JPS6410645B2

JPS6410645B2 -

Info

Publication number: JPS6410645B2
Application number: JP17927981A
Authority: JP
Inventors: Hiromi Suzuki
Original assignee: Yamaha Motor Co Ltd
Current assignee: Yamaha Motor Co Ltd
Priority date: 1981-11-09
Filing date: 1981-11-09
Publication date: 1989-02-22
Also published as: JPS5882012A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は排気ガスのスパークアレスタ装置に関
するものである。さらに詳しくは、内燃機関の排
気ガスを排気管から大気中に排出する前に、排気
ガス中に含まれる加熱したカーボン粉末を効率よ
く捕捉するようにしたスパークアレスタ装置に関
するものである。

自動二輪車など比較的小型の車両に搭載される
小型エンジンから排出される排気ガス中には可な
りのカーボン粉末が含まれている。このカーボン
粉末は排気管から排出されるときには相当の高温
に加熱された状態にあるため、特に林野を走行す
るために用いられる車両では、この高温のカーボ
ン粉末が山火事を起す原因になることもある。こ
のため、広い林野を有するアメリカなどでは、林
野を走行する車両のエンジンの排気管端部に、排
気ガス中のカーボンを事前に捕捉して大気中に排
出させないようにするスパークアレスタを装着す
ることが義務づけられている。

従来提案されているスパークアレスタの一つ
は、内外二重に構成したパイプの頭部側に、排気
ガスを外周方向に放射状に拡散させるようにした
螺旋羽根を有する頭部を設け、この螺旋羽根によ
り起された螺旋流に基づく遠心力によりカーボン
を外周側に飛散分離させると共に、ガスのみを内
側のパイプを通して外部へ排出するようになつて
いる。しかし、このものはカーボンの除去効率を
上げようとすると、本体のパイプ外径を大きくす
る必要があり、このため装置をコンパクトにする
ことができないという不具合がある。また、他の
スパークアレスタとして、パイプ状に構成した本
体の前頭部側に排気ガスを直接受け止める金網を
設け、この金網を介してカーボンを除去するよう
に構成したものがある。しかし、このスパークア
レスタの場合も、カーボンの除去効率を上げるに
は金網面積を大きくする必要があるため、結局全
体の径を大きくせざるを得ず、装置のコンパクト
化には十分に寄与しないという問題がある。しか
も、頭部の金網は高温、高圧の排気ガスを直接受
け止めるため、金網材料として耐久性の大きい高
価な材料を使わなければならないという不具合も
ある。

本発明の目的は、上述のような従来技術におけ
る欠点を解消し、全体の筒径を小さいものにして
もカーボン除去効率を高くすることができ、しか
も耐久性の大きな排気ガスのスパークアレスタ装
置を提供せんとすることにある。

上記目的を達成する本発明による排気ガスのス
パークアレスタ装置は、外周壁に多数の貫通孔を
設けた筒体の端部に、排気ガスを外周側へ偏流さ
せる傾斜面を有する無孔のキヤツプを設けると共
に、前記筒体の他方の端部を開口状態にし、この
開口側端部の外周部に、前記偏流させた排気ガス
を受け止めると共に前記貫通孔を介して筒体内側
へ偏流させるようにした無孔のパーテシヨンを設
け、さらに前記筒体の外周面には前記多数の貫通
孔を覆う金網を設けたことを特徴とするものであ
る。

以下、図に示す本発明の実施例により具体的に
説明する。

第１図は本発明の実施例からなるスパークアレ
スタ装置の縦断面図であり、第２図〜第４図は、
同装置に用いる構成部材を示したものである。こ
れらの図において、１は内側に位置するように設
けた筒体であり、この内側の筒体１は排気ガスの
上流側に位置する端部を閉塞させ、コニカル状の
傾斜面を有するキヤツプ１ａに形成し、また排気
ガスの下流側に位置する端部を開口状態に構成し
ている。また、この筒体１には多数のパンチング
による貫通孔１ｂが設けられており、その筒体外
周に、複数の貫通孔１ｂを覆うように10〜24メツ
シユ程度の金網２が設けられている。この筒体１
前方のキヤツプ１ａ側には支持ブラケツト３が固
定され、また後部の外周面には筒体１と同心状に
パーテシヨン４が固定されている。

一方、１０は内燃機関の排気管であり、この排
気管１０のガス排出側の内側端部にハウジング６
が固定され、さらにこのハウジング６には他の筒
体５が固定されている。この筒体５の内側には、
その後方から上述した構成の筒体１が支持ブラケ
ツト３およびパーテシヨン５の外周面を摺動させ
るようにして着脱自在に挿入され、かつ固定され
るようになつている。外側の筒体５はその周壁に
多数の貫通孔５ｂを設けており、この貫通孔５ｂ
は筒体５の内外を貫通し、ハウジング６の内部に
収納した吸音材７に通ずるようになつている。ま
た外側の筒体５の前端部は縮径され、排気ガスの
導入口５ａとなつている。

