JPS636584Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はノズルミツクス型ガスバーナのガス供
給用ノズルに関するものである。

（従来技術） 碍子用磁器等の陶磁器を焼成する場合において
は製品に要求される諸特性や複雑な製品形状を焼
結させるために燃焼ガスを窯炉内にむらなく均一
にゆきわたらせることができるうえに炉内におけ
る高燃焼効率が得られるガスバーナが要求される
が、従来のノズルミツクス型ガスバーナは先端に
ガス噴出孔を設けるとともに外面に燃焼用空気を
旋回させるための羽根を複数枚張設した中空筒状
のガス供給用ノズルを燃焼用の空気供給管内に同
心状に配設したものを普通とするため、空気供給
管に供給された燃焼用空気は外面に複数枚張設さ
れた羽根により旋回されながら前方に進み、ガス
供給用ノズルの先端のガス噴出孔から噴出する燃
料ガスと混合されることとなるが、その構造上燃
焼用空気と燃料ガスとの混合ポイントが前方に位
置するので燃焼ポイントも当然ながら前方に位置
することとなつて燃焼ガスは窯炉内の前方奥まで
届きやすい反面、燃焼用空気とは巧く混合されに
くいので不完全燃焼となり、フリーカーボンが発
生しやすく燃焼効率低下の原因となつていた。ま
た、上下への広がりが狭いので燃焼ガスが直接製
品に当たりやすく、局部加熱を受けやすくて下段
への火炎のかかりが悪くなり、焼成不足になつて
良質の製品確保が難しいという欠点があつた。

（考案の目的） 本考案は前記のような欠点を除いて窯炉内での
燃焼ガスの拡散を良くして燃焼効率を上げ、かつ
バーナタイルや炉壁等の損傷を少なくすることが
できるノズルミツクス型ガスバーナのガス供給用
ノズルを目的として完成されたものである。

（考案の構成） 本考案は先端が閉塞された中空筒状の主体の先
端から、主体の最大外径の1.5〜3.0倍の長さ分だ
け後方に離れた位置の外面に燃焼用空気と燃料ガ
スとを混合するための複数枚の羽根を該主体の軸
線に対して５〜20゜の取付角度θをつけて張設す
るとともに各羽根間において主体にはガス射出孔
を適当数設けたことを特徴とするものである。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例について詳細に説
明すれば、１はバーナボデー１１の中心部に配置
されるガス供給用ノズルで、該ガス供給用ノズル
１は空気供給用ノズル２内に同心状に配設されて
いる。このガス供給用ノズル１は先端が閉塞され
た中空筒状の主体３の外面に燃料ガスと燃焼用空
気との混合を促進するための複数枚の羽根４を該
主体３の軸線に対して所要の取付角度θをつけて
放射状に張設するとともに各羽根４，４間におい
て主体３の胴部に１個または複数個のガス射出孔
５を設けたものである。なお、このガス射出孔５
はガス流がなるべく主体３の表面に沿つて噴出さ
れるよう先端縁をテーパ状に形成しておくことが
好ましく、また、羽根４はその取付位置が主体３
の閉塞端から該主体３の最大外径の1.5〜3.0倍の
長さ分だけ開口端側にずらせた位置とし、かつ前
記主体３の軸線に対する羽根４の取付角度θは5゜
〜20゜とした場合に最適な燃焼ガスの拡散効果が
得られるので好ましく、さらに、主体３の閉塞端
側を直筒部３ａに続く先細のテーパ部３ｂに形成
しておくか端面角部分に丸味をつけて混合ガスの
流れの拡散を防止するようにしておくことが好ま
しい。なお、図中１２および１３はバーナボデー
１１の燃焼用空気供給口および燃料ガス供給口で
ある。

