JPH08114687A - 原子炉容器内のナトリウム液面振動抑制方法及び装置 - Google Patents
原子炉容器内のナトリウム液面振動抑制方法及び装置Info
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- JPH08114687A JPH08114687A JP6253194A JP25319494A JPH08114687A JP H08114687 A JPH08114687 A JP H08114687A JP 6253194 A JP6253194 A JP 6253194A JP 25319494 A JP25319494 A JP 25319494A JP H08114687 A JPH08114687 A JP H08114687A
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- sodium
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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Abstract
(57)【要約】
【構成】主容器内ナトリウム液と炉内機器内ナトリウム
液の地震時のスロッシングの卓越固有振動数を一致さ
せ、主容器内ナトリウム液と炉上部機構内ナトリウム液
を連成振動させ、炉上部内ナトリウム液にダイナミック
ダンパの働きを持たせて振動エネルギーを吸収させ、主
容器内の液面振動を抑制しようとするものである。 【効果】本発明によれば、原子炉容器内ナトリウム液の
スロッシングによる液面振動を抑制する効果がある。こ
の結果、ディッププレートを設置しなくても高温のナト
リウム液が低温のルーフデッキに衝突することを回避す
ることができ、原子炉容器の構造健全性を高める効果が
ある。
液の地震時のスロッシングの卓越固有振動数を一致さ
せ、主容器内ナトリウム液と炉上部機構内ナトリウム液
を連成振動させ、炉上部内ナトリウム液にダイナミック
ダンパの働きを持たせて振動エネルギーを吸収させ、主
容器内の液面振動を抑制しようとするものである。 【効果】本発明によれば、原子炉容器内ナトリウム液の
スロッシングによる液面振動を抑制する効果がある。こ
の結果、ディッププレートを設置しなくても高温のナト
リウム液が低温のルーフデッキに衝突することを回避す
ることができ、原子炉容器の構造健全性を高める効果が
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速増殖炉に係わり、特
に原子炉容器内のナトリウム液の地震時のスロッシング
挙動によるナトリウム液面振動を抑制する技術事項に関
するものである。
に原子炉容器内のナトリウム液の地震時のスロッシング
挙動によるナトリウム液面振動を抑制する技術事項に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】地震の多い日本においては、原子力設備
の耐震設計を慎重に行う必要がある。特に高温の冷却材
ナトリウムを冷却材として用い、冷却材ナトリウムの自
由液面を持つ高速増殖炉の原子炉容器においては、地震
時の液面揺動、すなわち、スロッシング挙動によるナト
リウム液面振動が構造物に及ぼす影響を考慮する必要が
ある。
の耐震設計を慎重に行う必要がある。特に高温の冷却材
ナトリウムを冷却材として用い、冷却材ナトリウムの自
由液面を持つ高速増殖炉の原子炉容器においては、地震
時の液面揺動、すなわち、スロッシング挙動によるナト
リウム液面振動が構造物に及ぼす影響を考慮する必要が
ある。
【0003】従来のタンク型高速増殖炉の原子炉構造を
図2に示す。
図2に示す。
【0004】図2において、ルーフデッキ2から懸垂支
持された原子炉容器1の内部には冷却材ナトリウム液7
が内包され、ルーフデッキ2から炉内機器である中間熱
交換器3,1次系ポンプ4,炉心支持構造物5,炉心上
部機構6が懸垂支持されて冷却材ナトリウム液7中に浸
漬されている。
持された原子炉容器1の内部には冷却材ナトリウム液7
