JPS6350572Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃焼室の一端側に、逆流防止用弁機
構を介して、燃料ガス供給路及び燃焼用空気供給
路を、かつ、他端側に、燃焼排ガスの排出路を形
成するテイルパイプを接続して、爆発に伴う燃焼
排ガスの動慣性により燃料ガス及び燃焼用空気を
前記燃焼室に流入させると共に、高温燃焼排ガス
の前記燃焼室への逆流により爆発を生じさせるべ
く構成したパルス燃焼装置に関する。

上記パルス燃焼装置は、始動以外において空気
供給及び点火のエネルギーが不要であり、高負荷
燃焼が可能であり、燃焼排ガスが脈動すると共に
極めて高圧になるためにテイルパイプを細長くで
きて、テイルパイプを利用しての流体加熱等を効
率良く行えるなどの利点を有しているが、本考案
は、さらに簡単な構成付加でもつて、動作不良状
態での運転継続や燃料ガスの不完全燃焼に起因す
る環境悪化等の防止を確実に行えるようにして、
取扱い面、安全面及び燃料効率面等においても優
れたものに改良する事を目的とする。

本考案は、冒記パルス燃焼装置において、圧力
駆動式の常閉型遮断弁を前記燃料ガス供給路に設
け、前記燃焼室あるいはテイルパイプ内の正圧を
前記遮断弁に開弁操作力として導くための導圧路
を設けてある事を特徴とする。

すなわち、遮断弁の作用によつて、燃焼室で失
火や燃焼不良のため圧力が低下すると、自動的に
燃料ガス供給が停止されるから、動作不良状態で
運転が継続されることは皆無となり、燃料効率の
良い運転を確実に行えると共に、不完全燃焼ガス
による環境汚染を確実に防止できて、安全な装置
になつた。

その上、導圧路によつて導かれる燃焼室やテイ
ルパイプ等の内圧そのもので遮断弁を操作させる
から、例えば圧力スイツチからの電気信号に基い
て制御器により電動式遮断弁を操作する構成等に
比して、設備コストを低減できると共に動力源が
不要になる等、実用面で優れたものにできた。

次に、例示図により本考案の実施態様を説明す
る。

第１図に示すように、燃焼室１の上端側に、電
動フアン２を備えた燃焼用空気供給路３を、逆流
防止用弁機構４ａを介して接続すると共に、逆流
防止用弁機構４ｂを有する燃料ガス供給路５を接
続し、燃焼室１の下端側に、燃焼排ガスの排出路
を形成する直管状テイルパイプ６を接続し、燃焼
室１に始動用点火プラグ７を付設し、もつて、パ
ルス燃焼装置を構成してある。

上記パルス燃焼装置の動作について説明する。
始動時に、電動フアン２を作動させて、燃料ガス
と燃焼用空気を適当混合比で燃焼室１に供給し、
かつ、点火プラグ７により燃焼室１内で爆発を生
じさせる。その結果、爆発に伴う燃焼排ガスの動
慣性によつて、前記両供給路３，５から適当量ず
つ燃料ガスと燃焼用空気が燃焼室１に送り込ま
れ、その後、爆発の反動で高温燃焼排ガスがテイ
ルパイプ６から燃焼室１に逆流して、その燃焼排
ガスの熱エネルギーにより再び爆発が生じ、そし
て、そのような動作が繰返されるのである。尚、
電動フアン２及び点火プラグ７の作動は、パルス
燃焼が安定すれば停止させる。

燃料ガス供給路５に、第２図に示すように、ス
プリング８によつて弁体９を全閉状態にすべく付
勢すると共に、導圧路１０からのガス圧をダイヤ
フラム１１に作用させて弁体９を開弁操作すべく
構成した圧力駆動式の常閉型遮断弁Ｖを設け、導
圧路１０を燃焼室１接続してある。図中、１２は
始動時に人為的に開閉するための押しボタンであ
る。つまり、良好なパルス燃焼が安定して行われ
ている時には、第３図に示すように、燃焼室１の
圧力変化曲線は30Hzないし500Hz程度の周波数の
サインカーブになり、最高正圧値が200mmAq、な
いし5000mmAq、程度に、かつ、最高負圧値が−
50mmAq、ないし−4000Aq、程度になり、その結
果、ダイヤフラム１１に作用する圧力は点線で示
すようにほぼ一定値の正圧になり、その正圧によ
つて遮断弁Ｖが全開状態に維持されるように構成
してある。また、燃焼室１で失火や燃焼不良が生
じると、ダイヤフラム１１に作用する圧力が零あ
るいは極めて低くなり、スプリング８によつて遮
断弁Ｖが全閉状態に自動切換されるように構成し
てある。

尚、第４図イのように、適当な紋り状態のオリ
フイス１３を導圧路１０に設けたり、あるいは、
第４図ロに示すように、適当な動作特性のクツシ
ヨンタンク１４を導圧路１０に接続すると、ダイ
アフラム１１に作用する圧力を一層一定化できて
便利である。また、導圧路１０を、テイルパイプ
６等の排気系、あるいは、給気系の逆流防止用弁
機構４ａ，４ｂ下流側に接続してもよい。

テイルパイプ６の設置本数、形状及び寸法等は
任意に変更でき、また、前記燃料ガス供給路５及
び燃焼用空気供給路３を逆流防止用弁機構４ａあ
るいは４ｂの上流側で接続して、混合ガスを燃焼
室１に供給するように構成してもよく、また、一
般にテイルパイプ６にマフラーを接続する。

本考案によるパルス燃焼装置は、例えば流体中
にテイルパイプ６等を位置させて流体を加熱する
等の各種加熱目的、あるいは、排気エネルギーを
利用する目的等に利用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るパルス燃焼装置の実施の態
様を例示し、第１図は概略縦断面図、第２図は遮
断弁の拡大断面図、第３図は圧力変動を示すグラ
フ、第４図イ，ロは夫々変形例を示す要部説明図
である。 １…燃焼室、３…燃焼用空気供給路、４ａ，４
ｂ…逆流防止用弁機構、５…燃料ガス供給路、６
…テイルパイプ、１０…導圧路、Ｖ…遮断弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼室１の一端側に、逆流防止用弁機構４ａ，
   ４ｂを介して、燃料ガス供給路５及び燃焼用空気
   供給路３を、かつ、他端側に、燃焼排ガスの排出
   路を形成するテイルパイプ６を接続して、爆発に
   伴う燃焼排ガスの動慣性により燃料ガス及び燃焼
   用空気を前記燃焼室１に流入させると共に、高温
   燃焼排ガスの前記燃焼室１への逆流により爆発を
   生じさせるべく構成したパルス燃焼装置であつ
   て、圧力駆動式の常閉型遮断弁Ｖを前記燃料ガス
   供給路５に設け、前記燃焼室１あるいはテールパ
   イプ６内の正圧を、前記遮断弁Ｖに開弁操作力と
   して導くための導圧路１０を設けてある事を特徴
   とするパルス燃焼装置。