポリブタジエンが上げら
れる。後者は、ブタジエン部のミクロ構造がビニ
ル結合30〜70%、1,4−結合(シス結合とトラ
ンス結合)70〜30%のポリブタジエンであり、こ
の範囲のポリブタジエンの水添物は、エチレン−
ブチレンの共重合体ゴムとなり、エチレン−プロ
ピレンゴム類似のオレフイン系ゴムが得られるた
め工業的価値が高いばかりでなく、水添重合体の
溶液が均一で粘度が低いため、水添反応がし易く
かつ水添重合体と触媒及び溶媒との分離が容易と
なる。
本発明に使用される共役ジエン系重合体の分子
量は、1000ないし1000000である。
本発明に使用される貴金属コロイドとしては、
ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、ルテ
ニウム、金および銀のコロイドがあげられる。
本発明の貴金属コロイドの製造に使用される貴
金属化合物は、メタノール可溶性の化合物の形、
たとえば、塩化ロジウム()、塩化パラジウム
()、塩化イリジウム酸塩、塩化白金酸、塩化金
酸、硝酸銀、塩化ルテニウム()等の形で使用
される。
極性基をもつ合成高分子化合物としては、メタ
ノールに可溶性であり、保護コロイドとして通常
使用される型のもの、たとえばポリビニルピロリ
ドン、ビニルピロリドンとビニルアセテート、エ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、スチレン、メチルメタアクリレート、ビニ
ルイミダゾール等のモノマーとの(グラフト)共
重合体、ポリメチルビニルエーテル、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸のトリエチルアンモニウム
塩、ポリエチルアクリレート、ポリ(N,N−ジ
メチルアクリルアミド)、ポリメタアクリルアミ
ド、ポリアリルアルコール、ポリビニルアルコー
ルの部分アセチル化物、ポリ無水マレイン酸、ポ
リビニルビリジン、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルベンゾイミダゾール、ポリメチルビニル
イミダゾールである。特にポリビニルピロリドン
が好都合に使用される。かかる高分子化合物の重
合度は約10〜5000が適当である。本発明に用いら
れるアルカリ金属メトキシドとしては、ナトリウ
ムメチラートまたはカリウム メチラートの使用
が好ましく、また系内でアルカリ金属メトキシド
を生成し得る試薬としては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム等アルカリ金属水
酸化物、金属ナトリウム、水素化ナトリウム、水
素化リチウム等のアルカリ金属水素化物、ナトリ
ウムアミド、カリウムアミド等のアルカリ金属ア
ミドまたはナトリウムエチラート、カリウムエチ
ラート、ナトリウムプロピラート、カリウムプロ
ピラート等の炭素数2以上の種々のアルカリ金属
アルコラートを使用し得る。
本発明に使用される貴金属コロイドは、貴金属
化合物、保護コロイドとしての高分子化合物およ
びアルカリ金属メトキシドまたはこれを生成し得
る試薬をいずれもメタノール中に溶解し、この混
合物を加熱して貴金属(ただし、オスミウムを除
く)〔以下、単に“貴金属と云う〕を還元するこ
とにより製造できる。メタノール中の貴金属コロ
イドを用いる本発明において、アルカリ金属メト
キシドを使用しない場合には、貴金属コロイドが
生成されず、有効な水添触媒として使用できな
い。また、この時メタノールに他の溶媒、テトラ
ヒドロフラン、トルエン等を、貴金属化合物や高
分子化合物が沈殿しない程度の量を加え、混合溶
媒中で貴金属コロイドを合成してもよい。
本発明の水添反応に使用される溶媒としては、
ジエン重合体を溶解する各種溶媒、例えば、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族飽和炭化水
素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の
脂環式飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、
エチルエーテル等のエーテル及びそれらの混合物
が使用される。触媒として使用される貴金属コロ
イドは通常メタノール溶液となつているため、メ
タノールと親和性のある溶媒、テトラヒドロフラ
ン、トルエン、ベンゼン等の使用が好ましい。メ
タノールは、共役ジエン系重合体の貧溶媒である
から、触媒中のメタノールと水添溶媒の比率は適
当に選択し、共役ジエン系重合体が沈殿しないよ
うにしなければならない。
さらに、一般に水添溶媒は保護コロイドとして
の高分子化合物たとえばポリビニルピロリドンの
貧溶媒であるので、触媒中のメタノールに対する
水添溶媒の比率を余り上げると、該高分子化合物
