JPS6344865Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はエレキギターのボデイーに取付けるト
レモロユニツトの部品であるブリツジサドルに関
し、ギターの弦を調律した後の演奏時に弦張力の
狂いをなくするため、ロツク機構を備えたエレキ
ギターのブリツジサドルに関するものである。

従来の技術 エレキギターのボデイーにはボデイーとは別体
のトレモロユニツトが取付けられているのが一般
的である。トレモロユニツトにはビブラートアー
ム、ブリツジサドル、微調整機構等が取付けられ
ている。

従来のエレキギターのブリツジサドルはボデイ
ーの裏側にある弦末端固定部から張られた弦を急
激に曲げて支持するバーが設けられていただけで
あつた。このバーはブリツジとも呼ばれ、糸巻き
に巻かれた弦の張弦部の長さと弦の高さを決定す
るもので、トレモロユニツトの重要なパーツであ
つた。

考案が解決しようとする問題点 従来のブリツジサドルは単なるバーから構成さ
れていたので、張弦部の長さと弦高を決定すると
いう意味では十分であつたが、弦の位置や張力を
固定することはできず、その張力の全てがボデイ
ー裏側の弦末端固定部にかかつている状態であつ
た。そのため調弦後の演奏において張力に狂いが
生じたり、又弦がブリツジサドルのバーの所で共
鳴するいわゆるビビリが発生する欠点があつた。

本考案の目的は従来のエレキギターのブリツジ
サドルの欠点を解消し、激しいビブラート奏法を
用いた演奏においても張力に狂いが生じず、弦の
ビビリも発生しないエレキギターのブリツジサド
ルを提供することにある。

問題点を解決するための手段 本考案はブロツク固定台の後端部にブリツジブ
ロツクを上下方向に回動自在に連結し、同ブリツ
ジブロツクの連結部には前後方向に延在させて弦
案内溝を設けると共に、同弦案内溝に連続させて
弦通し孔を下向きに穿設する一方、同ブリツジブ
ロツクの後端部には前後方向に延在させてロツク
孔を穿設し、同ロツク孔にはロツク螺子を上記弦
通し孔方向に向けて進退自在に螺合させて成るブ
リツジサドルにおいて、ブリツジブロツク内に上
記弦通し孔に先端部を臨ませてロツクピンを進退
自在に挿通させると共に、同ロツクピンとブリツ
ジブロツク間にスプリングを介装させて常時は弦
通し孔より離反する方向に付勢された状態にある
如く設け、同ロツクピンの頭部には前記ロツク螺
子の先端部を当接させたことを特徴とするエレキ
ギターのブリツジサドルである。

本考案におけるブリツジブロツクの形状は特に
限定されないが、大略直方体が好ましく、弦通し
孔及びロツク孔を有することは必須であるが、更
に弦通し孔とは別に上下に貫通するかあるいは少
なくとも上面からロツク孔まで貫通する長楕円孔
が形成されていることが好ましい。

又、ブロツク固定台はトレモロユニツト本体に
固定するための固定螺子を有している。

実施例 第１図はエレキギターの要部平面図であり、１
はボデイー、２はトレモロユニツト、３は弦であ
る。トレモロユニツト２にはビブラートアーム
４、本考案のブリツジサドル５及び微調整螺子６
が設けられている。

第２図はエレキギター要部の断面図である。ト
レモロユニツト２はその脚部７をボデイー１の挿
入孔８に入れ、バネ９、アンカーボルト１０でボ
デイー１の挿入孔８に入れ、バネ９、アンカーボ
ルト１０でボデイー１の背面から引つ張られてい
る。弦３はその端部リング１１を脚部７の先端の
弦止め部１２に引つ掛け、ブリツジサドル５の中
でロツクされてネツク側の糸巻き（図示省略）に
巻かれている。

第３図はトレモロユニツトの平面図、第４図は
本考案のブリツジサドルの組立斜視図、第５図は
その断面図である。ブリツジサドル５はブリツジ
ブロツク１３とブロツク固定台１４とから基本的
に成つており、これらはピン１５で回動自在に軸
支されている。ブリツジブロツク１３には上下に
貫通する弦通し孔１６が穿設され、その上部は弦
案内溝１７に続いている。一方、ブリツジブロツ
ク１３の中央部には上下に貫通する長楕円孔１８
が形成されている。

又、ブリツジブロツク１３の後側面１９からは
弦通し孔１６まで貫通するロツク孔２０が穿設さ
れている。もつともこのロツク孔２０は途中に長
楕円孔１８が存在するので、まずブリツジブロツ
クの後側面１９から長楕円孔１８まで貫通するネ
ジを切つた孔２０と長楕円孔１８から弦通し孔１
６へ貫通するネジのない孔２０′に分かれている。
ネジのないロツク孔２０′にはロツクピン２１が
スプリング２２を介して挿入され、このロツクピ
ン２１の頭をロツク螺子２３がネジのあるロツク
孔２０を通つて押圧している。頭を押圧されたロ
ツクピン２１の他端は弦通し孔１６を通る弦３を
ロツクしている。

一方、ブロツク固定台１４は固定螺子２４でト
レモロユニツトに固定されている。微調整螺子６
はトレモロユニツト２の立上がり部２５に設けら
れたネジ穴を通つてロツク螺子を上から押圧して
いる。

作 用 弦を張るにはまず弦３の端部リング１１を弦止
め部１２に係止し、弦を弦通し孔１６に裏側から
通し、弦案内溝１７に沿つて屈曲させて他端を糸
巻きで巻く。大体の音程がとれたなら、ロツク螺
子２３をねじ込み、ロツクピン２１の先端で弦３
を押圧固定する。この時、ブリツジブロツク１３
は弦の張力により、ピン１５を支点にしてやや浮
き上がつた状態になる。

次に微調整螺子６を回動し、ロツク螺子２３を
押圧あるいは押圧力を緩和することにより、浮き
上がつたブリツジブロツク１３の傾斜角を調整
し、それによつて弦の張力を調整して弦の音程を
完全に合わせる。

考案の効果 本考案は次の様な効果を奏する。

(イ) 弦がロツクピンによつて固定されるため、激
しいビブラート奏法中でも弦の張力に狂いが生
じない。又、弦への押圧はロツク螺子で直接押
すのではなく、遊離のロツクピンを介している
ので弦に捻じれが生じないことに加えて、ロツ
ク孔とロツク螺子の螺合部に大きな抵抗を生じ
させる事なくスムーズにその締め付けを行なう
事が出来ると共に、弦の交換時においてを弛め
た場合においてロツクピンをスプリングの付勢
作用によつて自動的に弦通し孔より後退させる
事が出来、此により弦通し孔に対して弦をスム
ーズに通す事が出来る。

(ロ) 弦が弦通し孔の上端で急激に屈曲するのでビ
ビリが発生しない。

(ハ) 弦をロツクした状態で微調整が可能であるの
で、完全な音程をとることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はエレキギター要部の平面図、第２図は
その断面図、第３図はトレモロユニツトの平面
図、第４図はブリツジサドルの組立斜視図、第５
図はその断面図である。 １……ボデイー、２……トレモロユニツト、３
……弦、４……ビブラートアーム、５……ブリツ
ジサドル、６……微調整螺子、７……脚部、８…
…挿入孔、９……バネ、１０……アンカーボル
ト、１１……端部リング、１２……弦止め部、１
３……ブリツジブロツク、１４……ブロツク固定
台、１５……ピン、１６……弦通し孔、１７……
弦案内溝、１８……長楕円孔、１９……後側面、
２０……ロツク孔、２１……ロツクピン、２２…
…スプリング、２３……ロツク螺子、２４……固
定螺子、２５……立上がり部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブロツク固定台の後端部にブリツジブロツクを
   上下方向に回動自在に連結し、同ブリツジブロツ
   クの連結部には前後方向に延在させて弦案内溝を
   設けると共に、同弦案内溝に連続させて弦通し孔
   を下向きに穿設する一方、同ブリツジブロツクの
   後端部には前後方向に延在させてロツク孔を穿設
   し、同ロツク孔にはロツク螺子を上記弦通し孔方
   向に向けて進退自在に螺合させて成るブリツジサ
   ドルであつて、ブリツジブロツク内に上記弦通し
   孔に先端部を臨ませてロツクピンを進退自在に挿
   通させると共に、同ロツクピンとブリツジブロツ
   ク間にスプリングを介装させて常時は弦通し孔よ
   り離反する方向に付勢された状態にある如く設
   け、同ロツクピンの頭部には前記ロツク螺子の先
   端部を当接させたことを特徴とするエレキギター
   のブリツジサドル。