が内包され、ルーフデッキ2から炉内機器である中間熱
交換器3,1次系ポンプ4,炉心支持構造物5,炉心上
部機構6が懸垂支持されて冷却材ナトリウム液7中に浸
漬されている。
【0005】原子炉容器1内には、冷却材ナトリウム液
7に浸漬して原子炉の炉心8が配備され、炉内配管9で
1次系ポンプ4と接続されている。
7に浸漬して原子炉の炉心8が配備され、炉内配管9で
1次系ポンプ4と接続されている。
【0006】地震時には、水平方向の地震動により、冷
却材ナトリウム液7が水平方向に力を受けるため、地震
動の方向に冷却材ナトリウム液7が振動し、その結果、
図3に示すような液面揺動が生じる。
却材ナトリウム液7が水平方向に力を受けるため、地震
動の方向に冷却材ナトリウム液7が振動し、その結果、
図3に示すような液面揺動が生じる。
【0007】ルーフデッキ2は、炉心上部機構,中間熱
交換器,1次ポンプ等を支持・搭載するため、またルー
フデッキ2上面に人が立ち入るため、常温に保つ必要が
あり、ルーフデッキ2の下面は強制冷却している。
交換器,1次ポンプ等を支持・搭載するため、またルー
フデッキ2上面に人が立ち入るため、常温に保つ必要が
あり、ルーフデッキ2の下面は強制冷却している。
【0008】これに高温のナトリウムがスロッシングに
より衝突するとルーフデッキ2に熱応力が発生する可能
性がある。
より衝突するとルーフデッキ2に熱応力が発生する可能
性がある。
【0009】また、ルーフデッキ2下面にはルーフデッ
キ2を低温に保つために熱遮蔽板12が設置されている
が、スロッシングによりナトリウムが熱遮蔽板に衝突す
ると熱遮蔽板の変形などをもたらす可能性がある。
キ2を低温に保つために熱遮蔽板12が設置されている
が、スロッシングによりナトリウムが熱遮蔽板に衝突す
ると熱遮蔽板の変形などをもたらす可能性がある。
【0010】そこで地震時のスロッシング挙動によるナ
トリウム液面10の振動を抑制する機構としては、ナト
リウム液面10の直下にディッププレート11をルーフ
デッキ2から吊り下げて設置することにより、ナトリウ
ム液面10での鉛直方向振動を抑える構造が考えられて
いる。
トリウム液面10の振動を抑制する機構としては、ナト
リウム液面10の直下にディッププレート11をルーフ
デッキ2から吊り下げて設置することにより、ナトリウ
ム液面10での鉛直方向振動を抑える構造が考えられて
いる。
【0011】図4に機器構成の異なるループ型高速増殖
炉の原子炉容器を示す。ループ型高速増殖炉の原子炉容
器は、タンク型高速増殖炉の中間熱交換器と1次ポンプ
が無い代わりに出入口配管21,22,崩壊熱除去系熱
交換器(以下、DHXと呼ぶ。ただし、図中には出入口
配管位置と重なるため図示せず)23が図5の如くほぼ
同一ピッチサークル上で炉内に設けられている。
炉の原子炉容器を示す。ループ型高速増殖炉の原子炉容
器は、タンク型高速増殖炉の中間熱交換器と1次ポンプ
が無い代わりに出入口配管21,22,崩壊熱除去系熱
交換器(以下、DHXと呼ぶ。ただし、図中には出入口
配管位置と重なるため図示せず)23が図5の如くほぼ
同一ピッチサークル上で炉内に設けられている。
【0012】ループ型高速増殖炉の原子炉容器において
も地震時のスロッシング対策として、タンク型高速増殖
炉の原子炉容器と同様にディッププレート11によるナ
トリウム液面の揺動抑制を考えている。
も地震時のスロッシング対策として、タンク型高速増殖
炉の原子炉容器と同様にディッププレート11によるナ
トリウム液面の揺動抑制を考えている。
【0013】他の従来例として、炉内機器側面に開口を
設けた例としては、仏国のFBR実証炉スーパーフェニ
ックス炉の炉心上部機構が唯一あげられる。その構造
は、NERSA社によるスーパーフェニックス炉のパン
フレット「The Creys-Malville Power Plant」1987年版
の52ページの写真に示されており、これによれば、炉
心上部機構の側面には多数の小口径の開口が設けられて
いる。
設けた例としては、仏国のFBR実証炉スーパーフェニ
ックス炉の炉心上部機構が唯一あげられる。その構造
は、NERSA社によるスーパーフェニックス炉のパン