が沈殿してしまうので、適当な比率を選択する必
要がある。
本発明の水添温度は120℃以下、好ましくは100
℃以下で行われる。室温でも十分に速い速度で水
添反応は進行する。共役ジエン−ビニル芳香族炭
化水素共重合体を水添すると、温度によらず共役
ジエン部分のみが選択的に水添され、芳香核は水
添されない。
使用される水素の圧力は、常圧ないし200Kg/
cm2である。
水添反応時間は、水添条件と所望の水添率に依
存するが、通常1分ないし50時間である。
水添触媒の量は、共役ジエン系重合体100部当
り、貴金属重量として5重量部ないし0.001重量
部の範囲であり、好ましくは1重量部以下であ
る。一般に、触媒量が多くなるにつれて反応速度
は速くなる。触媒は通常、水添反応の最初に全量
加えるが、これを何回かに分けて加えたり、ある
いは連続的に反応系に加えてもよい。
水添反応はバツチ方式、連続方式のどちらでも
よい。
各種のアルコールおよびエーテルは、触媒を活
性化する働きがあるので、ジエン系重合体の溶解
性を特に低下させない範囲で、水添触媒の活性が
低下した時に加えることにより、再び反応を促進
することも可能である。
水添反応の進行は、水素吸収量で追跡すること
が可能で、所望の水添率に達したならば、系内の
水素を窒素に置換して反応を停止する。
水添反応溶液は多量のメタノール中に投入すれ
ば、水添重合体の白色沈殿が得られる。コロイド
触媒はメタノールに溶解性で沈殿しないので、水
添重合体との分離は容易である。
水添重合体の水添率は、紫外線吸収スペクトル
(UV)と赤外線吸収スペクトル(IR)あるいは
核磁気共鳴スペクトル(NMR)から計算した。
スチレン−ブタジエン共重合体の場合について、
詳細な説明を行うと、まず250mμのスチレン部
分の紫外線吸収スペクトルにより、水添前及び水
添後の重合体のスチレン含有量を計算する。本発
明の触媒を使用した場合、一般に水添前後でスチ
レン含有量は全く変らず、したがつて、スチレン
部分は全く水添されないと結論した。ブタジエン
部の水添率は、水添前後の重合体のIRスペクト
ルを使つて690cm-1のスチレン部の吸収を標準に
して、ブタジエン部の724911967cm-1の吸収の変
化から計算した。なお、ポリブタジエン等では
NMRによつて水添率を測定した。
以上のように、本発明によつてゲルの無いジエ
ン系重合体の選択水添物を、取り扱い容易な触媒
を用いて、穏かな反応条件で、短時間に得ること
が可能となり、その工業的意義は大きい。
本発明で得られる水添重合体は、耐候性と熱安
定性のすぐれた熱可塑性弾性体もしくは熱可塑性
樹脂として、あるいは、耐候性、熱安定性のぐれ
たオレフイン系加硫ゴムとして使用される。ま
た、該水添共重合体に安定剤、紫外線吸収剤、オ
イル、フイラー、各種ゴムや樹脂等をブレンドし
て使用することも可能である。
以下、実施例を挙げ、本発明の具体的実施態様
を示すが、これは本発明の趣旨をより具体的に説
明するものであつて、本発明を限定するものでは
ない。
実施例 1 (触媒の合成) 塩化ロジウム()(RhCl3・3H2O、日本エン
ゲルハルト製)0.50gおよびポリビニルピロリド
ン(東京化成製、数平均分子量40000)8.56gを
別々に300mlづつのメタノールに溶解する。この
二液を混合後、40分間還流加熱してオレンジ色溶
液とする。つぎに、還流を保つたまま水酸化ナト
リウム0.40gのメタノール溶液160mlを10分間に
わたり滴下し、さらに30分間還流加熱して、黒褐
色均一なロジウムコロイド溶液(ロジウム金属/
溶液=0.25g/1)を得た。
(重合体の合成) 撹拌機付10のオートクレーブ中にシクロヘキ
サン4000g、スチレンモノマー150gとn−ブチ
ルリチウム1.1gを加え、60℃、3時間重合し、
ついでブタジエンモノマー700gとテトラヒドロ
フランをn−ブチルリチウム/テトラヒドロフラ
ン(モル比)=20の割合で加え、40℃で2時間重
合した。最後に150gのスチレンモノマーを添加
し、60℃、3時間重合した。得られた重合体は、
スチレン含有量30%、ブロツクスチレン含有量
29.5%、ブタジエン部分のミクロ構造は、1・4
−結合(シス及びトランス結合)が55%、1・2
−ビニル結合含有量が45%で、数平均分子量約6
万のスチレン−ブタジエン−スチレン型3型ブロ
ツク共重合体であつた。ポリマー溶液は大量のメ
タノール中に加え、ポリマーを沈殿させ分離し、
真空乾燥した。
(水添反応) 上記ロジウムコロイド溶液40mlと、上記スチレ
ン−ブタジエン共重合体10gをテトラヒドロフラ
ン200mlに溶解した溶液を混合した。混合液は均
一透明な黒褐色溶液であつた。ロジウム金属/ホ
リマーの重量比は0.1/100である。この混合溶液
を1.0のオートクレーブに仕込み、系内を窒素
置換した後、水素置換する。ついで、水素圧を5
Kg/cm2(ゲージ圧、以下同じ)に上げ、撹拌しな
