JPS6347406Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は溶融金属を連続鋳造する降に用いられ
るセミイマージヨンノズルの改良に関する。

〔従来の技術〕

溶融金属、例えば溶鋼の連続鋳造では、タンデ
イツシユからモールド内への溶鋼の鋳込みが行な
われる。この際、タンデイツシユ底部に設けられ
たタンデイツシユノズルから直接モールド内へ溶
鋼を鋳込むと、注入流の撹拌により溶鋼の酸化や
溶鋼へのガスの巻込みが生じ、製造される鋼塊の
品質が著しく劣化する。

このため、タンデイツシユノズルの下部にスラ
イデイングノズルを取付け、更にその下部に浸漬
ノズルを取付けて連続鋳造を行なうことが多い。
このように浸漬ノズルを用いる場合には、浸漬ノ
ズル下端部をモールド内に鋳込まれた溶鋼中に浸
漬させ、溶鋼表面にスラグパウダーを浮遊させて
おくので、溶鋼の酸化や溶鋼へのガスの巻込みを
防止して鋼塊の品質を向上することができる。た
だし、上述したようにスライデイングノズル等の
取付けが必要となり、設備費が高くなるという問
題がある。

そこで、タンデイツシユノズルからモールド内
へ溶鋼を直接鋳込む場合よりも鋼塊の品質を向上
でき、浸漬ノズルの場合よりも設備費を低減でき
るものとして、セミイマージヨン（セミ浸漬）ノ
ズルが用いられることも多い。特に、ビレツトサ
イズ用の連鋳機に多用される。このセミイマージ
ヨンノズルを第３図ａ及びｂを参照して説明す
る。

第３図ａにおいて、タンデイツシユの底レンガ
１にはタンデイツシユノズル２が設けられ、これ
らの下方には図示しない支持部材によりホルダ３
が固定されており、更に上方にはモールド４が設
置されている。セミイマージヨンノズル５は前記
ホルダ３に人手によつて着脱される。このセミイ
マージヨンノズル５は上端が拡がつた開口となつ
ているノズル上部５ａと円筒状のノズル下部５ｂ
とからなつている。また、その平面図は同図ｂに
示すようなものである。

そして、タンデイツシユ内の溶鋼はタンデイツ
シユノズル２から図中矢印で表示するようにセミ
イマージヨンノズル５内へ流下し、更にモールド
４内へ鋳込まれる。この際、セミイマージヨンノ
ズル５の下端部はモールド４内へ鋳込まれた溶鋼
６中に浸漬される。また、この溶鋼６表面にはモ
ールドパウダー７を浮遊させている。

したがつて、セミイマージヨンノズル５を用い
た場合には、浸漬ノズルを用いる場合と同様にモ
ールド４内での溶鋼の酸化や溶鋼へのガスの巻込
みを防止することができる。しかも、浸漬ノズル
の場合と異なりスライデイングノズルを設ける必
要はないので、設備費を低減することができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、セミイマージヨンノズル５のホルダ
３への着脱は、通常溶鋼を流下させている状態で
人手によつて行なわれる。

このように溶鋼を流下させた状態で着脱を行な
うと、溶鋼がセミイマージヨンノズル５の上端面
に当たつて周囲に飛散するため、作業者の安全性
が充分に確保されているとはいえない。また、セ
ミイマージヨンノズル５の上端面で溶鋼が凝固し
て堆積するので、これを除去する必要があり、作
業能率が低下するという問題がある。

本考案は上記問題点を解決するためになされた
ものであり、作業者の安全性を確保し、作業能率
を向上することができるセミイマージヨンノズル
を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のセミイマージヨンノズルは、上端が拡
がつた開口となつているノズル上部と円筒状のノ
ズル下部とからなり、溶融金属容器底部に設けら
れた流出口の下方に着脱自在に取付けてこの流出
口から流下する溶融金属を通過させ、ノズル下端
部をモールド内の溶融金属に浸漬させた状態で鋳
込みを行なうセミイマージヨンノズルにおいて、
上端部の一部を肉薄とし、この肉薄部側から着脱
を行なうことを特徴とするものである。

〔作用〕

このようなセミイマージヨンノズルによれば、
着脱の際にはノズル上端部の肉薄部が流下してい
る溶鋼を横切ることになる。このため、ノズル上
端面で飛散する溶鋼が従来より少なくなり、作業
者の安全を確保できる。また、ノズル上端面での
溶鋼の凝固・堆積が減少するので、除去作業を軽
減することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図ａ及びｂを参照
して説明する。なお、第１図ａは本考案に係るセ
ミイマージヨンノズルの断面図、同図ｂは同ノズ
ルの平面図である。

第１図ａ及びｂにおいて、本考案に係るセミイ
マージヨンノズル１１は、上端が拡がつた開口と
なつているノズル上部１１ａと円筒状のノズル下
部１１ｂとからなつている。また、ノズル上端部
は一部が切り欠かれて肉薄部１２が形成されてい
る。

このセミイマージヨンノズル１１も従来のもの
と同様に第３図ａに示すように、タンデイツシユ
ノズル下方のホルダに取付けられ、その着脱はタ
ンデイツシユノズルから溶鋼を流下させた状態で
ノズル上端部の肉薄部１２を横切つて行なわれ
る。

上記セミイマージヨンノズル１１によれば、ホ
ルダへの着脱の際にはノズル上端部の肉薄部１２
が流下している溶鋼を横切ることになる。このた
め、ノズル上端面で飛散する溶鋼が従来より少な
くなり、作業者の安全を確保できる。また、ノズ
ル上端面での溶鋼の凝固・堆積が減少するので、
除去作業を軽減することができる。

なお、上記実施例では、第１図ｂに示すように
ノズル上端部の肉薄部１２は切欠部の平面形状が
円の一部をなすように切り欠いて形成したが、第
２図に示すようにノズル上端面を構成する円の弦
を通過する面で切り欠いて肉薄部１２′を形成し
てもよい。ただし、切欠部の面積が大きすぎると
セミイマージヨンノズルの強度が弱くなるおそれ
があるので、溶鋼の飛散を防止できさえすれば切
欠部の面積はできるだけ小さい方が望ましい。

〔考案の効果〕

以上詳述した如く本考案のセミイマージヨンノ
ズルによれば、作業者の安全を確保できるととも
に、作業能率を向上できる等顕著な効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案の実施例におけるセミイマー
ジヨンノズルの断面図、同図ｂは同セミイマージ
ヨンノズルの平面図、第２図は本考案の他の実施
例におけるセミイマージヨンノズルの平面図、第
３図ａは従来のセミイマージヨンノズルを取付け
た状態を示す断面図、同図ｂは同セミイマージヨ
ンノズルの平面図である。 １１……セミイマージヨンノズル、１１ａ……
ノズル上部、１１ｂ……ノズル下部、１２……肉
薄部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端が拡がつた開口となつているノズル上部と
   円筒状のノズル下部とからなり、溶融金属容器底
   部に設けられた流出口の下方に着脱自在に取付け
   てこの流出口から流下する溶融金属を通過させ、
   ノズル下端部をモールド内の溶融金属に浸漬させ
   た状態で鋳込みを行なうセミイマージヨンノズル
   において、上端部の一部を肉薄とし、この肉薄部
   側から着脱を行なうことを特徴とするセミイマー
   ジヨンノズル。