JPS637338A - 面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼板または鋼帯の製造法 - Google Patents

面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼板または鋼帯の製造法

Info

Publication number
JPS637338A
JPS637338A JP14966286A JP14966286A JPS637338A JP S637338 A JPS637338 A JP S637338A JP 14966286 A JP14966286 A JP 14966286A JP 14966286 A JP14966286 A JP 14966286A JP S637338 A JPS637338 A JP S637338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
heat treatment
strip
strength
steel sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14966286A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0572449B2 (ja
Inventor
Teruo Tanaka
照夫 田中
Katsuhisa Miyakusu
宮楠 克久
Hiroshi Fujimoto
廣 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP14966286A priority Critical patent/JPS637338A/ja
Publication of JPS637338A publication Critical patent/JPS637338A/ja
Publication of JPH0572449B2 publication Critical patent/JPH0572449B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/02Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
    • C21D8/0205Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips of ferrous alloys

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、延性に優れ強度および延性の面内異方性の小
さい高強度複相組織クロムステンレス鋼板または鋼帯の
新規な工業的製造法に関し、高強度が必要とされ且つプ
レス成形などの加工が施される成形用素材としての高強
度高延性ステンレス鋼板ま、たは鋼帯を提供するもので
ある。
以下の説明において「鋼板または鋼帯」を「綱板」と略
称することがあるが「鋼帯」も本発明の内容に含まれる
ものである。
〔従来の技術〕
クロムを主合金成分として含有するクロムステンレス鋼
にはマルテンサイト系ステンレス鋼とフェライト系ステ
ンレス鋼とがある。
従来より、高強度のクロムステンレスI仮としてはマル
テンサイト系ステンレス鋼が良く知られている。例えば
JIS G 4305には、マルテンサイト系ステンレ
ス鋼として7種の綱が規定されている。これらのマルテ
ンサイト系ステンレス鋼は。
c : 0.08%以下(SUS410S)から0.6
0〜0.75%(SOS440A)とフェライト系ステ
ンレス鋼にくらべて高いCを含有し、焼入れ処理または
焼入れ焼もどし処理により高強度を付与することができ
る。またこのJIS G 4305において、 0.2
6〜0.40%のCおよび12.00〜14.00%の
Crを含有する5US420J2では。
980〜1040℃からの急冷による焼入れ後、150
〜400℃空冷の焼もどしにより I(RC40以上の
硬さが得られることが、そして、 0.60−0.75
%のCおよび16.00〜18.00%のCrを含有す
る5O3440Aでは。
