JPS6346164B2 - - Google Patents

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JPS6346164B2
JPS6346164B2 JP5673382A JP5673382A JPS6346164B2 JP S6346164 B2 JPS6346164 B2 JP S6346164B2 JP 5673382 A JP5673382 A JP 5673382A JP 5673382 A JP5673382 A JP 5673382A JP S6346164 B2 JPS6346164 B2 JP S6346164B2
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spinneret
fiber
wire mesh
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wire
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Shingo Emi
Susumu Norota
Tadashi Imoto
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱可塑性重合体から繊維集束体を得る
新規な方法、紡糸口金及び成型装置に関する。更
に詳細に述べれば金属線材を用いた金網からなる
紡糸口金から該熱可塑性重合体の融液を押し出
し、かつ特異な繊維集束体を得る新規な方法、紡
糸口金及び成型装置に関する。
従来、熱可塑性重合体から繊維状物を製造する
方法は数多く知られているが、製造原理から見て
大別するとオリフイス成形タイプと、後述する相
分離成形タイプとに分けることができる。前者
は、紡糸口金に一定の間隔であけられた均一で定
形の管状孔(すなわちオリフイス)から重合体を
吐出させて、ドラフトしながら冷却固化させて繊
維状物を得る方法である。かかる方法によればオ
リフイスの幾何学形状に基づいた均一で且つ一定
の繊維断面形状を有する繊維が得られる。
一方後者の相分離成形タイプは、例えば米国特
許第3954928号、同第3227664号明細書、ヴアン・
エー・ベンテ著「Industrial and Engneering
Chemistry Vol.48、No.8 1342頁(1956)」に記
載されているような方法であつて、溶融した重合
体中に混合分散された不活性ガスの爆発力、重合
体の溶融体乃至溶液を高温高速のジエツト流もし
くはフラツシユ流による手段またはその他の相分
離手段によつて円形ノズルもしくはスリツト状ノ
ズルから溶融体乃至溶液を微細な重合体相が形成
されるように相分離させつつ繊維状物を得る方法
である。
かかる方法によれば大量に網状化された不織布
状の繊維集合対が得られるが、この繊維集合体を
形成している繊維は、それぞれその断面の形状お
よび大きさが異なつていて、均一でない点に特徴
を有している。
これら従来技術による繊維状物の製造は、いず
れも工業的に実施され、大量に繊維状物を市場に
提供する役割を果しているが、繊維素材としての
適性および生産性から見た場合、それぞれ問題点
を有しており、これら問題点が改良されれば尚一
層優れた新しいタイプの繊維素材を提供出来るば
かりでなく、より安価な価格で繊維素材を提供す
ることが可能となる。
本発明者らの一部は、このような問題を解決し
得る繊維状物の製造法として下記の方法を既に提
案した(特願昭55−38993号明細書又は特開昭56
−140110号公報参照)。
この方法は熱可塑性重合体の溶融液を多数の細
隙を有する紡糸口金から押出してフイラメント状
繊維集束体を製造するに当つて、紡糸口金の該溶
融液の吐出側の隣接する細隙間に非連続的凸起部
(山)が設けられており、該凸起部(山)間に存
在する細隙または凹部区域(谷)を通じて或る細
隙から押出される該溶融液がそれに隣接する他の
細隙から押出される溶融液と互いに往来し得るよ
うな紡糸口金から該溶融液を押出し、この際紡糸
口金の該溶融液の吐出面およびその近傍に冷却流
体を供給して冷却しながら該細隙を通じて押出さ
れる溶融液を引取つて該溶融液を多数の分離され
た繊維状細流に変換し、固化することを特徴とす
るフイラメント状繊維集束体の製造法である。
