JPS636812Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、漁業や水中作業等の目的で船上より
吊り下げて使用される水中灯の保持具の改良に関
するものである。

〔従来の技術〕

水中灯保持具は、ケース本体内においても電線
接合部と電球部の２か所の水密構造をとらなけれ
ばならない。従来の電球の管状基端部はストレー
トの円筒状であつたため、電球部を水密構造とす
るためには、実公昭54−4836号公報に示されるよ
うにドーナツ状パツキンの上下板間を圧縮し、中
間の弾性体を内方に膨出させることにより水密化
を図つていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、確実に弾性体と管球部との間を
密着させるためには、ドーナツ状パツキンの上下
板間の圧縮量をかなり大きくしなければならない
という問題があつた。

本考案は、このような問題点に鑑み、電球の構
造として、管球部基端に段部を形成したものを用
い、この構造の電球に対して、適切な水密構造を
もつ水中灯保持具を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために、本考案の水中灯保
持具は、管球の基端部周縁に口金側が小径となる
段部を形成した電球を収納する中空ケースと、電
球の前記段部の外周と前記中空ケース内壁との間
に配置される環状パツキンと、該環状パツキンを
前記中空ケースの端部から該環状パツキンの厚み
方向に締め付けるパツキン押えとを備え、前記環
状パツキンは、それぞれ剛体にてなる上部環体及
び下部環体との間に、環状弾性体が挟着された構
造とし、該環状弾性体の内周面が取付状態におい
て電球の前記段部の外周面に位置する配置とする
と共に、前記パツキン押えによつて該環状弾性体
が締め付けられたときに該環状弾性体が内方に膨
出して電球の前記段部の外周に圧接する構成と
し、前記上部環体の内周には内方突出部を形成
し、電球の前記段部の上縁と該内方突出部との間
にＯリングを配設し、かつ前記環状パツキンの下
部環体と前記ケース本体に、該ケース本体の外部
と連通する冷却用流通部を設けたことを特徴とす
る。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例に基いて説明
する。

第１図は、本考案に係る水中灯保持具の実施例
の断面図である。第１図において１は電球、２は
中空ケース本体である。この中空ケース本体２内
には、前記電球１の口金部を装着するためのソケ
ツト３が設けられている。このソケツト３からは
電線４が上部に導出されている。電線４は、電線
スリーブ、電線グランド６、電線パツキン７によ
つて水密に封着されている。なお、８は電線４の
金属露出部を絶縁するための電線スリーブ、１３
は電球ガードを示す。

第２図は、第１図に示した電球パツキン部の詳
細を示すもので、電球１の管球基端部に形成され
た段部１ａの上縁にはＯリング９が装着されてい
る。環状パツキン１０は第３図に示すように剛体
にてなる上部環体１０ａ及び下部環体１０ｃとの
間に合成ゴム等の環状弾性体１０ｂが挾着されて
一体化された構造であり、上部環体１０ａの内周
上面には、Ｏリング９が係合する突出部１０ｄが
形成されている。

従つて、第２図に示すように、電球１の段部１
ａの上縁に装置したＯリング９に上部環体１０ａ
の突出部１０ｄの下面が、段部１ａの外縁に環状
弾性体１０ｂが、それぞれ位置するように環状パ
ツキン１０はケース本体２に取り付けられる。そ
して、環状パツキン１０は、その下方からパツキ
ン押え１１に装着されて締付ボルト１２で締め付
け固定される。その締め付けにより環状弾性体１
０ｂは内方に膨出し、段部１ａの外周に密着して
水密構造となる。環状弾性体１０ｂの膨出の際、
段部１ａの山形形状に沿つて該弾性体１０ｂが変
形しながら圧着するので、従来のストレート管球
のものに比べて少ない膨出量で広い圧着面積を確
保でき、更にＯリング９の介在によつて水密性は
向上する。

パツキン押え１１の内周空間部は、電球１の点
灯により相当の熱がこもる。高温となつた水は比
重が小さくなるので、パツキン押え１１の下方か
ら抜け出せない。したがつて、電球１の点灯によ
る発熱によつて環状弾性体１０ｂやＯリング９の
寿命を短くするので、パツキン押え１１及びケー
ス本体２に水の流通部１１ａ及び２ａを貫通させ
て、前記空間部の高熱水をケース外に逃して放熱
するようにする。

なお、電球の段部の上縁に密着する弾性材にて
なるリングは上述のＯリング９の構成のほかに、
環状パツキン１０の上部環体１０ａの内周に焼付
けた弾性リングで構成してもよい。

また、本実施例においては、電球１の段部１ａ
は山形状に突出した例を示しているが、これに限
らず、第５図又は第６図に示す形状の段部１ａと
してもよい。

〔考案の効果〕

上述したように本考案においては、環状弾性体
を中間に挟着した環状パツキンを、パツキン押え
によつて締め付け、環状弾性体が内方に膨出して
電球の段部に圧接することによつて水密構造を実
現している。これにより、パツキン押えに対する
小さな圧縮量で高い水密性を実現でき、しかも水
圧によつて電球が上方に押圧されることによるリ
ングとの圧着によつて二重の水密作用を生じさせ
るという効果を奏するものである。さらに、パツ
キン押え及びケース本体に貫通させた水の流通部
によつて、発熱部と外部とを連通する構造したの
で、水密構造部における温度上昇により環状弾性
体やＯリングの寿命の低下を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す半断面正面図、
第２図は電球パツキン部の詳細を示す断面図、第
３図は環状パツキンの構造を示す一部切欠斜視
図、第４図はパツキン押えを示す一部切欠斜視
図、第５図及び第６図はそれぞれ電球の段部の他
の例を示す正面図である。 １……電球、１ａ……段部、２……ケース本
体、２ａ……水の流通部、３……ソケツト、４…
…電球、５……電線スリーブ、６……電線グラン
ド、７……電線パツキン、８……電線スリーブ、
９……Ｏリング、１０……環状パツキン、１０ａ
……上部環体、１０ｂ……環状弾性体、１０ｃ…
…下部環体、１１……パツキン押え、１１ａ……
水の流通部、１２……締付ボルト、１３……電球
ガード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管球の基端部周縁に口金側が小径となる段部を
   形成した電球を収納する中空ケースと、電球の前
   記段部の外周と前記中空ケース内壁との間に配置
   される環状パツキンと、該環状パツキンを前記中
   空ケースの端部から該環状パツキンの厚み方向に
   締め付けるパツキン押えとを備え、前記環状パツ
   キンは、それぞれ剛体にてなる上部環体及び下部
   環体との間に、環状弾性体が挟着された構造と
   し、該環状弾性体の内周面が取付状態において電
   球の前記段部の外周面に位置する配置とすると共
   に、前記パツキン押えによつて該環状弾性体が締
   め付けられたときに該環状弾性体が内方に膨出し
   て電球の前記段部の外周に圧接する構成とし、前
   記上部環体の内周には内方突出部を形成し、電球
   の前記段部の上縁と該内方突出部との間にＯリン
   グを配設し、かつ前記環状パツキンの下部環体と
   前記ケース本体に、該ケース本体の外部と連通す
   る冷却用流通部を設けたことを特徴とする水中灯
   保持具。