JPS63700B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、空気調和装置に関し、特に、空調ユ
ニツトへ供給すべき補給空気を予備処理すること
に関する。

蒸気圧縮冷凍回路を有する典型的な空調装置に
おいては、圧縮機、凝縮器、蒸発器および膨脹装
置等の各構成要素は、蒸発器と熱伝達関係に置か
れる流体と、凝縮器と熱伝達関係に置かれる流体
との間で熱エネルギーを伝達するように配置され
ている。ヒートポンプ装置においては、屋外熱交
換コイルと、室内熱交換コイルとは、圧縮機が逆
転弁を介して、凝縮器として機能するどちらか一
方の熱交換コイルへ高温のガス状冷媒を導くこと
ができるように配置されている。この場合、他方
のコイルは蒸発器として機能し、逆転弁の位置に
応じて加熱モードか、冷却モードかによつて熱エ
ネルギーが室内コイルまたは屋外コイルにおいて
放出または吸収される。加熱作動モードにおいて
は、凝縮器として機能する室内コイル内では熱が
放出され、蒸発器として機能する屋外コイルでは
熱が吸収される。冷却作動モードのときはその逆
であり、凝縮器として機能する屋外コイルでは熱
が放出され、蒸発器として機能する室内コイルで
は熱が吸収される。

空調すべき囲い区域または建物の屋上または側
壁、あるいは建物に近接する部所に設置するのに
適した空調ユニツトは、空調機の分野において周
知である。この空調ユニツトは、室内熱交換器を
有する室内部と、屋外熱交換器を有する屋外部と
に分けられている。室内部には、調和空気を囲い
区域へ供給するための室内フアンが設置されてい
る。この室内フアンは、調和空気を囲い区域から
戻し空気として吸引するとともに、補給空気とし
て周囲空気を吸引する。室内部に流入してくる空
気は、室内熱交換器との熱交換関係をなして通さ
れ、その間に空気から熱が吸収されるか、あるい
は空気に対して熱が放出される。かくして、囲い
区域へ供給される空気は、空調ユニツトの室内部
内において調和される。

ユニツトの屋外部は、屋外熱交換器とそれを被
つて通る周囲空気との間で熱が伝達されるように
構成されている。通常屋外熱交換器を通して空気
を循環させるための屋外フアンが設けられてい
る。典型的な装置においては圧縮機は屋外部に配
置されている。

ある種の作動条件下においては比較的多量の補
給空気が必要とされる場合がある。特に、多量の
グリスを使用する迅速食品加工業においては、補
給空気の量は囲い区域（部屋内）への供給空気量
の50％にものぼる。このように必要とされる補給
空気の割合が高い作動条件において、周囲空気の
温度条件が極端である場合は、補給空気を予備調
和することが望ましいことが判明した。補給空気
の予備調和は、幾つかの効果を得るために行われ
る。第１に、空調ユニツトへ供給する補給空気が
その温度を上昇または低下させるように予備調和
されると、空調ユニツト（予備調和ユニツトを含
まない）の容量を減少させることができる。もち
ろんこの容量の削減は、空調ユニツトの製造コス
トの削減を可能にする。第２に、補給空気を予備
調和することによつて、冷却作動モードにあると
きも、加熱作動モードにあるときも、空調ユニツ
トの作動効率を高めることができる。従つて、補
給空気を予備調和することは、装置の製造コスト
の削減を可能にするばかりでなく、空調ユニツト
の作動効率を高めることによりその運転コストの
節減をも可能にする。

第３に、ある種の周囲条件下においては各種の
制御により予備調和ユニツトだけで空気の完全な
調和を達成することができる場合がある。ここに
述べる予備調和ユニツトは、補給空気と周囲空気
との間で熱エネルギーを伝達するための別個のヒ
ートポンプ装置を備えている。ある種の条件下に
おいては、この補給空気用ヒートポンプだけで空
調装置にかかる負荷を処理するのに十分である場
合がある。

本発明は、上述のように、空調系統に予備調和
ユニツトを付加することに関するが、この予備調
和ユニツトは、補給空気を補給空気流路を通して
空調ユニツトの室内部へ流入させ、そこで処理し
て囲い区域へ放出させるように配置する。予備調
和ユニツトは、それを補給空気部と周囲空気部と
に分割する切壁を有している。補給空気部への補
給空気の流入はダンパー装置によつて制御され
る。補給空気は、まず、ダンパーを通り、補給空
気熱交換器を通つた後、空調系統の室内部へ導か
れる。この補給空気熱交換器に周囲空気熱交換器
および圧縮機を接続して冷凍回路を構成し、補給
空気と周囲空気との間で熱エネルギーが伝達され
るようにする。