101、0〜1070℃からの急冷による焼入れ後、1
50〜400℃空冷の焼もどしにより、同じ<  HR
C40以上の硬さが得られることが示されている。この
ようにマルテンサイト系ステンレス鋼では熱処理により
高強度が得られるものの、素材メーカーからステンレス
鋼板または鋼帯として出荷される場合には焼なまし状態
で出荷されており、その時点では3J(S G 430
5の表15にも示されるように強度および硬さは低い。
したがって、焼入れ、焼入れ一焼もどしなどの熱処理は
加工メーカーにて行われるのが通常である。
もう−種のクロムステンレス鋼であるフェライト系ステ
ンレス鋼板では熱処理による硬化があまり期待できない
ので1強度を上昇させる方法としては焼なまし後、さら
に冷間で1!l質圧延を行って加工硬化による強度上昇
をはかる場合がある。しかし、フェライト系ステンレス
鋼は元来が高強度を必要とする用途にはあまり供されて
はいないのが実状である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
マルテンサイト系ステンレス鋼板では、焼入れまたは焼
入れ一焼もどし処理後の&1IPaはその名称のごとく
基本的にはマルテンサイト組織であり。
非常に高い強度および硬さが得られる反面、伸びは非常
に低い。そのため、加工前の鋼板または鋼帯に熱処理を
施したのではその後の加工が困難となる。したがって、
最終製品にほぼ近い形に加工した後に熱処理を施すこと
が多い、特にプレス成形などの加工は熱処理後では不可
能である。いずれにしても、マルテンサイト系ステンレ
ス鋼では高強度を得るためには加工メーカーでの熱処理
工程が不可欠であるという加工メーカー側での負担増が
あり、またこのために最終製品のコストアップは避けら
れないという問題があった。
−方、フェライト系ステンレスF4仮を調質圧延により
強度を上昇させた場合には、伸びの低下が著しくなって
強度−延性のバランスが悪(なる結果、加工性に劣るこ
とになる。そして、tA質圧延による強度上昇の程度は
引張強さよりも耐力の方が著しく高い。このために高圧
延率になると耐力と引張強さの差が小さくなり、降伏比
(=耐力/引張強さ)が1に近くなって材料の望性加工
域が非常に狭(なると共に耐力が高いとスプリングバン
クが大きくなってプレス加工などの後の形状性が悪くな
る。さらに1FfJ買圧延材は強度および伸びの面内異
方性が非常に大きく、軽度のプレス加工などでも加工後
の形状が悪くなる。また、圧延による加工歪みは仮の表
面に近いほど大きいという特徴があるため、”AM圧延
材では板厚方向のひずみ分布が不均一になることが避け
られない。これは残留応力の板厚方向の不均一分布をも
たらし。
特に極薄鋼板では打抜き加工やフォトエツチング処理に
よる穴あけ加工後に板の反りなどの形状変化を生ずる場
合があり5電子部品などの高精度が必要とされる用途で
は大きな問題となる0以上の31 !圧延に起因する問
題のみならず、フェライト系ステンレス鋼では木質的な
欠点とも言えるリジングの問題があり、調質圧延後にお
いては一般に冷延リジングと呼ばれるリジングを発生し
9表面の粗度が重視される用途ではやはり大きな問題と
なる。
〔問題点を解決する手段〕
前述のような問題は、適度な高強度を有し且つ所望の形
状に加工し得る良好な延性および加工性を具備し、異方
性が小さくリジング発生のないクロムステンレス鋼材料
が素材メーカー側で綱板または鋼帯の形で提供できれば
解決し得る。そこで本発明者らはこの解決を目的として
化学成分並びに製造条件の両面からクロムステンレス鋼
について広範な研究を続けて来た。その結果、思いかけ
ずも、従来のフェライト単相域温度での仕上焼鈍つまり
鋼板または鋼帯成品に施す焼なまし処理ではなく、フェ
ライト+オーステナイトニ相域への加熱とその後の急冷
処理からなる仕上熱処理をクロムステンレス鋼の鋼板ま
たは鋼帯成品(通常の熱間圧延、冷間圧延によって得ら
れた冷延鋼板または鋼帯)に施すならば、前記の問題点
の実質上すべてが解決できるという素晴らしい成果を得
ることができた。かくして本発明は、必須成分として0
.10重量%以下の炭素と10.0〜18.0重量%の
クロムを合作するクロムステンレス刊の冷延鋼板または