このように構成されたものは、在来のこの種ガ
スバーナノズルと同様にバーナボデー１１に装着
して使用した場合、燃焼用空気が空気供給用ノズ
ル２を経由して送り込まれて混合促進用の羽根
４，４間に至ると、混合促進用の羽根４がガス供
給用ノズル１の主体３の外面に該主体３の軸心に
対して5゜〜20゜の所要角度で放射状に張設されて
いるので、燃焼用空気は羽根４により旋回流とな
つて空気供給用ノズル２とガス供給用ノズル１の
外側との間を前進する。一方、燃料ガスはガス射
出孔５から射出するが該ガス射出孔５が各羽根
４，４の相互間に位置しているうえ燃料ガスの流
速は燃焼用空気の流速に比べ低速なために燃焼用
空気に吸込まれる形で混合されながら前進するこ
ととなり、その結果、燃焼用空気と燃料ガスは混
合が十分に行われ完全燃焼するのでフリーカーボ
ンが発生しにくくなつて燃焼効率が向上する。さ
らに、燃焼開始ポイントが手前に位置する事にな
るので燃焼ガスが窯炉内へ均一にゆきわたり、製
品品質に良い結果が得られる。なお、ガス供給用
ノズル１は主体３の閉塞端側を5゜〜10゜の先細テ
ーパ部３ｂとするか或いは角部分に丸味をつけて
おけば、混合ガスは従来例に比較して流速分布が
向上して窯炉内の奥まで燃焼ガスを到達させるこ
とができることとなり、また、主体３の閉塞端か
ら該主体３の最大径の1.5〜３倍の範囲内に羽根
４を位置させておくこととの組合せにより燃焼炎
を広角炎から狭角炎まで一切が可能となるばかり
かバーナタイル１４や炉壁１５に直接当てずに火
炎を形成することができる。本考案において羽根
４の取付位置を主体３の先端からその最大外径の
1.5〜3.0倍の長さだけ後方に離れた位置としたの
は、羽根４がこれよりも主体３の先端に近い位置
にあると燃料ガスと燃焼用空気とが混合される有
効流動距離が不足し、逆に羽根４をこれよりも後
方に離しても混合効果の向上は認められないうえ
主体３の長さが必要以上に長くなるからである。
また本考案において羽根４の取付角度θを５〜
20゜としたのは、5゜未満では空気の旋回速度が不
足して拡散が不充分となり、20゜を越すと空気の
流れ抵抗が大きくなりやはり拡散が不充分となる
からである。なお、主体３の閉塞端側を約15゜の
先細のテーパ部３ｂとするとともに６枚の羽根４
を主体３の閉塞端より該主体３の最大径の３倍の
長さ分だけ開口端寄りに位置させた本考案に係る
ガス供給用ノズルを用いた実験結果によれば燃焼
室出口における燃焼ガスの流速は従来のガス供給
用ノズルに比べ２倍のレベルアツプし、燃焼が良
くなるうえに燃焼ガスを製品中心まで到達させる
ことができることが確認されている。

（考案の効果） 本考案は以上の説明によつて明らかなように、
燃焼ガスが窯炉内でむらなく均一に拡散できるの
で製品が焼成不足になることがなくて良質の製品
を焼成できるうえに燃焼ガスと燃焼用空気との混
合が良く完全燃焼するので燃焼効率を上げること
ができ、しかもバーナタイルや炉壁等の損傷を少
くすることができるので窯炉の耐久性を増すこと
ができる等種々の利点があり、従来のノズルミツ
クス型バーナのガス供給用ノズルの欠点を除いた
ものとして実用的価値極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠側面
図、第２図は同じく正面図、第３図は使用状態に
おいて示す一部切欠側面図である。 ３：中空筒状の主体、３ｂ：先細のテーパ部、
４：羽根、５：ガス射出孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 先端が閉塞された中空筒状の主体３の先端か
   ら、主体３の最大外径の1.5〜3.0倍の長さ分だ
   け後方に離れた位置の外面に燃焼用空気と燃料
   ガスとを混合するための複数枚の羽根４を該主
   体３の軸線に対して５〜20゜の取付角度θをつ
   けて張設するとともに各羽根４，４間において
   主体３にはガス射出孔５を適当数設けたことを
   特徴とするノズルミツクス型ガスバーナのガス
   供給用ノズル。 ２ 主体３はその閉塞端側が先細のテーパ部３ｂ
   に形成されている実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のノズルミツクス型ガスバーナのガス供
   給用ノズル。