がら室温(約18℃)で水添反応を行つた。反応開
始から10分後には水素圧は3.6Kg/cm2に、20分後
には2.2Kg/cm2まで低下したので反応を停止した。
反応溶液から水添重合体を分離し、水添率を測定
したところ、スチレン部分の水添率は0%、ジエ
ン部分の水添率は72%であつた。また、水添重合
体中には全くゲルは認められず、重合体はトルエ
ンに完全に溶解した。
実施例 2 実施例1のテトラヒドロフランのかわりにトル
エンを使用する以外は、実施例1と同じ方法で水
添反応を行つた。その結果、反応溶液は反応開始
前後共に不透明であつたが、触媒の沈澱は認めら
れなかつた。反応開始から10分後には水素圧は
3.8Kg/cm2に、30分後の水素圧は1.8Kg/cm2まで低
下した。30分後の重合体の水添率は、スチレン部
分0%、ジエン部分83%であつた。
実施例 3 室温で5Kg/cm2の水素圧をかけたのち、水添反
応温度を80℃にする以外は、実施例1と同じ方法
で水添反応を行つた。反応開始から20分後の重合
体の水添率は、スチレン部分0%、ジエン部分75
%であつた。
実施例 4 実施例1と同じ方法で水添反応を20分間行つた
のち、ロジウムコロイド溶液40mlとテトラヒドロ
フラン100mlを追加し、反応系を再び5Kg/cm2
で加圧し、60分間水添反応を行つた。得られた重
合体の水添率は、ブタジエン部98%、スチレン部
0%であつた。水添された重合体を圧縮成形し、
物性を測定した結果、引張強度320Kg/cm2、伸び
900%の弾性体であつた。
実施例 5 実施例1のテトラヒドロフラン200mlのかわり
に、テトラヒドロフラン100mlとシクロヘキサン
100mlの混合溶媒を用いる以外は、実施例1と同
じ方法で水添反応を行つた。反応開始から20分後
の水添率は、ブタジエン部70%であつた。これに
メタノール20mlを反応系に滴下した。ついで、反
応系を再び5.0Kg/cm2にあげて水添反応を20分間
行つたところ、水添率は、ブタジエン部85%まで
向上し、反応溶液は反応全期間を通じて透明均一
であつた。
実施例 6 実施例1のテトラヒドロフランのかわりにノル
マルヘキサンを使用し、80℃で水添反応を行つた
以外は、実施例1と同じ方法で水添反応を行つ
た。反応溶液は、黒色透明の重合体溶液相と褐色
均一の溶媒溶液相の2相に分離するが、撹拌する
と触媒溶液相は非常に細かい液滴となり重合体溶
液相に分散する。反応終了後撹拌を停止し、しば
らく静置すると2相に分離するので、重合体を触
媒から分離した。
反応開始から1時間後の水添率は、ブタジエン
部40%であり、スチレン部分は水添されなかつ
た。ブタジエン部のうち、1・2−ビニル結合が
ほゞ100%選択的に水添された。
実施例 7 (重合体の合成) 撹拌機付10のオートクレーブ中にヘキサン
4000g、ブタジエンモノマーとn−ブチルリチウ
ム1.1g及びテトラヒドロフランをn−ブチルリ
チウム/テトラヒドロフラン(モル比)=20の割
合で加え、40℃で2時間重合した。得られた重合
体は、1・4−結合(シス及びトランス結合が54
%、1・2−ビニル結合含有量46%で、数平均分
子量が約7万のブタジエン重合体であつた。この
ポリマー溶液を乾燥した。
(水添反応) 実施例1のスチレン−ブタジエン共重合体にか
えて上記のブタジエン重合体を用いる以外は、実
施例1と同じ方法で水添反応を行つた。反応開始
から30分後の水添率は69%であつた。
実施例 8 (触媒の合成) 塩化ロジウム()(RhCl3・3H2O、日本エン
ゲルハルド製)1.0gおよびポリビニルピロリド
ン(東京化成製、平均分子量40000)17.1gを
別々に360mlづつのメタノールとテトラヒドロフ
ランの混合溶媒(メタノール/テトラヒドロフラ
ン(容積比)=100/260)に溶解する。この二液
を混合後、30分間還流加熱してオレンジ溶液とす
る。つぎに還流を保つたままナトリウムメチラー
ト1gのメタノール溶液40mlを8分間にわたり滴
下し、さらに完全に黒褐色に変化するまで20分間
還流加熱して均一なロジウムコロイド溶液(ロジ
ウム金属/溶液=0.548g/1)を得た。
(水添反応) 上記ロジウムコロイド溶液200mlと、実施例1
で合成したスチレン−ブタジエン共重合体10g
と、テトラヒドロフラン60mlとシクロヘキサン40
mlの混合溶媒とを混合した。混合した液は、均一
透明な黒褐色溶液であつた。ロジウム金属/ポリ
マーの重量比は1/100である。この溶液を、水素
圧5Kg/cm2で、室温で5分間水添反応を行つて停
止した。水添率は、ブタジエン部88%、スチレン
部0%であつた。
実施例 9 (触媒の合成) 塩化パラジウム()(PdCl2、日本エンゲル
ハルド製)0.928gとポリビニルピロリドン12.7
gを別々に200mlづつのメタノールに溶解する。
この二液を混合し、さらにテトラヒドロフラン