上述のように構成されたスパークアレスタ装置
において、排気管１０の上流側から高圧で排出さ
れるカーボン粉末を含んだ高温の排気ガスは矢印
のように外側の筒体５の導入口５ａから侵入し、
内側の筒体１のキヤツプ１ａに衝突すると共にキ
ヤツプ１ａの傾斜面に沿つて分離偏流され、筒体
１の外周側へ誘導される。外側に誘導された排気
ガスは端部のパーテシヨン４に衝突すると共に偏
向され、金網２および貫通孔１ｂを通つて筒体１
の内側へ流れる。このとき排気ガス中に含まれる
カーボン粉末はガスよりも質量が大きいため、そ
の慣性力によりパーテシヨン４および内外の筒体
１，５の壁面によつて囲まれた凹所に、第１図の
Ｃで示すように堆積していく。また、パーテシヨ
ン４に衝突後も排気ガス中に僅かに残つて伴うカ
ーボンも、その排気ガスが金網２を通過するとき
に、この金網２によつてほとんど分離されること
になる。また、金網２は筒体１の外周側に沿つて
筒状に構成されているため、その軸方向に長くす
れば金網２の濾過面積を筒径を小さいままにして
幾らでも大きくすることが可能となる。したがつ
て、内燃機関の機種に応じ筒径を自由に選択で
き、しかも80％以上にもなる高度のカーボン除去
率を得ることが可能となる。

また、金網２は排気管１の排気ガスを直接受け
るのではなく、いつたん無孔のキヤツプ１ａにお
いて受け止め偏流させ、勢いが緩和された後のも
のを、さらに傾斜した方向で受け止める関係にな
つているので、金網２に作用する排気ガスの力
は、直接に、しかも垂直に作用する場合に比べて
可なり小さいものとなつている。しかも、金網２
はその裏面側から多孔の筒体１により支持されて
いるので、高価な金属素材を使用しなくてもその
耐久性を著しく向上することが可能となる。

また、上述の実施例によれば、内側の筒体１が
外側の筒体５に対し脱着自在の構成になつてい
て、排気管１０の後方から簡単に出し入れができ
るため、一定量のカーボンが堆積したときのカー
ボンの掃除が極めて簡単に行なえるという特長が
ある。

第５図〜第９図は本発明の他の実施例を示すも
のである。

この実施例では、上記実施例において内側の筒
体１前部に固定したブラケツト３に代えて、捩り
羽根８ａと開口８ｂとを円周方向に複数並べたブ
ラケツト８を設けるようにしたものである。その
他は、上述の実施例とほぼ同一の構成になつてい
る。

この装置では、勿論上記実施例と同様の効果が
得られるが、さらに筒体１のキヤツプ１ａに衝突
し外周側へ偏流した排気ガスは、ブラケツト８の
捩り羽根８ａにより旋回流となり回転力が与えら
れるため、排気ガス中に含まれるカーボン粉末が
遠心力により外側の筒体５の内壁側に向つて半径
方向へ付勢され、第５図のＣで示すように外周側
ほど高く蓄積されるようになる。すなわち、上記
のように旋回流となり、カーボン粉末が外周側へ
付勢される結果、金棒２を通過するカーボン量は
上記実施例に比べて少なくなり、カーボンの捕捉
効率が一層向上するのみならず、金網２の目詰り
発生をも減少させるという優れた効果が得られ
る。

なお、上記各実施例において、金網２を支持す
るようにした筒体１に穿設する貫通孔１ａは必ず
しも円形である必要はなく、必要により他の角形
やスリツト形状などの非円形であつてもよい。

上述したように、本発明による排気ガスのスパ
ークアレスタ装置は、外周壁に多数の貫通孔を設
けた筒体の端部に、排気ガスを外周側へ偏流させ
る傾斜面を有する無孔のキヤツプを設けると共
に、前記筒体の他側の端部を開口状態にし、この
開口側端部の外周部に前記偏流させた排気ガスを
受け止めると共に前記貫通孔を介して筒体内側へ
偏流させるようにした無孔のパーテシヨンを設
け、さらに前記筒体の外周壁には前記多数の貫通
孔を覆う金網を設けた構成としたので、全体の筒
径を小さくしたコンパクトな構成にしてもカーボ
ン除去効率を高くすることができるようになる。
したがつて、また適用する内燃機関の機種に応じ
て筒径を任意に選択することも容易になる。しか
も金網は多孔の筒体に支持される構成であるた
め、金網材料として高価なものを用いなくとも、
その耐久性を著しく向上させることができるよう
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例からなる装置の縦断面
図、第２図は同装置における内側筒体の縦断面
図、第３図は第２図の−矢視の断面図、第４
図は第２図の−矢視の断面図である。第５図
は本発明の他の実施例からなる装置の縦断面図、
第６図は同装置における内側筒体の縦断面図、第
７図は第６図の−矢視の断面図、第８図は第
７図の−矢視の断面図、第９図は第６図の
−矢視の断面図である。１……内側の筒体、１ａ……キヤツプ、１ｂ…
…貫通孔、２……金網、４……パーテシヨン、５
……外側の筒体、６……ハウジング、１０……排
気管。

Claims

【特許請求の範囲】

１外周壁に多数の貫通孔を設けた筒体の端部
に、排気ガスを外周側へ偏流させる傾斜面を有す
る無孔のキヤツプを設けると共に、前記筒体の他
方の端部を開口状態にし、この開口側端部の外周
部に、前記偏流させた排気ガスを受け止めると共
に前記貫通孔を介して筒体内側へ偏流させるよう
にした無孔のパーテシヨンを設け、さらに前記筒
体の外周面には前記多数の貫通孔を覆う金網を設
けたことを特徴とする排気ガスのスパークアレス
タ装置。