JPS6346395B2 - - Google Patents
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- JPS6346395B2 JPS6346395B2 JP58025173A JP2517383A JPS6346395B2 JP S6346395 B2 JPS6346395 B2 JP S6346395B2 JP 58025173 A JP58025173 A JP 58025173A JP 2517383 A JP2517383 A JP 2517383A JP S6346395 B2 JPS6346395 B2 JP S6346395B2
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕
本発明は、いわゆるタンク型に構成された原子
炉の改良に関する。 〔発明の技術的背景〕 原子炉、たとえば高速増殖炉は、一般に、冷却
材として液体金属ナトリウムで代表される液体金
属を用い、かつ軽水炉型原子炉に比較して高い温
度で運転される。このような高速増殖炉にあつて
は、原子炉運転開始時や停止時に、炉主容器、炉
心機材、配管等が熱応力で損傷されるのを防止す
るため、通常、これら構成部材の肉厚を薄くする
方式が採用されている。 しかし、上述のように原子炉構成部材の肉厚を
薄くすることは、たとえば地震等の振動荷重に対
して強度的に弱くなることを免れ得ない。たとえ
ば、液体金属冷却材が通流する一次配管系を薄肉
にすることは安全上問題である。 そこで、このような問題を解決するために、可
能な限り配管類を無くするようにした原子炉、す
なわち、具体的には一次冷却材と二次冷却材とを
熱交換させる一次熱交換器や冷却材循環ポンプを
原子炉主容器内に設置するようにした、いわゆる
タンク型原子炉構造が考えられている。このタン
ク型の原子炉は第1図に示すように、原子炉主容
器1の内に炉心2、冷却材3および図示しない一
次熱交換器、冷却材循環ポンプ等を収容し、上端
開口をいわゆるルーフスラブ4で蓋した構造とな
つている。そして上記原子炉主容器1は、上記ル
ーフスラブ4を支持部材として用い、このルーフ
スラブ4を介して原子炉室5の側壁6に固定され
て原子炉室5内に吊下げられている。 前記炉心2は炉心支持部材7を介して原子炉主
容器1の側壁に環状に形成された厚肉部8に固定
されている。さらに、原子炉主容器1の外側には
この原子炉主容器1を覆うように安全容器9が設
けられている。そしてこの安全容器9の上端開口
も原子炉主容器1と同様にルーフスラブ4に固定
されている。ここで、安全容器9は、原子炉主容
器1に万一異常が生じて冷却材3が原子炉主容器
1外へ漏れた場合でも、冷却材3が原子炉室5内
へ漏れ出ることを防止するとともに、必要最少限
の量の冷却材3を原子炉主容器1の内部に留めて
おく役割をはたし、安全上最も重要な機材の一つ
である。 このようなタンク型原子炉構造を採用すること
によつて、一次熱交換系や冷却材循環系の配管を
無くすることができ、地震に対する安全度を向上
させることができる。 〔背景技術の問題点〕 しかしながら、上述のタンク型原子炉構造を採
用した原子炉であつても地震振動荷重に対して十
分だとは言えない。原子炉主容器1はルーフスラ
ブ4に周辺部で原子炉室5の側壁6で支持され原
子炉室5内に吊下げられているので、この原子炉
を力学モデルに置換えると、上記原子炉の系は、
一端固定支持の片持梁構造と考えることができ
る。したがつて、外部から原子炉主容器1に水平
方向の地震入力が加わつた場合、第2図に示すよ
うな曲げ剪断振動が発生する。この振動の固有振
動数は、原子炉主容器1の曲げ剛性と、炉心2、
冷却材3、一次熱交換器等の内部機材を収容した
原子炉主容器1全体の重量とによつて決まる。タ
ンク型原子炉構造においては、前述の如く熱応力
上の点から原子炉主容器1の側壁を薄くしている
ため上記の曲げ剛性が小さく、さらに内部に一次
熱交換器、ポンプ等が収容されているので原子炉
主容器1全体の重量が重い。したがつて、タンク
型原子炉構造の固有振動数は、一次熱交換器を原
子炉容器の外部に設置したループ型原子炉構造の
場合に比較して低い、実際に計算してみると上記
原子炉主容器1全体の重量は数千トンとなり、第
2図に示す力学モデルの固有振動数は数ヘルツと
なる。この数値は地震における地盤の卓越振動数
にほぼ一致する。したがつて、地震発生時に原子
炉主容器1は共振状態を示し、この原子炉主容器
1のルーフスラブ4との連結部の近傍に大きな曲
げ剪断応力が生じる可能性がある。 上記のような事態を回避するために、原子炉主
容器1に振れ止め装置を取付ることによつて振動
を抑制することが考えられる。しかしながら、原
子炉主容器1に振れ止め装置を取付る場合にあつ
ては次のような問題がある。すなわち、一般にタ
ンク型原子炉にあつては、第1図に示すように原
子炉主容器1は安全容器9にて覆われているの
で、上記振れ止め装置を直接原子炉主容器1と原
子炉室5の壁面との間に設置できず、必ず安全容
器9を介して振動を抑制しなければならない。し
たがつて、十分な振動抑制効果が得られなかつた
り、振れ止め装置が複雑化する問題がある。ま
た、原子炉運転中にあつては、原子炉主容器1と
安全容器9との間に大きな温度差が生じるので、
上記振れ止め装置を上記温度差による原子炉主容
器1と安全容器9との間の熱膨張差を吸収できる
ような構造にしなければならない。したがつて、
振れ止め装置がさらに複雑化するおそれがある。 〔発明の目的〕 本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、タンク型の特徴
を損うことなく、また全体の複雑化を招くことな
しに、地震発生時等における原子炉主容器の振動
を減少させることができ、もつて安全性向上化を
図ることができる原子炉を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明は、炉心を収容する主容器と、この主容
器を取り囲むように配置された安全容器とが、そ
の上端部において原子炉室構成物に固定されてそ
れぞれ吊下げ状態に支持されるとともに上記炉心
が上記主容器の側壁内面から延びるように設けら
れた支持部材によつて支持されてなる原子炉にお
いて、前記主容器の側壁と前記安全容器の側壁と
の間および上記安全容器の側壁と前記原子炉室の
側壁との間で、かつ上記主容器の前記支持部材固
定位置近傍に周方向に亘つて振動緩衝器をそれぞ
れ介在させてなることを特徴としている。 〔発明の効果〕 このような構成であると、地震時に原子炉主容
器が水平方向に振動しようとすると、この原子炉
主容器に発生した振動エネルギは、まず、この原
子炉主容器と安全容器との間に介在する緩衝器を
介して安全容器に伝達される。このとき、上記緩
衝器は振動エネルギを吸収するので、安全容器に
伝達される振動エネルギは減少したものとなる。
次に、安全容器に伝達された振動エネルギは、こ
の安全容器と原子炉室側壁との間に介在する緩衝
器を介して原子炉室の側壁に伝播しようとする
が、今、上記側壁の剛性が非常に高いものとする
と、振動エネルギは上記緩衝器にて吸収される。
したがつて、原子炉主容器に発生した水平方向の
振動エネルギの大部分は上述の緩衝器にて吸収さ
れるので、原子炉主容器が大きく振動することは
ない。その結果、原子炉主容器の上端支持部近傍
に大きな曲げ剪断応力が生じることを防止でき
る。なお、緩衝器にこの緩衝器よりばね定数の小
さいばね等を付加すれば主容器と安全容器の半径
方向の熱膨張差を吸収できるとともに衝突初期の
衝撃力を緩和することができる。 また、特に、上述した緩衝器を前記支持部材の
主容器への固定位置近傍に設けているので、緩衝
器が動作したときの反力で主容器が変形するのを
防止できる。すなわち、炉心は重量が1000トン近
くあり、そのような重量物を支持する炉心支持部
材は、通常、耐震強度上十分剛な構造となつてい
る。また同様な理由により炉心支持部材が接合さ
れる部分の主容器壁も肉厚を厚くして補強されて
いる。したがつて、緩衝器が動作したときの反力
は構造的に剛な炉心支持部材と主容器の補強部で
受けるため、薄肉構造である主容器が反力により
局部的に変形することを避けることができる。 したがつて、簡単な構造の緩衝器を設置するこ
とによつて、従来のタンク型構造の原子炉よりも
さらに安全性を向上させた原子炉を提供できる。 〔発明の実施例〕 第3図は本発明の一実施例に係る原子炉の概略
構成を示す断面図であり、第1図と同一部分は同
一付号で示してある。したがつて重複する部分の
説明は省略する。 この実施例の原子炉においては、原子炉主容器
1の側壁に環状に形成された厚肉部8に対向する
安全容器9の側壁内面に複数の第1の緩衝器11
を周上に分布配置し、さらに安全容器9の側壁の
上記第1の緩衝器11が取付られた部分に対向す
る原子炉室5の側壁部分にそれぞれ凹部12を形
成し、これら各凹部12の底壁面に第2の緩衝器
13を設置している。 前記第1および第2の緩衝器11,13として
は、第4図に示すようにばねを使用した摩擦緩衝
器の一種である同一構成の輪ばね緩衝器が使用さ
れている。このような輪ばね緩衝器は図示するよ
うに、有底の円筒容器14の内部に、内側に傾斜
のある摩擦面を有したリング状の外輪15と外側
に傾斜のある摩擦面を有したリング状の内輪16
とを交互に積層しなる輪ばね17を配置し、この
輪ばね17の端部を蓋する端板18の中央部に設
けられた円形の凹部内にコイルばね19を設けた
ものとなつている。 なお、上記コイルばね19のばね定数は輪ばね
17のばね定数より低く設定されている。さら
に、第1の緩衝器11および第2の緩衝器13の
円筒容器14はそれぞれ安全容器9の側壁内面お
よび凹部12の底壁面にボルト20でそれぞれ固
定されている。そして、通常運転時においては、
各コイルばね19の先端が原子炉主容器1の厚肉
部8の外周面および安全容器9の側壁外周面にそ
れぞれわずかに接触するように設定されている。 このような構成の原子炉にあつて、たとえば地
震発生時のように外部から原子炉主容器1に水平
方向の衝撃入力が加わつた場合、原子炉主容器1
に発生した振動エネルギは、前述したように第1
の緩衝器11および第2の緩衝器13にて吸収さ
れるので、原子炉主容器1が大きく振動すること
はない。その結果、原子炉主容器1のルーフスラ
ブ4との連結部の近傍に大きな曲げ剪断応力が生
じることは防止できる。また、コイルばね19の
先端は原子炉主容器1の厚肉部にわずかに接触し
ているのみであり、上記コイルばね19のばね定
数を小さい値に設定しているので、原子炉主容器
1と安全容器9との間の軸方向および半径方向の
熱膨張差を第1の緩衝器11にて十分に吸収でき
る。 また、特に本実施例の各緩衝器11,13には
輪ばね17よりばね定数の小さいコイルばね19
を設置しているので、このコイルばね19にて振
動発生初期の瞬間的な衝撃力をある程度吸収でき
る。したがつて、前述した振動吸収効果をさらに
向上させることが可能である。 さらに、各緩衝器11,13および原子炉主容
器1の厚肉部8を力の伝達方向に対し同軸的に配
置しているので、各緩衝器11,13が動作した
ときの反力は内周面に炉心支持部材7が固定され
た厚肉部8の外周面にて受けることになる。した
がつて、原子炉主容器1の側壁が局部的に変形す
ることはない。 以上説明したように、本実施例のように原子炉
を構成することによつて、従来の原子炉よりもさ
らに安全性を向上させることができる。 第5図は本発明の他の実施例に係る原子炉の要
部を示す断面図であり、第4図と同一部分は同一
符号で示してある。したがつて重複する部分の説
明は省略する。 この実施例の原子炉においては、第1および第
2の緩衝器21,22として摩擦緩衝器の一種で
ある重ね皿ばね緩衝器を使用している。このよう
な重ね皿ばね緩衝器は第5図に示すように、有底
の円筒容器23の内部に、中心部に孔が形成され
た皿状の皿ばね24を複数枚重ね合せてなる重ね
皿ばね25を配置し、この重ね皿ばね25の端部
を蓋する端板26の外面にスライドパツト27を
貼付たものとなるている。 このように構成された第1および第2の緩衝器
21,22であれば、重ね皿ばね25が第4図に
おける輪ばね17と同様の作用を行い、第3図に
示した実施例と同様な効果を得ることが可能であ
る。 第6図は本発明のさらに別の実施例に係る原子
炉の要部を示す断面図であり、第4図と同一部分
は同一符号で示してある。したがつて重複する部
分の説明は省略する。 この実施例の原子炉においては、第1および第
2の緩衝器31,32として第6図に示すような
オイルダンパ33とこのオイルダンパ33の先端
面に貼付られたスライドパツト34とで構成され
た油圧緩衝器を使用している。このような油圧緩
衝器であつても、第3図の実施例と同様な効果を
得ることができる。 また、緩衝器は防振ゴム製のゴム緩衝器を使用
してもよく、これをタガ状に形成にて容器全周に
連続して設けても良い。さらに異る形式の緩衝器
を状況に応じて組合せても同様な効果が得られ
る。
炉の改良に関する。 〔発明の技術的背景〕 原子炉、たとえば高速増殖炉は、一般に、冷却
材として液体金属ナトリウムで代表される液体金
属を用い、かつ軽水炉型原子炉に比較して高い温
度で運転される。このような高速増殖炉にあつて
は、原子炉運転開始時や停止時に、炉主容器、炉
心機材、配管等が熱応力で損傷されるのを防止す
るため、通常、これら構成部材の肉厚を薄くする
方式が採用されている。 しかし、上述のように原子炉構成部材の肉厚を
薄くすることは、たとえば地震等の振動荷重に対
して強度的に弱くなることを免れ得ない。たとえ
ば、液体金属冷却材が通流する一次配管系を薄肉
にすることは安全上問題である。 そこで、このような問題を解決するために、可
能な限り配管類を無くするようにした原子炉、す
なわち、具体的には一次冷却材と二次冷却材とを
熱交換させる一次熱交換器や冷却材循環ポンプを
原子炉主容器内に設置するようにした、いわゆる
タンク型原子炉構造が考えられている。このタン
ク型の原子炉は第1図に示すように、原子炉主容
器1の内に炉心2、冷却材3および図示しない一
次熱交換器、冷却材循環ポンプ等を収容し、上端
開口をいわゆるルーフスラブ4で蓋した構造とな
つている。そして上記原子炉主容器1は、上記ル
ーフスラブ4を支持部材として用い、このルーフ
スラブ4を介して原子炉室5の側壁6に固定され
て原子炉室5内に吊下げられている。 前記炉心2は炉心支持部材7を介して原子炉主
容器1の側壁に環状に形成された厚肉部8に固定
されている。さらに、原子炉主容器1の外側には
この原子炉主容器1を覆うように安全容器9が設
けられている。そしてこの安全容器9の上端開口
も原子炉主容器1と同様にルーフスラブ4に固定
されている。ここで、安全容器9は、原子炉主容
器1に万一異常が生じて冷却材3が原子炉主容器
1外へ漏れた場合でも、冷却材3が原子炉室5内
へ漏れ出ることを防止するとともに、必要最少限
の量の冷却材3を原子炉主容器1の内部に留めて
おく役割をはたし、安全上最も重要な機材の一つ
である。 このようなタンク型原子炉構造を採用すること
によつて、一次熱交換系や冷却材循環系の配管を
無くすることができ、地震に対する安全度を向上
させることができる。 〔背景技術の問題点〕 しかしながら、上述のタンク型原子炉構造を採
用した原子炉であつても地震振動荷重に対して十
分だとは言えない。原子炉主容器1はルーフスラ
ブ4に周辺部で原子炉室5の側壁6で支持され原
子炉室5内に吊下げられているので、この原子炉
を力学モデルに置換えると、上記原子炉の系は、
一端固定支持の片持梁構造と考えることができ
る。したがつて、外部から原子炉主容器1に水平
方向の地震入力が加わつた場合、第2図に示すよ
うな曲げ剪断振動が発生する。この振動の固有振
動数は、原子炉主容器1の曲げ剛性と、炉心2、
冷却材3、一次熱交換器等の内部機材を収容した
原子炉主容器1全体の重量とによつて決まる。タ
ンク型原子炉構造においては、前述の如く熱応力
上の点から原子炉主容器1の側壁を薄くしている
ため上記の曲げ剛性が小さく、さらに内部に一次
熱交換器、ポンプ等が収容されているので原子炉
主容器1全体の重量が重い。したがつて、タンク
型原子炉構造の固有振動数は、一次熱交換器を原
子炉容器の外部に設置したループ型原子炉構造の
場合に比較して低い、実際に計算してみると上記
原子炉主容器1全体の重量は数千トンとなり、第
2図に示す力学モデルの固有振動数は数ヘルツと
なる。この数値は地震における地盤の卓越振動数
にほぼ一致する。したがつて、地震発生時に原子
炉主容器1は共振状態を示し、この原子炉主容器
1のルーフスラブ4との連結部の近傍に大きな曲
げ剪断応力が生じる可能性がある。 上記のような事態を回避するために、原子炉主
容器1に振れ止め装置を取付ることによつて振動
を抑制することが考えられる。しかしながら、原
子炉主容器1に振れ止め装置を取付る場合にあつ
ては次のような問題がある。すなわち、一般にタ
ンク型原子炉にあつては、第1図に示すように原
子炉主容器1は安全容器9にて覆われているの
で、上記振れ止め装置を直接原子炉主容器1と原
子炉室5の壁面との間に設置できず、必ず安全容
器9を介して振動を抑制しなければならない。し
たがつて、十分な振動抑制効果が得られなかつた
り、振れ止め装置が複雑化する問題がある。ま
た、原子炉運転中にあつては、原子炉主容器1と
安全容器9との間に大きな温度差が生じるので、
上記振れ止め装置を上記温度差による原子炉主容
器1と安全容器9との間の熱膨張差を吸収できる
ような構造にしなければならない。したがつて、
振れ止め装置がさらに複雑化するおそれがある。 〔発明の目的〕 本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、タンク型の特徴
を損うことなく、また全体の複雑化を招くことな
しに、地震発生時等における原子炉主容器の振動
を減少させることができ、もつて安全性向上化を
図ることができる原子炉を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明は、炉心を収容する主容器と、この主容
器を取り囲むように配置された安全容器とが、そ
の上端部において原子炉室構成物に固定されてそ
れぞれ吊下げ状態に支持されるとともに上記炉心
が上記主容器の側壁内面から延びるように設けら
れた支持部材によつて支持されてなる原子炉にお
いて、前記主容器の側壁と前記安全容器の側壁と
の間および上記安全容器の側壁と前記原子炉室の
側壁との間で、かつ上記主容器の前記支持部材固
定位置近傍に周方向に亘つて振動緩衝器をそれぞ
れ介在させてなることを特徴としている。 〔発明の効果〕 このような構成であると、地震時に原子炉主容
器が水平方向に振動しようとすると、この原子炉
主容器に発生した振動エネルギは、まず、この原
子炉主容器と安全容器との間に介在する緩衝器を
介して安全容器に伝達される。このとき、上記緩
衝器は振動エネルギを吸収するので、安全容器に
伝達される振動エネルギは減少したものとなる。
次に、安全容器に伝達された振動エネルギは、こ
の安全容器と原子炉室側壁との間に介在する緩衝
器を介して原子炉室の側壁に伝播しようとする
が、今、上記側壁の剛性が非常に高いものとする
と、振動エネルギは上記緩衝器にて吸収される。
したがつて、原子炉主容器に発生した水平方向の
振動エネルギの大部分は上述の緩衝器にて吸収さ
れるので、原子炉主容器が大きく振動することは
ない。その結果、原子炉主容器の上端支持部近傍
に大きな曲げ剪断応力が生じることを防止でき
る。なお、緩衝器にこの緩衝器よりばね定数の小
さいばね等を付加すれば主容器と安全容器の半径
方向の熱膨張差を吸収できるとともに衝突初期の
衝撃力を緩和することができる。 また、特に、上述した緩衝器を前記支持部材の
主容器への固定位置近傍に設けているので、緩衝
器が動作したときの反力で主容器が変形するのを
防止できる。すなわち、炉心は重量が1000トン近
くあり、そのような重量物を支持する炉心支持部
材は、通常、耐震強度上十分剛な構造となつてい
る。また同様な理由により炉心支持部材が接合さ
れる部分の主容器壁も肉厚を厚くして補強されて
いる。したがつて、緩衝器が動作したときの反力
は構造的に剛な炉心支持部材と主容器の補強部で
受けるため、薄肉構造である主容器が反力により
局部的に変形することを避けることができる。 したがつて、簡単な構造の緩衝器を設置するこ
とによつて、従来のタンク型構造の原子炉よりも
さらに安全性を向上させた原子炉を提供できる。 〔発明の実施例〕 第3図は本発明の一実施例に係る原子炉の概略
構成を示す断面図であり、第1図と同一部分は同
一付号で示してある。したがつて重複する部分の
説明は省略する。 この実施例の原子炉においては、原子炉主容器
1の側壁に環状に形成された厚肉部8に対向する
安全容器9の側壁内面に複数の第1の緩衝器11
を周上に分布配置し、さらに安全容器9の側壁の
上記第1の緩衝器11が取付られた部分に対向す
る原子炉室5の側壁部分にそれぞれ凹部12を形
成し、これら各凹部12の底壁面に第2の緩衝器
13を設置している。 前記第1および第2の緩衝器11,13として
は、第4図に示すようにばねを使用した摩擦緩衝
器の一種である同一構成の輪ばね緩衝器が使用さ
れている。このような輪ばね緩衝器は図示するよ
うに、有底の円筒容器14の内部に、内側に傾斜
のある摩擦面を有したリング状の外輪15と外側
に傾斜のある摩擦面を有したリング状の内輪16
とを交互に積層しなる輪ばね17を配置し、この
輪ばね17の端部を蓋する端板18の中央部に設
けられた円形の凹部内にコイルばね19を設けた
ものとなつている。 なお、上記コイルばね19のばね定数は輪ばね
17のばね定数より低く設定されている。さら
に、第1の緩衝器11および第2の緩衝器13の
円筒容器14はそれぞれ安全容器9の側壁内面お
よび凹部12の底壁面にボルト20でそれぞれ固
定されている。そして、通常運転時においては、
各コイルばね19の先端が原子炉主容器1の厚肉
部8の外周面および安全容器9の側壁外周面にそ
れぞれわずかに接触するように設定されている。 このような構成の原子炉にあつて、たとえば地
震発生時のように外部から原子炉主容器1に水平
方向の衝撃入力が加わつた場合、原子炉主容器1
に発生した振動エネルギは、前述したように第1
の緩衝器11および第2の緩衝器13にて吸収さ
れるので、原子炉主容器1が大きく振動すること
はない。その結果、原子炉主容器1のルーフスラ
ブ4との連結部の近傍に大きな曲げ剪断応力が生
じることは防止できる。また、コイルばね19の
先端は原子炉主容器1の厚肉部にわずかに接触し
ているのみであり、上記コイルばね19のばね定
数を小さい値に設定しているので、原子炉主容器
1と安全容器9との間の軸方向および半径方向の
熱膨張差を第1の緩衝器11にて十分に吸収でき
る。 また、特に本実施例の各緩衝器11,13には
輪ばね17よりばね定数の小さいコイルばね19
を設置しているので、このコイルばね19にて振
動発生初期の瞬間的な衝撃力をある程度吸収でき
る。したがつて、前述した振動吸収効果をさらに
向上させることが可能である。 さらに、各緩衝器11,13および原子炉主容
器1の厚肉部8を力の伝達方向に対し同軸的に配
置しているので、各緩衝器11,13が動作した
ときの反力は内周面に炉心支持部材7が固定され
た厚肉部8の外周面にて受けることになる。した
がつて、原子炉主容器1の側壁が局部的に変形す
ることはない。 以上説明したように、本実施例のように原子炉
を構成することによつて、従来の原子炉よりもさ
らに安全性を向上させることができる。 第5図は本発明の他の実施例に係る原子炉の要
部を示す断面図であり、第4図と同一部分は同一
符号で示してある。したがつて重複する部分の説
明は省略する。 この実施例の原子炉においては、第1および第
2の緩衝器21,22として摩擦緩衝器の一種で
ある重ね皿ばね緩衝器を使用している。このよう
な重ね皿ばね緩衝器は第5図に示すように、有底
の円筒容器23の内部に、中心部に孔が形成され
た皿状の皿ばね24を複数枚重ね合せてなる重ね
皿ばね25を配置し、この重ね皿ばね25の端部
を蓋する端板26の外面にスライドパツト27を
貼付たものとなるている。 このように構成された第1および第2の緩衝器
21,22であれば、重ね皿ばね25が第4図に
おける輪ばね17と同様の作用を行い、第3図に
示した実施例と同様な効果を得ることが可能であ
る。 第6図は本発明のさらに別の実施例に係る原子
炉の要部を示す断面図であり、第4図と同一部分
は同一符号で示してある。したがつて重複する部
分の説明は省略する。 この実施例の原子炉においては、第1および第
2の緩衝器31,32として第6図に示すような
オイルダンパ33とこのオイルダンパ33の先端
面に貼付られたスライドパツト34とで構成され
た油圧緩衝器を使用している。このような油圧緩
衝器であつても、第3図の実施例と同様な効果を
得ることができる。 また、緩衝器は防振ゴム製のゴム緩衝器を使用
してもよく、これをタガ状に形成にて容器全周に
連続して設けても良い。さらに異る形式の緩衝器
を状況に応じて組合せても同様な効果が得られ
る。
第1図は従来のタンク型原子炉の概略構成を示
す断面図、第2図は地震発生時における従来の原
子炉容器の振動モードを説明するための図、第3
図は本発明の一実施例に係る原子炉の概略構成を
示す断面図、第4図は同原子炉の要部を示す断面
図、第5図は本発明の他の実施例に係る原子炉の
要部を示す断面図、第6図は本発明のさらに別の
実施例に係る原子炉の要部を示す断面図である。 1…原子炉主容器、2…炉心、3…冷却材、4
…ルーフスラブ、5…原子炉室、7…炉心支持部
材、8…厚肉部、9…安全容器、11,21,3
1…第1の緩衝器、13,22,32…第2の緩
衝器、14…円筒容器、17…輪ばね、19…コ
イルばね、25…重ね皿ばね、27,34…スラ
イドパツト、33…オイルダンパ。
す断面図、第2図は地震発生時における従来の原
子炉容器の振動モードを説明するための図、第3
図は本発明の一実施例に係る原子炉の概略構成を
示す断面図、第4図は同原子炉の要部を示す断面
図、第5図は本発明の他の実施例に係る原子炉の
要部を示す断面図、第6図は本発明のさらに別の
実施例に係る原子炉の要部を示す断面図である。 1…原子炉主容器、2…炉心、3…冷却材、4
…ルーフスラブ、5…原子炉室、7…炉心支持部
材、8…厚肉部、9…安全容器、11,21,3
1…第1の緩衝器、13,22,32…第2の緩
衝器、14…円筒容器、17…輪ばね、19…コ
イルばね、25…重ね皿ばね、27,34…スラ
イドパツト、33…オイルダンパ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 炉心を収容する主容器と、この主容器を取り
囲むように配置された安全容器とが、その上端部
において原子炉室構成物に固定されてそれぞれ吊
下げ状態に支持されるとともに上記炉心が上記主
容器の側壁内面から延びるように設けられた支持
部材によつて支持されてなる原子炉において、前
記主容器の側壁と前記安全容器の側壁との間およ
び上記安全容器の側壁と前記原子炉室の側壁との
間で、かつ上記主容器の前記支持部材固定位置近
傍に周方向に亘つて振動緩衝器をそれぞれ介在さ
せてなることを特徴とする原子炉。 2 前記振動緩衝器は、ばねを使用した複数の摩
擦緩衝器であることを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の原子炉。 3 前記振動緩衝器は油圧緩衝器であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の原子炉。 4 前記振動緩衝器はゴム緩衝器であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の原子炉。 5 前記振動緩衝器は、ばね定数の異る複数の振
動緩衝機構を有するものであることを特徴とする
特許請求の範囲第1項記載の原子炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58025173A JPS59150377A (ja) | 1983-02-17 | 1983-02-17 | 原子炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58025173A JPS59150377A (ja) | 1983-02-17 | 1983-02-17 | 原子炉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59150377A JPS59150377A (ja) | 1984-08-28 |
JPS6346395B2 true JPS6346395B2 (ja) | 1988-09-14 |
Family
ID=12158610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58025173A Granted JPS59150377A (ja) | 1983-02-17 | 1983-02-17 | 原子炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59150377A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107293337A (zh) * | 2016-03-31 | 2017-10-24 | 华北电力大学 | 一种用于铅铋快堆双层反应堆容器的弹性支撑结构 |
-
1983
- 1983-02-17 JP JP58025173A patent/JPS59150377A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59150377A (ja) | 1984-08-28 |
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