本発明者らは、本発明者らを含む者らが先に提
案した上記方法を更に改良して、あらゆる繊維形
成性重合体から広い範囲の繊度にわたつて安定し
て種々の断面形状を有する繊維集束体を一層生産
性高く且つ一層エネルギー効率良く製造すること
のできる方法を開発すべく研究をすすめ本発明に
到達した。
すなわち本発明の目的は、紡糸口金を改良する
ことによつてあらゆる繊維形成性重合体から広い
繊度にわたつて、種々の断面形状を有する繊維集
束体を安定に、生産性高く且つエネルギー効率良
く製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、紡糸口金の吐出面及びそ
の近傍に冷却流体を供給して該吐出面近傍を冷却
しながら紡糸する際の冷却効率を向上せしめて繊
維集束体をより安定に製造する方法、それに使用
する新規な紡糸口金、及び成型装置を提供するこ
とにある。
本発明の更に他の目的は、紡糸口金の構造を改
良することにより種々の異形断面形状を有する繊
維集束体を生産性高く、エネルギー効率良く且つ
容易に製造することのできる方法、それに使用す
る新規な紡糸口金及び成型装置を提供することに
ある。
本発明の更に他の目的および利点は以下の説明
から明らかとなろう。
本発明者らは、少なくとも一方向に線径の異な
る2種以上の金属線材を用いた金網からなる新規
な紡糸口金を用いることによつて、上記の如き目
的が達成されることを見い出し本発明に到達し
た。
すなわち、本発明は、繊維形成性重合体の溶融
液を紡糸口金から押出して繊維集束体を製造する
方法であつて、少なくとも1方向に線径の異なる
2種以上の金属線材を用いた金網から構成された
紡糸口金から該溶融液を押出し、該紡糸口金の吐
出面及びその近傍に冷却流体を供給して該紡糸口
金の吐出側表面近傍を冷却しながら該押出しを行
ない、かくして該金網により該溶融液を安定して
細流に変換し、そして該細流を引取り、固化する
ことを特徴とする繊維集束体の製造方法;少なく
とも1方向に線径の異なる2種以上の金属線材を
用いた金網から構成された紡糸口金;及び(a)金網
から構成された紡糸口金、(b)該紡糸口金に繊維形
成性重合体を供給するための該紡糸口金を備えた
ダイ、(c)該紡糸口金の吐出側表面近傍を冷却する
ための冷却手段、及び(d)該紡糸口金から押出され
た繊維形成性重合体の細流を引取るための引取り
手段からなる、繊維集束体を製造するための成形
装置であつて、該金網が少なくとも1方向に線径
の異なる2種以上の金属線材を用いたものである
ことを特徴とする繊維集束体の成型装置である。
次に本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明における新規な紡糸口金とは、少なくと
も1方向に線径の異なる2種以上の金属線材を用
いた金網から構成された紡糸口金である。
該紡糸口金は、下記式 α=Va−Vf/Va×100 〔ここで、αは紡糸口金における多数の細隙の占
める空隙率(%)であり、Vaは紡糸口金の金網
部の単位面積下で占める見掛け上の全体積であ
り、Vfは紡糸口金の金網部の単位面積下におけ
る、細隙を取り囲む仕切り部材の占める全体積で
ある。〕 で表わされる空隙率が約5%以上、好ましくは10
%以上、特に好ましくは20〜90%の範囲にあるも
のである。
すなわち本発明における該紡糸口金を構成する
金網は、添付図面の図−2及び図−4に例示され
た如く、その少なくとも1方向に線径の異なる2
種以上の金属線材が用いられているものである。
ここで云う線径の異なる2種以上の金属線材と
は、そのうちの最も太い金属線材の線径
(Dmax)が0.15〜2mmφ、好ましくは0.17〜1mm
φの範囲にあるものであり、その他の金属線材は
その線径がDmaxよりも小さいもので通常用いら
れるすべてのものを意味する。
該金網において、2方向共に線径の異なる2種
以上の金属線材が用いられてもよいが、この場合
には、2方向共同じ種類の線径を有する金属線材
の組み合わせでもよく、あるいは異なる種類の組
み合わせでもよい。但し、該金網において1方向
にのみ線径の異なる2種以上の金属線材を用いる
だけで本発明の目的は達成でき、その場合の他の
方向に用いられる金属線材は前記Dmaxよりも小
さい線径であつて通常用いられるいかなる金属線
材でもよい。
さらに本発明の該紡糸口金を構成する金網にお
けるこれらの金属線材の配列としては、そのピツ
チが5〜200メツシユ、好ましくは50〜150メツシ
ユ、特に好ましくは70〜100メツシユの範囲にあ
るものが望ましい。ここでメツシユとは1インチ
当りの線材の数を意味する。また前記した様に1
方向に線径の異なる2種以上の金属線材が用いら
れた場合の該線材の配列としては、不規則であつ
てもよいが、好ましくは規則的であることが望ま
しく、特に最大線径(Dmax)の金属線材は実質
的に等間隔にセツトされ、その他のDmaxよりも
小さい線径の金属線材が最大線径を有する金属線
材の間に1〜10本、好ましくは1〜5本を規則的
又は不規則にセツトされたものが本発明に適す
る。さらに前記した様に1方向に同一線径の金属
線材が用いられた場合の該線材の配列は、不規則
でもよいが、実質的に等間隔にセツトされている
方が好ましい。
本発面の該紡糸口金を構成する金網の材質とし
ては、例えば、白金、金、銀、銅、チタン、バナ
ジウム、タングステン、イリジウム、モリブデ
ン、パラジウム、鉄、ニツケル、クローム、コバ
ルト、鉛、亜鉛、ビスマス、スズ、アルミニウム
の如き金属単体;ステンレススチール、ニクロ
ム、タンタル、しんちゆう、りん青銅、ジユラル
ミンの如き合金;黒鉛の如き非金属導体を挙げる
ことができる。また、該金網としては、上記素材
にクロムメツキなどのメツキ処理をしたもの、あ
るいは、金網の形態にした後一部焼結処理したも
のも用いることができる。
また本発明の該紡糸口金を構成する金網の織り
方としては通常行なわれるいかなるものでもよ
く、例えば平織、あや織、ロングクリンプ織、モ
ノプレン織、平畳織、あや畳織等があげられる。
なお、本発明における該紡糸口金は、その紡糸
性能に悪影響を与えない限りにおいて吐出面と反
対側に金属板、金属棒、金属フレーム等の補強材
と合わせて使用することもできる。
次に本発明における繊維集束体の製造方法につ
いてさらに詳細に説明する。
本発明における該製造方法は、前記した如く少
なくとも一方向に線径の異なる2種以上の金属線
材を用いた金網から構成された紡糸口金から繊維
形成重合体の溶融液を押出し、該紡糸口金の吐出
面及びその近傍に冷却流体を供給して該紡糸口金
の吐出側表面近傍を冷却しながら該押出しを行な
い、かくして該金網により該溶融液を安定して細
流に変換し、そして該細流を引取り、固化するこ
とを特徴とするものである。
該製造方法において、繊維形成性重合体を溶融
状態にせしめるための加熱方法としては、種々の
方法を用いることが出来るが、特に該紡糸口金を
構成している金網にジユール熱を発生させながら
加熱する方法が本発明に適している。
紡糸口金の仕切り部材にジユール熱を発生せし
めるためには、後に詳述する図−1に図解されて
いるように紡糸口金に直接通電せしめるかあるい
は紡糸口金の内側ダイ内にコイルを設置しコイル
に通電して紡糸口金に過電流を生ぜしめる等の操
作を行なえばよい。その際、電流は直接通電の場
合には直流または交流のいずれでもよいが、渦電
流の場合には交流である。
本発明方法によれば、紡糸装置としての構造が
簡単であることから紡糸口金に直接通電せしめる
方法が有利に採用される。
紡糸口金には、通常0.1〜数百アンペアの電流
が直接通じられるかまたは0.1〜数10ボルト/cm
の電解が渦電流を発生せしめるために印加され、
好ましくは紡糸口金の1cm2当り約0.5〜約5000ワ
ツトの量でエネルギーが与えられる。
該金網に通電によりジユール熱を発生せしめる
場合の導電性口金と押出し機を絶縁する際の絶縁
材は、口金をどの温度まで昇温するかによつてき
まつている。200℃以下で使用する場合はシリコ
ーン樹脂、フエノール樹脂等で充分であり、300
℃以下で使用する場合はフツ素樹脂、芳香族ポリ
イミド、芳香族ポリアミド、ポリフエニレンサル
フアイド、ポリアリレート等を使用することが出
来、1000℃付近までは一般のセラミツク板とシリ
カ、アルミナ、ジルコニア等の無機接着剤の組合
せ等が使用出来る。
本発明における繊維集束体の製造方法におい
て、紡糸する方向が従来と同じ下向きであつても
よいが、紡糸口金の吐出面の法線ベクトルが重力
とは逆の方向となるように上方に向け、該吐出面
から押出された溶融液の細流を重力に抗して引取
る云わゆる上方紡糸を行なう方が、一層安定して
細流を引取り紡糸しつづけることができるので好