フレット「The Creys-Malville Power Plant」1987年版
の52ページの写真に示されており、これによれば、炉
心上部機構の側面には多数の小口径の開口が設けられて
いる。
【0014】しかしながら、この開口は、炉心から出て
きたナトリウムが炉心上部機構に導入され、それがプレ
ナム内に出て行くための開口であり、炉心上部機構内で
スロッシングを発生させこの開口を通して原子炉容器内
のナトリウムと連成させる意図はない。
きたナトリウムが炉心上部機構に導入され、それがプレ
ナム内に出て行くための開口であり、炉心上部機構内で
スロッシングを発生させこの開口を通して原子炉容器内
のナトリウムと連成させる意図はない。
【0015】これは、スロッシング時のナトリウム液の
流れを考えると図8に示すよう、深いところ程横向き流
れが強いという分布を示すのに対し、スーパーフェニッ
クス炉の炉心上部機構の開口を見ると下部には開口が設
けられておらず、横向き流れの小さい上部しか開口がな
く、スロッシング時のナトリウム液の流入,流出を期待
していないことからもわかる。
流れを考えると図8に示すよう、深いところ程横向き流
れが強いという分布を示すのに対し、スーパーフェニッ
クス炉の炉心上部機構の開口を見ると下部には開口が設
けられておらず、横向き流れの小さい上部しか開口がな
く、スロッシング時のナトリウム液の流入,流出を期待
していないことからもわかる。
【0016】また、炉心上部機構外周に開口を有する底
付き円筒を設けスロシングの連成を狙った構造としてい
る訳ではなく、本発明と構造も異なる。
付き円筒を設けスロシングの連成を狙った構造としてい
る訳ではなく、本発明と構造も異なる。
【0017】同様な、公知例が、特開昭63−313093号公
報に開示されている。
報に開示されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】高速増殖炉の原子炉容
器の内径は十数メートルあり、これをカバーするディッ
ププレート11は薄肉ではあるが面積が大きいため、そ
の重量は小さくない。
器の内径は十数メートルあり、これをカバーするディッ
ププレート11は薄肉ではあるが面積が大きいため、そ
の重量は小さくない。
【0019】しかもタンク型高速増殖炉の原子炉構造に
おいて原子炉容器1内部には炉上部機構6の他に中間熱
交換器3,1次ポンプ4等が設置され、またループ型原
子炉構造ではDHX及び冷却系配管が設置される。
おいて原子炉容器1内部には炉上部機構6の他に中間熱
交換器3,1次ポンプ4等が設置され、またループ型原
子炉構造ではDHX及び冷却系配管が設置される。
【0020】これらがディッププレート11を貫通する
ため、ディッププレート11は例えばループ型原子炉構
造では図5に示すように非常に複雑な形状となる。
ため、ディッププレート11は例えばループ型原子炉構
造では図5に示すように非常に複雑な形状となる。
【0021】タンク型原子炉構造の場合も同様に複雑に
なる。また、ディッププレート11は高温のナトリウム
液中に浸かっており、一方、これを支持する構造はディ
ッププレート11の熱膨張を吸収できるようにスライド
が可能な構造になっていなければならない。
なる。また、ディッププレート11は高温のナトリウム
液中に浸かっており、一方、これを支持する構造はディ
ッププレート11の熱膨張を吸収できるようにスライド
が可能な構造になっていなければならない。
【0022】従って、ディッププレート11を設計する
際には、スライドする構造の製作精度の課題,据え付け
性の課題,熱膨張による周辺機器への影響を詳細検討す
る必要がある。
際には、スライドする構造の製作精度の課題,据え付け
性の課題,熱膨張による周辺機器への影響を詳細検討す
る必要がある。
【0023】さらにディッププレート11は複雑な形状
をしているため、その設計及び加工に要する設計時間及
び加工時間が大きく、ディッププレート11を用いる必
要がなければ、経済的効果も大きい。
をしているため、その設計及び加工に要する設計時間及
び加工時間が大きく、ディッププレート11を用いる必
要がなければ、経済的効果も大きい。