鋼帯を通常の熱間圧延および冷間圧延を経て製造し、得
られた冷延鋼板または鋼帯をフェライト+オーステナイ
トの二相域となる温度に加熱したうえこの温度から5℃
/sec以上、 1000℃/sec以下の冷却速度で
冷却する仕上熱処理に供することを特徴とする面内異方
性の小さい高延性高強度の複相IJ1m <実質状フェ
ライトとマルテンサイトとからなる組織)を有するクロ
ムステレス鋼板または鋼帯の製造法を提供するものであ
る。
本発明法によれば前述の問題点の実質上全てが解決され
るのみならず、鋼組成または仕上熱処理時の加熱温度並
びに冷却速度を制御することにより強度を自在に且つ簡
単に調整できるという点でクロムステンレス鋼板または
鋼帯素材の工業的製造にあたっての有利且つ新しい製造
技術を提供するものであり、従来より市場に出荷されて
いるマルテンサイト系ステンレス鋼板または鋼帯やフェ
ライト系ステンレス鋼板または鋼帯では有しない延性と
強度の両特性を兼備し且つ延性と強度の面内異方性の少
ない新規クロムステンレス鋼材料を市場に提供するもの
である。
従来より5例えばフェライト系ステンレス鋼の代表鋼種
である5(15430においても二相域温度に加熱すれ
ばオーステナイトが生成し、このオーステナイトは急冷
によってマルテンサイトに変態してフェライト+マルテ
ンサイトの二相組織になること自体は知られていた。し
かしながら、高温でオーステナイトを生成するクロムス
テンレス鋼板または鋼帯の製造においては、冷延後の熱
処理はあくまでもフェライト単相域温度での焼なまし処
理であり、マルテンサイトを生成するような高温の熱処
理は延性の低下などの材質上の劣下をもたらすものとし
て回避することが常識であり、鋼板または鋼帯の実際の
製造面では全く顧みられなかった。したがって、クロム
ステンレス鋼の冷延後に本発明のような仕上熱処理を施
した場合の加熱温度と強度および延性の関係や、延性お
よび強度の異方性などについて詳細に研究がなされた例
もない。
以下に本発明者らの行ったクロムステンレス鋼の冷延材
に対する二相域加熱と急冷の仕上熱処理試験についてそ
の結果の一例を挙げながら本発明の内容を具体的に説明
する。
第1表に示す化学成分を有する鋼AとBを溶製し1通常
の条件の熱間圧延にて板厚3.61の熱延板とし、78
0X4時間の焼鈍を施したあと、冷間圧延により板厚0
.7Iの冷間圧延板を得た。8Aは従来の概念ではマル
テンサイト系ステンレス鋼に分類される鋼成分であり、
 w4Bは従来の概念ではフェラ−(ト系ステンレス鋼
に分類される鋼成分である。
第1表 この冷間圧延板を750〜1150℃の範囲の各温変で
2分間均熱したあと、平均冷却速度20℃/secで常
温まで冷却する仕上熱処理を施した。得られた各仕上熱
処理材について引張試験、硬さ試験および顕微鏡による
金属組mi察を行った。
第1図における左側の(al欄に、前記仕上熱処理時の
加熱温度とマルテンサイト量(体積%)、硬さくHv)
、 引張強さくkgf/l”)および伸び(χ)との関
係を示した。また比較のために1第1図における右欄の
(′b)には同じ冷間圧延板を圧延率70%および80
%でm’it圧延して強度を高めた場合の各特性を対比
して示した。なお、引張強さおよび伸びについては、圧
延方向の値(し)、圧延方向に対して450方向の値(
0)および圧延方向に対し90″方向の値(T)をそれ
ぞれ求め、 (L+20+T)八によって計算した平均
値で示した。第1図fatから明らかなようにmAおよ
び鋼Bとも、加熱温度が800〜900℃以上の範囲(
フェライト十オーステナイトの二相温度域となる温度)
から硬さおよび引張強さの急激な上昇が見られ、加熱温
度が950℃を超えると硬さおよび引張強さの上昇は飽
和する傾向にある。
−方、硬さおよび引張強さの上昇にともない伸びは低下
するが9例えば鋼Aは加熱温度を900℃とした場合の
伸びは15%であり(硬さHv : 265.引張強さ
: 83 kgf/mm”)、これは同等の硬さおよび
引張強さをt[f圧延により得た場合の2.5%(第1
図山))に比べ非常に優れた延性を有していると言える
。この点を明らかにするために、第1図の結果を引張強