ましい。
すなわち該上方紡糸法は、メツシユ状紡糸口金
の吐出面を、該吐出面の法線ベクトルが重力
(G→)と全く逆のベクトル(−G→)と方向が完全
に一致するかまたはずれても数度程度の範囲とな
るように上方に向けて、実施するのが望ましい。
また、該上方紡糸においての吐出面から押出さ
れた細流の引取り方向は、吐出面の法線ベクトル
方向または法線方向から最大約30度までずれた角
度の方向とすることができる。
さらに本発明における該製造方法では、紡糸口
金の吐出側表面近傍を冷却流体で冷却する際に
は、本発明の最大の特徴である前記の如き少なく
とも1方向に線径の異なる2種以上の金属線材を
用いた金網から構成された紡糸口金の該金属線材
の長手方向と平行な方向に、前記冷均流体を供給
する方が、本発明の目的及び効果が有利に達成で
きる。
本発明の該製造方法において、繊維形成性重合
体の溶融液の吐出量は、前記紡糸口金の1cm2当り
約0.1〜約20g/minとすることができる。
本発明によれば、下記の如き曳糸性の良好な繊
維形成性重合体はもちろん曳糸性が充分でない繊
維形成性重合体からも繊維集束体を製造すること
ができる。
(i) ポリオレフイン系またはポリビニル系重合
体; 例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリア
クリル酸エステル或はこれらの相互共重合体。
(ii) ポリアミド; 例えばポリε−カプロラクタム、ポリヘキサ
メチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセパ
カミドの如き脂肪族ポリアミド。
(iii) ポリエステル; 例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、ジフエニルジカルボン酸、ナフタリンジカ
ルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン
酸、セバチン酸、デカンジカルボン酸などの脂
肪族ジカルボン酸;またはヘキサヒドロテレフ
タル酸の如き脂環族ジカルボン酸を二塩基酸成
分とし、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリメチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、デカメチレングリコール、ジ
エチレングリコール、2,2−ジメチルプロパ
ンジオールの如き脂肪族グリコール、シクロヘ
キサンジメタノールの如き脂環式グリコール、
キシリレングリコールの如き芳香脂肪族グリコ
ール、レゾルシノール、ハイドロキノンの如き
芳香族ジヒドロキシ化合物をグリコール成分と
するポリエステルまたは全芳香族ポリエステ
ル。
これらのポリエステルまたは全芳香族ポリエ
ステルは例えばp−オキシ安息香酸の如きオキ
シカルボン酸の成分を含有することもできる。
上記二塩基酸成分またはグリコール成分はいず
れも1種または2種以上で上記ポリエステルま
たは全芳香族ポリエステルに含有され得る。
特に好ましい例としてはポリエチレンテレフ
タレート、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリトリメチレンテレフタレート、米国特
許許第3763109号、同3023192号、同3651014号
および同3766146号に記載されているポリエス
テルエラストマー、あるいは米国特許第
3036990号、同第3036991号および同3637595号
等に記載されている全芳香族ポリエステル。
本発明によれば、成形温度が極めて高い全芳
香族ポリエステルから実質的に熱分解せしめる
ことなく、安定して繊維集束体を製造すること
ができる。
(iv) その他のポリマー; 前記した(i)〜(iii)のポリマー以外に、ポリエー
テルスルホン、ポリフエニレンサルフアイド、
各種ビスフエノールを使用したポリカーボネー
ト;ポリアセタール;各種ポリウレタン;ポリ
四弗化エチレン、ポリ三弗化塩化エチレン、ポ
リ二弗化ビニリデン、ポリ四弗化エチレン−六
弗化プロピレン共重合体、ポリ四弗化エチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体、ポリ四弗化エチレン−エチレン共重合体、
ポリ四弗化エチレン−プロピレン共重合体、ポ
リ弗化ビニルもしくはポリ三弗化塩化エチレン
−エチレン共重合体の如き弗素含有重合体等。
本発明によれば、上記の如き弗素含有重合体
を、実質的に分解せしめることなく、繊維集束
体に変換することができる。
前述した繊維形成性重合体は、単独であつても
よく、また2種以上の緊密なミクロブレンド混合
物であつてもよく、また、本発明者らの一部が先
に提案した、2種以上の重合体が比較的大きな溶
融相を成して混合しているようなマクロブレンド
混合物として使用することもできる(特願昭55−
103067号明細書参照)。更に重合体は可塑性や溶
融粘度を増大させるために可塑剤、粘度増加剤な
どを含有していてもよい。また前記重合体中に
は、通常繊維の添加剤として使用される光安定
剤、顔料、熱安定剤、難燃剤、滑剤、艷消剤等が
含有されていてもよい。
更に重合体は必ずしも線状重合体に限らず、繊
維形成性を少なくとも一時的に呈する、一部に架
橋された3次元的構造を有する重合体であつても
よい。
一方、本発明の繊維集合体を製造する場合に、
溶融重合体中に、可溶性の液体媒体を一部含有せ
しめておくこともでき、また不活性ガス乃呈ガス
発生剤を添加させてもよい。殊に揮発性の液体媒
体、不活性ガス乃至ガス発生剤を添加して本発明
の製造法を実施すると、口金表面で液体媒体また
はガスが爆発的に発泡し、より細分化した繊維断
面構造を有する繊維集合体を形成せしめることが
できる。この場合のガスとしては窒素、炭酸ガ
ス、アルゴン、ヘリウムなどが好ましい。
次に本発明における繊維集束体の成型装置につ
いて詳述する。
本発明の該成型装置は、前記した様に(a)少なく
とも1方向に線径の異なる2種以上の金属線材を
用いた金網から構成された紡糸口金、(b)該紡糸口
金に繊維形成性重合体を供給するための該紡糸口
金を備えたダイ、(c)該紡糸口金の吐出側表面近傍
を冷却するための冷却手段、及び(d)該紡糸口金か
ら押出された繊維形成性重合体の細流を引取るた
めの引取り手段からなるものである。
図−1はその成型装置の概略図を模式的に示し
たものであつて、説明を簡単にするために成型工
程に大きな影響を与えない他の装置や部品が省略
されていることが理解されるべきである。なお図
−1は、重力方向と反対の方向に向つて、紡糸口
金から繊維集束体を形成させる態様を示したもの
であるが、本発明方法はこの態様に限定されるも
のでないことは言うまでもない。
図−1において、繊維形成性重合体はホツパー
1に貯蔵され、そこからルーダー2へ供給され
る。このルーダー2にて溶融された重合体はギア
ポンプによつて定量的に押出ダイ3へ送り込まれ
る。
ダイ3には、図面には示されていないがその中
の重合体が溶融状態を維持し且つ所望の温度に加
熱されるために一般にはヒーターが備えられてい
る。7はダイ3の上部に設けられた紡糸口金を示
し、この紡糸口金7の溶融重合体の吐出面は、重
力と反対の方向へ向けられている。この紡糸口金
7の吐出面を構成しているメツシユ状口金には銅
板5を介して通電できるようになつている。ここ
で通電はメツシユ状口金の両端に、電源から取り
入れられた電気をトランス9およびスライダツク
4によつて電圧および電流を調整して接続するこ
とによつて、行なわれる。
メツシユ状紡糸口金から吐出された細分化され
た溶融重合体は、その吐出面近傍へ、冷却流体の
供給装置6を通じて供給された冷却流体(例えば
空気)により冷却され、固化して繊維集束体とな
つて引取りローラー8により引取られる。この冷
却流体の供給装置6はメツシユ状紡糸口金7の溶
融重合体の吐出表面およびその近傍に向つて細分
化された溶融重合体が急速に固化するように、冷
却流体が速度を持つて全体に均一に供給されるた
めのものである。このため冷却流体の供給装置6
は、ノズルもしくはスリツトを有したものが適当
である。この冷却流体は溶融重合体の吐出面から
の凝固長〔P(S)〕が2cm以下となるようにその
速度および方向を定めるのが好ましい。この凝固
長〔P(S)〕とは、紡糸口金の溶融重合体の吐出
表面から溶融重合体が繊維となつて固化するまで
の距離を意味する。また、この冷却流体は前記の
如く、該紡糸口金を構成する線経の異なる2種以
上の金属線材の長手方向と平向な方向に供給され
るのが好ましい。
かくして本発明方法によれば第5図から明らか
なように、細長い帯状を成して繊維集合体を上方
に向けて形成させることができ、その帯状のまま
次の工程、例えば延伸工程、更には燃処理工程、
捲縮工程、裁断工程(短繊維化工程)、開繊工程、
ウエツブ化工程などの工程へ導くことが可能であ
る。更に第5図全体として極めてコンパクトで且
つ簡単な装置によつて多量の繊維集合体を製造し
得ることは容易に理解できよう。
次に本発明によつて得られる繊維集束体の特徴
について説明する。
本発明方法によつて得られた繊維集合体および
それを構成する個々のフイラメントは、従来知ら
れた繊維の製造法によつて得られたそれらと大き
く異なつている。
まず本発明の繊維集束体を構成するフイラメン
トは、後述する実施例における図−3、図−5に
例示される如く断面が非円形である特徴がある。
すなわち該フイラメントの断面は、極端に非円形
であつてK型、H型、X型、I型又は釣鐘型等の
種々の形態を有するものである。この様な繊維の
断面形状は、該紡糸口金を構成する金網の形態、
紡糸時のドラフト等の設定により種々変えること
ができる。
さらにもう1つの特徴は、断面が非円形であつ
て、該フイラメントの長さ方向に沿つて不規則な
周期的に断面積の不規則な大きさの変化を有し且
つそれに伴つて断面形状の変化をも有しているこ
とである。
このフイラメント断面の形状の非円形の程度
は、外接2平行線の最大間隔(D)と、その外装
2平行線の最小間隔(d)との比(D/d)とし
て表わされる異形係数で示すことができる。本発
明のフイラメントはこの異形係数(D/d)が少
なくとも1.1であり、殆どが少なくとも1.2であ
る。
D/dの測定法は特願昭55−38993号明細書
(第13図)に示してある。
更に、本発明のフイラメントは、上記の異形係
数(D/d)が該フイラメントの長さ方向に沿つ
て変化しているという特徴がある。
以上の如き特徴を有するフイラメント状繊維は
形態的に例えば絹の如き天然繊維に類似する特性
を有する。
これらの特徴は本発明法による繊維集合体につ
いても付随されるものであるが、該繊維集合体は
更に次の特徴を有する。
すなわち任意の位置でフイラメント軸に直角方
向に該集束体を切断した場合の各フイラメントの
断面積の変動が、集束体内フイラメント断面積変
動係数〔CV(A)〕で表わして0.1〜1.5の範囲で
あり、特にCV(A)が0.2〜1の範囲のものが好
適である。
このCV(A)は、上記集束体から無作意に100
本の部分集束体を抽出し、その任意の位置におけ
る断面を顕微鏡観察によりその各断面の大きさを
測定し、その平均値()と、その100個の断面
積の標準偏差(σA)を求めて、下記式 CV()=σA/A から算出することができる。
また本発明によつて得られる繊維集束体の平均
繊度()は0.01〜10000deの範囲にある。
該平均繊度()に関しては、0.05〜100deの
範囲、殊に0.1〜10deの範囲において、前記した
少なくとも1方向に線径の異なる2種以上の金属
線材を用いた金網から構成された紡糸口金を用い
た効果の1つである、前記冷却流体による冷却効
果がより有効に発揮される。
ここで言う繊維集束体内の平均繊度(平均デニ
ール、)は、該集束体から無作意に100本の部
分集束体を10個抽出し(簡便に行なう場合は3個
であつてもよい。3個抽出した場合も10個抽出し
た場合と殆ど変りはない)、それぞれの部分集束
体の繊維軸方向の1ケ所を無作意に選んでその直
角方向に切断し、その断面を顕微鏡写真にて撮影
して約2000倍に拡大した写真から個々の繊維断面
部分を切り取り、それぞれ重量測定した合計をそ
の断面写真の線数で割つて平均し、その値〔m
(A)〕をデニール(de)換算した値である。
以上説明した如く本発明は、あらゆる繊維形成
性重合体から広い範囲の繊度にわたつて、種々の
断面形状を有する繊維集束体を安定して、生産性
高く、且つエネルギー効率良く製造する方法を提
供するものである。
すなわち本発明の紡糸口金を使用することによ
つて、紡糸時における前記冷却流体による冷却効
果が極めて良好となり、非常に安定した紡糸が可
能となる。
特に平均繊度の小さい繊維集束体を得ようとす
る場合に、該紡糸口金を使用する効果が顕著に発
現される。
さらに前記の如く本発明によれば、断面形状が
非円形で、長さ方向に沿つて不規則な変化を有す
る断面形状の、例えば天然繊維に類似した特性を
有する繊維集束体が得られる。特に、K型、H
型、X型、I型又は釣鐘型等の特殊な断面形状を
有する繊維集束体が容易に得られることは本発明
の大きな特徴である。
以下実施例を掲げて本発明を詳述するが、本発
明はこれら実施例に何ら限定を受けるものではな
い。
実施例 1 図−2に示す如く線径が0.173mmφと0.102mmφ
のステンレススチール線材を縦方向(線材の長手
方向が冷却風に平行となる方向を縦方向と称す
る)において100メツシユ間隔に交互に織りこみ
横方向(縦方向に対し直角な方向を横方向と称す
る)に0.102mmφの線径のステンレススチール線
材を用いて平織に織つた金網を紡糸口金として用
いて以下の紡糸を行なつた。すなわち内径20mmφ
のエクストルーダーに固有粘度0.7のポリエチレ
ンテレフタレートを定量供給し、280〜310℃の温
度範囲で溶融混練し、毎分11gで該溶融重合体を
ダイ(図−1)に送り、成形面積が5cm2の長方形
の上記紡糸口金から該溶融液を吐出させ、細化、
冷却、固化せしめて10m/minなる速度で引き取
ることによりフイラメント状繊維集束体が安定し
て得られた。尚この際口金部分には60A、2Vの
電流を通電させ、ジユール熱を発生させた。この
様にして得られた繊維集束体の平均単糸デニール
は5deであり、CV(A)は0.16であつた。得られ
た繊維の断面写真を図−3に示す。
実施例 2 図−4に示す如く縦方向に線径が0.173mmφス
テンレススチール線材を30メツシユ間隔に並べそ
の間に線径0.102mmφの線材を2本入れ、横方向
に線径0.102mmφの線材を100メツシユ間隔に入れ
て平織に織つた金網を口金に用いる以外全て実施
例1と同様の操作により紡糸を行なつた。その結
果平均単糸デニールが1.8de、CV(A)が0.22な
るフイラメント状繊維集束体が安定して得られ
た。
得られた繊維の断面写真を図−5に示す。
【図面の簡単な説明】
図−1は本発明における繊維集束体の成型装置
の1例の全体図であり、1はホツパー、2はエク
ストルーダー、3は押出ダイ、4はスライダツ
ク、5は通電用銅板、6は冷却ノズル、7は紡糸
口金、8は引取りローラー、9はトランスを示し
ている。 図−2、図−4は本発明の紡糸口金を構成する
金網の顕微鏡写真を例示したものであり、図−3
及び図−5は各々図−2、図−4に示された金網
を用いて得られた繊維集束体の顕微鏡写真撮影に
よる断面図写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 繊維形成性重合体の溶融液を紡糸口金から押
    出して繊維集束体を製造する方法であつて、少な
    くとも1方向に線径の異なる2種以上の金属線材
    を用いた金網から構成された紡糸口金から該溶融
    液を押出し、該紡糸口金の吐出面及びその近傍に
    冷却流体を供給して該紡糸口金の吐出側表面近傍
    を冷却しながら該押出しを行ない、かくして該金
    網により該溶融液を安定して細流に変換し、そし
    て該細流を引取り、固化することを特徴とする繊
    維集束体の製造方法。 2 該金網が約5%以上の空隙率(α)を有する
    第1項記載の方法。 3 該金網に通電によりジユール熱を発生せしめ
    る第1項又は第2項記載の方法。 4 該紡糸口金の吐出面を該吐出面の法線ベクト
    ルが重力とは逆の方向になるように上方に向け、
    該吐出面から押出された細流を重力に抗して引取
    る第1〜3項のいずれかの記載による方法。 5 少なくとも1方向に線径の異なる2種以上の
    金属線材を用いた金網から構成された紡糸口金。 6 (a)金網から構成された紡糸口金、(b)該紡糸口
    金に繊維形成性重合体を供給するための該紡糸口
    金を備えたダイ、(c)該紡糸口金の吐出側表面近傍
    を冷却するための冷却手段、及び(b)該紡糸口金か
    ら押出された繊維形成性重合体の細流を引取るた
    めの引取り手段からなる、繊維集束体を製造する
    ための成形装置であつて、該金網が少なくとも1
    方向に線径の異なる2種以上の金属線材を用いた
    ものであることを特徴とする繊維集束体の成型装
    置。
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