JPS6349173B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は流体の動的及び静的状態において流
体圧を感知し、感知される圧力の大きさに相関す
る感知部材の機械的撓みによつてスイツチ等を作
動させる流体圧感知装置に関するものである。

ブルドン管装置の作用の原理は良く知られてい
るが、このブルドン管装置は通常、閉塞端を有す
る湾曲管であつて、この管体内にある流体（気体
又は液体）の圧力の変化に対してこの圧力の作用
として管体の曲率を増減させることにより反応す
るものである。湾曲した望ましくは平坦な管体の
内表面の面積はその内壁湾曲部より外壁湾曲部に
おいて大きいので、内圧の増加によつて外壁湾曲
部にかかる差圧がより大きくなり、その結果、湾
曲管体は伸張しようとする。この原理は圧力変化
が測定したい現象に関係を持たせうる場合に指示
感知装置として長年、利用されてきた、例えば、
米国特許第2892063号（1959年６月23日発行）に
記載されたブルドン管装置は温度感知球とブルド
ン管を含む閉回路内に液体を内封し、液体の温度
上昇により圧力増加を引きおこしそれによりブル
ドン管の物理的変位が生じて、温度測定を行なう
ものである。

またブルドン管の一端に圧力流体管を接続し、
この圧力流体管内の圧力変動をブルドン管の閉鎖
自由端の位置的変位に相関させて、管内圧力の測
定に利用することは圧力計として公知である。し
かしながら、このようにブルドン管の内部に圧力
流体を静止させておく構造は、流体の種類によつ
ては不適当な場合が多い。すなわち液が混濁物質
を含んでいて長期滞留状態では沈澱を生じたり、
液が時間と共に硬化する等の場合である。このよ
うな場合、ブルドン管の部分と圧力のある流動液
管との間に隔膜等を配置して媒体によつて圧力の
みを伝えることも考えられるが、温度差による誤
差を伴うなどとかく不正確になり易く、またブル
ドン管によらず、流動液管内に直接可動プランジ
ヤ等を配置するものは、シール部での液の漏洩や
液内可動部材の劣化等によつて誤つた指示を生じ
易く、いずれも構造が複雑になる欠点を有する。

本発明は弧状の湾曲管内に直接圧力流体を流通
させて動的状態のもとで、ブルドン管の原理を応
用しようとする新規なものであり、１対の同じ曲
率の湾曲管を平行配置し、両湾曲管を自由端部で
互いに連通して流体の管内通過を可能とし、かつ
流体圧力に変化に伴つて湾曲管の自由端部に生ず
る変位を所要の圧力測定若しくはさらに関連機器
への発動に用いるものである。

本発明はブルドン管装置の原理を利用するとと
もに圧力感知のための閉塞端を有する管体を必要
としない圧力感知装置を提供することである。本
発明は１対の湾曲管体と、この両管体の各自由端
の間を連結し両管体の流体の流れを連通するため
の連通管とからなる。更に本発明はこの連通管の
傍に連通管の物理的変位に応答して所定の圧力条
件下で信号を発生するスイツチ等の信号発生装置
を有する。

本発明の主な目的は圧力感知のためにブルドン
管の原理を利用するとともに感知機構に流体を流
通させる構成の流体圧感知装置を提供することで
ある。

本発明の他の目的は所定の圧力レベルで作動す
る信号発生スイツチを備え、かつ同スイツチを異
なる基準圧力で作動するように調整する手段を合
わせ有する流体圧感知装置を提供することであ
る。

次に本発明の一実施例を図面に従つて説明する
と、第１図と第２図において、ハウジング１０は
望ましくは鋳込アルミ又は他の同様な材料から形
成され、このハウジング１０の中に本発明の装置
が内蔵されれている。また、ハウジング１０は図
示しないカバーで包まれ、密封構造になつてい
る。ハウジング１０とそのカバーは防爆構造の容
器にして、ハウジング内の電気部品をハウジング
外の大気から絶縁するように設計されてもよい。
ハウジング１０に内蔵された圧力感知器２０は中
空の湾曲管２１，２２及び連通管２４を有する。
この連通管２４は第１図と第３図に示すように、
１対の湾曲管２１，２２の自由端に直角なマニホ
ールドとなつている。流入連結部材２５は、湾曲
管２１に連結され、ハウジング１０の壁面に挿嵌
されている。同様にして、流出連結部材２６は湾
曲管２２に連結され、ハウジング１０の壁面に挿
嵌されている。両連結部材２５，２６は後述する
ように流体管を接続するために螺刻されている。
湾曲管２１，２２の端部は連通管２４によつて連
通され、圧力変化に応答して物理的変位を許容す
るように懸吊されている。

スイツチ３０はブラケツト３２により連通管２
４の自由端の傍に着設され、ブラケツトの一端は
ハウジング１０に着設されている。スイツチ３０
はハネウエル・カンパニーにより製造さた“マイ
クロスイツチ”（商品名）として知られている型
式のものを用いることが望ましい。このスイツチ
は要求される作用特性を有し、スイツチアクチユ
エータ３４の微少な物理的変位を許容し、スナツ
プ作動式のスイツチ機構を作動させる。プレート
４０が連通管２４に固着され、スイツチアクチユ
ータ３４と当接する点まで図示（第１図）右方へ
延びている。

圧力調整ノブ３６はハウジング１０を貫通する
シヤフト３７に着設され、シヤフト３７の下端部
は留め具３８及びばね３９によりブラケツト３２
の端部に螺着されている。シヤフト３７はハウジ
ング１０を貫通する部分４１で螺合している。従
つて調整ノブ３６を回転させることによりシヤフ
ト３７はハウジング１０に対して微少な距離だけ
図示上下方向に移動する。この移動によりブラケ
ツト３２の端部４２がたわみ、それに対応してス
イツチ３０が動く。スイツチ３０の動きにより、
アクチユエータ３４がプレート４０に対して動い
てスイツチ３０を作動させるのに要するプレート
４０の圧力変位が変化する。

