JPS6348727Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は住宅その他の建築物の屋根に取付け
られる採光用の天窓、特に断熱性を有する天窓に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来、住宅用の天窓としては例えば実開昭57−
13743号公報、実開昭58−132096号公報等に見ら
れるように屋根開口部の窓枠の上側に周囲を框で
枠組みした窓本体を取付けたものが種々提案され
ている。また、これらは窓本体の一側をヒンジ部
により枢支し、上方へ突出し開閉自在としてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来、天窓部分は特に直射日光等にさ
らされるにもかかわらず、十分な断熱性を有する
ものがなく、室内の冷暖房効果を損なう原因とな
つている。また、突出し開閉自在とする場合、風
雨に直接さらされること、下からの開閉操作が必
要であることなどから水密性，気密性の確保も重
要な問題となつている。

この考案は上述のような問題を解決するもので
あり、十分な断熱性を有し、かつ水密性，気密性
にも優れた天窓を提供することを目的としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案の天窓は屋根Ｂ開口部に取付ける枠を
室内側枠材１と室外側枠材２とを断熱材３を介し
て連結した断熱枠材で構成し、この枠に開閉自在
に取付けた窓本体Ａの框を室内側框材６と室外側
框材７とを断熱材８を介して連結した断熱框材で
構成している。すなわち、枠および框について室
内側の部材と室外側の部材を合成樹脂その他熱伝
導性の小さい材料からなる断熱材３，８を介して
連結することにより熱的に絶縁し、断熱性を高め
ている。

また、前記室内側，室外側の各框材６，７には
それぞれ気密材１１ａ，１１ｂを設け、室内側，
室外側の各枠材１，２からこの気密材１１ａ，１
１ｂに対向して突片４，５を突設し、窓本体Ａを
閉めた時気密材１１ａ，１１ｂと突片４，５とが
密接するようにしてある。突片４，５は室内側の
枠材１と框材６どうし、および室外側の枠材２と
框材７どうしをそれぞれ遠ざけて、輻射熱等によ
る熱伝導を抑えるとともに、気密材１１ａ，１１
ｂはこれらの突片４，５に当たるため窓枠に対し
フラツトに当接する場合に比べ、密接の度合を高
めることができ、水密性，気密性を向上させるこ
とができる。

〔実施例〕

以下、図示した実施例に基いて説明する。な
お、第１図は天窓の縦断面図、第２図は屋根面と
直交する横断面図である。

屋根Ｂの開口部に取付けた窓枠は、額縁２６の
窓開口部内側寄りに取付けた室内側枠材１と額縁
２６の外側寄りに取付けた室外側枠材２とを２つ
の断熱材３を介して連結し断熱枠材としたもの
で、室内側枠材１および室外側枠材２はそれぞれ
上枠１ａ，２ａ、下枠１ｂ，２ｂ、竪枠１ｃ，２
ｃを方形に枠組みしてなる。

上記窓枠を覆うようにして開閉自在に取付けた
窓本体Ａの框は内寄りの室内側框材６と外寄りの
室外側框材７とを２つの断熱材８を介して連結し
断熱框材としたもので、室内側框材６および室外
側框材７はそれぞれ上框６ａ，７ａ、下框６ｂ，
７ｂ、竪框６ｃ，７ｃを方形に枠組みし、ガラス
等の透光板１３を嵌め込んである。

室内側，室外側の各枠材１，２および室内側，
室外側の各框材６，７はそれぞれ押出成形による
アルミ形材等の金属製形材であり、断熱材３，８
は合成樹脂その他熱伝導性の小さい材料からな
る。また、これらの押出形材は全周にわたつてほ
ぼ同一断面を有している。

また、この実施例で透光板１３は一方を網入ガ
ラスとしたペアガラスを用いている。図中１４は
透光板１３固定のための押縁である。

窓本体Ａの開閉は、開口内側に設けた開閉装置
２４によつて行なわれ、室外側枠材２の上枠２ａ
および室外側框材７の上框７ａの円弧状断面の係
合部１０ａ，１０ｂを係合させたヒンジ部１０
（ピンは図示せず）を中心に上方へ突出し開閉自
在となつている。

また、開口部室内側枠材１のさらに内側には下
端の下框２３部分の操作により、上枠１ａ側の額
縁２６に取付けた網戸巻取装置２２から引出し自
在な網戸２１が設けられている。

なお、図中３１は屋根Ｂの鉄骨である。

また、室内側，室外側の各框材６，７にはそれ
ぞれ気密材１１ａ，１１ｂを取付けてあり、室内
側，室外側の各枠材１，２からこの気密材１１
ａ，１１ｂに対向して突片４，５を突設してあ
る。この気密材１１ａ，１１ｂと突片４，５の先
端は窓本体Ａを閉めたとき密接するようになつて
いる。また突片４，５は室内側の枠材１と框材６
および室外側の枠材２と框材７どうしを遠ざけ、
気密材１１ａ，１１ｂによる二重のシール間に空
間１２を形成している。図中９ａは室内側枠材１
の下枠１ｂに設けられた排水孔で透光板１３の室
内側面に生じる結露水を排水するためのもので、
９ｂは室外側枠材２の下枠２ｂに設けられた排水
孔で、空間１２内部の空気を外気と連通させ等圧
空間とする働きも有している。また２５は水切り
片である。

さらに、この実施例において、室内側框材６は
室外側框材７に隠れる隠し框となつており、なる
べく直射日光が室内側の部材に当たらない構成と
している。また、隠し框とすることにより、見栄
えも良い。

〔考案の効果〕 この考案の天窓では窓枠および框をそれぞれ
室外側の部材と室内側の部材に分け、これらを
断熱材で連結した断熱枠材と断熱框材によつて
構成し、また窓枠側から突片を突設し、この突
片に窓本体を支持させているため室内側，室外
側の枠材と框材どうしを遠ざけて熱伝導を抑制
することができる。

また、上記突片と気密材を密接させるため、
フラツトに当接させる場合に比べより密着し、
水密性，気密性が大となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の天窓の一実施例を示す縦断
面図、第２図は同じく屋根面と直交する横断面図
である。 Ａ……窓本体、Ｂ……屋根、１……室内側枠
材、２……室外側枠材、３……断熱材、４，５…
…突片、６……室内側框材、７……室外側框材、
８……断熱材、９ａ，９ｂ……排水孔、１０……
ヒンジ部、１１ａ，１１ｂ……気密材、１２……
空間、１３……透光板、１４……押縁、２１……
網戸、２２……網戸巻取り装置、２３……網戸下
框、２４……開閉装置、２５……水切り片、２６
……額縁、３１……鉄骨。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋根Ｂ開口部に取付ける枠を室内側枠材１と室
   外側枠材２とを断熱材３を介して連結した断熱枠
   材で構成し、該枠に開閉自在に取付けた窓本体Ａ
   の框を室内側框材６と室外側框材７とを断熱材８
   を介して連結した断熱框材で構成するとともに、
   前記室内側，室外側の各框材６，７にそれぞれ気
   密材１１ａ，１１ｂを設け、前記室内側，室外側
   の各枠材１，２から前記気密材１１ａ，１１ｂに
   対向して突片４，５を突設し、窓本体Ａを閉めた
   時前記気密材１１ａ，１１ｂと突片４，５とが密
   接するようにしてあることを特徴とする天窓。