JPS63637Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は定量式充填装置に関し、より詳しくは
複数のシリンダ装置を有する定量式充填装置にお
いて、各シリンダ装置間の充填量を所定量に正確
に一致させることができるようにした充填量変更
装置に関する。

容器内に一定量の充填液を充填する定量式充填
装置は、通常、充填液を一定量に計量するために
カムによつて作動されるシリンダ装置を備えてお
り、そのシリンダ装置内に吸入した所定量の充填
液を容器内に充填するようにしている。この種の
定量式充填装置においては、容器内への充填液の
充填量を変更するには上記シリンダ装置のストロ
ーク量を変更すればよく、従来一般には、ストロ
ークを変更するために上記カムを所要のカム曲線
を有する新たなカムに交換していた。

しかしながら、このような手段によるときに
は、全シリンダ装置間のストローク量を変更する
ことはできても、シリンダ装置間の充填量の誤差
の調整を行なうことはできなかつた。

本考案はこのような事情に鑑み、簡単な構成で
しかも容易に個々のシリンダ装置のストロークを
調整して全シリンダ装置による充填量を同一とな
るように調整することができる定量式充填装置の
充填量変更装置を提供するものである。

以下図示実施例について本考案を説明すると、
第１図において、機枠１に固定した垂直軸２に回
転テーブル３を回転自在に軸支し、この回転テー
ブル３の外周部等間隔位置に、第１図に部分的に
示すカム部材４によつて昇降される壜台５をそれ
ぞれ設けている。上記回転テーブル３の上方に
は、これとともに回転体を構成して一体的に回転
する充填液タンク６を支持部材７を介して固定
し、上記各壜台５のそれぞれに対応する充填液タ
ンク６の底面外周部位置に定量式充填機構８を設
けている。

各定量式充填機構８は、各壜台５の直上位置に
配置されて各壜台５上に搬入される容器内に充填
液を注入するノズル９と、充填液タンク６内の充
填液を吸込み、その吸込んだ充填液を上記ノズル
９から吐出させるシリンダ装置１０と、充填液タ
ンク６とシリンダ装置１０間、およびシリンダ装
置１０とノズル９間の充填液流路を切換え制御す
る三方向切換弁１１とを備えている。上記シリン
ダ装置１０を構成するピストン１２は作動ロツド
１３および一対の第１カムフオロワ１４、第２カ
ムフオロワ１５を介してカム機構１６に連動して
おり、このカム機構１６によつて昇降作動され
て、上記三方向切換弁１１と協働してそのピスト
ン１２の降下時に充填液タンク６内の充填液をシ
リンダ装置１０内に吸込み、上昇時にはシリンダ
装置１０内に吸込んだ充填液をノズル９から容器
内に充填させることができるようになつている。

図示しない容器は機枠１に設けたコンベヤ２０
によつて搬送され、タイミングスクリユウ２１に
よつてスターホイール２２に同期された後に、そ
のスターホイール２２によつて各壜台５上に１つ
ずつ順次搬入される。壜台５上に搬入された容器
は上記カム部材４による壜台５の上昇に伴なつて
上昇され、これにより相対的にノズル９が容器内
に挿入されると、充填液の充填が開始される。そ
して充填の終了した容器は元の高さ位置まで降下
された後、図示しない排出側のスターホイールに
より排出コンベヤ上に排出される。

上記カム機構１６は回転テーブル３の下方に配
置してあり、上記垂直軸２の軸線を中心とする円
弧状の固定カム部材２５と、この固定カム部材２
５の内側に昇降自在に設けたリング状の昇降カム
部材２６とを備えている。そして上記第１カムフ
オロワ１４を上記固定カム部材２５に係合可能と
するとともに、第２カムフオロワ１５を昇降カム
部材２６に係合可能としている。本実施例では、
第３図に示すように、上記第１カムフオロワ１４
は上記作動ロツド１３に固定ボルト２７によつて
回転しないよう固定した偏心軸２８の主軸部２９
に回転自在に軸支してあり、また第２カムフオロ
ワ１５はその偏心軸２８の偏心部３０に回転自在
に軸支している。

