JPS639878Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は円盤状記録媒体（以下デイスクとい
う）に対し光学式ヘツドにより画像等の情報を光
学的に記録しかつ再生する装置に係り、特にヘツ
ドおよびヘツド送り機構に対し電力の供給および
信号の送受を行なう帯状フレキシブルケーブルの
保持手段に関するものである。

従来のこの種の装置として、ボイスコイル駆動
式のヘツド送り機構により光学式ヘツドをデイス
ク半径方向へ移動させ、デイスク上に同心円状ま
たはスパイラル上の記録トラツクを形成し、情報
の記録または再生を行なう如く構成したものがあ
る。かかる構成の装置にあつては、ボイスコイル
によりヘツドを直線的に往復動させるものである
ことから、ヘツドおよびヘツド送り機構に対しフ
レキシブルな電線にて電力の供給および信号の送
受を行なうようにしている。この場合、従来の装
置では上記電線として複数本のビニール被覆導線
等を束ねたケーブルを用いている例が殆んどであ
る。しかるに、このようなケーブルを用いたもの
では、ヘツドの往復動作に伴う曲げ応力により、
ビニール被覆および芯線に損傷が生じ易い。ま
た、線体の体積および重量が比較的大きいので比
較的大きな配線スペースを要する上、ヘツド送り
機構に対するロードが大となり、ヘツド送り動作
を阻害するおそれがある。さらに光学式ヘツドに
付設されているプリント配線板等に対する接続性
が悪く配線に手間がかかる等の難点もある。

そこで本考案者らは帯状フレキシブルケーブル
をヘツド送り機構の側傍において中央部位をヘツ
ド移動方向に沿つてＵ字状に彎曲させて取付ける
ことにより、たとえ往復動作が繰返えされても殆
んど損傷を受けることがなく、配線スペースが僅
かでよく、ヘツド送り機構に対するロードも小さ
く、そのうえ、プリント配線板との接続性も良好
なケーブル構成を考えた。

しかるに帯状フレキシブルケーブルは、リボン
状導体を帯状のフレキシブルな絶縁部材に平行に
配列したものであるため、ケーブルの端末を適確
に保持することが困難である。特に、光学式ヘツ
ドにより画像等の情報を光学的に記録しかつ再生
する装置においては、上記フレキシブルケーブル
を複数本必要とするので、狭い配線スペースにお
いてはケーブル端末の保持が一層困難となる事情
にあり、その解決が強く望まれていた。

本考案はこの事情に基いてなされたものであ
り、その目的は二つの帯状フレキシブルケーブル
を安定かつ適確に保持することができ、帯状フレ
キシブルケーブルのもつ利点を最大限に発揮させ
ることができ装置の信頼性の向上をはかることの
できるケーブル保持機構を備えた記録再生装置を
提供することにある。

以下、本考案を図面に示す実施例によつて詳細
に説明する。

第１図〜第３図はそれぞれ本考案の一実施例の
構成を示す上面図、側面図、後端面図である。第
１図〜第３図において、１は例えばアルミニウム
等の金属にて形成した肉厚寸法の大きな取付ベー
スであり、このベース上にはデイスク回転駆動用
モータ２が垂直に設置されている。このモータ２
の回転軸に取付けたデイスク載置用テーブル３の
上面にはデイスク４が載置され、円盤状のデイス
ク抑え板５にて固定されている。

一方、取付ベース１上にはヘツド送り機構６が
設けてある。このヘツド送り機構６は大別する
と、取付ベース１上に敷設された磁気回路７と、
ガイドレール８と、このガイドレール８上を磁気
回路７に沿つてスライドするキヤリツジ９とから
なつている。

磁気回路７は、取付ベース１の上面に穿つた幅
広の溝１Ａの上方位置に、上下に対向配置された
二脚７Ａ，７Ｂとその中間に位置する中央脚７Ｃ
とからなる磁性板を所定の距離だけ離間させて平
行に配設すると共に、二脚７Ａ，７Ｂの相対向す
る内側面に永久磁石１０Ａ，１０Ｂをそれぞれ固
定したものである。ガイドレール８は上記溝１Ａ
の両側内面に一対のガイド棒８Ａ，８Ｂを敷設し
たものである。

キヤリツジ９は、上端を開放させた樋状の枠体
１１の底部にガイド棒８Ａ，８Ｂ上を転動する車
輪１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃ，１２Ｄ等を設けると
共に、上記枠体１１の内部に位置する前記磁気回
路７の中央脚７Ｃに対し摺動自在に嵌合するボイ
スコイル１３を有している。かくしてこのキヤリ
ツジ９はボイスコイル１３に所定向きおよびレベ
ルの電流を通流させると磁気回路７との電磁作用
によつて第１図および第２図中左右方向つまり前
記デイスク４の半径方向へ直線的に移動する。