以下に、添付図を参照して本発明の実施例を説
明する。本発明は、ユニツトの底部から戻り空気
を受取り、ユニツトの底部から供給空気を排出す
るようにした屋上型空調ユニツトに関連して説明
するが、本発明は補給空気を必要とするあらゆる
型式の空調装置に適用することができる。本発明
は、また、空気を予備調和することが装置の全体
性能を高める上で効果があるような他の型式の冷
凍装置にも適用することもできる。ここでは予備
調和ユニツトはヒートポンプを利用した別個の蒸
気圧縮式冷凍回路を有するものとして説明する
が、本発明の予備調和ユニツトは非可逆冷凍回路
を有するものであつてもよし、あるいはヒートポ
ンプの代りに補給空気流路内に配設された代替加
熱手段を有するものであつてもよい。

第１図を参照すると、屋上型空調ユニツト１０
が示されている。空調ユニツト１０は、屋上据付
型であつて、全体が空調すべき区域（部屋）の外
部に設置される。空調ユニツト１０は、ハウジン
グによつて囲われており、該ハウジングは仕切板
４８によつて室内部（「第１空気部」とも称する）
１４と、屋外部（「第２空気部」）４０とに分割さ
れている。屋外部には、屋外熱交換器（「第２熱
交換器」とも称する）４２と圧縮機４４と、屋外
フアン４６が設置されている。屋外フアン４６
は、屋外熱交換器４２の外面を被つて周囲空気を
循環させ、熱交換を行わせるためのものである。
室内部１４には、室内熱交換器「第１熱交換器」
とも称する）１６と室内フアン１２が設置されて
いる。室内部の底部には戻り空気導入開口１７と
供給空気排出開口１８が設けられている。屋外熱
交換器４２と室内熱交換器１６とを、圧縮機４４
とで可逆第１冷凍回路を構成している。室内フア
ン１２は、室内熱交換器１６を通して空気を吸引
し、それを下向きに供給空気排出開口１８を通し
て空調すべき囲い区域（部屋）へ排出される働き
をする。

予備調和ユニツト２０は、空調ユニツト１０の
端部に付設され、やはり全体が空調すべき区域の
外部に配置されており、空調ユニツトの室内部の
補給空気導入開口１５と整合して補給空気流路５
０が設定されるようになされている。予備調和ユ
ニツトは、囲い体を形成するケーシング２１を有
しており、この囲い体は仕切板３０によつて周囲
空気部６０と補給空気部７０（第２図）とに分割
されている。ダンパー６２は、補給空気流路５０
への補給空気の流れを調整する。補給空気通路５
０内には補給空気熱交換器２４が配置されてお
り、ダンパー６２と熱交換器２４の間に電気抵抗
加熱器８０が設置されている。周囲空気部６０内
には周囲空気熱交換器２２、圧縮機２６およびフ
アン２８が配設されている。

補給空気熱交換器２４と、周囲空気熱交換器２
２と、圧縮機２６とで可逆第２冷凍回路を構成す
る。

第２図に示される本発明の予備調和ユニツトの
拡大図を参照して説明すると、圧縮機２６は、導
管７６によつて周囲空気熱交換器２２に接続され
ており、後者は膨脹器７２を備えた導管７４によ
り補給空気熱交換器２４に接続されている。熱交
換器２４は導管７４によつて圧縮機２６に接続さ
れている。この冷凍回路は、単に例として示した
ものにすぎず、四方弁等を設けることにより、補
給空気熱交換器２４に加熱または冷却を選択的に
施すことができるヒートポンプ回路とすることも
できる。

補給空気流路５０は、ダンパー６２によつて制
御される補給空気入口開口６１を始点としてい
る。補給空気は、この入口開口から加熱器８０を
通り、補給空気熱交換器２４を通り、補給空気部
７０を通つて、空調ユニツト１０の室内部の補給
空気導入開口１５と整合している補給空気排出口
７７へ至る。

電気加熱器８０は、補給空気を加熱するためだ
けでなく、周囲空気熱交換器２２に堆積する霜を
除去する熱を供給するために付勢させることもで
きる。補給空気熱交換器２４がヒートポンプの凝
縮器として使用され、補給空気に熱を放出してい
る場合は、周囲温度条件によつては周囲空気熱交
換器２２上に霜が付着する場合がある。周囲空気
熱交換器２２の除霜は冷凍回路の冷媒の流れを逆
転させることによつて行われ、その場合補給空気
熱交換器２４を蒸発器として機能し、熱エネルギ
ーを吸収する。しかしながら、電気加熱器８０を
設けたことにより、熱交換器２４が吸収する熱エ
ネルギーは加熱器８０から得られ、その上に補給
空気を加熱することもできる。加熱器が設けられ
ていなければ、補給空気の温度を上昇させなけれ
ばならないときに、補給空気から熱交換器２４に
よつて熱エネルギーが吸収され、補給空気の温度
が低下されてしまう。

