JPS6362395B2

JPS6362395B2 -

Info

Publication number: JPS6362395B2
Application number: JP55108514A
Authority: JP
Priority date: 1980-08-07
Filing date: 1980-08-07
Publication date: 1988-12-02
Also published as: JPS5732973A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、インクジエツト記録装置に装備する
キヤツピング装置、特に、インクジエツトヘツド
におけるインクの乾燥を防止すると共に、インク
吐出ノズルの不具合に基づくインク吐出不良を容
易に解除するようにしたインクジエツト記録ヘツ
ドのキヤツピング装置に関するものである。

インクジエツトプリンタを電卓等の持ち運び自
在な小型電子機器に塔載する場合は、ほとんど持
ち運びされることのないデータターミナル等の電
子機器に塔載する場合と異なり、持ち運び動作に
伴う種々の問題点がある。例えば、持ち運ぶ際の
衝撃や振動、あるいは電子機器の傾斜による記録
ヘツド先端部におけるノズル内のインクのメニス
カスの後退、或は、ノズルからのインク漏れ、気
泡の発生等がある。これらの現象はインクの吐出
不良や印字不良あるいは電子機器内の汚染の原因
となる。また、インクジエツトプリンタを長期間
使用しない場合にはノズル内のインクが乾燥して
しまい、直ちに再使用することができなかつた。

本発明の目的はこれら等の欠点を除去してキヤ
ツピング装置を適切に構成し、持ち運び時および
不使用時にインクジエツトノズルをキヤツプで覆
うようにし、再使用に際して吐出不良が生じたと
きには当該キヤツピング装置からインクを吸引す
ることにより容易に吐出不良を解除することがで
きるようにしたインクジエツト記録装置に装着す
るキヤツピング装置を提供することにある。

そして、かかる目的を達成する本発明のキヤツ
ピング装置は、インクを吐出するためのインクジ
エツトヘツドの開口を覆うためのキヤツプと、該
キヤツプを介してインクジエツトヘツド内を負圧
吸引する吸引手段と、前記キヤツプを遊嵌せしめ
て保持し前記インクジエツトヘツドと嵌合可能な
キヤツプケースと、前記キヤツプと前記キヤツプ
ケースとの間に配され前記キヤツプに前記キヤツ
プケース内での可動性を与える弾性部材とを有す
ることを特徴とする。

以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明す
る。

第１図Ａ，Ｂは本発明キヤツピング装置の構成
の一例を示し、ここで１はキヤリツジ２に装着さ
れたヘツドホルダーであり、３はこのヘツドホル
ダー１に取付けたインクジエツトノズルである。
キヤリツジ２のヘツドホルダー１側の左右の外壁
（第１図Ａでは上下の外壁）に面取り部２Ａを設
け、またヘツドホルダー１の先端部を切欠いて凹
部１Ａを設ける。４はキヤツプスライド、５はス
ライド４をキヤリツジ２に向けて押し付ける手動
レバーである。キヤツプスライド４のうち、ヘツ
ドホルダー１と対向する部分にはキヤツプ６を設
け、このキヤツプ６にはノズル３の挿入を許す深
孔７をあける。又、キヤツプ６の中心部には通路
６Ａを設ける。そして、キヤツプ６の後端には弾
性体として圧縮バネ９を配置する。又、キヤツプ
スライド４の先端には、キヤリツジ２と対向し
て、その面取り部２Ａを嵌合可能な凹部８を形成
する。一方、キヤツプスライド４には、第１図Ｂ
に示すように、深孔７及び通路６Ａと平行に軸孔
１０をあけ、この軸孔１０に軸１１を貫入する。
軸１１はインクジエツトプリンタが塔載される電
子機器に取付けたキヤツプ固定板１２にスナツプ
リング１３等で固定される。軸１１の他端には、
軸孔１０内に係合してボス１４を嵌挿して、軸１
１の他端部をスナツプリング１５によりボス１４
の先端部に固着する。従つて、キヤツプスライド
４をヘツドホルダー１に向けて移動させるときに
軸孔１０が軸１１の軸線方向にボス１４に沿つて
摺動可能となる。そして、軸孔１０とボス１４と
の間には圧縮ばね１６を装着し、かかる摺動時に
キヤツプスライド４が固定板１２に向けて偏倚さ
れるようにする。１７はレバー５が反時計方向に
回動したときにこのレバー５をロツクするための
ばね性ロツク部材である。２０はノズル吸引装置
の吸引ポンプ本体であり、３５は通路６Ａとポン
プ本体２０とを連結する導管である。これらの部
分２０，３５の詳細に就いては後に説明する。

ここで、第２図により、上記第１図に示したキ
ヤツプ６を中心にしてキヤツピング装置の構成の
詳細を説明する。

第２図に於て、ヘツドホルダー１は硬質プラス
チツク或は金属等の剛体から成る成形品であり、
そのキヤツプ側の端面１Ｂは平滑面になつてい
る。そして、このホルダー１によつて保持されて
いるインクジエツトノズル３は周面に円筒ピエゾ
３Ｂを有するガラス細管３Ａから成り、その先端
の開口３Ｃからインクの吐出を行なうものであ
る。

尚、このノズル３の駆動方式等に就いては、本
発明の要旨に直接、関係するものではないので、
ここではその説明を省略する。他方、剛体ケース
４Ａを有するキヤツプスライド４のうち、前記ヘ
ツドホルダー１と対向するキヤツプ６は、ゴム等
の弾性体、或は、硬質プラスチツクや金属等の剛
体を成形して構成される。但し、このキヤツプ６
に於て、ヘツドホルダー１の端面１Ｂに当接する
部分６Ｐには、少なくともゴム等の弾性体を設け
ておくことが、キヤツプ６とホルダー１との密着
度を高める上で望ましい。そして、ここで用いる
弾性体としては、圧縮永久ひずみの小さいゴム、
具体的には、圧縮永久ひずみ〔………JIS、
K6301−1975に従つて測定した値〕が10％（70±
１℃／22時間）以下の範囲となるゴムが望まし
い。ここに適用されるゴムとしては、シリコーン
ゴム、ウレタンゴム、塩素化ポリエチレン、エピ
クロルヒドリンゴム、ニトリルゴム（NBR）、イ
ソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、フツ素ゴム等を挙げることができる。中で
も、シリコーンゴムは、加圧変形に対する耐久性
並びにインク溶媒に対する耐性に優れているので
最適なものである。尚、このキヤツプ６の先端部
はリング状平面を成し、この端面６Ｐがホルダー
１の端面１Ｂに当接するようになつている。又、
キヤツプ６の後端面６Ｂと剛体ケース４Ａの一部
をなす台座４Ｂとの間に圧縮バネ９を取り付け
る。このバネ９は、キヤツプ６に対して常時、図
示矢印方向への押し出し力を与えている。そし
て、このとき、キヤツプ６の突起部分６Ｓは、剛
体ケース４Ａ中のリング状凹部４Ｃ内を摺動自在
になつているが、キヤツプ６にバネ９の押圧力が
加つている間は、突起部分６Ｓが凹部４Ｃの図示
左方端面４C_Lに当接して衝止している。

尚、本発明では、前記圧縮バネ９に代えて圧縮
したスポンジや、熱膨脹体（気体）等を適用する
こともできる。

因に、このキヤツプ６の中心部には深孔７及び
これに連絡した通路６Ａが形成されており、この
通路６Ａに於て導管３５が連結されている。

第３図は本発明におけるキヤツピング装置に設
けたノズル吸引装置の一例を示し、ここで２０は
台座２１に固着された円筒状の吸引ポンプ本体で
ある。吸引ポンプ本体２０は太径の吸引室２２
と、この吸引室２２と隔てて上端部に設けた環状
封止溝２３とを有し、本体２０のうちこの封止溝
２３の上方に開口２０Ａをあけておく。この封止
溝２３にはＯリング２４を嵌装する。ポンプ本体
２０内には台座２１に固着した軸２５を封止溝２
３の半端付近まで上方に延在させる。２６は吸引
ポンプのピストンであり、このピストン２６は開
口２０Ａおよび封止溝２３を貫入して摺動可能な
形状の細径部２８を有し、その上端部を前述のレ
バー５に固着する。ピストン２６の下端部は吸引
室２２に嵌合する太径部２７を有し、この太径部
２７のうち細径部２８より張り出している周縁部
には太径部２７を軸方向に貫通する通路２９をあ
け、この通路２９の吸引室２２側の下端側には通
路２９の両端の開口部における圧力差変動に応動
して開閉する弁３０を装着する。また、太径部２
７の外壁にはＯリング３１を装着して、かかる外
壁と吸引室２２との間のシールを行う。更に、ピ
ストン２６の太径部２７の吸引室側底面には凹部
３２を切欠いて、この凹部３２と台座２１との間
に圧縮ばね３３を取り付ける。このばね３３は、
所要時に手動にてピストン２６を下方に押し込ん
だ後にピストン２６が上方に自動復帰するための
ものである。吸引室２２の上部側壁には連通孔３
４をあけ、この孔３４に導管３５を接続する。導
管３５の他端は、第２図に示すように、キヤツプ
６の通路６Ａに連通している。従つて、ピストン
２６を下方に押し下げたときにピストン２６の太
径部２７とポンプ本体２０の上端部との間に形成
される負圧状態の空所３６に対して、連通孔３４
から導管３５を経由して通路６Ａが負圧状態に吸
引される。更に、ポンプ本体２０の下方部の一側
壁（第３図では左側壁）には、空所３６が下方ま
で拡がつたときにその空所３６の負圧を逃がし、
しかもインク排出を行うこともできる孔３７をあ
けておく。

次に以上のように構成した本発明における記録
ヘツドキヤツピング装置の作動を第４図および第
５図を参照して説明する。

第４図はレバー５を手動で反時計方向（第１図
Ａの矢印方向）に回動させ、ロツク部材１７によ
りレバー５をロツクした状態を示し、キヤツプス
ライド４の先端のキヤツプ６がヘツドホルダー１
に圧接されてそのノズル３を密封する。それと共
にノズル３の先端部が深孔７内に貫入する。この
とき、キヤツプ６の通路６Ａに連結した導管３５
は封止しておく。従つてノズル３の周辺には常時
インク蒸気が充満しており、ノズル３の先端が乾
燥することはない。

一方、ノズル３においてインク液面のメニスカ
スが後退したり、気泡が発生する等の原因でイン
クの吐出不良が発生した場合には、第５図に示す
ように、ピストン２３を下方へ押下げることによ
り、空所３６内に負圧を発生させ、その負圧によ
りノズル３の先端を吸引して、インクをノズル３
から外方へ吐出させる。そのためには、まず、第
４図に示すように、キヤツプスライド４のキヤツ
プ６の先端をヘツドホルダー１に圧接させ、その
状態でレバー５をキヤツプ固定板１２とキヤツプ
スライド４との間を摺動させるようにして下方へ
押下げて第５図示のピストン２６を押下げる。こ
のとき、ピストン２６の太径部２７とポンプ本体
２０の上端部との間に形成される空所３６は、ピ
ストン２６の押下げによる体積膨張による負圧に
なるから、この空所３６につながる通路６Ａ及び
深孔７内も負圧となる。また、インクジエツトノ
ズル３にインクを供給するタンク（図示せず）は
常時大気開放型であるため、ノズル３内のインク
はノズル３の前後の圧力差によりノズル３から外
方へ吐出する。従つて、例えばメニスカスが後退
しているときには、後退しているメニスカスが吸
引されて正常の状態に復帰することができ、以て
吐出不良を解除することができる。次いで、ピス
トン２６を離すと圧縮ばね３３によりピストン２
６は第５図に矢印で示すように上方へ復帰する。
このとき、弁３０は厚み数10μｍのフイルムで構
成されているので、上下の圧力差の変動に敏感に
応動し、弁３０は開放状態となり、空所３６は吸
い込まれたインクは通路２９を経てポンプ本体２
０の下方に設けた孔３７から外部へ排出される。
なお、通路２９の管路抵抗を吸引管３５の管路抵
抗より小さくしておくことにより、空所３６に溜
つているインクを通路２９から容易に排出するこ
とができる。なお、キヤリツジ２の先端の側壁２
Ａを面取りし、これと当接するキヤツプスライド
４のケース４Ａにも凹部８を設け、しかも第２図
に詳記したとおり、キヤツプ６には凸状先端部６
Ｐを設け、圧縮バネ９の押し出し圧力を加えてこ
れをホルダー１の平滑端面１Ｂに押圧して密着す
るようにしたので、キヤリツジ２とキヤツプスラ
イド４との間に位置のずれが多少あつても、これ
らの凹凸部により両者の位置関係のずれは修正さ
れて、ノズル３はキヤツプ６により確実に密封さ
れる。

以上説明したように、本発明キヤツピング装置
によれば、インクジエツトプリンタを運搬した
り、長期間にわたつて使用しないときには、イン
クジエツトノズル３を、キヤツプ６で覆つて密封
するようにしたので、ノズル３の先端が破損した
り乾燥することがなく、再使用の際に直ちに印字
することができる。また、本発明では、キヤツピ
ング装置にノズル吸引装置を設けたから、インク
ジエツトプリンタ付電子機器を持ち運ぶ際に、イ
ンクジエツトプリンタに衝撃や振動がかかつた
り、インクジエツトプリンタを傾斜させて、ノズ
ル内のメニスカスが後退したり、気泡が発生して
吐出不良が発生しても、再使用時にノズル吸引装
置でノズル内のインクを外部に吐出させることに
より、吐出不良を簡単に除去することができる。
しかも、このノズル吸引装置には、特別なモー
タ、ソレノイド、ポンプ等の機器を必要としない
ので、廉価かつ高信頼度のキヤツピング装置を提
供することができる。

更に、本発明では、キヤツプ６を圧縮バネによ
り外方へ押し出すようにしたので、キヤツプを長
期間、使用した場合にも高精度の密閉状態を長期
間、持続することができる。等々の効果を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本発明の記録ヘツドキヤツピング装
置の構成の一例を示す平面図、第１図ＢはそのＡ
−Ａ線断面図、第２図及び第３図は夫々本発明主
要部の構成の一例を示す断面図或は一部破断側面
図、第４図は第１図Ａ，Ｂ及び第２図に示した本
発明におけるキヤツピング装置の作動説明用一部
破断平面図、第５図は第３図の作動説明図であ
る。図に於いて、１……ヘツドホルダー、１Ａ……
凹部、１Ｂ……端面、２……キヤリツジ、２Ａ…
…面取り部、３……インクジエツトノズル、３Ｃ
……開口、４……キヤツプスライド、４Ａ……ケ
ース、４Ｃ……凹部、５……手動レバー、６……
キヤツプ、６Ｓ……突起、６Ａ……通路、６Ｐ…
…キヤツプ先端面、６Ｂ……キヤツプ後端部、７
……深孔、８……凹部、９……圧縮バネ、１０…
…軸孔、１１……軸、１２……キヤツプ固定板、
１３，１５……スナツプリング、１４……ボス、
１６……圧縮ばね、１７……ロツク部材、２０…
…吸引ポンプ本体、２０Ａ……開口、４Ｂ，２１
……台座、２２……吸引室、２３……封止溝、２
４，３１……Ｏリング、２５……軸、２６……ピ
ストン、２７……太径部、２８……細径部、２９
……通路、３０……弁、３２……凹部、３３……
圧縮ばね、３４……連通孔、３５……導管、３６
……空所、３７……孔である。

Claims

【特許請求の範囲】

１インクを吐出するためのインクジエツトヘツ
ドの開口を覆うためのキヤツプと、該キヤツプを
介してインクジエツトヘツド内を負圧吸引する吸
引手段と、前記キヤツプを遊嵌せしめて保持し前
記インクジエツトヘツドと嵌合可能なキヤツプケ
ースと、前記キヤツプと前記キヤツプケースとの
間に配され前記キヤツプに前記キヤツプケース内
での可動性を与える弾性部材とを有することを特
徴とするキヤツピング装置。