JPS6347010Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は通信機器、家電製品、オーデイオ機
器関係等の電気配線等に用いる同軸上にシールド
された電線（同軸シールド線）の端子取出用コネ
クターに関するものである。

従来、例えば第１図に示すような心線を構成す
る内部導体１と、その外周に装着される絶縁体２
と、該絶縁体２のまわりに編成される外部導体３
と、さらにその外周を被覆する外被４とからなる
同軸シールド線の端部において、両導体１，３の
端子を取出す端末加工では、第２図Ａ，Ｂに示さ
れるような方法があつた。

即ち、同図Ａに示すものでは、外被４を２つの
端子を引出すに十分な寸法だけ切除し、次いで外
部導体３を上記切除部分全体にわたつてほぐし、
再度一束に撚束して予備はんだ付を行い、端子３
ａを形成するとともに、そこに絶縁チユーブ５を
差込み、これと前後して内部導体１の端子１ａを
形成すべく、絶縁体２を一定長さ切除し、この部
分を予備はんだ付していた。最後に図示するよう
な位置に収縮パイプ６を外装して収縮固定するこ
とによつて相互に独立した端子１ａと３ａを完成
させる。

また同図Ｂに示すものは、外部導体３をほぐし
て再撚束した後予備はんだ付を行い、端子３ａと
本体部の外被４にまたがつて外装させ収縮チユー
ブ７を収縮固定せしめるものである。

しかし従来のこれらの方法は絶縁体や外被及び
外部導体をいずれも切除又はほぐし、再撚束、予
備はんだ付、さらに絶縁チユーブや収縮パイプの
外装等の手作業を伴うので作業性が悪く、端末加
工をコスト高にしていた。

この考案はこれらの問題点を解消するもので、
特に予め端子を付設した割型状の分割片内にシー
ルド線の端末を差込んでこれを挾持固定する構造
とし、一方の分割片内にはシールド線差込時に内
部導体１内に差込まれて一方の端子に接続される
接続ピンを設け、他方の分割片内にはシールド線
を挾持した際に外部導体３に切れ込んでこれを他
の端子に接続せしめる押圧突起を設けたコネクタ
ーを提供せんとするものである。

以下第３図〜第５図に示す本考案の実施態様に
つき詳述すると、絶縁性の樹脂よりなるコネクタ
ー本体１１は互に重ね合わせて一体となるような
ブロツク状の分割片１２，１３からなり、両分割
片１２，１３の一端は薄い弾力性に富んだ接続片
１４にて開閉自在に接続され、他端は重ね合せ状
態で互に着脱自在に係合されるような係合部１
５，１６を有し、各分割片１２，１３は互に重ね
合せられる合せ面１７，１８を有している。

一方の分割片１２の合せ面側の中央には前方が
閉塞され後方に開放端を有する円弧状断面のシー
ルド線挿入溝１９が形成され、その外部前方には
端子２０が突設されるとともに、他方の分割片１
３にもこれと対応した位置に端子２１が突設さ
れ、各端子２０，２１ともに各分割片１２，１３
内にその根端が埋設され、端子２０の内端には端
部が前記挿入溝１９の中心部に後向きに突出する
針状の接続ピン２２が突出しており、溝１９内に
シールド線が差込まれた際にその中心の内部導体
１内に突き刺さつて電気回路的に導通する構造と
なつている。

もう一方の端子２１の根端は、分割片重ね合せ
時に相手方の分割片１２のシールド線挿入溝１９
内を横断するようなゲート状の押圧突起２３に接
続され、この押圧突起２３も分割片１３内にその
根端が埋設されている。そして上記押圧突起２３
の先端中央は円弧状の凹部２４を形成し、しかも
その内周は山型をなして後述する外部導体３との
接触をより確実なものにする構造を有している。

また上記押圧突起２３に対応する反対側の分割
片１２の合せ面１７上には、前記シールド線挿入
溝１９を横断し且つ分割片１２，１３を重ね合せ
た際に押圧突起２３を収容せしめるような逃がし
溝２５が形成される。

上記のように構成されるコネクターを第３図の
ように開いた状態で、予め外被を所定寸法切除し
たシールド線の端部を挿入溝１９の後方より最深
部まで差込むと、接続ピン２２はシールド線端部
において内部導体１内に突き刺さつて端子２０と
内部導体１は電気回路的に導通される。続いて分
割片同士を重ね合せると、押圧突起２３が溝１９
内のシールド線の外部導体３を押圧挾持せしめる
ことによつてこれも前記同様端子２１と外部導体
３を電気回路的に導通せしめることとなり、係合
部１６，１７の係合によつて上記回路構成は固定
的となり、端子２０，２１は自由に他の電気回路
に接続し得る状態となる。

上記構造において端子２０，２１は必ずしも図
示するような定型的な形状である必要はなく、例
えば普通に撚束された線状端子でもよい。また押
圧突起２３も図のようにゲート状の形に限られ
ず、例えば先端が必ず溝１９内の外部導体３に達
し且つこれを押圧すれば足りるから外部導体３に
達するような直線状の先端であつても良く、さら
にここに外部導体３のみに突き刺さる突起を形成
せしめることも可能である。またシールド線端末
の外被４を切除しないまゝ挿入溝１９に差込んで
押圧突起２３でこの外被を破り、外部導体３に押
接導通せしめることも可能である。この場合は挿
入溝１９や押圧突起２３の大きさ、形状等をそれ
に応じて変更すれば良い。

本考案のコネクターは以上の如く構成されるの
で、従来のシールド線端末加工に要していた外部
導体のほぐしや撚り合わせ及び予備はんだ付、絶
縁体の除去、内部導体の撚り合せ及び予備はんだ
付、各導体同士の絶縁、固定化加工等の手作業に
よる部分が省略され、最少限コネクターのリード
線挿入溝にリード線端末を差込み、分割片を重ね
合せてワンタツチで固定するだけの作業になるの
で、端末加工の作業性が著しく向上し且つその加
工費の低減が図れる。特に端末作業が画一的に定
型化されるのですべてを機械作業にすることが可
能になることの利点は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は同軸シールド線の説明用斜視図、第２
図Ａ，Ｂは従来の端末加工法を示す説明用拡大
図、第３図は本考案のコネクターの構造例を示す
斜視図、第４図、第５図は同じくその平断面図、
正面縦断面図である。 １……内部導体、１ａ……端子、２……絶縁
体、３……外部導体、３ａ……端子、４……外
被、１１……コネクター本体、１２，１３……分
割片、１４……接続片、１５，１６……係合部、
１７，１８……合せ面、１９……シールド線挿入
溝、２０，２１……端子、２２……接続ピン、２
３……押圧突起、２４……凹部、２５……逃し
溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 予め端子２０，２１を付設した重ね合せ式の割
   型状の分割片１２，１３によりコネクター本体１
   １を構成し、一方の分割片１２内にはシールド線
   の端部を後方より差込み挿入するシールド線挿入
   溝１９を設けるとともにその内部には上記シール
   ド線差込時に中心の内部導体１に差込まれ、上記
   端子２０と接続された接続ピン２２を突設し、他
   方の分割片１３の合せ面１８には分割片重ね合せ
   時に上記シールド線挿入溝１９内のシールド線の
   外部導体３に押接導通され且つ他の端子２１に接
   続される押圧突起２３を突設してなる同軸シール
   ド線の端子取出用コネクター。