予備調和ユニツトを付設しないとすれば空調装
置は、その設計作動条件のもとで加熱および冷却
の両方を施すのに十分なサイズ（容量）としなけ
ればならないが、予備調和ユニツトを設けた場
合、空調ユニツトへ供給される補給空気が予備処
理されているので空調ユニツトの総和熱容量およ
び冷却容量を削減することが可能となる。

空調すべき区域または部屋が冷却（冷房）また
は加熱（暖房）を要求するときは、空調装置は、
該区域へ処理（調和）空気を供給するように作動
される。周囲温度条件が適度であるときは、予備
調和ユニツトを通して供給される補給空気は、補
給空気熱交換器２４によつて加熱または冷却され
る。非常に寒い日または非常に暑い日は、流入し
てくる補給空気の温度を予備調和ユニツトによつ
て上昇または低下させて空調ユニツトの室内熱交
換器１６へ入つてくる補給空気と戻り空気との組
合せの全体的温度を上昇または低下させ、それに
よつて空調ユニツトの冷凍回路がはるかに効率の
良い範囲内で作動することができるようにする。

条件に応じて、空調ユニツト（ストレート型空
調装置またはヒートポンプ型空調装置）の冷凍回
路だけを作動させてもよく、あるいは予備調和ユ
ニツトだけを作動させてもよく、あるいは両方を
同時に作動させてもよい。空調ユニツトと予備調
和ユニツトの２つの装置を設けることにより両装
置をそれぞれ独立して、あるいは同時に作動させ
るという融通性が得られるとともに、各ユニツト
のサイズ（容量）を両者の組合せ作動に基いて定
めることができるので、製造コストを削減するこ
とができる。更に、両ユニツトの組合せ作動によ
り両ユニツトの作動効率を高めることができる。
負荷条件が同じであれば、予備調和ユニツトだけ
を作動させた方がエネルギーを節約することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は付加予備調和ユニツトを付設した屋上
型空調ユニツトの概略図、第２図は付加予備調和
ユニツトの拡大概略図である。 図中、１０は空調ユニツト、１２は室内フア
ン、１４は室内部、１５は補給空気導入開口、１
６は室内熱交換器、１７は戻り空気導入開口、１
８は供給空気排出開口、２０は予備調和ユニツ
ト、２１はケーシング、２２は周囲空気熱交換
器、２４は補給空気熱交換器、２６は圧縮機、３
０は仕切板、５０は補給空気流路、６２はダンパ
ー、８０は加熱器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 空調すべき区域の外部に設置される空調装置
   であつて、 第１空気部１４および第２空気部４０を囲うハ
   ウジングと、 第１空気部を通る空気と熱交換関係をなすよう
   に第１空気部内に設置された第１冷凍回路の第１
   熱交換器１６と、 第１熱交換器との間で熱エネルギーを伝達させ
   るために第２空気部４０内に設置された第１冷凍
   回路の第２熱交換器と、 空気を第１熱交換器と熱交換関係をなすように
   して通流させ、該空気を第１空気部から空調すべ
   き区域へ循環させるためのフアン１２と、 空調すべき区域から第１空気部へ戻り空気を流
   入させるための戻り空気導入開口１７と、 周囲空気を第１空気部へ流入させるための補給
   空気流路５０と、 補給空気流路５０を通る空気の量を調整するた
   めのダンパー６２と、 前記ハウジングに付設されたケーシング２１内
   に前記補給空気流路を通る空気と熱交換関係をな
   すように設置された第２冷凍回路の補給空気熱交
   換器２４と、 前記ケーシング内に周囲空気とのみ熱交換関係
   をなすように設置された第２冷凍回路の周囲空気
   熱交換器２２と、 前記ケーシング内に設置されており、前記補給
   空気熱交換器と周囲空気熱交換器との間で熱エネ
   ルギーを伝達させるように前記第２冷凍回路内を
   流れる冷媒の温度および圧力を増大させるための
   圧縮機２６とを備えたことを特徴とする空調装
   置。 ２ 前記第１および第２冷凍回路は可逆冷凍回路
   である特許請求の範囲第１項記載の空調装置。 ３ 前記ケーシング内の前記補給空気流路５０内
   の補給空気熱交換器２４の上流に電気抵抗加熱器
   ８０を配設し、補給空気熱交換器の除霜を行うた
   めに該加熱器の作動により該補給空気熱交換器へ
   熱を供給することができるようにした特許請求の
