JPS6345211Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は果物、特に中心部に１個の大きな核
があり、熟して肉質が柔らかになり皮質を手やナ
イフで剥いて食する、例えば桃やすもも、マンゴ
ー等用の新規な果物用ナイフに関するものであ
る。

〔従来の技術〕

桃、特に水密桃や白桃は熟すると肉質が柔かに
なり水分が多く、皮を手できれいに剥き取ること
ができる。

このような桃を家庭内で食する場合は桃を片手
に持ち、他方の手で皮を剥いてそのままかぶりつ
くが、肉汁が滴るのでナプキンで受ける必要があ
り手も汚れ、又核からの繊維質が歯に挾まる。

したがつてこのような桃を来客に出す場合は、
皮を剥き、肉質を核から外すように、ナイフで小
片に切り取つて皿に盛るが、桃の感じは著しく薄
れてしまう。

上記の不都合はすももやマンゴーも同じであ
る。

そこでこの考案は、核と皮付き肉質は下端部で
連結されているが、核が中央部に起立し肉質が例
えば４個の花弁のように開いた状態になし得る果
物用ナイフを提供するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案は握
柄の先端にスプーン状部と、前記スプーン状部の
背面において幅方向中央部に握柄の軸線方向に向
いて起立する刃板部をそなえ、刃板部は底辺に対
し頂辺が後側では高く先側に至るに従い低くなり
且つ先側では前記スプーン状部の先端に一致して
交差消失し、刃板部の頂辺並びにスプーン状部の
先側から左右側縁部分を刃部とした果物用ナイフ
としたものである。

〔作用〕

この果物用ナイフはスプーン状部を、起立位の
果物の核の周囲に添うように背側に刃板部を外向
きにして果物に上方から刺入し、次いで対称側か
らも刺入したのち左右の対称側にも刺入すること
で、核と皮付き肉質は、下端部では連結している
が核が中央部に起立し肉質が４個の花弁のように
開いた状態となり、皿に載せておくことで花弁状
に分割した切り身を１個ずつ簡単にちぎり得る。

〔実施例〕

第１図は本考案に係る果物用ナイフの一例を示
し、このナイフ１は握柄２の先端にスプーン状部
３をそなえ、スプーン状部３の背面側に、第２図
第３図に示すように背びれ形状の刃板部４をそな
えている。

刃板部４は底辺５に対し頂辺６が後側では高く
先側に至るに従い低くなる弧状膨出の湾曲として
あり且つ先側ではスプーン状部３の先端に一致し
て交差消失している。刃板部は図示形状のほかし
やちの背びれのように尖つたものとすることもで
きる。

刃板部４の頂辺先側大部分及びスプーン状部３
の先側両側縁部分は刃部７，８にしてある。

図示の刃部７，８は危険防止のために鋸歯形に
してある。

第６図は果物用ナイフの他例を示し、このナイ
フ１ａは第９図に示すように、洗浄や格納に便利
なように刃板部４ａをスプーン状部３ａに着脱自
在にしてある。

刃板部４ａの着脱自在構造は、スプーン状部３
ａに刃板部４ａの厚み及び底辺長さに等しいスリ
ツト９を先端側では開放して設け、刃板部４ａの
底辺にはこれに直角の向きの薄い縁状板片１０を
そなえると共に後端側には刃板部４ａの根元部に
底辺に沿う深い切込み１１を施してこの切込み部
でスプーン状部３ａの厚み部を挾持するようにし
てあり、又スプーン状部に設けたスリツト９の後
端寄りには刃板部４ａの後側根元部を噛み込む凸
部１２を対向して設けてある。

又このナイフ１ａは、握柄２ａを広幅にして安
定した握り方ができるようにしてあり、且つ握柄
の後端を背面側に斜めに屈曲して拇指の掌面受部
１４としてあつて果物切り操作時の押し下げが容
易にできるようにしてある。

第１０図は果物用ナイフの更に他例を示し、こ
のナイフ１ｂは刃板部４ｂを握柄２ｂの先端に一
体に形成してあり、スプーン状部３ｂは先側1/2
の大きさのものとしてこれを刃板部４ｂの底辺に
おいて先側に取付けたものである。

この果物ナイフで水密桃や白桃、すもも、マン
ゴーのように中心部に核（たね）があり熟すると
肉質が柔らかになり水分が多く、つぶれ易い果物
を食べ易いように調理するには、第４図に示すよ
うに果物１５を卓上に起立位に置き、果物ナイフ
におけるスプーン状部３を、窪み面が核１６に添
うようにして核の周側１箇所に向け上から刺入す
る。次に同様にして核１６の対称側に施し、更に
残る２面に順次施すことで第５図のように、核１
６と肉質１７はスプーン状部３で切り離し、肉質
１７は刃板部４で４葉に切り離すと共に下端では
核と肉質が連結されていて開いた花の形状を呈
し、これを皿に載せて出すことにより、食する人
はその切り割り１つをちぎり取り片方の手で持
ち、他方の手で皮質を剥いて食するが、皮質も簡
単容易に剥くことができる。

〔効果〕

この考案の果物用ナイフとすることにより、以
下に述べるような効果がある。

(1) このナイフを使用することにより、中心部に
１個の大きな核があり肉質が柔かく且つ水分が
多くて型崩れし易い果実も、きわめて容易に核
を外し肉質を複数個に切ることができて中心に
核が起立しその周囲に皮付きの肉質が、開いた
花のように分割状態で下端で一部連結した姿に
することができ、その肉質１つを取つて皮質を
剥いても型崩れがなく、肉質から水分も殆ど垂
れなくておいしく食することができる。

(2) スプーン状部及び刃板部の何れか一方を、何
れか他方に対し着脱自在の構造としたことによ
り、ナイフ洗浄の際にその何れかを外すこと
で、危険なく安全に洗浄できると共に、食器棚
に格納する際も整頓よく収納できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る果物用ナイフの一例の正
面図、第２図は同上要部の一部切欠拡大側面図、
第３図は同背面側からの斜視図、第４図は同上の
使用態様における一部切欠側面図、第５図は同上
の調理終了状態の果物の一例の斜視図であり、第
６図は本考案果物ナイフの他例の正面図、第７図
は第６図−線における拡大左側面図、第８図
は柄後端部の拡大横断側面図、第９図は要部の分
解斜視図、第１０図は更に他例の要部を示す斜視
図である。 １，１ａ，１ｂ……果物用ナイフ、２，２ａ，
２ｂ……握柄、３，３ａ，３ｂ……スプーン状
部、４，４ａ，４ｂ……刃板部、５……底辺、６
……頂辺、７，８……刃部、９……スリツト、１
０……縁状板片、１１……切込み、１５……果
物、１６……核、１７……肉質。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 握柄の先端にスプーン状部と、前記スプーン
   状部の背面において幅方向中央部に握柄の軸線
   方向に向いて起立する刃板部をそなえ、刃板部
   は底辺に対し頂辺が後側では高く先側に至るに
   従い低くなり且つ先側では前記スプーン状部の
   先端に一致して交差消失し、刃板部の頂辺並び
   にスプーン状部の先側から左右側縁部分を刃部
   としたことを特徴とする果物用ナイフ。 (2) 前記スプーン状部及び刃板部の何れか一方
   は、何れか他方に対し着脱自在とした実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の果物用ナイフ。