【0024】本発明の目的は、ディッププレートを用い
ること無く、地震時のスロッシングによる原子炉容器内
のナトリウム液面揺動を抑制する方法と装置とを提供す
ることにある。
ること無く、地震時のスロッシングによる原子炉容器内
のナトリウム液面揺動を抑制する方法と装置とを提供す
ることにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的は、原子炉容器
内のナトリウム液と炉内機器周辺のナトリウム液の卓越
固有振動数を一致させて両ナトリウム液を連成振動させ
て炉内機器周辺のナトリウム液に防振器の働きを持たせ
て振動エネルギーを吸収させ、原子炉容器内のナトリウ
ム液面揺動を抑制する方法乃至は、炉内機器周辺のナト
リウム液に防振器の働きをダイナミックダンパで達成す
る構造を備えた装置によって達成している。
内のナトリウム液と炉内機器周辺のナトリウム液の卓越
固有振動数を一致させて両ナトリウム液を連成振動させ
て炉内機器周辺のナトリウム液に防振器の働きを持たせ
て振動エネルギーを吸収させ、原子炉容器内のナトリウ
ム液面揺動を抑制する方法乃至は、炉内機器周辺のナト
リウム液に防振器の働きをダイナミックダンパで達成す
る構造を備えた装置によって達成している。
【0026】
【作用】以下、原子炉容器内ナトリウム液の液面揺動を
抑制する原理について説明する。地震時の振動エネルギ
ーはルーフデッキ2を介して吊り下げられた原子炉容器
1に伝達され、次に原子炉容器1に内蔵される冷却材ナ
トリウム液7に伝達される。この振動エネルギーによっ
て、冷却材ナトリウム液7が原子炉容器1内で揺動する
スロッシング現象が生じる。
抑制する原理について説明する。地震時の振動エネルギ
ーはルーフデッキ2を介して吊り下げられた原子炉容器
1に伝達され、次に原子炉容器1に内蔵される冷却材ナ
トリウム液7に伝達される。この振動エネルギーによっ
て、冷却材ナトリウム液7が原子炉容器1内で揺動する
スロッシング現象が生じる。
【0027】その卓越振動数は、振幅が最大となる1次
モードであり、この1次モードの固有振動を選択的に抑
制すれば、液面振動を大きく低減する効果が期待でき
る。
モードであり、この1次モードの固有振動を選択的に抑
制すれば、液面振動を大きく低減する効果が期待でき
る。
【0028】図6は、本発明の原理となるダイナミック
ダンパであるFrahm 型防振器である。質量Mの質点52
はバネ定数Kのバネ51にて支持され、質量mの質点5
4をバネ定数kのバネ53を介して支持している。質点
52に外力が正弦的に負荷された際に、質点52とバネ
51で構成される系Bの固有振動数と質点54とバネ5
3で構成される系Aの固有振動数が一致していれば、外
力による振動エネルギーを系Aが吸収して、系Bの質点
52が制止することが知られている。
ダンパであるFrahm 型防振器である。質量Mの質点52
はバネ定数Kのバネ51にて支持され、質量mの質点5
4をバネ定数kのバネ53を介して支持している。質点
52に外力が正弦的に負荷された際に、質点52とバネ
51で構成される系Bの固有振動数と質点54とバネ5
3で構成される系Aの固有振動数が一致していれば、外
力による振動エネルギーを系Aが吸収して、系Bの質点
52が制止することが知られている。
【0029】ダイナミックダンパの原理を以下の式によ
り示す。
り示す。
【0030】使用している記号は、図6に示すものと共
通である。
通である。
【0031】質点52と質点54の固有振動数が一致す
るとき、質点52の振動は抑制される。
るとき、質点52の振動は抑制される。
【0032】
【数1】
【0033】ナトリウム液を内蔵する容器内におけるス
ロッシングの固有振動数は容器の径とナトリウム液の深
さにより決定することができるので、適切な設計によっ
て炉内機器内のナトリウム液のスロッシングの固有振動
数を主容器内のナトリウム液のスロッシングの固有振動
数と合致させることが可能である。そこで原子炉容器内
のナトリウム液のスロッシングの1次固有振動数と炉内
機器内のナトリウム液のスロッシングの1次固有振動数
を一致させることとする。そのために、図1に示すよ