さと伸びの関係で示したのが第2図である。第2図から
明らかなように、仕上熱処理としてフェライト+オース
テナイトニ相温度域加熱およびこの温度からの急冷を行
った場合の伸びは同じ強度レベルで比較して調質圧延材
よりも著しく高く2強度−延性バランスに優れているこ
とがわかる。
また、第2表には、鋼Aの950℃加熱の仕上熱処理材
と80%!Fi!圧延材について、 L、[l、Tの3
方向の引張強さ′および伸びを示した。
第2表 第2表から明らかなように、950℃仕上熱処理材の引
張強さおよび伸びの方向による差、すなわち異方性は、
調質圧延材に比べて著しく小さい。
例えば950℃仕上熱処理材の引張強さはL方向で最も
高<  96.1kgf/a+m”、  D方向で最も
低く  93.4kgf/Iam”であり、その差は僅
かに2.7kgf/mm”であるのに対し、調質圧延の
それは最も高いT方向と最も低いし方向の差は19.8
kgf/mm”と非常に大きい、伸びについても同様で
あって仕上熱処理は高い伸びを示して異方性が小さいの
に対しUnit圧延では低い伸びを示して異方性が大き
い。
第3図は鋼Aの950℃加熱の仕上熱処理材の金a m
 織写真である。写真中の白く見える領域がフェライト
、黒もしくは灰色に見える領域がマルテンサイトである
。この写真かられかるように、この材料はフェライトと
マルテンサイトの複相Mi織を有している。すなわち前
記の試験結果に見られるように1強度並びに延性の異方
性の小さい高延性高強度の材料が得られたのは、熱間圧
延、冷間圧延のあとにフェライト十オーステナイトの二
相域に加熱し急冷する仕上熱処理によって、基本的には
、フェライトと、急冷によってオーステナイトから変態
して生成したマルテンサイトとの複相m織とすることで
達成し得たものである。
このような複相組織鋼板の強度(硬さ)はマルテンサイ
ト相のM(体積分率)およびマルテンサイト相の強度(
硬さ)に依存する。したがって。
本発明法の実施にさいし、化学成分面からはM n 。
Ni、C,Nなどのオーステナイト生成元素とCr。
S i、A 1などのフェライト生成元素のバランスに
より高温でのオーステナイト量すなわち急冷後のマルテ
ンサイト相の体積分率は自在に制御できると共に、マル
テンサイト強化能の大きいCおよびNMの制御によって
マルテンサイト相そのものの強度(硬さ)も自在に制御
することができる。また、製造条件の面からも仕上熱処
理時の加熱温度および冷却速度の制御によりマルテンサ
イト相の体積分率および強度(硬さ)の制御が行い得る
本発明法を適用するクロムステンレス鋼におけるCfl
についてはあまり高いと仕上熱処理後に生成するマルテ
ンサイト相が多くなり、場合によっては100%マルテ
ンサイトとなると共に、マルテンサイト相そのものの硬
さも非常に高くなるので高強度は得られるものの延性が
低下する。したがって9本発明法を適用するクロムステ
ンレス鋼のC量の上限は0.10%とするのがよい、ま
たCr量については、ステンレス鋼としての耐食性を維
持するうえで少なくとも10.0%は必要最低量として
る 含有させ\きであるが、あまりCr量が高いと。
マルテンサイト相を生成させて高強度を得るに必要なオ
ーステナイト生成元素の量が多くなると共に製品が高価
となるために18.0%を上限とするのがよい。
本発明において前記目的を達成するには仕上熱処理時の
加熱温度はフェライト+オーステナイト二相域温度であ
ることが絶対条件である0本発明が有利に実施し得るク
ロムステンレス鋼ではフェライト+オーステナイトニ相
組織となる下限の温度はおおむね800〜900℃の範
囲である。換言すれば本発明法は800〜900℃の範
囲にフェライト+オーステナイトニ相組織となる下限温
度をもつような化学成分のクロムステンレス鋼を対象と
した場合に本発明の効果が最も良く現れるとも言いえる
。この仕上熱処理時の加熱温度の上限についてはあまり
高温では強度上昇が飽和するとともに製造コストの面で
も不利となるので1100℃を上限とするのがよい。
本発明法における仕上熱処理時のフェライト+オーステ
ナイトニ相域加熱の冶金的意義として。
■CrCr炭化物化窒化物溶、■オーステナイト相の生
成、■生成したオーステナイト中へのCおよびNの?!