キヤリツジ９上には、光学式ヘツド１４とこの
ヘツド１４と一体的に設けられたアクチユエータ
１５とが樋状枠体１１の上端開放部を閉塞する状
態で固定されている。光学式ヘツド１４には、記
録情報に応じたレーザ駆動入力を導入する回路
や、取出された再生情報等を外部へ送出する回路
等が収容されている。またアクチユエータ１５は
レーザ光をデイスク４の記録面に照射し、記録情
報の光学的記録および記録されている情報の光学
的再生等を行なう如く構成されている。

ところで前記取付ベース１の両側にはケーブル
保持機構としてのケーブルホルダ１６，１７が取
付けてあり、キヤリツジ６Ｂの枠体端縁部には同
じくケーブル保持機構としてのケーブルホルダ１
８，１９が取付けてある。これらのケーブルホル
ダのうちケーブルホルダ１６と１８とは、電力用
フレキシブルケーブル２０，２１を保持してお
り、ケーブルホルダ１７と１９とは信号用フレキ
シブルケーブル２２，２３を保持している。電力
用ケーブル２０はたとえばヘツド送り機構６に対
し電源を供給するケーブルであり、電力用ケーブ
ル２１はたとえば光学式ヘツドの光源に電源を供
給するためのケーブルである。また信号用ケーブ
ル２２はたとえばアクチユエータ１５に記録信号
を与えると共にアクチユエータ１５で再生された
再生信号を取出すケーブルであり、信号用ケーブ
ル２３はたとえばアクチユエータ１５のトラツキ
ング制御およびフオーカツシング制御を行なうた
めの制御信号を伝送するケーブルである。

これらのケーブル２０，２１および２２，２３
はすべて肉厚のうすい導線を可撓性に富んだ絶縁
材で被覆した帯状のフレキシブル平行線路からな
り、その中央部を第１図示の如くヘツド移動方向
に沿つてＵ字状に彎曲させた状態で取付けられて
いる。

第４図〜第６図は前記ケーブルホルダ１７の構
造を示す図で第４図は上面図、第５図は側面図、
第６図は端面図である。第４図〜第６図におい
て、３０は硬質合成樹脂等の絶縁部材にて形成さ
れた矩形状の保持基板であり、その基端部はＬ字
型固定部材３１を介してネジ３２，３３により取
付ベース１上に固定されている。この保持基板３
０の一側面にはケーブル陥入溝３４が設けられて
おり、この溝内には第１のフレキシブルケーブル
としての前記信号用ケーブル２２が陥入されてい
る。保持基板３０の一側面には前記ケーブル陥入
溝３４と直交しかつ上記ケーブル陥入溝よりケー
ブル２２の厚み分だけ浅い止め板嵌合溝３５が設
けてあり、この溝内に第１の止め板３６が嵌合さ
れネジ３７，３８により固定されている。かくし
て上記第１の止め板３６は、ケーブル陥入溝３４
内に陥入させた前記ケーブル２２を上記溝内に押
込むように一部が上記ケーブル陥入溝内に嵌合
し、かつその表面が保持基板３０の表面と面一状
態となるように取付けられる。上記の如く取付け
られた第１の止め板３６および保持基板３０の表
面に一側面が当接するように第２のフレキシブル
ケーブルとしての前記信号用ケーブル２３が配置
され、第２の止め板３９により固定されている。
第２の止め板３９は、ケーブル２３を保持基板３
０の耳部４０に対し押圧固定可能なようにコ字状
に折曲されており、その両端折曲部位相互間に押
圧力を付与するためのピン４１が挿通されてい
る。このピン４１は例えばピアノ線のような弾撥
部材にて形成されており、その一端が保持基板３
０に挿着されたピン支持軸４２に巻き付けられて
いる。かくしてこのピン４１は上記支持軸４２を
中心に第４図中矢印で示す方向へ回動する如く蓄
勢されており、第２の止め板３９を保持基板３０
の耳部４０の表面に対し圧接させる。その結果前
記ケーブル２３は保持基板３０と第２の止め板３
９との間において挟圧保持されることになる。

なお、他のケーブルホルダ１６，１８，１９等
も、取付ベース１やヘツド送り機構６に対する固
定機構が若干異なるだけで、ケーブル２０，２１
および２２，２３に対する保持機構については第
４図〜第６図に示したものと同様であるので、そ
の説明は省略する。

このように構成された本装置においては、デイ
スク回転駆動用モータ２を回転させてデイスク４
を定速回転させた状態において、フレキシブルケ
ーブル２０，２１を介してヘツド送り機構６、光
学式ヘツド１４およびアクチユエータ１５へ駆動
電力および制御信号を供給すると、光学式ヘツド
１４およびアクチユエータ１５はキヤリツジ９の
動きに応じてデイスク半径方向へ移動しながらデ
イスク４の記録トラツクに対して記録情報の光学
的な記録または光学的な再生を行なう。