150mlを加えたのち、2時間還流加熱し、つぎに
還流を保つたまま水酸化ナトリウム0.56gのメタ
ノール溶液50mlを30分間にわたり滴下し、さらに
30分間還流加熱して、黒褐色均一のパラジウムコ
ロイド溶液(パラジウム金属/溶液=0.924g/
1)を得た。
(水添反応) 実施例1のロジウムコロイド溶液にかえて上記
パラジウムコロイド溶液を使用する以外は、実施
例1と全く同じ方法で水添反応を行つた。30分後
のブタジエン部分の水添率は、71%であつた。
実施例 10 (触媒の合成) 塩化イリジウム酸ナトリウム(NaIrCl6、米山
薬品製)0.50gおよびホリビニルピロリドンを用
い、アルカリとして水酸化ナトリウムを添加して
実施例1の触媒の合成と同一の操作で黒褐色均一
のイリジウムコロイド溶液を得た。
(水添反応) 実施例1のロジウムコロイド溶液にかえて上記
イリジウムコロイド溶液を用いる以外は、実施例
1と全く同じ方法で水添反応を行つた。30分後の
ブタジエン部の水添率は、63%であつた。
比較例 1 実施例7で合成したブタジエン重合体10gをテ
トラヒドロフラン200mlに溶解し、ロジウムカー
ボン(日本エンゲルハルト製、ロジウム5%担
持)2gを加え、水素圧5Kg/cm2、室温(約18
℃)で水添反応を行つた。ロジウム金属/ポリマ
ーの重量比は1/100となる。6時間反応後の水
添率は30%であつた。
実施例 11 (重合体の合成) 撹拌機付10のオートクレーブ中にシクロヘキ
サン4000g、スチレンモノマー300gとn−ブチ
ルリチウム4.4gを加え、60℃で3時間重合し、
ついでブタジエンモノマー700gとテトラヒドロ
フランを、n−ブチルリチウム/テトラヒドロフ
ラン(モル比)=20の割合で加え、60℃で3時間
重合した。最後にn−ブチルリチウムの1/4モル
の四塩化ケイ素を加えてカツプリングさせ、ラジ
アル型のブロツクポリマーを得た。得られたポリ
マーは、スチレン含有量30%、ブロツクスチレン
含有量29%、ブタジエン部分のミクロ構造は、
1・4−結合(シス及びトランス結合)が57%、
1・2−ビニル結合含有量が43%で数平均分子量
が約6万のブロツクポリマーであつた。
(水添反応) 実施例1のスチレン−ブタジエン共重合体にか
えて上記ラジアル型のブロツクポリマーを用いる
以外は、実施例1と同じ方法で水添反応を行つ
た。反応開始から40分後の水添率は、65%であつ
た。
実施例 12 (重合体の合成) 撹拌機付10のオートクレーブ中にヘキサン
4000g、イソプレンモノマー1000g及びn−ブチ
ルリチウム1.1gを加え、40℃で2時間重合を行
つた。得られた重合体は、数平均分子量が約
68000のポリイソプレンであつた。
(水添反応) 実施例1のスチレン−ブタジエン共重合体にか
えて上記ポリイソプレンを用いる以外は、実施例
1と同じ方法で水添反応を行つた。反応開始から
40分後の水添率は68%であつた。
実施例 13 (重合体の合成) 撹拌機付10のオートクレーブ中にシクロヘキ
サン4000g、スチレンモノマー150gとn−ブチ
ルリチウム1.1gを加え、60℃で3時間重合し、
ついでイソプレンモノマー700gを加え、40℃で
2時間重合した。最後に150gのスチレンモノマ
ーを添加し、60℃で3時間重合を行つた。得られ
た重合体は、スチレン含有量30%、数平均分子量
が約6万のスチレン−イソプレン−スチレン3型
ブロツク共重合体であつた。
(水添反応) 実施例1のスチレン−ブタジエン共重合体にか
えて、上記スチレン−イソプレン−スチレン3型
ブロツク共重合体を用いる以外は、実施例1と同
じ方法で水添反応を行つた。反応開始から40分後
の水添率は、64%であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 貴金属化合物(ただし、オスミウム化合物を
    除く)のメタノール溶液を、アルカリ金属メトキ
    シドまたは系内でアルカリ金属メトキシドを生成
    し得る試薬および保護コロイドとしての極性基を
    もつ合成高分子化合物の存在下に加熱することに
    より、該貴金属化合物を金属に還元して得られる
    メタノール中の貴金属コロイドをジエン系重合体
    の水添触媒として使用することを特徴とする水添
    重合体の製造方法。
JP10131081A 1981-07-01 1981-07-01 水添重合体の製造方法 Granted JPS585304A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10131081A JPS585304A (ja) 1981-07-01 1981-07-01 水添重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10131081A JPS585304A (ja) 1981-07-01 1981-07-01 水添重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS585304A JPS585304A (ja) 1983-01-12