I縮の3点を挙げることができる。クロムステンレス鋼
の場合にはこれらの現象はいずれも短時間のうちにほぼ
平衡状態に達するので2本発明における仕上熱処理時の
加熱時間は短時間。
おおむね10分間以内の加熱でよい。この短時間加熱で
よいことは本発明法の実際操業の点でも生産効率、製造
コストの面から非常にを利である。
仕上熱処理時の冷却速度についてはマルテンサイト相と
軟質なフェライト相との複相Mi織を得るうえから5℃
ハec以上の冷却速度とする必要があるが、 1000
℃/secを超える冷却速度を得るのは実質上困難であ
る。したがって1本発明において二相温度域加熱からの
冷却は5〜b の冷却速度で実施する。この冷却速度は常温までの終点
冷却温度までとしてもよいが、低温変態相すなわちマル
テンサイト相に変態してしまったあとの冷却過程では必
ずしもこの冷却速度を採用する必要はない。冷却の方法
としては気体および/または液体の冷却媒体を鋼板また
は鋼帯に吹き付ける強制冷却方式、水冷ロールによるロ
ール冷却方式などを適用できる。本発明に従う仕上熱処
理はコイル巻戻し機から巻取り機に至る間に加熱均熱帯
域と急冷帯域を有する連続熱処理炉にクロムステンレス
鋼の冷延ストリップを通板するという連続熱処理方式で
行うことができる。
実施例 第3表に示す化学成分を有する鋼を溶製し、いずれも板
厚3.6wmに熱間圧延後、780℃×4時間の熱延板
焼鈍を行い、酸洗を経て板厚0.3mmに冷間圧延した
。これらの冷間圧延板を対象として第4表に示した仕上
熱処理条件のもとて仕上熱処理を施した。得られた仕上
熱処理材の材料特性を第4表に併記した。なお、第4表
における比較例漱3と5は、鋼隘2と3について調質圧
延によって強度を上昇させた例である。この場合、@考
に表示の圧下率を付与した後の板厚が0.3mmとなる
ように予め熱延板の板厚を表面研削によって調整した。
第4表から明らかなように1本発明法によればいずれも
高い引張強さと硬さおよび良好な伸びを存している。ま
た1本発明法では0.2%耐力、引張強さおよび伸びの
異方性が小さいことが明らかである。
これに対し比較例11&llでは仕上熱処理条件は本発
明で規定する範囲であるが、gのC量が本発明で規定す
るC景(C50,10%)より多いC=0.162%の
@Nn5であるために、仕上熱処理後のマルテンサイト
量が表示のように100%となり1強度は高いものの伸
びが非常に低い。
比較例寛2では仕上熱処理での加熱温度が800℃と低
く、この加熱温度では鋼階2の鋼はフェライト+オース
テナイトニ相域にならず、したがって仕上熱処理後の金
属&iI織はマルテンサイトの存在しないフェライト単
相組織であり、伸びは高いものの強度および硬さが低い
比較側石3および比較例患5は、前述のように熱延板焼
鈍後の冷間圧延率を制御しいわゆる調質圧延により強度
を高めたものであるが1本発明例のものに比較して引張
強さく硬さ)に対する伸びが著しく低い、また引張強さ
に対する0、2%耐力の比、すなわち降伏比が高いと共
に、0.2V6耐力。
引張強さ、伸びの異方性が大きい、したがって本発明例
によって得られた材料に比べて加工性並びに加工後の形
状性に劣ることが明らかである。
比較例磁4は、仕上熱処理での冷却速度が0.03’C
/secと非常に低いので熱処理後にマルテンサイトが
生成しておらず、伸びは高いものの強度および硬さが低
い。
次に1本発明例1kl〜4および比較例N11.3.5
によって得られた材料についてプレス加工試験を行ない
、プレス加工の成否、加工品の形状精度およびリジング
発生の有無を調べた結果を第5表に示した。試験は直径
35mmの円11i試片を第4図に示す形状にプレス加
工した。そのさいのポンチ肩半径(R)を0.21と0
.6mmの2種とした。また、加工品の形状精度につい
ては、加工後のフランジ部の平坦度で評価し5水平な台
上に加工品を置きフランジ部のシワもしくはうねりの凹
凸を全周にわたって測定し、その最高の高さと最低の高
さの差で示した。
第5表 表5から明らかなように1本発明例による材料のすべて
はポンチ肩半径0 、2111111および0.6mm
のいずれの場合もプレス加工が可能であるとともに。
加工後の形状精度が良好で平坦度が20μm以下であっ
てリジングの発生も認められなかった。
これに対し比較例患1による材料はポンチ肩半径0.2
mmおよび0.6mmともにポンチ肩部分で破断してプ
レス加工ができないものであった。また比較例?&13
および5による材料はポンチ肩半径0.21ではプレス
加工が不可能であり、ポンチ肩半径0.6mmの場合に
はプレス加工が可能であったものの、形状精度が悪く且
つリジングの発生が認められた。なお、−般に加工品の
形状精度はフランジの平坦度の値が小さい程好ましいこ
とは当然であるが2通常の加工品の場合少なくともフラ
ンジの平坦度が30μm以下であることが要求される。
以上の実施例に見られるように、第3表の鋼患1〜4の
如き鋼成分のクロムステンレス鋼板に本発明に従う仕上
熱処理を施した鋼板素材は、伸びが9%以上で引張強さ
80 kgf/mm”以上の延性−強度バランスの良い
高延性と高強度を兼備した材料であるともに、延性およ
び強度の面内異方性が小さく且つ低耐力、低降伏比をも
ちプレス成形性に優れた材料である。従来のクロムステ
ンレス鋼板の分野においてかような良好な加工性を兼備
した高強度素材は鋼板または鋼帯の形で市場に出荷され
た例は見ない、したがって2本発明は従来のクロムステ
ンレス鋼板分野に新規素材鋼板または鋼帯を提供するも
のである。本発明に従う材料は電子部品、精密機械部品
などへの加工性が要求される高強度材として特に有用で
