JPS637159B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、窓サツシやラジオキヤビネツト等、
表面に凹凸が存在する物体に、例えば木目印刷等
の印刷を施す方法に関するものである。

以下本発明方法を図面に従つて説明する。

第１図において示される支承層は弾性の小さい
クツシヨン体で作られており、柔軟な薄質膜２、
例えば商品名「オブラート」として知られる如き
澱粉膜を支承している。この薄質膜には印刷手段
３によりパターンが印刷されており、これによつ
て転写片が作られる。

上記印刷手段３は従来公知のもので良く、例え
ば木目模様を写真製版したパターン現出用の版ロ
ーラ３ａと、これに印刷インク又は塗料を供給す
るインク供給手段例えばインクローラ３ｂと、上
記版ローラ３ａからパターンを転写されるウレタ
ンロール等の印刷ローラ３ｃと、上記印刷ローラ
３ｃと圧接して薄質膜２を送る受ローラ３ｄと、
上記インクローラ３ｂと接するインク練ローラ３
ｅとを有する構成であり、上記薄質膜２は、上記
印刷ローラ３ｃでパターンを印刷された後そのパ
ターン印刷面２ａを上にして転写工程４へ送られ
る。以上の処において、薄質膜２はロール状に巻
かれて保持されると共に、その一端から引出され
て上記印刷ローラ３ｃと受ローラ３ｄ間に挿入さ
れても良いし、或いは又予め所定寸法に切断され
て１枚宛印刷ローラ３ｃに送られても良い。

上記転写工程４では上記薄質膜２がそのパター
ン印刷面２ａを受側面としてこれを上方に向けて
下方をクツシヨン体１で支承される。

上記クツシヨン体１としては弾性の小さい物、
例えば発泡ウレタンフオームやゼラチン状の半固
体物質等が使用される。

上記薄質膜２の印刷面２ａには、第２図の如
く、被印刷物体５が当接すると共に、この物体５
は下方へ押下げられて、第２図鎖線の如く、クツ
シヨン体１内に押入れられる。

この様にすると、薄質膜２にはクツシヨン体の
圧力、例えば復元力が加わり、薄質膜２を物体５
へ押着する様作用するから、これによつて薄質膜
２のパターン印刷面２ａが物体５の表面に密着
し、物体表面にはパターンが転写される。

上述の如くして物体５の表面にパターンが転写
された時点以降において物体５の表面から薄質膜
２が除去され、これにより物体表面にはパターン
が残留する。この薄質膜除却工程としては、例え
ば第１図に示す如く前記転写工程４の後続工程と
して、薄質膜２を溶解又は分解する溶液又は溶剤
を貯留した除却槽８を設ければ良い。

上記溶液又は溶剤は薄質膜２の性質に応じて選
択すれば良いが、薄質膜２が実施例の如く澱粉膜
である場合には温水を用いても良い。又この溶液
としては薄質膜２を分解する酵素、例えば澱粉分
解酵素を含有する事が望ましく、斯くすれば薄質
膜の分解が促進される。

上述の如く澱粉膜を用いる場合には、澱粉が全
く無害な為公害問題を発生する虞れがないと共
に、排水から澱粉を回収出来る利点がある。

又上記薄質膜２の材料としては、澱粉膜の他ポ
リビニルアルコール、デキストリン、ポリアクリ
ルアマイド、ポリエチレンオキサイド、ポリペプ
タイド、或いはアクリル酸皮膜、メチルエステル
皮膜、塩化ビニル樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹
脂、ナイロン等を用いる事が出来る。

上記薄質膜除却工程は、薄質膜２を溶解又は分
解する溶液や溶剤を貯留する除却槽８を用いる
他、これらの溶液や溶剤をシヤワーで散布した
り、或いは此等の溶液や溶剤を霧状に含む空気等
の気体を吹付けても良く、更には上記薄質膜が特
定の温度で融解する場合には高温処理を施した
り、或いは反対に薄質膜２が崩落する低温処理等
の温度処理を施したり、或いは又薄質膜２を物理
的に剥取る処理を施しても良い。そして又上記薄
質膜２を物理的に消失せしめる方法、例えば繊維
を糊料で接着して薄質膜を作り、これを糊料の溶
出により原形を消失せしめる方法でも良い。

上述の処において、薄質膜２は転写工程で或る
程度除却した後、後続工程の除却工程で完全に除
却する様にしても良く、又薄質膜２を除却された
物体５は、仕上室９で洗滌乾燥等の処理をした後
に取出す事が望ましい。

本発明方法によれば、弾性の小さいクツシヨン
体１が物体５を受入れるため物体の凹凸部に薄質
膜２を密着させて確実に印刷が出来る他、薄質膜
２のパターンを着色出来るから多色印刷も出来る
効果が期待出来、更に又薄質膜２が有体物である
クツシヨン体１と物体５との間に挟持されつつク
ツシヨン体１に押圧されるから、薄質膜２が破れ
る事なく物体５に密着すると共にクツシヨン体１
の弾性が小さいため、これから受ける反発弾性に
よる圧力が薄質膜２に均一に作用してパターンの
印刷効果が良いと云う効果もあり、従つて今後
益々需要増大する各種印刷に利用して効果大であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法の工程を説明する略解図、
第２図は本発明方法の転写工程を説明する略解図
である。 図中１はクツシヨン体、２は薄質膜、３は印刷
手段、４は転写工程、５は被印刷物体、６は処理
室、８は除却槽、９は仕上室を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 薄質膜に塗料やインク等を使用してパターン
   を印刷する印刷工程と、上記パターンを印刷した
   薄質膜をそのパターン印刷面を受側面として弾性
   の小さいクツシヨン体の上に展張すると共に、被
   印刷物体を薄質膜の受側面に当接しつつクツシヨ
   ン体内に押入れ、以つてクツシヨン体の圧力で物
   体表面にパターンを転写する転写工程と、上記パ
   ターン転写時又はその後に上記薄質膜を除去して
   物体表面にパターンを残留せしめる膜除去工程と
   を有してなる事を特徴とした印刷方法。