JPS6411044B2 true JPS6411044B2 (ja) 1989-02-23

Family

ID=14297230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10131081A Granted JPS585304A (ja) 1981-07-01 1981-07-01 水添重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS585304A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CS217291A3 (en) * 1990-07-19 1992-02-19 Dsm Nv Catalyst systems based on palladium for selective hydrogenation of diene polymers and copolymers
DE102004002576A1 (de) * 2004-01-17 2005-08-04 Bayer Ag Verfahren zur Hydrierung von Doppelbindungen-enthaltenden, ungesättigten Polymeren
EP3437737A4 (en) * 2016-03-31 2019-12-04 Zeon Corporation PROCESS FOR PREPARING DISPERSION OF METAL-CONTAINING PARTICLES AND PROCESS FOR PRODUCING HYDROGENIC CONJUGATED DIENE POLYMER
EP3437738A4 (en) * 2016-03-31 2019-11-27 Zeon Corporation METAL-SUPPORTED CATALYST AND METHOD FOR PRODUCING A HYDROGENATED POLYMER BASED ON CONJUGATED SERV

Also Published As

Publication number Publication date
JPS585304A (ja) 1983-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS634841B2 (ja)
JP3166137B2 (ja) オレフィン性不飽和重合体の水素化方法および水素添加触媒
JP2783791B2 (ja) 共役ジエンポリマーの選択的水素化方法
KR100493533B1 (ko) 중합체의 수소첨가 방법
JP3227678B2 (ja) オレフィン性不飽和重合体の水素添加方法および水素添加触媒
KR100348761B1 (ko) 공액디엔을 포함하는 중합체의 선택적 수소화 방법
JPH01275605A (ja) 重合体の水素添加方法および触媒
JPH05271326A (ja) オレフィン性不飽和重合体の水素化方法および水素添加触媒
JPS6212802B2 (ja)
JPS635401B2 (ja)
JP2955528B2 (ja) オレフィン性二重結合を有するリビング重合体の選択的水素化方法
KR100267080B1 (ko) 공액디엔 중합체의 수소화 방법
US6881797B2 (en) Process for hydrogenation of conjugated diene polymer
JPS6411044B2 (ja)
JPS6360761B2 (ja)
JP2004091531A5 (ja)
JP2903471B1 (ja) 共役ジエン重合体の水素化方法
JPH0496904A (ja) オレフィン化合物の水添法
JPH06220122A (ja) オレフィン性不飽和結合を含有する重合体の水素化方法および水素添加触媒
KR101086729B1 (ko) 공역디엔계 공중합체의 수소화 방법
JP3328916B2 (ja) オレフィン性不飽和結合を含有する重合体の水素化方法および水素添加触媒
EP1311561A1 (en) Process for preparing partially hydrogenated butadiene polymers
JP3282166B2 (ja) オレフィン性不飽和重合体の水素化方法および水素添加触媒
JP3651931B2 (ja) アルキル基置換共役ジエン重合体の水添法
JP3227679B2 (ja) オレフィン性不飽和重合体の水素添加方法および水素添加触媒