さらに、上記昇降カム部材２６には複数箇所
に、本実施例では第２図に示すように、円周方向
等間隔位置４箇所にナツト部材３１を設けてあ
り、各ナツト部材３１のそれぞれにジヤツキ３２
のねじ棒３３を螺合している。各ジヤツキ３２は
駆動軸３４によつて相互に連動され、その駆動軸
３４が回転された際には一斉に各ねじ棒３３を同
一方向に回転させ、上記昇降カム部材２６を上昇
又は下降させることができるようになつている。

そして、上記固定カム部材２５は、第４図に示
すように、上方に隆起した部分２５Ａを有してお
り、その頂部は上記ピストン１２の最大上昇端位
置に対応するように設定し、またその底部はピス
トン１２の最大降下端位置よりも低くなるように
設定している。他方、上記昇降カム部材２６のカ
ム面は水平面内に位置するよう平面に形成してあ
り、この昇降カム部材２６を下降端位置に位置さ
せた際にそのカム面が上記ピストン１２の最大下
降端位置に対応するように設定している。

したがつて、昇降カム部材２６を下降端位置に
位置させた際のカム面と上記固定カム部材２５の
頂部との高低差Ｈが上記シリンダ装置１０の最大
ストローク量に、つまり容器内への充填液の最大
充填量に一致し、この状態から昇降カム２６を上
昇させることによりシリンダ装置のストローク量
を減少させて充填量を減少させることができるよ
うになる。

以上の構成においては、回転テーブル３が図示
しない駆動源によつて回転駆動されると、その回
転テーブル３の回転に伴なつて第１カムフオロワ
１４が固定カム部材２５上を、第２カムフオロワ
１５が昇降カム部材２６上を転動することとな
る。そして、それらカムフオロワ１４，１５の昇
降量すなわちシリンダ装置１０のストローク量は
昇降カム部材２６の平担なカム面と固定カム部材
２５の頂部との高低差に一致するので、昇降カム
部材２６の高さ位置を上記ジヤツキ３２によつて
調整すれば、容易に充填量を調整することができ
ることとなる。

そして個々の定量式充填機構８間において充填
量に誤差が生じた場合には、第４図の想像線で示
すように、上記固定ボルト２７を弛めて偏心軸２
８を必要量回転させれば、第１カムフオロワ１４
に対する第２カムフオロワ１５の高さを上記偏心
軸２８における偏心量の２倍に相当する高さｈ分
だけ調整してそのストローク量を変更することが
できるので、全ての定量式充填機構８のストロー
ク量を一致させてそれぞれの充填量を同一とする
ことができるようになる。

なお、上記実施例では第１カムフオロワ１４と
第２カムフオロワ１５とを偏心軸２８によつて作
動ロツド１３の作動方向に相対変位可能に設けて
いるがこれに限定されるものではなく、例えば各
カムフオロワ１４，１５をそれぞれ別個に作動ロ
ツド１３に取付け、少なくともいずれか一方をそ
の作動方向に位置調整可能に設けるようにしても
よい。

以上のように、本考案によれば、簡単な構成で
極めて容易に定量式充填装置における各シリンダ
装置の充填量をそれぞれ同一となるように調整す
ることができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は第１図の−線に沿う断面図、第３図は第
１図の要部の拡大断面図、第４図はカム機構１６
の要部を展開して示す拡大図である。 ８……定量式充填機構、１０……シリンダ装
置、１２……ピストン、１３……作動ロツド、１
４，１５……カムフオロワ、１６……カム機構、
２５……固定カム部材、２６……昇降カム部材、
２８……偏心軸、２９……主軸部、３０……偏心
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機枠に回転自在に設けた回転体と、この回転体
   の外周部に設けられ、ピストンの往復動により充
   填液を吸入および吐出するシリンダ装置と、上記
   ピストンに連結した作動ロツドに設けたカムフオ
   ロワと、上記機枠に設けられ、上記カムフオロワ
   が係合するカム機構とを備え、このカム機構と上
   記カムフオロワとにより上記ピストンを往復動さ
   せて容器内に所定量の充填液を充填するようにし
   た定量式充填装置において、 上記カム機構を第１カム部材と第２カム部材と
   から構成するとともに、上記カムフオロワを上記
   第１カム部材に係合可能な第１カムフオロワと第
   ２カム部材に係合可能な第２カムフオロワとから
   構成し、さらに上記作動ロツドに、上記第１カム
   フオロワと第２カムフオロワとの少なくともいず
   れか一方を上記作動ロツドの作動方向に変位可能
   に設けたことを特徴とする定量式充填装置の充填
   量変更装置。