JPS6346592B2 - - Google Patents

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Publication number
JPS6346592B2
JPS6346592B2 JP2488079A JP2488079A JPS6346592B2 JP S6346592 B2 JPS6346592 B2 JP S6346592B2 JP 2488079 A JP2488079 A JP 2488079A JP 2488079 A JP2488079 A JP 2488079A JP S6346592 B2 JPS6346592 B2 JP S6346592B2
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JP
Japan
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film
wiring
adhesive sheet
wiring board
multilayer
Prior art date
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Expired
Application number
JP2488079A
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English (en)
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JPS55117298A (en
Inventor
Takashi Nukui
Shigeo Nakatake
Masaru Iwasaki
Katsuteru Awane
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority claimed from JP24880A external-priority patent/JPS55110694A/ja
Publication of JPS55117298A publication Critical patent/JPS55117298A/ja
Publication of JPS6346592B2 publication Critical patent/JPS6346592B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、半導体結晶上にトランジスタ、ダイ
オード、抵抗等を形成し、その表面をSiO2等か
ら成る保護膜で被覆し、更にその上に外部配線用
のリードを連結した集積回路チツプ等の電子部品
を、厚膜、薄膜等から成る導体回路層、絶縁層等
が積層された基板上に取付けた配線基板に於い
て、ベースの基板を金属板の筐体とすることによ
つて筐体に直接配線パターンを実装した電子機器
に関するものである。以下上記の構造をなす基板
を部品搭載用配線基板と称す。 一般に導体回路の多層配線の態様としては、多
層プリント基板を用いる方式、薄膜技術を用いる
方式、印刷技術を用いる方式等がある。このうち
印刷技術を用いる方式について更に詳しく分説す
れば セラミツク基板に導体と絶縁層を交互に印
刷、焼成して厚膜多層配線とする方法。 グリーンセラミツク基板に導体を印刷し、こ
れを積層接着して焼結する積層セラミツクとす
る方法。 グリーンセラミツク基板に導体と絶縁層を交
互に印刷し、最後に焼結するグリーンシート印
刷法。 等に区分される。 第1図は従来の代表的な部品搭載多層基板の工
程図である。上記のの印刷技術を用い、配線形
成を行なう場合の製造工程について特にIC搭載
厚膜多層基板のプロセスを例にとつて第1図とと
もに以下に詳説する。 第1図aはセラミツク、若しくはガラス等のリ
ジツド基板1上に導体ペーストをスクリーン印刷
することにより下部配線2を形成する工程を示
す。 同bは、更にリジツド基板1上に、絶縁ペース
トのスクリーン印刷により、多数のスルーホール
用の孔3、及びチツプ取付け用の孔4を有する絶
縁層5を形成する工程を示す。 同cは絶縁層5の上に導体ペーストのスクリー
ン印刷によりスルーホールコンタクト及び上部配
線6を形成する工程を示す。下部配線2はスルー
ホール用孔3を介して上部配線6と電気的に接続
される。 そして上記第1図bと同cの操作工程を繰り返
すことによつて導体層、絶縁層が交互に多層化さ
れた基板が製作される。 第1図dはチツプ取付用の孔4に配置された集
積回路チツプ7のダイボンド、ワイヤーボンドを
行なう工程を示す。即ち集積回路チツプ7はリー
ド線を介して、下部配線2と電気的に接続され、
リジツド基板1上に固定される。 同eは保護コート8若しくはキヤツプシールを
必要に応じて全面又は一部に施し、下部配線2に
アウターリード9を取付ける工程を示す。以上に
よりIC搭載多層基板が製作される。 しかしながら上記製造工程を介して製作された
IC搭載多層基板は次の如き欠点を有する。 スクリーン印刷では印刷時の押圧(印圧)を
受けたペーストがメツシユ間を通り抜け、基板
に付着した後スクリーンが離れるというプロセ
スによつて配線が形成される。従つて印刷のラ
イン幅精度はスクリーンメツシユ、ペースト粘
度、スキージスピード、マシーン精度等の条件
により決定され、現在の技術では最小ライン幅
は100μm近辺が限界と考えられる。 上部導体配線と下部導体配線を連結するため
のスルーホール部は、絶縁層印刷時にスクリー
ンメツシユ間をペーストが通過しない所として
存在する。この際下部導体配線は、スルーホー
ルコンタクトに必要な程度に十分露出していな
ければならず、このため、スルーホール孔の大
きさとしては200μm以上の径が必要となり、従
つて下部導体配線の配線ピツチを小さくした
り、上部導体配線の配線パターン可能域を十分
に確保する上で、大きな支障をきたすことにな
る。 一般にIC搭載多層基板に最も多く用いられ
る基板はセラミツクもしくはガラスである。印
刷技術に対してセラミツクもしくはガラス製基
板は優れた効果を有するが、放熱性という点で
は金属製基板よりはるかに劣り、従つて発熱量
の大きい素子(例えば大電力用IC)の搭載に
対しては、厳しい技術的制約を受けることとな
る。 スクリーン印刷に於いて、ペーストはメツシ
ユ間を通り抜け、その後、レベリングプロセス
を経ることにより、メツシユ間を通り抜けたペ
ースト粒は全て連続的に連結されるはずである
が、実際には(例えばペースト粒径の大きい
時、粘度が高い時、ゴミ等が存在する時など)
メツシユ間を通過しなかつた部分がいわゆる
“ピンホール”等の欠陥を生起することとなる。
絶縁層の如く広面積の層を印刷する場合には、
この様な欠陥発生の可能性が強く、従つて、上
記欠陥を含有する層に高電圧が印刷された場
合、ブレークダウンの大きな原因となる他、マ
イグレーシヨンを生じ、リーク電流の増加を招
来する。この様な“ピンホール”を無くすため
にはペーストを繰り返し印刷することが必要と
なり、工程が繁雑となる。 上記プロセスを経て形成された多層配線基板
は、民生機器、産業機器の単なる回路部の一要
素としてのみ機能するものであり、一般には、
該多層配線基板をプリント基板などとともに機
器本体(筐体)に搭載し、他の入出力部(電卓
では表示部・キー部、ラジオではスピーカー部
など)とインターフエイスをとり、初めて機器
として成立するものである。 しかしながら特に、小型・軽量・薄型化が要
求される様な機器に於ては、個別に形成した多
層配線基板やプリント基板などの回路板を機器
本体(筐体)に取付ける上記製造方式では明ら
かに限界が存在する。それは、これらの基板材
料が、ガラス、セラミツク、ガラスエポキシ等
であるために材料強度面、折曲げ性等の加工性
の面で、基板自体を筐体として使用することは
困難なためである。 本発明は上記欠点を改善し、基板への電子部品
実装に対して、微細配線、微小スルーホールピツ
チの形成に有効であり、より高密度で、より高耐
圧を有し、高電圧素子を搭載することができ、か
つ良好な放熱特性を呈する実装を可能にした新規
有用な本体(筐体)としての機能を有する配線基
板の製造技術を提供することを目的とし、電子機
器として民生、産業用機器に求められる多機能
化、小型化、軽量薄型化等の諸要求に応えたもの
である。 第2図は本発明の基調となる技術手段を導入し
た多層配線基板の構成図である。即ち、半硬化状
態の接着シートに下部配線を形成し、下部配線を
設けた面に接着可能な絶縁性を有する有機物層を
配置し、これらを加圧加温して接着シートと有機
物層を接着し、且つ接着シートを完全に硬化させ
た多層配線基板を示す。 第3図は第2図に示す多層配線基板の製造工程
図である。以下第2図の多層配線基板について製
造工程手順(第3図参照)に従つて説明する。 第3図aに示す如く仮配線基板10の上に下部
配線として使用する導体パターン11を形成す
る。この場合、後述する接着シート12と導体パ
ターン11との先着力よりも、導体パターン11
と仮配線基板10との接着力の方が半硬化状態に
於いて弱く、且つ仮配線基板10と接着シート1
2とはほとんど接着力がないものを使用する。 第3図bに示す如く、チツプ取付部を予めパン
チング等により刳り貫いた加圧加温型高絶縁性接
着シート12を仮配線基板10の導体パターン1
1形成面に載置し、弾性ゴム13を用い、両側か
ら矢印の方向に加圧するとともに加温する。 そして導体パターン11が接着シート12に接
着し、尚かつ接着シート12が完全に硬化してい
なくてまだ接着性を有する半硬化状態において、
加圧加温を終了させ、接着シート12を仮配線基
板10から剥す。この場合上記の接着力の関係を
満足しているときは、導体パターン11は接着シ
ート12に貼付され、第3図cに示す状態とな
る。即ち導体パターン11は仮配線基板10から
接着シート12へ転写されることになる。 第3図dに示す如く、接着シート12に導体パ
ターン11を貼付した上に高耐圧フイルム14
(例えばポリイミドフイルム)を載置する。この
高耐圧フイルム14はエツチングすることがで
き、接着シート12と接着が可能でありかつチツ
プホール部を有するものである。接着シート12
の導体パターン11が貼付されていない面には、
放熱性があり、接着シート12と接着し得る金属
板15例えばアルミ(Al)板、銅(Cu)板等を
置く。そして接着シート12の両面方向から上記
と同様に弾性ゴムを用いて加圧加温する。但し加
温は第3図bで行つた温度以上に設定し半硬化状
態の接着シート12を完全に硬化させると同時
に、金属板15、接着シート12、導体パターン
11及び高耐圧フイルム14を接着させる。この
場合接着シート12は高絶縁性を有するため、金
属板15と導体パターン11とは完全に絶縁され
ることとなる。 次に第3図eに示す如く、高耐圧フイルム14
の上に、レジストをコートして、フオトエツチン
グを行ない、スルーホール孔16を形成する。 更に、上方よりイオン工学的方法(例えば蒸
着、スパツタリング、イオンクラスター法等)に
よりデポジシヨンを行ない、スルーホール孔16
を介して導体パターン11まで装填堆積された金
属膜により、電気的に接続されたスルーホールコ
ンタクトを得ると同時に、金属膜から成る上記配
線17を形成して、第3図fに示す構成とする。 トランジスタ、IC、LSI等のチツプ取付部にチ
ツプ18を挿入し、金属板15上に固定する。更
にダイボンド、ワイヤーボンドして第3図gの構
成とする。この場合ビームリードなどのワイヤレ
スチツプをフエイスアツプボンデイングしてもよ
い。 更にアウターリード19を取り付け、必要があ
れば保護コート20を被覆しあるいはキヤツプシ
ールを行なつて、第2図に示す多層配線基板を製
作する。 上記の仮配線基板10、導体パターン11、高
耐圧性フイルム14、接着シート12、金属板1
5の材料の組合せ例としては次の第1表に示すも
のがある。
【表】 また上記製造工程以外に次の工程が考えられ
る。 加圧加温型接着シート(例えばケルイミド)
を両面より加温加圧して半硬化状態にする。 さらにこの接着シートにイオン工学的方法
(例えば蒸着、スパツタリング、イオンクラス
ター法等)により下部配線として金属デポジシ
ヨンを行なう。 この半硬化シートの金属配線側に高耐圧フイ
ルムを、その反対側の面には金属板を配して、
弾性体ゴムを利用して両面から再度加圧加温し
てこれらを接着、完全硬化する。 この後は第3図e乃至gに示す工程と同じプ
ロセスを実行することにより多層配線基板を製
作する。 以上の如く、第2図に示す多層配線基板は半硬
化状態の接着シートに下部配線を形成し、該配線
を設けた面に接着可能な絶縁性を有する有機物層
を配置し、これらを加圧加温して、接着シートと
有機物層を接着し、且つ接着シートを完全に硬化
させることにより作製されたものである。 上記構成を採用することにより、下部配線はフ
オトエツチ精度により決定されるため、従来の厚
膜基板よりもはるかに配線を微細に作製すること
ができる。例えば50μmの配線幅又は配線間隔も
可能である。そして絶縁層はポリイミドフイルム
等の高絶縁性有機物により成つているため“ピン
ホール”等は全く存在せず、高絶縁性を達成する
ことが可能となる。従つて絶縁層は非常に薄くす
ることが可能であり、エツチングによりスルーホ
ールの形成を行なう場合、スルーホールコンタク
トが容易となるためこのスルーホールの大きさは
非常に小さい径にすることも可能であり、例えば
直径70μm以下とすることもできる。金属板とし
て例えばアルミ板を使用することができるため、
従来のセラミツク基板に比較し、かるかに放熱特
性に優れている。そして上部配線は上方よりのデ
ポジシヨンによつて形成するため、スルーホール
を通じて上部配線と下部配線とが接続されたスル
ーホールコンタクトと上部配線とを同時に形成す
ることができ、またスペース・フアクターに関し
ては配線をより微細な形状に成型できるという優
れた効果を奏する。 上記第2図、第3図に示す多層配線基板は仮配
線基板10上に第1表に示す材料から成る導体パ
ターン11を形成し、この導体パターン11を接
着シート12に転写したものであるが、次に導体
パターン11を金属箔で形成するとともにエツチ
ング成型した多層配線基板について第4図及び第
5図を参照しながら説明する。第4図はこの説明
に供する多層配線基板の構成図である。 第5図は第4図の多層配線基板を製造する工程
図である。以下工程手順に従つて第4図の多層配
線基板を説明する。 第5図aに示す如く、Al板、Cu板等の高熱伝
導率を有する金属板21の一主面上に、あらかじ
めチツプ取付部22をパンチング等により刳り貫
き、且つ高耐熱性を有するポリイミド樹脂、ポリ
アミドイミド樹脂等をガラスクロスに含浸させた
絶縁接着シート23を介して、数μmの銅箔24
を貼り合せる。 この場合上記絶縁接着シート23を用いる代り
に、スクリーン印刷法等によりチツプ取り付け部
22を除いてポリイミド樹脂、ポリアミドイミド
樹脂を印刷してもよい。又、半硬化状態のポリイ
ミドフイルム、ケルイミドフイルムを絶縁接着シ
ート23として用いても良い事は言うまでもな
い。 第5図bに示す如く、この銅箔24上にフオト
レジスト25で下部配線になる部分以外をコーテ
イングし下部配線となる部分の上にボンドアビリ
テイーを高めるべく電解Auメツキ、Agメツキ等
26を行う(このメツキ前にNiメツキ等を行つ
ても良い)。 次にフオトレジストを剥離後第5図cに示す如
くこのAuメツキ等26をマスキングとして銅箔
24のエツチングを行い下部配線27を形成す
る。 その上に第5図dに示す如くNaOHやヒドラ
ジン等でエツチング可能な半硬化状態のポリアミ
ツク酸のフイルム28を配し、300℃程度で加温
加圧して完全硬化しポリイミドにする事により絶
縁層を形成し、上記基板に接着する。 このフイルム28上にフオトエツチングを行い
NaOHやヒドラジン等をエツチヤントとしてス
ルーホール孔29を形成する。フイルム28のチ
ツプ取り付け部22は前述したように、あらかじ
めパンチングして刳り貫いていても良いし、この
スルーホール孔29の形成時にエツチングにより
取り除いて同時に形成しても良い。 以下、第3図に於いて説明した如く、上方より
イオン工学的方法(たとえば蒸着、スパツタリン
グ、イオンクラスター法等)によりデポジシヨン
を行い、スルーホール孔29に金属膜を装填堆積
して上部及び下部配線を接続させスルーホールコ
ンタクトを得ると同時に、金属膜から成る上部配
線30を形成して第5図eに示す構成とする。 次にチツプ取り付け部22にチツプ31をダイ
ボンド、ワイヤーボンドして第5図fの構成とす
る。この場合ビームリード等のワイヤレスチツプ
をフエイスアツプボンデイングしても良いことは
前述した如くである。更にアウターリード32を
取り付け、必要があれば保護コート20を被覆
し、あるいはキヤツプシールを行つて第4図に示
す多層配線基板が製作される。 以上の如く、第4図に示す多層配線基板は絶縁
接着シートを使用し、放熱板としての金属板と下
部配線用の金属箔を貼り合わせ、この配線を形成
した面に接着可能な絶縁性を有する高絶縁有機物
層を配置し、これらを加圧加温して接着シートと
有機物層を接着し、上部及び下部配線の高絶縁を
得るとともにスルーホールコンタクトと上部配線
を同時に形成し得る多層配線基板である。 本発明は以上の如き構成を基調とするものであ
り、技術的手段を駆使することにより、高熱伝導
率を有する機器筐体の金属板を配線のベース板兼
筐体、また必要ならば放熱板としても使用したも
のである。 以下、本発明を実施例に従つて図面を参照しな
がら詳細に説明する。 第6図は本発明の1実施例を示す配線パターン
が多層に構成された多層配線基板の構成図であ
る。第7図は第6図に示す多層配線基板の製造工
程図である。以下製造工程手順に従つて第6図に
示す多層配線基板を説明する。 第7図aに示す如く、洗浄されたAl、Cu等か
ら成る筐体を兼ねた金属ベース板33上に、予め
パンチング、エツチング等によりチツプ取付部3
4を刳り貫いた加圧加温型高絶縁性接着シート3
5(例えばポリアミドイミド等)を配し、更に第
7図bに示す如く、接着シート35上面(即ち後
述する下部配線形成面)を保護するために保護シ
ート36を載置し、弾性耐熱ゴム37を使用し
て、上下両側から矢印の方向に加圧加温する。こ
の加圧加温操作は接着シート35が完全硬化する
前でかつ金属ベース板33とは充分に接着されて
いる状態、即ち半硬化状態にて停止する。尚、高
絶縁性接着シート35の代わりに、液状若しくは
ペースト状の絶縁性接着剤を使用しても良い。以
上の工程を経て第7図cに示す如く、筐体を兼ね
た金属ベース板33上の一主面にチツプ取付部3
4を有する接着シート35が固着される。接着シ
ート35は絶縁層として機能するとともに隣接層
に対し接着作用を有する。またそのフラツトネス
は下部配線形成に有効である。更に接着シート3
5のフレキシビリテイは後工程で金属ベース板3
3を折り曲げ、筐体とする際に有効に作用する。 半硬化状態の接着シート35上にイオン工学的
手法(蒸着法、スパツタリング法、イオンクラス
ター法等)によりデポジシヨンを行ない、Al蒸
着薄膜等から成る下部配線38を形成する。この
下部配線38の配線パターン形成法としては次の
(1)、(2)に示す方法が実施に供される。 (1) 下部配線材料を全面デポジシヨン後、レジス
ト塗布し、フオトエツチングを行なつて下部配
線38をパターン形成する方法。 (2) 最初にレジスト塗布し、フオトエツチングに
より下部配線38のパターンを形成した後、上
方より下部配線材料をデポジシヨンし、レジス
トを剥離するいわゆるリフト・オフ法。 (1)または(2)の方法によつて形成された下部配線
38の状態を第7図dに示す。 尚イオン工学的手法によらず、金属箔を接着シ
ート35に付着させ、上記(1)の方法にて下部配線
38を形成することも可能である。 第7図eで示す如く、下部配線38上面に高耐
圧有機物質39(例えばポリイミドフイルム等)
を、更に有機物層39上面を保護するため保護シ
ート36を配し、再度弾性耐熱ゴム37を使用し
て、上下両側から矢印の方向に加圧加温する。こ
の時の加熱温度は第7図bの加圧加温操作温度よ
り高温に設定し、半硬化状態の接着シート35と
有機物質39を強固に接着すると同時に接着シー
ト35を完全硬化状態にして金属ベース板33に
固着させる。ここで、高耐圧有機物層39は加圧
加温(例えば250℃程度)によつて接着シート3
5と接着可能であり、かつスルーホールのエツチ
ング加工が可能なフレキシビリテイーを有する高
絶縁材料であることが必要である。この条件を満
たす最適材料として本実施例ではポリイミドフイ
ルムを選定した。 以上の工程を経て製作された多層基板を第7図
fに示す。 尚、上記に於いて、下部配線38として膜厚
2.8μmのAl蒸着薄膜を採用した場合、そのシート
抵抗はRs=14.8Ω/□、接着シート35として膜
厚25μmのポリアミドイミドフイルムを採用した
場合、その誘電率はε=4.10、有機物層39とし
て膜厚20μmのポリイミドフイルムを採用した場
合、その誘電率はε=3.5なる値が得られた。ま
たポリアミドイミドフイルムは電圧500Vを印加
しても10-10A程度以下のリーク電流しか流れず、
更に1100Vの電圧を印加しても絶縁破壊を生ずる
ことはない。 次に第7図gに示す如く、高耐圧有機物層39
の上にレジストをコーテイングし、有機物層39
のスルーホール孔40、基板パツド部41及びチ
ツプ取付孔42をフオトエツチングで加工成型す
る。あるいは他のマスキング手段を有機物層39
に施行し、プラズマエツチング等のドライプロセ
ス等により、スルーホール孔40、基板パツド部
41及びチツプ取付孔42を形成することもでき
る。 高耐圧有機物層39であるポリイミドフイルム
をエツチングする場合、そのエツチヤントとして
はアルカリ系溶液、又はヒドラジン等が選択され
るが、アルカリ系溶液を用いた場合、スルーホー
ル孔40が完全に透孔された時、下部配線35が
エツチングされるため、本実施例ではヒドラジン
(N2H2・H2O)によつてスルーホールエツチン
グを行なつた。ヒドラジン濃度が50〜60%の時、
液温を40℃前後に、またヒドラジン濃度が70%の
時、液温を30℃前後に制御すると良好なスルーホ
ール孔40が得られた。ヒドラジン濃度を高くす
るとスルーホール孔40壁面にクラツクが生じ、
また濃度が低すぎるとエツチング速度が低下し、
レジストの劣化、剥離が生じる。エツチング時間
とエツチング膜厚との関係を第8図に示す。適正
なエツチング条件下では約60分で20μmの膜厚の
ポリイミドフイルムをエツチング加工することが
できる。 尚、プラズマエツチングを採用する場合、高耐
圧有機物層39は非接着性フイルムに接着剤を塗
布した構造の有機物層を用いることもできる。こ
の非接着性フイルムに接着剤を塗布した構造体に
対しては湿式エツチングは困難である。従つてこ
の場合は上記接着シート35は半硬化状態を経る
ことなく直ちに完全硬化され接着性を無くしたよ
うな状態のものでも良く、また広くプリント基板
や、銅箔を金属板に貼り付け、パターン処理を施
こした基板に対しても実施可能となる。 更に、第7図hに示す如く、上方より再度イオ
ン工学的手法により2段階デポジシヨンを行な
い、スルーホール孔40を介して下部配線38ま
で装填堆積された2層金属膜により電気的に接続
されたスルーホールコンタクトを得ると同時に上
部配線43を形成する。更にスルーホールコンタ
クトを完全ならしめるため、金(Au)等の金属
を約10分間無電解あるいは電解メツキして、上部
配線43上にメツキ膜をコートし、上部配線43
を導体層として緻密化するとともにその表面を平
滑にする。これによつて得られたスルーホール抵
抗は0.06Ω〜0.10Ωであり、上部配線43の抵抗
値は膜厚1.2μmでシート抵抗Rs=60mΩ/□とな
つた。 上部配線43はAl膜、Ni膜及びAu膜から成る
3層金属膜あるいはAl膜及びNi膜から成る2層
金属膜等の多層金属膜構造が実施に供されるが本
実施例ではAl膜及びNi膜から成る2層金属膜を
採用する。一般に蒸着膜は膜厚が厚くなると内部
ストレスの関係で膜密着力は低下する。例えば上
記2層金属膜のAl膜厚を4000Å以上にすると膜
全体の密着力は著しく劣化することとなる。 従つて本実施例に於ける2層金属膜構造は最適
条件としてAl膜を2000Å程度、またNi膜を1μm
程度に選定する。ここでAl膜は高耐圧有機物層
39との接着力を得る機能を有し、Ni膜は後工
程でのハンダ付等に対する濡れ性を改善するもの
である。即ち本実施例に於ける上部配線43は接
着機能を有する蒸着膜と濡れ性を良好ならしめる
蒸着膜の2種類の薄膜で構成されている。 前述した下部配線38を上部配線43同様性質
の異なる2種以上の多層膜で構成することも当然
に可能である。 尚、上部配線43の配線パターン形成法は下部
配線38成形法で述べた(1)、(2)のいずれの方法を
採用しても良い。パツド部41の下部配線38材
料が、後述する入出力部取付時に支障をきたす場
合は上部配線43形成時にパッド部41にも同時
に金属膜をデポジシヨンし、入出力部の取付けを
容易にすることも可能である。 チツプ取付孔42にチツプ44を挿入し、筐体
を兼用した金属ベース板33上に直接固定する。
更にダイボンド、ワイヤーボンドして、第7図i
に示す構成とする。ビームリーム、フリツプチツ
プ等のワイヤレスチツプを用いてボンデイングす
ることも可能であることは前述した如くである。 次に入出力部45を取り付け、必要に応じて保
護コート46を被覆したりキヤツプシールを行
う。入出力部45は、例えば電卓に於てはキー、
表示部など、ラジオではスピーカー部、チユーナ
ー部などがこれにあたる。入出力部45と多層配
線部とのインターフエースは、多層配線部の下部
配線と接続するほか上部配線と接続を行つてもよ
い。接続方法としては、ハンダ、共晶、導電ペー
ストなどのいずれの方法を用いてもよい。 次に、多層配線板のベースとなつている放熱板
を兼ねた金属ベース板33を折曲げるなどの手段
によつて筐体化する。又逆に金属板を折曲げてか
らチツプアセンブリーを行なつても良い。 尚、上記実施例の如く筐体兼金属ベース板33
を放熱板として使用する場合は大気と接触する表
面を凹凸に成形するかあるいは表面に放熱翼を多
数付設し、大気との接触面積を増大せしめ、放熱
効果をより一層顕著ならしめる構成としてもよ
い。 上記の筐体と放熱板を兼用した金属ベース板3
3、高絶縁性接着シート35、下部配線38、高
耐圧有機物層39及び上部配線43の材料の組合
せ例としては、次の第2表に示すものがある。
【表】 第2表に於いて、上記配線材料は上記以外に
Al、Ni、Cu等を単体あるいは合金として用いる
ことも可能ではあるが、上記の如く多層金属膜と
する方が密着性及び濡れ性の点で有利であり、ま
た製作が容易であり回路としての信頼性が向上す
る。 尚、プラズマエツチングを採用すると第2表以
外に次の第3表の如き組み合わせも可能である。
【表】 第9図は上記実施例の多層配線基板を構成する
各種材料の密着性を示す説明図である。第9図a
は引張強度試験の実験結果であり、縦軸は接着部
の引張強度を単位Kg/mm2で示す。横軸に於けるa1
はAl板とポリアミドイミドフイルムを接着した
試料である。またa2及びa3は従来の多層基板材料
であり、それぞれPd+Auの厚膜とセラミツク上
に印刷焼成した試料及びCuラミネートポリイミ
ドフイルム(Cuとポリイミドを接着した)試料
である。第9図bはピール力を測定した実験結果
であり、縦軸は接着力のピール力を単位Kg/cmで
示す。横軸に於けるb1はAl板とポリアミドイミ
ドフイルムを接着した試料、b2はポリアミドイミ
ドフイルムとポリイミドフイルムを接着した試料
である。またb3は従来の多層基板材料であるCu
ラミネートポリイミドフイルム試料である。 第9図a,bより明らかな如く、本発明に係る
材料は従来の多層基板材料と比較した、優れた密
着性を呈する。 第10図は本発明に係る多層配線材料とポリイ
ミドフイルムとの密着性を示す説明図である。縦
軸は各材料とポリイミドフイルムとの接着部に於
ける引張強度を単位Kg/mm2で示す。横軸に於ける
c1はAl膜+Ni膜の2層金属膜(膜厚1μm)から
成る試料、c2はAl膜+Ni膜+Au膜の3層金属膜
(膜厚1μm)から成る試料、c3はNi膜+Au膜の2
層金属膜(膜厚1μm)から成る試料である。また
c4,c5は従来の多層基板に於ける一般的構成材料
であり、それぞれAlから成る試料及びCuモミネ
ートフイルム試料である。 次に本発明に係る多層配線基板と従来の厚膜多
層配線基板の使用時に於ける相違点を比較して第
4表に示す。
【表】 第4表から明らかな如く、従来の多層配線基板
に於ける絶縁層は膜厚が90μm程度以上必要であ
り、このため、スルーホールコンタクトを確実に
得る必要上、スルーホール径及びピツチの増大を
きたす結果となる。しかしながら本実施例に於け
る絶縁層を膜厚を10μm程度にまで薄くできるの
で、上部配線と下部配線を連結し易くなり、スル
ーホール径を小さく設定しても確実にスルーホー
ルコンタクトを得ることができる。従つてスペー
ス・フアクターの利得を得るとともに配線パター
ンを微細にすることも可能となり、配線回路の高
密度化に寄与する。 以上詳説した如く、本発明は配線導体層をフオ
トエツチング技術等のパターン処理により形成す
るため、より一層の微細配線が可能である。従つ
て、非常に高密度の電子部品実装を行なうことが
できる。また配線パターンを多層化した場合には
各配線とも高絶縁有機物層によりスルーホール部
以外が完全に絶縁されているため、長期に渡つて
安全に高耐圧特性を示す。 更に配線パターンのベースとして、金属板を用
い、直接チツプをこの上に取り付けるため放熱特
性が良好で、大電力チツプの搭載が可能となる。
更に画期的なことは、この金属板、絶縁層有機フ
イルムなどを折り曲げるなどすることによつて、
直接機器の筐体として使用するものであるため、
配線基板と筐体とが一体化でき小型軽量薄型化を
計ることが可能であるとともに付加価値の向上に
寄与する。 その他、一般の薄膜形成基板に比較して、有機
接着シート面のフラツトネスを利用しているの
で、低コストとなる等、種々の優れた効果を奏す
る技術的卓越性の顕著な多層配線基板である。
【図面の簡単な説明】
第1図a,b,c,d,eは従来の多層配線基
板の製造工程図である。第2図は本発明の基調と
なる多層配線基板の構成図である。第3図a,
b,c,d,e,f,gは第2図に示す多層配線
基板の製造工程図である。第4図は本発明の基調
となる他の多層配線基板の構成図である。第5図
a,b,c,d,e,fは第4図に示す多層配線
基板の製造工程図である。第6図は本発明の1実
施例を示す筐体を兼用した多層配線基板の構成図
である。第7図a,b,c,d,e,f,g,
h,iは第6図に示す多層配線基板の製造工程図
である。第8図はポリイミドフイルムに対するヒ
ドラジンのエツチング特性を示す説明図である。
第9図a,bは本発明の多層配線基板を構成する
各種材料の密着性を示す説明図である。第10図
は本発明に係る金属配線材料とポリイミドフイル
ムとの密着性を示す説明図である。 33…金属ベース板、34…チツプ取付部、3
5…高絶縁性接着シート、38…下部配線、39
…高耐圧有機物層、40…スルーホール孔、42
…チツプ取付孔、43…上部配線、44…チツ
プ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属板の一主面上に高絶縁性有機物から成る
    フレキシブル接着シートを略々全面に配し、該接
    着シート上に微細パターンの配線層を接着して前
    記金属板に搭載される半導体チツプと電気的に接
    続することにより、前記金属板で支持された通電
    回路を形成するとともに前記金属板の塑性加工に
    よる筐体成形によつて、筐体の片面に前記通電回
    路を実装したことを特徴とする電子機器。 2 配線層を絶縁層で離間された複数層で構成し
    高密度多層配線とした特許請求の範囲第1項記載
    の電子機器。 3 配線層を、隣接層に対する接着機能を主とし
    て成る金属薄膜と濡れ性を得る機能を主として成
    る金属薄膜との複合積層体で構成した特許請求の
    範囲第1項又は第2項記載の電子機器。
JP2488079A 1980-01-04 1979-02-28 Circuit board and method of fabricating same Granted JPS55117298A (en)

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JPH0744322B2 (ja) * 1989-06-02 1995-05-15 松下電工株式会社 回路基板
JPH07123186B2 (ja) * 1992-09-25 1995-12-25 松下電工株式会社 回路装置

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