あり、この分野において多大の成果が発揮され得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は2本発明に従う仕上熱処理の加熱温度とマルテ
ンサイト量、硬さ、引張強さおよび伸びとの関係を調質
圧延材と比較して示した図。 第2図は本発明に従う仕上熱処理材と調質圧延材につい
て引張強さと伸びとの関係を示した図。 第3図は本発明に従う仕上熱処理を施したクロムステン
レス鋼の金属組織を示した顕微鏡写真。 第4図は明細書記載のプレス加工試験に供した円板状の
加工品をその中心線断面で見た説明図である。 第1図 加熱温度じC)       調質圧延IMf、)第2
図 引張強さく k!ii’f/+o+F )jI3図

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)必須成分として0.10重量%以下の炭素と10
    .0〜18.0重量%のクロムを含有するクロムステン
    レス鋼の冷延鋼板または鋼帯を通常の熱間圧延および冷
    間圧延を経て製造し、得られた冷延鋼板または鋼帯をフ
    ェライト+オーステナイトの二相域となる温度に加熱し
    、この温度から5℃/sec以上、1000℃/sec
    以下の冷却速度で冷却する仕上熱処理に供することを特
    徴とする面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織ク
    ロムステレス鋼板または鋼帯の製造法。
  2. (2)クロムステンレス鋼はフェライト+オーステナイ
    トの二相域となる温度が800℃を超える温度となるよ
    うに成分調整された鋼である特許請求の範囲第1項記載
    の製造法。
  3. (3)仕上熱処理の加熱温度は1100℃以下である特
    許請求の範囲第1項または第2項記載の製造法。
  4. (4)仕上熱処理の加熱時間は10分以内である特許請
    求の範囲第1項、第2項または第3項記載の製造法。
  5. (5)仕上熱処理における冷却はオーステナイトがマル
    テンサイトに変態するに十分な冷却速度と冷却温度で行
    う特許請求の範囲第1項、第2項、第3項または第4項
    記載の製造法。
JP14966286A 1986-06-27 1986-06-27 面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼板または鋼帯の製造法 Granted JPS637338A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14966286A JPS637338A (ja) 1986-06-27 1986-06-27 面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼板または鋼帯の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14966286A JPS637338A (ja) 1986-06-27 1986-06-27 面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼板または鋼帯の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS637338A true JPS637338A (ja) 1988-01-13
JPH0572449B2 JPH0572449B2 (ja) 1993-10-12

Family

ID=15480106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14966286A Granted JPS637338A (ja) 1986-06-27 1986-06-27 面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼板または鋼帯の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS637338A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1991001385A1 (en) * 1989-07-22 1991-02-07 Nisshin Steel Co., Ltd. Method of producing high-strength stainless steel strip having duplex structure and excellent spring characteristics
WO1995013405A1 (fr) 1993-11-12 1995-05-18 Nisshin Steel Co., Ltd. Acier inoxydable a deux phases a ductilite elevee et a forte resistance et procede de production de ce dernier
US6488786B2 (en) 2000-01-21 2002-12-03 Nisshin Steel Co., Ltd. High-strength, high-toughness martensitic stainless steel sheet
WO2011122697A1 (ja) 2010-03-29 2011-10-06 新日鐵住金ステンレス株式会社 複相組織ステンレス鋼板及び鋼帯並びにそれらの製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1991001385A1 (en) * 1989-07-22 1991-02-07 Nisshin Steel Co., Ltd. Method of producing high-strength stainless steel strip having duplex structure and excellent spring characteristics