う、1次配管及びDHXの外周に底を付けた円筒70を
設置し、その側面にナトリウム液流入窓71を設け、原
子炉容器内部のナトリウム液と配管外周の円筒70内の
ナトリウム液を連成振動させることとする。
ロッシングの固有振動数は容器の径とナトリウム液の深
さにより決定することができるので、適切な設計によっ
て炉内機器内のナトリウム液のスロッシングの固有振動
数を主容器内のナトリウム液のスロッシングの固有振動
数と合致させることが可能である。そこで原子炉容器内
のナトリウム液のスロッシングの1次固有振動数と炉内
機器内のナトリウム液のスロッシングの1次固有振動数
を一致させることとする。そのために、図1に示すよ
う、1次配管及びDHXの外周に底を付けた円筒70を
設置し、その側面にナトリウム液流入窓71を設け、原
子炉容器内部のナトリウム液と配管外周の円筒70内の
ナトリウム液を連成振動させることとする。
【0034】いま、スロッシングによる原子炉容器内の
液面は図7のように外側にゆく程変動が大きくなる。し
たがって、配管外周の円筒に設けられた開口の内外に圧
力差が発生する。
液面は図7のように外側にゆく程変動が大きくなる。し
たがって、配管外周の円筒に設けられた開口の内外に圧
力差が発生する。
【0035】この圧力差により自動的にナトリウム液は
開口を通って流動することとなり、原子炉容器内のナト
リウム液と円筒内のナトリウム液が連成することにな
る。
開口を通って流動することとなり、原子炉容器内のナト
リウム液と円筒内のナトリウム液が連成することにな
る。
【0036】この時、Frahm型防振器の振動系と原子炉
容器内のナトリウム液の振動系において質点52とバネ
51で形成される振動系が原子炉容器内ナトリウム液の
スロッシングの振動系に対応し、質点54とバネ53で
形成される振動系が配管外周の円筒内のナトリウム液の
スロッシングの振動系に対応する。
容器内のナトリウム液の振動系において質点52とバネ
51で形成される振動系が原子炉容器内ナトリウム液の
スロッシングの振動系に対応し、質点54とバネ53で
形成される振動系が配管外周の円筒内のナトリウム液の
スロッシングの振動系に対応する。
【0037】配管外周の円筒の側面に開口を設け、ナト
リウム液が流動し連成することが、Frahm 型防振器で系
Aと系Bが連成している現象と対応する。
リウム液が流動し連成することが、Frahm 型防振器で系
Aと系Bが連成している現象と対応する。
【0038】こうして、固有振動数を等価とした原子炉
容器及び炉内機器に内蔵されるナトリウム液がFrahm 型
防振器の作用を持ち、原子炉容器に内蔵される冷却材ナ
トリウム液の振動エネルギーを吸収して、原子炉容器の
液面振動を抑制することが可能となる。
容器及び炉内機器に内蔵されるナトリウム液がFrahm 型
防振器の作用を持ち、原子炉容器に内蔵される冷却材ナ
トリウム液の振動エネルギーを吸収して、原子炉容器の
液面振動を抑制することが可能となる。
【0039】
【実施例】図1は、本発明の一実施例に係わる原子炉容
器の概略構成を示す断面図であり、図2と同一部分は同
一符号で示してある。
器の概略構成を示す断面図であり、図2と同一部分は同
一符号で示してある。
【0040】この図1の原子炉容器において、炉内機器
である配管及びDHX外周の円筒70の側壁には原子炉
容器が内蔵する冷却材ナトリウム液7を円筒70内に流
入可能とする複数のナトリウム液流入窓71を設けるも
のとする。図1ではDHXの断面が示されていないの
で、図9にDHXと配管を通る断面で切断した原子炉構
造縦断面を示す。
である配管及びDHX外周の円筒70の側壁には原子炉
容器が内蔵する冷却材ナトリウム液7を円筒70内に流
入可能とする複数のナトリウム液流入窓71を設けるも
のとする。図1ではDHXの断面が示されていないの
で、図9にDHXと配管を通る断面で切断した原子炉構
造縦断面を示す。
【0041】この円筒70内のナトリウム液のスロッシ
ングの固有振動数を決定する因子は、円筒70の内径r
とナトリウム液面10からナトリウム液流入窓71まで
の距離hである。
ングの固有振動数を決定する因子は、円筒70の内径r