このとき、フレキシブルケーブル２０〜２３は
第１図および第２図中、二点鎖線で示す如くキヤ
リツジ９の動きに応じて変形する。この場合、フ
レキシブルケーブル２０〜２３は肉厚寸法が極め
て小さくしかも可撓性に富んだものであると共に
ケーブルホルダ１６〜１９により端末を安定に保
持されているため、ヘツド送り機構６に対するロ
ードは小さくスムーズに移動変形する。また上記
変形に際しての曲げ応力の影響は少なく反復動作
に対してもケーブル損傷を生じ難い。またケーブ
ルホルダ１６〜１９により帯状をなすフレキシブ
ルケーブルがヘツド送り機構６の両サイドにおい
てヘツド送り方向に沿つてＵ字状に彎曲した状態
に保持されているので、フレキシブルケーブルの
占有するスペースは僅少ですむ上、装置の長手方
向（第１図および第２図中左右方向）の寸法を増
大させずにすむ。また帯状の平行導体からなるフ
レキシブルケーブル２０，２１および２２，２３
は各ケーブルホルダ１６，１７および１８，１９
により、それぞれ所定の間隙をおいて二層に配設
保持されているので、たとえばヘツド１４の内部
に設けられているプリント配線板等に対しての接
続作業を容易に行なえる。さらにケーブルホルダ
１６，１８および１７，１９によつて、電力用ケ
ーブル２０，２１および信号用ケーブル２２，２
３がそれぞれ別個に分離保持されているので、電
力用ケーブル２０，２１から信号用ケーブル２
２，２３への雑音の介入を防止できる利点もあ
る。

なお、二層に配設保持されているフレキシブル
ケーブルのうち外側に位置しているフレキシブル
ケーブルは、スプリングの力により保持されたも
のとなつているので、その取付け取外し作業が極
めて容易である。したがつて、故障その他の理由
により、ケーブルの取外しを頻繁に行なうことが
予測される方のケーブルを外側にし、取外しを殆
んど要さないと考えられる方のケーブルを内側に
しておくと好都合である。

以上説明したように本考案によれば、光学式ヘ
ツドとヘツド送り機構とに対する電力の供給およ
び信号の送受を帯状のフレキシブルケーブルで行
ない、かつこの帯状のフレキシブルケーブルを、
第１のフレキシブルケーブルを陥入させるケーブ
ル陥入溝を設けた保持基板、上記第１のフレキシ
ブルケーブルを上記溝内に固定するように上記溝
内に嵌合させかつ表面が前記基板の表面と面一状
態となるように取付けられる第１の止め板、この
第１の止め板および前記基板の表面に一側面を当
接させた第２のフレキシブルケーブルを固定する
ための第２の止め板、からなるケーブル保持機構
によつて、前記ヘツド送り機構およびまたは前記
ヘツドと取付ベースとの間に張設保持するように
したので、二つの帯状フレキブルケーブルを安定
かつ適確に保持することができ、帯状フレキシブ
ルケーブルのもつ利点すなわち耐久性、配線スペ
ースの僅少性、ヘツド送り動作に対する非干渉
性、プリント配線板に対する接続性等の利点を最
大限に発揮させ得、装置の信頼性を高めることの
できる記録再生装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例の構成を示
す図で第１図は上面図、第２図は側面図、第３図
は後端面図、第４図〜第６図は同実施例における
ケーブル保持機構の構成を示す図で、第４図は上
面図、第５図は側面図、第６図は端面図である。 １……取付ベース、２……デイスク回転駆動用
モータ、３……デイスク載置用テーブル、４……
デイスク、６……ヘツド送り機構、７……磁気回
路、８……ガイドレール、９……キヤリツジ、１
０Ａ，１０Ｂ……永久磁石、１３……ボイスコイ
ル、１４……光学式ヘツド、１５……アクチユエ
ータ、１６，１７……ベース側ケーブルホルダ、
１８，１９……キヤリツジ側ケーブルホルダ、２
０，２１……電力用フレキシブルケーブル、２
２，２３……信号用フレキシブルケーブル、３０
……保持基板、３１……Ｌ字型固定部材、３４…
…ケーブル陥入溝、３６……第１の止め板、３９
……第２の止め板、４１……ピン、４２……ピン
支持軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円盤状記録媒体と、この記録媒体に情報を光学
   的に記録しかつ再生する光学式ヘツドと、この光
   学式ヘツドを前記記録媒体の半径方向へ移動させ
   るヘツド送り機構と、このヘツド送り機構および
   前記ヘツドに対して電力の供給および信号の送受
   を行なう帯状のフレキシブルケーブルと、このフ
   レキシブルケーブルを前記ヘツド送り機構および
   または前記ヘツドと取付ベースとの間に張設保持
   するケーブル保持機構とを具備し、前記ケーブル
   保持機構は、第１のフレキシブルケーブルを陥入
   させるケーブル陥入溝を設けた保持基板と、上記
   第１のフレキシブルケーブルを上記溝内に固定す
   るように上記溝内に嵌合させかつ表面が前記基板
   の表面と面一状態になるように取付けられる第１
   の止め板と、この第１の止め板および前記基板の
   表面に一側面を当接させた第２のフレキシブルケ
   ーブルを固定する第２の止め板とからなることを
   特徴とする記録再生装置。