   範囲第２項記載の空調装置。 ４ 前記補給空気流路５０からの補給空気と戻り
   空気導入開口１７からの戻り空気とが第１空気部
   １４内で第１熱交換器１６を通る前に混合される
   ように第１熱交換器、補給空気流路および戻り空
   気導入開口が配置されている特許請求の範囲第１
   項記載の空調装置。 ５ 前記フアン１２は、戻り空気導入開口１７ま
   たは補給空気流路５０から、またはその両方から
   空気を第１空気部１４内へ吸引し、該空気を第１
   熱交換器１６を通して空調すべき区域へ循環させ
   るようになされている特許請求の範囲第１項記載
   の空調装置。 ６ 第２熱交換器４２は周囲空気とのみ熱交換関
   係をなすように配置されており、第２空気部４０
   内に前記第１冷凍回路の一部として圧縮機４４が
   設置され、周囲空気を第２熱交換器４２と熱交換
   関係をなすようにして循環させるための第２のフ
   アン４６が設置されている特許請求の範囲第１項
   記載の空調装置。 ７ 空調すべき区域の外部に設置される空調装置
   であつて、室内部１４と、該室内部内に配置され
   ており、該室内部を通る空気と熱伝達媒体との間
   で熱エネルギーを伝達させるために該熱伝達媒体
   を通流させるための室内熱交換器１６と、該室内
   部へ空気を吸引し、かつ、該室内部から空気を排
   出させるように空気圧差を創生するためのフアン
   １２と、前記室内部から調和された空気を排出さ
   せるための供給空気排出開口１８と、空調すべき
   区域からの空気を前記室内部へ戻すための戻し空
   気導入開口１７と、周囲空気を前記室内部へ流入
   させるための補給空気導入開口１５とを有する空
   調装置１０と組合せて使用するために空調すべき
   区域の外部に配設され、該空調装置１０に付設さ
   れる付加装置２０において、 補給空気流路５０を画定するケーシングであつ
   て、該補給空気流路を前記室内部への前記補給空
   気導入開口に整合させるように前記空調装置１０
   の室内部に付設することができるようにしたケー
   シング２１と、 該ケーシングの補給空気流路５０内に配置され
   ており、該補給空気流路を通る補給空気と熱伝達
   媒体との間で熱エネルギーを伝達させるために該
   熱伝達媒体を通流させるための補給空気熱交換器
   ２４と、 該ケーシングを、前記補給空気流路を画定する
   補給空気部７０と、周囲空気部６０とに分割する
   仕切板３０と、 前記周囲空気部内に配置された周囲空気熱交換
   器２２と、 圧縮機２６と、 前記補給空気熱交換器２４と周囲空気熱交換器
   ２２との間で熱エネルギーを伝達させるための冷
   凍回路を構成するように該補給空気熱交換器と、
   周囲空気熱交換器と、前記圧縮機２６とを接続す
   る接続配管７１，７４，７６とから成る付加装
   置。 ８ 前記補給空気流路を通る補給空気の流れを制
   御するための手段６２が設けられている特許請求
   の範囲第７項記載の付加装置。 ９ 前記補給空気を加熱するとともに前記周囲空
   気熱交換器２２の除霜を行うべく前記補給空気熱
   交換器２４へ熱を供給するために前記補給空気流
   路５０内の補給空気熱交換器２４の上流に電気抵
   抗加熱器８０が設置されている特許請求の範囲第
   ７項記載の付加装置。 １０ 空調すべき区域へ調和空気を供給するため
   に該区域の外部に設置された空調装置において、 空気部１４と、該空気部を通る空気を加熱また
   は冷却するために該空気と熱交換関係をなすよう
   に配置された熱交換器１６を含む可逆第１冷凍回
   路と、該空気部へ戻り空気を供給するための手段
   １７と、周囲空気を前記空気部１４へ供給するた
   めの開口手段１５と、該空気部１４へ該開口手段
   を通して前記空気部１４へ周囲空気を導くための
   ものであつて、周囲空気を加熱または冷却して、
   または加熱も、冷却もせずに前記空気部へ通すよ
   うに第１空気部へ供給される空気の温度を選択的
   に変化させるために第１空気部へ供給される空気
   と周囲空気との間で熱エネルギーを伝達させるた
   めの可逆第２冷凍回路を含む周囲空気導入手段２
   ０とを備えたことを特徴とする空調装置。 １１ 前記空気部１４への空気流の量を調整する
   ためのダンパー６２を備えている特許請求の範囲
   第１０項記載の空調装置。