第３図は圧力感知器２０の等角図であつて、流
体の流れは流入連結部材２５から入り、湾曲管２
１、連通管２４、湾曲管２２を介して流出連結部
材２６に至る。湾曲管２１，２２の各端部は、銀
ろうあるいは他の同様な接合手段でそれぞれ流入
連結部材２５、流出連結部材２６及び連通管２４
に連結されている。第３図に示される各構成部材
は望ましくはステンレススチールでできており、
湾曲管２１，２２は、望ましくは偏平であつてそ
の厚みと幅の比は約１：２である。

次に本発明の装置の作用を説明すると、本発明
の装置は望ましくは電動モータ駆動式ポンプ装置
に取り付けられ、ポンプで圧送された流体は流入
連結部材２５から入り、圧力感知器を介して流出
連結部材２６に至り管内を流通する。スイツチ３
０は電動モータの作動を制御する電気回路に接続
されている。スイツチアクチユータ３４が作動す
るようになる圧力範囲の粗調整は留め具３８を調
節することにより行なわれる。その際ブラケツト
３２の端部４２は留め具３８によつて概略の位置
に設定される。つづいて作動圧力範囲の微調整は
ノブ３６を回転することにより行なわれる。すな
わち圧力が所定レベルまで下がるとポンプを駆動
する電動モータが作動し、圧力が所定レベルまで
上がると電動モータが作動しなくなる。この圧力
レベルは湾曲管２１，２２の流体圧力に応答して
生じるプレート４０のたわみによつて示される。
アクチユエータの異なるオン―オフ位置を有する
スイツチは従来技術で公知であり、このような機
能を有する適当なスイツチが用いられる。本実施
例に用いた適当なスイツチは、“マイクロスイツ
チ”（カタログNo.10BS210）であり、0.005インチ
〜0.010インチ（0.13〜0.26mm）の差動行程を有
し、11〜20オンス（312〜567g）の作用力を要す
る。

本発明は、１つの流体管路に直列に接続される
１対の等しい大きさの湾曲管を互いに平行に配列
しかつその自由端を互いに連通させて圧力感知器
の主要部に用いているので、この一連の管路にそ
の変動圧力を感知されるべき流体を絶えず流動さ
せて通過させることができる。従つてその流体が
長期滞留状態では沈澱を生じたり、液が時間と共
に硬化若しくは乾性化するような性質のものでも
そのような変化を生ぜず、常に良好な状態で装置
を異常なく機能させることができる。また、流体
管路内に隔膜やプランジヤ等を設けないので、構
造が極めて簡単となる。またブルドン管として機
能する湾曲管は１対であるため単一管に比べてほ
ぼ２倍の作動力を生ずることができる。さらに本
発明ではその一つのハウジング内にブルドン管の
変位によつて作動するスイツチを備え、また同ス
イツチを異なる基準点で作動するように予め調整
しておくための位置決め手段を併設するので、ブ
ルドン管による圧力感知の結果を所望の関連機器
への発動に正確に伝えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の正面図、第２図は
本発明の側面図、第３図は圧力感知装置の等角図
である。 １０……ハウジング、２０……圧力感知装置、
２１，２２……湾曲管、２４……連通管、２５，
２６……連結部材、３０……スイツチ、３２……
ブラケツト、３４……スイツチアクチユエータ、
３６………圧力調整ノブ、３７……シヤフト、４
０……プレート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 管内流体の動的及び静的状態において流体圧
   に感応してスイツチを作動するための流体圧感知
   装置であつて、 (a) 圧力流体管路に直列に接続される流入及び流
   出の各連結部材を有するハウジングと、 (b) 全体に互いに平行に配列され、一方の管の一
   端が前記ハウジングの流入連結部材に連結さ
   れ、他方の管の一端が前記ハウジングの流出連
   結部材に連結され、両方の管の各他端が自由に
   懸吊された１対の湾曲管と、 (c) 前記１対の湾曲管の各他端間に連結された連
   通管と、 (d) 一端をハウジング内に着設され、他端を前記
   連通管の近傍に延出された少なくとも一部が可
   撓のブラケツトと、 (e) 前記ブラケツトに取付けられ、前記連通管に
   近接してアクチユエータを有し、管の変位によ
   つて作動するスイツチ とを有する流体圧感知装置。 ２ 前記１対の湾曲管が同一形状に湾曲された等
   しい長さの断面扁平の中空管である特許請求の範
   囲第１項記載の流体圧感知装置。 ３ 前記連通管は前記スイツチのアクチユエータ
   に接触可能に延出された作動プレートを有する特
   許請求の範囲第１項記載の流体圧感知装置。 ４ 前記ハウジングは前記ブラケツトの他端との
   間にスイツチのアクチユエータの作動位置を前記
   作動プレートに対して予め調整しておくための位
   置決め手段を有する特許請求の範囲第２項記載の
   流体圧感知装置。 ５ 前記位置決め手段は、ハウジングにねじ込み
   貫挿されたシヤフトを含み、このシヤフトはハウ
   ジングの外に調整ノブを有し、ハウジングの内に
   ブラケツトの延出端部と係合するねじ付留め具を
   有する特許請求の範囲第３項記載の流体圧感知装
   置。 ６ 前記ハウジングはその内部を封鎖するための
   カバーを有する特許請求の範囲第４項記載の流体
   圧感知装置。