とナトリウム液面10からナトリウム液流入窓71まで
の距離hである。
【0042】円筒70内のスロッシングの固有振動数及
び原子炉容器内のナトリウム液のスロッシングの固有振
動数は以下の式で表される。
び原子炉容器内のナトリウム液のスロッシングの固有振
動数は以下の式で表される。
【0043】ポテンシャル理論によれば、単純円筒容器
内流体の1次固有周波数ωは以下に示す式により、表す
ことができる。
内流体の1次固有周波数ωは以下に示す式により、表す
ことができる。
【0044】以下の式からわかるように、主容器内のナ
トリウム液のスロッシングと炉上部機構内のナトリウム
液のスロッシングの固有振動数は、それぞれの容器半径
(R,r)とナトリウム液深さ(H,h)の関係より決
定するため、両者の固有振動数を合致させることは比較
的容易である。
トリウム液のスロッシングと炉上部機構内のナトリウム
液のスロッシングの固有振動数は、それぞれの容器半径
(R,r)とナトリウム液深さ(H,h)の関係より決
定するため、両者の固有振動数を合致させることは比較
的容易である。
【0045】
【数2】
【0046】従って、容器半径ナトリウム液深さの両パ
ラメータを適切に選択することで原子炉容器1内のナト
リウム液のスロッシングの固有振動数と円筒70内のナ
トリウム液のスロッシングの固有振動数を等価にするこ
とが可能である。
ラメータを適切に選択することで原子炉容器1内のナト
リウム液のスロッシングの固有振動数と円筒70内のナ
トリウム液のスロッシングの固有振動数を等価にするこ
とが可能である。
【0047】例えば、原子炉容器の半径を5m,ナトリ
ウム液深さを5mとすると、スロッシングの固有振動数
は約0.3Hzであり、円筒70の半径を1.25m,ナ
トリウム液深さを約0.2m とすると固有振動数はほぼ
一致する。
ウム液深さを5mとすると、スロッシングの固有振動数
は約0.3Hzであり、円筒70の半径を1.25m,ナ
トリウム液深さを約0.2m とすると固有振動数はほぼ
一致する。
【0048】上記構成による原子炉容器においては、円
筒70内部のナトリウム液がFrahm型防振器としての役
割を果たし、原子炉容器1に内蔵される冷却材ナトリウ
ム液7の地震時のスロッシングによるナトリウム液面揺
動を抑制する効果がある。
筒70内部のナトリウム液がFrahm型防振器としての役
割を果たし、原子炉容器1に内蔵される冷却材ナトリウ
ム液7の地震時のスロッシングによるナトリウム液面揺
動を抑制する効果がある。
【0049】このように、円筒70はダイナミックダン
パの機能を発揮してナトリウム液液面揺動を抑制する。
パの機能を発揮してナトリウム液液面揺動を抑制する。
【0050】円筒70は、ナトリウム液面のスロッシン
グ時の高低差が大きい原子炉容器内壁面に近接した配置
にて装備されることが、ナトリウム液面のスロッシング
時の高低差が小さい原子炉容器中心部よりも、効果的で
ある。
グ時の高低差が大きい原子炉容器内壁面に近接した配置
にて装備されることが、ナトリウム液面のスロッシング
時の高低差が小さい原子炉容器中心部よりも、効果的で
ある。
【0051】また、タンク型炉における実施例を図10
に示す。
に示す。
【0052】タンク型炉においては、中間熱交換器,ポ
ンプ及び崩壊熱除去を熱交換器の外周に、底を有し側面
に開口のある円筒を設置することにより、上述のループ
型炉におけるものと同等の効果が得られる。
ンプ及び崩壊熱除去を熱交換器の外周に、底を有し側面
に開口のある円筒を設置することにより、上述のループ
型炉におけるものと同等の効果が得られる。
【0053】円筒の直径及び深さについては、以下のよ
うに設定すればよい。
うに設定すればよい。
【0054】ループ型炉では、円筒直径を原子炉内の炉
内機器の配置条件から最大でも、原子炉容器直径1/4
程度にしかできない。
内機器の配置条件から最大でも、原子炉容器直径1/4
程度にしかできない。
【0055】この時、円筒深さを0.2m とする前述の
ように原子炉容器内のスロッシングと円筒内のスロッシ
ングの固有振動数は、ほぼ一致する。