WO1995013405A1 (fr) 1993-11-12 1995-05-18 Nisshin Steel Co., Ltd. Acier inoxydable a deux phases a ductilite elevee et a forte resistance et procede de production de ce dernier
US5624504A (en) * 1993-11-12 1997-04-29 Nisshin Steel Co., Ltd. Duplex structure stainless steel having high strength and elongation and a process for producing the steel
US6488786B2 (en) 2000-01-21 2002-12-03 Nisshin Steel Co., Ltd. High-strength, high-toughness martensitic stainless steel sheet
US6749701B2 (en) 2000-01-21 2004-06-15 Nisshin Steel Co., Ltd. Method of inhibiting cold-rolled steel sheet edge cracking, and method of producing the steel sheet
WO2011122697A1 (ja) 2010-03-29 2011-10-06 新日鐵住金ステンレス株式会社 複相組織ステンレス鋼板及び鋼帯並びにそれらの製造方法
US9074271B2 (en) 2010-03-29 2015-07-07 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation Dual-phase stainless steel sheet and steel strip and method of production

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0572449B2 (ja) 1993-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100974737B1 (ko) 극연질고탄소열연강판의 제조방법
KR950013188B1 (ko) 면내 이방성을 감소시킨 고연성, 고강도의 복상조직 크롬 스테인레스강 스트립의 제조방법
KR950013187B1 (ko) 면내 이방성을 감소시킨 고연성, 고강도의 복상조직 크롬 스테인레스강 스트립의 제조방법
JPH01172524A (ja) 耐食性に優れた高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼帯の製造法
CN108707823A (zh) 超高强度钢板及其制备方法和超高强度钢板制品
JPH04154921A (ja) 形状の優れた高強度ステンレス鋼帯の製造方法
KR20080012922A (ko) 고탄소냉간압연강판의 제조방법
JPS5827329B2 (ja) 延性に優れた低降伏比型高張力熱延鋼板の製造方法
JPH0823048B2 (ja) 焼付硬化性と加工性に優れた熱延鋼板の製造方法
JPS61272317A (ja) 耐食性に優れた常温および高温域での高強度オ−ステナイト・ステンレス鋼材の製造方法
JPS637338A (ja) 面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼板または鋼帯の製造法
JPS63169331A (ja) 延性に優れた高強度複相組織クロムステンレス鋼帯の製造法
JPH07100822B2 (ja) 面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼帯の製造法
JP2004124123A (ja) 加工性と形状凍結性に優れた低降伏比型高強度冷延鋼板及びその製造方法
JPS63169330A (ja) 延性に優れた高強度複相組織クロムステンレス鋼帯の製造法
JPS60184664A (ja) 安定な残留オ−ステナイトを含む高延性高張力鋼
JPS63145718A (ja) 加工性の優れた超高強度冷延鋼板の製造方法
JPH01172525A (ja) 耐粒界腐食性に優れた高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼帯の製造法
JPH07100823B2 (ja) 面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼帯の製造法
TWI711706B (zh) 具高降伏強度的汽車用鋼材及其製造方法
JP7355994B2 (ja) 高炭素鋼板およびその製造方法
JPS6052551A (ja) 高延性高加工性鋼並びにその製造法
JP7368692B2 (ja) 中炭素鋼板の製造方法
JPS63169333A (ja) 面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼帯の製造法
JPS59133324A (ja) 成形性のすぐれた高張力冷延鋼板の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees