JPS6362287B2 - - Google Patents
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- JPS6362287B2 JPS6362287B2 JP20818182A JP20818182A JPS6362287B2 JP S6362287 B2 JPS6362287 B2 JP S6362287B2 JP 20818182 A JP20818182 A JP 20818182A JP 20818182 A JP20818182 A JP 20818182A JP S6362287 B2 JPS6362287 B2 JP S6362287B2
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- cooling
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- extruded material
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21C—MANUFACTURE OF METAL SHEETS, WIRE, RODS, TUBES OR PROFILES, OTHERWISE THAN BY ROLLING; AUXILIARY OPERATIONS USED IN CONNECTION WITH METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL
- B21C23/00—Extruding metal; Impact extrusion
- B21C23/007—Hydrostatic extrusion
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Extrusion Of Metal (AREA)
Description
本発明は黄銅管の高温静水圧押出し方法に係
り、特に押出し後少ない抽伸工程で表面性状の良
好な最終製品を得ることができるようにした方法
に関する。 近年黄銅管の製造手段として、ビレツトを熱間
で押出し、その後押出し材を引抜く方法が確立さ
れつつある。この場合、その最終製品の機械的性
質、表面性状は、熱間押出し後の冷間加工、焼鈍
によつて調整されるが、特にその表面性状につい
ては各加工段階での結晶粒径に依存するものであ
る。 例えば、従来法でアルミ黄銅を熱間押出し(ビ
レツト加熱温度900℃、押出比20)した場合、押
出し材の結晶粒径は0.08〜0.15mmであつて、これ
を減面率40〜50%で1回抽伸すると、表面には多
数の凹凸が生じる。また2回抽伸後800℃で焼鈍
すれば、その結晶粒径は0.035〜0.05mmになる。
そして、これをさらに減面率40%程度で抽伸する
と、表面に光択のある良好な製品が得られる。こ
のように熱間押出し材の結晶粒径とその後の加工
履歴は、最終製品の表面性状に非常に大きな影響
を与えることが知られる。 高温静水圧押出しを利用して銅合金管を押出す
場合では、従来法よりも大きな押出比で能率よく
押出しできるのが1つの特徴であるが、その生産
能率を向上するためには、押出したままあるいは
押出し後1伸乃至2伸の少ない抽伸パス数で最終
製品に仕上げることが要求される。しかるに、上
記の如く、押出し材の結晶粒が粗である場合に
は、1伸、2伸程度の抽伸パス数では表面の凹凸
が著しく大きくなり、実質的に最終製品に仕上げ
ることはできない。 本発明は上記技術的課題に鑑み、黄銅管を高温
静水圧押出しした後、1伸あるいは2伸の少ない
抽伸工程で確実に表面性状のよい最終製品が得ら
れる押出条件を確立する目的をもつて為されたも
のであり、その特徴とするところは、500℃乃至
800℃に加熱されたビレツトを高温静水圧押出し
によつてダイスより押出した後、該押出し材を、
ダイス出口に設けた冷却域において、冷却速度
350℃/sec以上でかつ冷却域通過後の温度が500
℃以下となる条件の下に冷却して、押出材の結晶
粒径を0.05mm以下にする点にある。 本発明者は黄銅管について種々の条件で高温静
水圧押出しを行ない検討した結果、上記の目的を
達成するための必要な押出条件として、押出し材
の結晶粒径が0.05mm以下であればよいこと、また
アルミブラスの場合にそれを満足させるために
は、第6図に示す如く、押出し材をダイス出口で
冷却しその冷却域を通過したところで温度が500
℃以下になつていること、さらに押出し材の表面
に欠陥が生じないようにするには830℃以下のビ
レツト加熱温度が必要であり、好ましくは800℃
以下であること、等が見出された。 以下これらの押出条件について詳述して行く。
そこで今、本発明の実施に供するための装置一例
を第6図について簡単に説明しておく。第6図は
高温静水圧押出プレスにおける押出側付近の装置
概要を現わし、図中1はコンテナ、2はダイスで
あり、コンテナ1内にチヤージされたビレツト3
はステム4から圧力媒体5を介してダイス2より
順次押出されて行く。一方ダイス背面側には、ガ
イドチユーブ6が延設されてあると共に、その出
口に接続して適宜長さの水冷冷却域7が設けられ
てあり、ダイス2からの押出し材8は順次この冷
却域7中を通過するように構成されてある。 しかして、まず冷間加工率、表面肌あれとの関
係から押出素管(押出し材)に求められる結晶粒
径について検討考察する。第1図は種々の結晶粒
径をもつアルミブラス製押出素管を直径25〜72mm
の範囲で1〜4パス抽伸し、その場合の各表面状
況を判別した結果を示すものである。この結果よ
り、結晶粒径が0.07〜0.10mmの範囲にある押出素
管を使用する場合では、3パス以上の抽伸が必要
であるが、結晶粒径が0.05mm以下の場合では、1
〜2パスで良好な表面性状のものが得られること
が判る。 第2図は、抽伸前後の管材の組織を示す顕微鏡
写真であり、抽伸前の素管として、ANPビレツ
トを800℃に昇温し、押出し比33、ステム速度50
mm/sで押出された押出素管を用いる。第2図a
1は前記ビレツトを押出し後、冷却速度が大で
500℃以下に冷却した場合の押出素管の総断面の
組織を示す顕微鏡写真で、この場合、結晶粒度は
0.02〜0.025mmであつた。第2図a2は、組織が
第2図a1である前記押出素管を、減面率39.2%
で第1抽伸のみを行なつた場合の抽伸管の総断面
の組織を示す顕微鏡写真、第2図a3は、組織が
第2図a2である前記抽伸管の表面の組織を示す
顕微鏡写真であり、その表面肌は良好であつた。
第2図b1は、前記ビレツトを押出し後、冷却速
度が小で500℃以下に冷却した場合の押出素管の
総断面の組織を示す顕微鏡写真で、この場合、結
晶粒度は約0.04mmであつた。第2図b2は、組織
が第2図b1である前記押出素管を減面率39.8%
で第1抽伸を行ない、更に、減面率27.6%で第2
抽伸を行なつた場合の抽伸管の総断面の組織を示
す顕微鏡写真、第2図b3は、組織が第2図b2
である前記抽伸管の表面の組織を示す顕微鏡写真
であり、その表面にはわずかに凹部が生じてい
る。第2図c1は、前記ビレツトを押出し後、冷
却速度が極小で500℃以下に冷却した場合の押出
素管の総断面の組織を示す顕微鏡写真で、この場
合、結晶粒度は、0.07〜0.09mmであつた。第2図
c2は、組織が第2図c1である前記押出素管を
減面率39.8%で第1抽伸を行ない、更に、減面率
27.6%で第2抽伸を行なつた場合の抽伸管の総断
面の組織を示す顕微鏡写真、第2図c3は、組織
が第2図c2である前記抽伸管の表面組織を示す
顕微鏡写真であり、その表面には大きな凹凸が生
じ、光沢もよくない。 このように押出素管から1乃至2パスで表面状
態のよい製品に仕上げるためには、その押出し後
の状態で結晶粒径が0.05〜0.06mm以下となること
が必要である。そして抽伸パス数が多く加工率の
大きい場合にあつては、その加工率の大小に応じ
て粒径が粗くなつてもよいことが判る。 次に上記のような特定範囲の結晶粒径を得るた
めの冷却条件について検討考察する。第3図は静
水圧押出し時の押出し材が前記冷却域を通過した
後の表面温度を測定した結果を示すものである。
同図において、条件は冷却域において冷却水を
流通させずに押出した場合であつて、押出し材の
表面温度は950℃程度に達しているが、その後時
間と共に温度は低下する。この場合、押出し材の
結晶粒径は70〜100μである。一方、条件は冷
却域長さ0.8mで、冷却域通過後の表面温度が610
℃、条件は冷却域長さ1.4mで、冷却域通過後
の表面温度470℃、また条件は冷却域長さ2.0m
で、冷却域通過後の表面温度380℃とした場合で
あつて、これらの場合各々押出し材に得られる結
晶粒径は、55〜60μ、40〜50μ、40〜50μで
ある。この結果から、抽伸後の表面性状を良好に
するために押出し材に要求される結晶粒径が、前
述の如く50μ以下であるとすれば、およびの
冷却条件がこれに適合することが判る。 表1は結晶粒径30μのアルミ黄銅を各種温度、
時間の組合せで加熱した場合の粒成長の有無を調
査した結果で、同表より600℃では5sec以内、550
℃では20sec以内、500℃では300secでも影響がな
いことが明らかとされる。すなわち、押出し材を
テーブル上で空冷するさいには、冷却域を通過し
た押出し材の温度が500℃以下となるように冷却
しておくのが必要である。
り、特に押出し後少ない抽伸工程で表面性状の良
好な最終製品を得ることができるようにした方法
に関する。 近年黄銅管の製造手段として、ビレツトを熱間
で押出し、その後押出し材を引抜く方法が確立さ
れつつある。この場合、その最終製品の機械的性
質、表面性状は、熱間押出し後の冷間加工、焼鈍
によつて調整されるが、特にその表面性状につい
ては各加工段階での結晶粒径に依存するものであ
る。 例えば、従来法でアルミ黄銅を熱間押出し(ビ
レツト加熱温度900℃、押出比20)した場合、押
出し材の結晶粒径は0.08〜0.15mmであつて、これ
を減面率40〜50%で1回抽伸すると、表面には多
数の凹凸が生じる。また2回抽伸後800℃で焼鈍
すれば、その結晶粒径は0.035〜0.05mmになる。
そして、これをさらに減面率40%程度で抽伸する
と、表面に光択のある良好な製品が得られる。こ
のように熱間押出し材の結晶粒径とその後の加工
履歴は、最終製品の表面性状に非常に大きな影響
を与えることが知られる。 高温静水圧押出しを利用して銅合金管を押出す
場合では、従来法よりも大きな押出比で能率よく
押出しできるのが1つの特徴であるが、その生産
能率を向上するためには、押出したままあるいは
押出し後1伸乃至2伸の少ない抽伸パス数で最終
製品に仕上げることが要求される。しかるに、上
記の如く、押出し材の結晶粒が粗である場合に
は、1伸、2伸程度の抽伸パス数では表面の凹凸
が著しく大きくなり、実質的に最終製品に仕上げ
ることはできない。 本発明は上記技術的課題に鑑み、黄銅管を高温
静水圧押出しした後、1伸あるいは2伸の少ない
抽伸工程で確実に表面性状のよい最終製品が得ら
れる押出条件を確立する目的をもつて為されたも
のであり、その特徴とするところは、500℃乃至
800℃に加熱されたビレツトを高温静水圧押出し
によつてダイスより押出した後、該押出し材を、
ダイス出口に設けた冷却域において、冷却速度
350℃/sec以上でかつ冷却域通過後の温度が500
℃以下となる条件の下に冷却して、押出材の結晶
粒径を0.05mm以下にする点にある。 本発明者は黄銅管について種々の条件で高温静
水圧押出しを行ない検討した結果、上記の目的を
達成するための必要な押出条件として、押出し材
の結晶粒径が0.05mm以下であればよいこと、また
アルミブラスの場合にそれを満足させるために
は、第6図に示す如く、押出し材をダイス出口で
冷却しその冷却域を通過したところで温度が500
℃以下になつていること、さらに押出し材の表面
に欠陥が生じないようにするには830℃以下のビ
レツト加熱温度が必要であり、好ましくは800℃
以下であること、等が見出された。 以下これらの押出条件について詳述して行く。
そこで今、本発明の実施に供するための装置一例
を第6図について簡単に説明しておく。第6図は
高温静水圧押出プレスにおける押出側付近の装置
概要を現わし、図中1はコンテナ、2はダイスで
あり、コンテナ1内にチヤージされたビレツト3
はステム4から圧力媒体5を介してダイス2より
順次押出されて行く。一方ダイス背面側には、ガ
イドチユーブ6が延設されてあると共に、その出
口に接続して適宜長さの水冷冷却域7が設けられ
てあり、ダイス2からの押出し材8は順次この冷
却域7中を通過するように構成されてある。 しかして、まず冷間加工率、表面肌あれとの関
係から押出素管(押出し材)に求められる結晶粒
径について検討考察する。第1図は種々の結晶粒
径をもつアルミブラス製押出素管を直径25〜72mm
の範囲で1〜4パス抽伸し、その場合の各表面状
況を判別した結果を示すものである。この結果よ
り、結晶粒径が0.07〜0.10mmの範囲にある押出素
管を使用する場合では、3パス以上の抽伸が必要
であるが、結晶粒径が0.05mm以下の場合では、1
〜2パスで良好な表面性状のものが得られること
が判る。 第2図は、抽伸前後の管材の組織を示す顕微鏡
写真であり、抽伸前の素管として、ANPビレツ
トを800℃に昇温し、押出し比33、ステム速度50
mm/sで押出された押出素管を用いる。第2図a
1は前記ビレツトを押出し後、冷却速度が大で
500℃以下に冷却した場合の押出素管の総断面の
組織を示す顕微鏡写真で、この場合、結晶粒度は
0.02〜0.025mmであつた。第2図a2は、組織が
第2図a1である前記押出素管を、減面率39.2%
で第1抽伸のみを行なつた場合の抽伸管の総断面
の組織を示す顕微鏡写真、第2図a3は、組織が
第2図a2である前記抽伸管の表面の組織を示す
顕微鏡写真であり、その表面肌は良好であつた。
第2図b1は、前記ビレツトを押出し後、冷却速
度が小で500℃以下に冷却した場合の押出素管の
総断面の組織を示す顕微鏡写真で、この場合、結
晶粒度は約0.04mmであつた。第2図b2は、組織
が第2図b1である前記押出素管を減面率39.8%
で第1抽伸を行ない、更に、減面率27.6%で第2
抽伸を行なつた場合の抽伸管の総断面の組織を示
す顕微鏡写真、第2図b3は、組織が第2図b2
である前記抽伸管の表面の組織を示す顕微鏡写真
であり、その表面にはわずかに凹部が生じてい
る。第2図c1は、前記ビレツトを押出し後、冷
却速度が極小で500℃以下に冷却した場合の押出
素管の総断面の組織を示す顕微鏡写真で、この場
合、結晶粒度は、0.07〜0.09mmであつた。第2図
c2は、組織が第2図c1である前記押出素管を
減面率39.8%で第1抽伸を行ない、更に、減面率
27.6%で第2抽伸を行なつた場合の抽伸管の総断
面の組織を示す顕微鏡写真、第2図c3は、組織
が第2図c2である前記抽伸管の表面組織を示す
顕微鏡写真であり、その表面には大きな凹凸が生
じ、光沢もよくない。 このように押出素管から1乃至2パスで表面状
態のよい製品に仕上げるためには、その押出し後
の状態で結晶粒径が0.05〜0.06mm以下となること
が必要である。そして抽伸パス数が多く加工率の
大きい場合にあつては、その加工率の大小に応じ
て粒径が粗くなつてもよいことが判る。 次に上記のような特定範囲の結晶粒径を得るた
めの冷却条件について検討考察する。第3図は静
水圧押出し時の押出し材が前記冷却域を通過した
後の表面温度を測定した結果を示すものである。
同図において、条件は冷却域において冷却水を
流通させずに押出した場合であつて、押出し材の
表面温度は950℃程度に達しているが、その後時
間と共に温度は低下する。この場合、押出し材の
結晶粒径は70〜100μである。一方、条件は冷
却域長さ0.8mで、冷却域通過後の表面温度が610
℃、条件は冷却域長さ1.4mで、冷却域通過後
の表面温度470℃、また条件は冷却域長さ2.0m
で、冷却域通過後の表面温度380℃とした場合で
あつて、これらの場合各々押出し材に得られる結
晶粒径は、55〜60μ、40〜50μ、40〜50μで
ある。この結果から、抽伸後の表面性状を良好に
するために押出し材に要求される結晶粒径が、前
述の如く50μ以下であるとすれば、およびの
冷却条件がこれに適合することが判る。 表1は結晶粒径30μのアルミ黄銅を各種温度、
時間の組合せで加熱した場合の粒成長の有無を調
査した結果で、同表より600℃では5sec以内、550
℃では20sec以内、500℃では300secでも影響がな
いことが明らかとされる。すなわち、押出し材を
テーブル上で空冷するさいには、冷却域を通過し
た押出し材の温度が500℃以下となるように冷却
しておくのが必要である。
【表】
○ 影響無 × 影響有
押出し材に結晶粒径50μ以下のものを得るため
の条件として、その冷却域通過後の温度を500℃
以下にしなければならないことは上述の通りであ
るが、もう一つの冷却条件として冷却域における
冷却速度の大小が問題となることが知られる。こ
の場合、その冷却速度が早い方がよいことは云う
迄もない。そこで、表2に示す如く、押出比45、
70として、その平均冷却速度と結晶粒径の関係を
調査した。
押出し材に結晶粒径50μ以下のものを得るため
の条件として、その冷却域通過後の温度を500℃
以下にしなければならないことは上述の通りであ
るが、もう一つの冷却条件として冷却域における
冷却速度の大小が問題となることが知られる。こ
の場合、その冷却速度が早い方がよいことは云う
迄もない。そこで、表2に示す如く、押出比45、
70として、その平均冷却速度と結晶粒径の関係を
調査した。
【表】
【表】
定した。
*2 同様にして905℃と推定した。
この結果から、冷却速度が350℃/sec以上であ
れば、いずれの場合もその結晶粒径は40〜50μの
範囲にコントロールされることが判る。すなわ
ち、所期目的とする50μ以下の結晶粒径を得るた
めの冷却条件として、冷却域における冷却速度が
350℃/sec以上であることが必要である。なお冷
却速度が早くとも、製品温度(押出し材の冷却域
通過温度)が500℃を超える場合(615℃)にあつ
ては、その結晶粒径は55〜60μとなつてランアウ
トテーブル上で粗粒化することが判る。 以上の如く、押出し材に所期目的とする50μ以
下の結晶粒径を有するものを得るためには、その
押出し後の冷却条件を適当にコントロールするこ
とが重要であるが、今一つの重要な要因として押
出ビレツトの加熱温度をコントロールしなければ
ならないことがある。これはビレツトの加熱温度
が押出し後の結晶粒径を第一義的に支配するもの
となるためである。 第4図は1.4mの冷却域を通過せしめる場合に
おいて、ビレツト加熱温度とその押出し材の結晶
粒径との関係を調査したものである。同図から
800℃以下のビレツト温度の場合には50μ以下の
粒径のものが得られるが、800℃を超える加熱温
度の場合では50μより大きい粒径のものが混在す
るようになることが判る。すなわち、所期目的と
する50μ以下の結晶粒径を有する押出し材を得る
ためには、そのビレツト加熱温度を800℃以下す
ることが必要である。なお、800℃以上の加熱温
度の場合にあつても、第4図の条件よりも多量の
冷却水を用いて冷却すれば、50μ以下の結晶粒径
を有するものが得られるものと考えられる。 ところで、ビレツト加熱温度を決定する上で検
討しなければならないもう一つの条件として、押
出し材の表面欠陥の問題がある。第5図はビレツ
ト加熱温度と表面欠陥の有無の関係を調査した結
果を示し、830℃付近を境界として割れ欠陥が急
激に増加し、押出し材の表面性状が悪くなること
が認められる。そして、このようなものでは抽伸
材に表面欠陥をもたらすものとなる。 従つて、ビレツト加熱温度は表面欠陥を防止す
る見地からは830℃以下にすることが必要である
が、これは前記結晶粒径をコントロールするため
の加熱温度条件を満足するときには自ずと満され
ることになる。 このように押出し材の結晶粒径は、押出比、ビ
レツト温度、冷却条件の押出し加工条件によつて
変動するものであるが、工業的にはダイス出口側
での強制冷却条件、即ち冷却域長、冷却水量等を
調整して、その結晶粒径を最適のものにコントロ
ールするのが実用的である。 なお、ビレツト加熱温度の下限については、次
のような理由から500℃に制限される。これはビ
レツト加熱温度が低過ぎると、押出比が大きくな
らず工業的な利用価値が無くなるためである。黄
銅の場合、500℃付近を境界としてその変形抵抗
が急激に低下し、大きな押出比での押出しが可能
になる。例えば、Al2%を含む黄銅の場合、400
℃の加熱温度で押出比は約12〜13(圧力10000Kg/
cm2)であるに対し、500℃の加熱温度で押出比は
約20(圧力10000Kg/cm2)、600℃の加熱温度で押出
比は約40、さらに700℃の加熱温度で押出比は約
100にまで高めることが可能である。一方工業的
にこの種押出し方法を実施する場合、その押出比
が大きい方が望ましいことは云う迄もないが、従
来工業的に利用されている押出比は15〜20であ
る。従つて、この値を満足するためにも、ビレツ
ト加熱温度は少なくとも500℃以上であることが
必要である。 なおビレツト加熱温度は低くして押出し材の温
度を500℃以下にコントロールするようにするこ
とも考えられるが、上記押出比の見地並びに押出
し加工時の昇温現象を考慮すると妥当でない。す
なわち、押出し材にはビレツト温度に加工時の発
熱分が加算されるためである。発熱量はその圧力
に依存するが、例えば圧力を10000Kg/cm2とする
と、その発熱分は180〜200℃に達し、仮にビレツ
ト温度が500℃であつても、押出し後の製品温度
は680〜700℃に昇温される。 本発明は以上に説明した通りであつて、黄銅管
の高温静水圧押出しにさいし、そのビレツト加熱
温度を500℃乃至800℃に調整すると共に、押出し
後ダイス出口側に設けられた冷却域において、冷
却速度350℃/sec以上でかつ冷却域通過後の温度
が500℃以下となる条件の下に冷却して、押出材
への結晶粒径を0.05mm以下にするようにしたもの
であるから、この押出素管を用いて次の抽伸工程
に供すれば、1伸乃至2伸程度の少ない抽伸パス
数で表面性状の良好な最終製品を得ることがで
き、生産能率の向上に資する効果極めて大なるも
のとなる。
*2 同様にして905℃と推定した。
この結果から、冷却速度が350℃/sec以上であ
れば、いずれの場合もその結晶粒径は40〜50μの
範囲にコントロールされることが判る。すなわ
ち、所期目的とする50μ以下の結晶粒径を得るた
めの冷却条件として、冷却域における冷却速度が
350℃/sec以上であることが必要である。なお冷
却速度が早くとも、製品温度(押出し材の冷却域
通過温度)が500℃を超える場合(615℃)にあつ
ては、その結晶粒径は55〜60μとなつてランアウ
トテーブル上で粗粒化することが判る。 以上の如く、押出し材に所期目的とする50μ以
下の結晶粒径を有するものを得るためには、その
押出し後の冷却条件を適当にコントロールするこ
とが重要であるが、今一つの重要な要因として押
出ビレツトの加熱温度をコントロールしなければ
ならないことがある。これはビレツトの加熱温度
が押出し後の結晶粒径を第一義的に支配するもの
となるためである。 第4図は1.4mの冷却域を通過せしめる場合に
おいて、ビレツト加熱温度とその押出し材の結晶
粒径との関係を調査したものである。同図から
800℃以下のビレツト温度の場合には50μ以下の
粒径のものが得られるが、800℃を超える加熱温
度の場合では50μより大きい粒径のものが混在す
るようになることが判る。すなわち、所期目的と
する50μ以下の結晶粒径を有する押出し材を得る
ためには、そのビレツト加熱温度を800℃以下す
ることが必要である。なお、800℃以上の加熱温
度の場合にあつても、第4図の条件よりも多量の
冷却水を用いて冷却すれば、50μ以下の結晶粒径
を有するものが得られるものと考えられる。 ところで、ビレツト加熱温度を決定する上で検
討しなければならないもう一つの条件として、押
出し材の表面欠陥の問題がある。第5図はビレツ
ト加熱温度と表面欠陥の有無の関係を調査した結
果を示し、830℃付近を境界として割れ欠陥が急
激に増加し、押出し材の表面性状が悪くなること
が認められる。そして、このようなものでは抽伸
材に表面欠陥をもたらすものとなる。 従つて、ビレツト加熱温度は表面欠陥を防止す
る見地からは830℃以下にすることが必要である
が、これは前記結晶粒径をコントロールするため
の加熱温度条件を満足するときには自ずと満され
ることになる。 このように押出し材の結晶粒径は、押出比、ビ
レツト温度、冷却条件の押出し加工条件によつて
変動するものであるが、工業的にはダイス出口側
での強制冷却条件、即ち冷却域長、冷却水量等を
調整して、その結晶粒径を最適のものにコントロ
ールするのが実用的である。 なお、ビレツト加熱温度の下限については、次
のような理由から500℃に制限される。これはビ
レツト加熱温度が低過ぎると、押出比が大きくな
らず工業的な利用価値が無くなるためである。黄
銅の場合、500℃付近を境界としてその変形抵抗
が急激に低下し、大きな押出比での押出しが可能
になる。例えば、Al2%を含む黄銅の場合、400
℃の加熱温度で押出比は約12〜13(圧力10000Kg/
cm2)であるに対し、500℃の加熱温度で押出比は
約20(圧力10000Kg/cm2)、600℃の加熱温度で押出
比は約40、さらに700℃の加熱温度で押出比は約
100にまで高めることが可能である。一方工業的
にこの種押出し方法を実施する場合、その押出比
が大きい方が望ましいことは云う迄もないが、従
来工業的に利用されている押出比は15〜20であ
る。従つて、この値を満足するためにも、ビレツ
ト加熱温度は少なくとも500℃以上であることが
必要である。 なおビレツト加熱温度は低くして押出し材の温
度を500℃以下にコントロールするようにするこ
とも考えられるが、上記押出比の見地並びに押出
し加工時の昇温現象を考慮すると妥当でない。す
なわち、押出し材にはビレツト温度に加工時の発
熱分が加算されるためである。発熱量はその圧力
に依存するが、例えば圧力を10000Kg/cm2とする
と、その発熱分は180〜200℃に達し、仮にビレツ
ト温度が500℃であつても、押出し後の製品温度
は680〜700℃に昇温される。 本発明は以上に説明した通りであつて、黄銅管
の高温静水圧押出しにさいし、そのビレツト加熱
温度を500℃乃至800℃に調整すると共に、押出し
後ダイス出口側に設けられた冷却域において、冷
却速度350℃/sec以上でかつ冷却域通過後の温度
が500℃以下となる条件の下に冷却して、押出材
への結晶粒径を0.05mm以下にするようにしたもの
であるから、この押出素管を用いて次の抽伸工程
に供すれば、1伸乃至2伸程度の少ない抽伸パス
数で表面性状の良好な最終製品を得ることがで
き、生産能率の向上に資する効果極めて大なるも
のとなる。
第1図は押出素管の結晶粒径に対する加工率の
影響と表面性状の関係を示す図である。第2図a
1〜a3,b1〜b3,c1〜c3は、抽伸前後
の管材の組織の顕微鏡写真X100を示す。第3
図は押出し材が冷却域を通過した後における表面
温度の降下状態を示す図である。第4図はビレツ
ト加熱温度と押出し後の結晶粒径の関係を示す図
である。第5図はビレツト加熱温度と表面欠陥の
有無との関係を示す図である。第6図は高温静水
圧押出プレスの押出側付近の装置概要を示す断面
図である。 1…コンテナ、2…ダイス、3…ビレツト、4
…ステム、5…圧力媒体、6…ガイドチユーブ、
7…冷却域、8…押出し材。
影響と表面性状の関係を示す図である。第2図a
1〜a3,b1〜b3,c1〜c3は、抽伸前後
の管材の組織の顕微鏡写真X100を示す。第3
図は押出し材が冷却域を通過した後における表面
温度の降下状態を示す図である。第4図はビレツ
ト加熱温度と押出し後の結晶粒径の関係を示す図
である。第5図はビレツト加熱温度と表面欠陥の
有無との関係を示す図である。第6図は高温静水
圧押出プレスの押出側付近の装置概要を示す断面
図である。 1…コンテナ、2…ダイス、3…ビレツト、4
…ステム、5…圧力媒体、6…ガイドチユーブ、
7…冷却域、8…押出し材。
Claims (1)
- 1 500℃乃至800℃に加熱されたビレツトを高温
静水圧押出しによつてダイスより押出した後、該
押出し材を、ダイス出口に設けた冷却域におい
て、冷却速度350℃/sec以上でかつ冷却通過後の
温度が500℃以下となる条件の下に冷却して、押
出材の結晶粒径を0.05mm以下にすることを特徴と
する黄銅管の高温静水圧押出し方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20818182A JPS5997714A (ja) | 1982-11-27 | 1982-11-27 | 黄銅管の高温静水圧押出し方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20818182A JPS5997714A (ja) | 1982-11-27 | 1982-11-27 | 黄銅管の高温静水圧押出し方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5997714A JPS5997714A (ja) | 1984-06-05 |
JPS6362287B2 true JPS6362287B2 (ja) | 1988-12-01 |
Family
ID=16552001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20818182A Granted JPS5997714A (ja) | 1982-11-27 | 1982-11-27 | 黄銅管の高温静水圧押出し方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5997714A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01299779A (ja) * | 1988-05-26 | 1989-12-04 | Nippon Chemicon Corp | 部材間の溶接方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2027947B1 (en) * | 2007-08-14 | 2011-04-06 | KME Italy S.p.A. | Method for the production of alloy pipes for heat exchangers using precipitation hardening through underwater extrusion |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS538037U (ja) * | 1976-07-03 | 1978-01-24 | ||
JPS55141552A (en) * | 1979-04-18 | 1980-11-05 | Furukawa Electric Co Ltd:The | Hot extruding method for copper alloy |
-
1982
- 1982-11-27 JP JP20818182A patent/JPS5997714A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01299779A (ja) * | 1988-05-26 | 1989-12-04 | Nippon Chemicon Corp | 部材間の溶接方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5997714A (ja) | 1984-06-05 |
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