ように原子炉容器内のスロッシングと円筒内のスロッシ
ングの固有振動数は、ほぼ一致する。
【0056】また、円筒深さを深くすると固有振動数は
高くなる傾向にあるが、深さ5mでも約0.6Hzと原
子炉容器内スロッシングの固有振動数に近く、これらを
連成させることができる。
高くなる傾向にあるが、深さ5mでも約0.6Hzと原
子炉容器内スロッシングの固有振動数に近く、これらを
連成させることができる。
【0057】また、より小さい円筒直径に対しては、円
筒深さを浅くすることにより固有振動数を一致させるこ
とができ、例えば円筒直径1mで深さ0.1m のとき円
筒内スロッシングの固有振動数を、原子炉内スロッシン
グの固有振動数に一致させることができる。
筒深さを浅くすることにより固有振動数を一致させるこ
とができ、例えば円筒直径1mで深さ0.1m のとき円
筒内スロッシングの固有振動数を、原子炉内スロッシン
グの固有振動数に一致させることができる。
【0058】一方、タンク型炉でも同様に円筒直径と円
筒深さを設定することができ、結果的に円筒直径は炉内
構造の直径より大きく、原子炉配管から原子炉容器径の
1/4まで、また深さは0.1m 〜5mで本発明の効果
が期待できる。
筒深さを設定することができ、結果的に円筒直径は炉内
構造の直径より大きく、原子炉配管から原子炉容器径の
1/4まで、また深さは0.1m 〜5mで本発明の効果
が期待できる。
【0059】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の方法乃
至は装置を採用すれば、原子炉容器内ナトリウム液のス
ロッシングによる液面振動をディッププレートを設置し
なくても抑制する作用が得られ、この結果、原子炉容器
の構造健全性を高める効果がある。
至は装置を採用すれば、原子炉容器内ナトリウム液のス
ロッシングによる液面振動をディッププレートを設置し
なくても抑制する作用が得られ、この結果、原子炉容器
の構造健全性を高める効果がある。
【図1】本発明の実施例によるタンク型高速増殖炉の原
子炉容器縦断面図である。
子炉容器縦断面図である。
【図2】従来のタンク型高速増殖炉の原子炉容器の縦断
面図である。
面図である。
【図3】従来のタンク型高速増殖炉の原子炉容器のナト
リウム液面揺動の状況を表示した原子炉容器縦断面図で
ある。
リウム液面揺動の状況を表示した原子炉容器縦断面図で
ある。
【図4】従来のループ型高速増殖炉の原子炉容器の縦断
面図である。
面図である。
【図5】図4の原子炉容器の平断面によるディッププレ
ートの構造を表わした図である。
ートの構造を表わした図である。
【図6】ダイナミックダンパの原理説明図である。
【図7】本発明における原子炉容器内で地震時のスロッ
シングを起こした場合のナトリウム液の流れを示した原
子炉容器要部縦断面図である。
シングを起こした場合のナトリウム液の流れを示した原
子炉容器要部縦断面図である。
【図8】従来例であり、スーパーフェニックス炉での地
震時のスロッシングを起こした場合のナトリウム液の動
きを併記した原子炉容器の縦断面図である。
震時のスロッシングを起こした場合のナトリウム液の動
きを併記した原子炉容器の縦断面図である。
【図9】本発明をループ型炉に採用した場合の原子炉容
器の縦断面図である。
器の縦断面図である。
【図10】本発明をタンク型炉に採用した場合の原子炉
容器の縦断面図である。
容器の縦断面図である。
【符号の説明】 1…原子炉容器、2…ルーフデッキ、3…中間熱交換
器、4…1次系ポンプ、5…炉心支持構造物、6…炉心
上部機構、7…冷却材ナトリウム液、8…炉心、11…
ディッププレート、13…冷却系配管、70…炉内構造
に設置した開口付き円筒、71…ナトリウム液流入窓。
器、4…1次系ポンプ、5…炉心支持構造物、6…炉心
上部機構、7…冷却材ナトリウム液、8…炉心、11…
ディッププレート、13…冷却系配管、70…炉内構造
に設置した開口付き円筒、71…ナトリウム液流入窓。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池内 壽昭 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内
Claims (6)
- 【請求項1】ナトリウム液を内包した原子炉容器内に吊
り下げられた炉内機器の周辺のナトリウム液と周辺外の
ナトリウム液とを連成させて振動させる方法において、
前記原子炉容器内の前記ナトリウム液と前記炉内機器内
のナトリウム液とのスロッシングの卓越固有振動数を一
致させて前記原子炉容器内及び前記炉内機器内の前記ナ
トリウム液を連成させて、前記原子炉容器内の前記スロ
ッシングによるナトリウム液面振動を抑制することを特
徴とする原子炉容器内のナトリウム液面振動抑制方法。 - 【請求項2】請求項1において、前記炉内機器は、前記
原子炉容器の中心部から外れて前記原子炉容器内壁面に
近接して配置されている機器であることを特徴とする原
子炉容器内のナトリウム液面振動抑制方法。 - 【請求項3】ナトリウム液を内包する原子炉容器と、前
記原子炉容器内に吊り下げられて前記ナトリウム液中に
浸漬されている炉内機器とを備えている原子炉構造にお
いて、前記炉内機器の周辺のナトリウム液を囲う配置で
前記炉内機器の周囲に配備されており前記ナトリウム液
のスロッシングの卓越固有振動数が筒内外において一致
乃至は近接する底を有する筒と、前記筒内外の冷却材ナ
トリウム液を連成させる前記筒の側面に装備された開口
とを備えたことを特徴とする原子炉容器内のナトリウム
液面振動抑制装置。 - 【請求項4】請求項3において、前記炉内機器は、前記
原子炉容器の中心部から外れて前記原子炉容器内壁面に
近接して配置されている機器であることを特徴とする原
子炉容器内のナトリウム液面振動抑制装置。 - 【請求項5】請求項4において、前記筒は、円筒であ
り、前記円筒の直径が炉内機器の直径より大きく、原子
炉容器の直径の1/4以下であり、深さが0.1m から
5mであり、前記円筒の内外の冷却材ナトリウムを連成
させることにより、原子炉容器内のスロッシングによる
ナトリウム液面振動を抑制することを特徴とする原子炉
容器内のナトリウム液面振動抑制装置。 - 【請求項6】ナトリウム液を内包する原子炉容器と、前
記原子炉容器内に吊り下げられて前記ナトリウム液中に
浸漬されている炉内機器とを備えている原子炉構造にお
いて、前記原子炉容器の中心部から外れて前記原子炉容
器内壁面に近接してダイナミックダンパが前記ナトリウ
ム液中に浸漬して配置されていることを特徴とする原子
炉容器内のナトリウム液面振動抑制装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6253194A JPH08114687A (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | 原子炉容器内のナトリウム液面振動抑制方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6253194A JPH08114687A (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | 原子炉容器内のナトリウム液面振動抑制方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08114687A true JPH08114687A (ja) | 1996-05-07 |
Family
ID=17247866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6253194A Pending JPH08114687A (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | 原子炉容器内のナトリウム液面振動抑制方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08114687A (ja) |
-
1994
- 1994-10-19 JP JP6253194A patent/JPH08114687A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |