JPS6343835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、焙焼調理器等に使用される可動ヒ
ータ装置に係り、特にその碍子の改良に関するも
のである。

以下このヒータ装置が２段焙焼調理器に採用さ
れた場合を例にとつて説明する。

第１図〜第４図はこの考案の改良前の例を示す
もので、図中１は調理器の外郭を構成する外板、
２はこの外板１にて形成される内部空間を調理室
３及びその調理室３の左右に位置する一部の部屋
４に仕切る一対の内側板で、この各仕切板２は、
後述するする可動ヒータ５の碍子５Ｃが貫通する
２個の弧状長穴２Ａと、回転軸６が挿入される第
１の円穴と、下焼網１０のスライドピン１０Ａが
挿入される直線状スライド穴２Ｂと、下固定ヒー
タ１１の碍子が挿入される第２の円穴とが夫々形
成されている。５は上移動ヒータ及び中移動ヒー
タからなる２個の可動ヒータで、この各ヒータ５
は、ガラス管５Ａと、このガラス管５Ａ内を貫通
するヒータ線（図示せず）とこのヒータ線の端部
に設けられた一対の端子棒５Ｂと、ガラス管５Ａ
の両端部に設けられ上記ヒータ線の支持、電気絶
縁等を行う、外径が全長に亘つて同径の一対の碍
子５Ｃと、上記端子棒５Ｂに螺合し碍子５Ｃ及び
接続端子５Ｄを介してガラス管５Ａを両側から締
め上げる一対のナツト５Ｅとから夫々構成されて
いる。

又これらのヒータ５は、碍子５Ｃにガラス管５
Ａを組込み、これを後述する回転円板８の取付穴
８Ａ及び内側板２の弧状長穴２Ａに嵌め込んだ
後、内側板２の外側から端子棒５Ｂに接続端子５
Ｄを挿入してナツト５Ｅで締め上げることによ
り、組立てられると共に回転円板８に保持され
る。

６は一端が内側板２の第１の円穴２Ｂに、又他
端が外板１の穴に挿入され、内側板２及び外板１
にて回動自在に支持される回転軸、７は回転軸６
を装作する操作レバー、８はこの回転軸６の調理
室３側端部に固定され、かつ内側板２の円状凹所
に嵌め込まれた一対の回転円板で、この各回転円
板８は、可動ヒータ５の碍子５Ｃが挿入される２
個の取付穴８Ａを夫々有し、この取付穴８Ａに可
動ヒータ５の碍子５Ｃを挿入することにより、こ
の可動ヒータ５を回転自在に支持している。

９は２段焙焼時に２個のヒータ５間に設けられ
る取外し自在な焼網、１０は可動ヒータ５の下部
に設けられた下焼網で、両端のスライドピン１０
Ａが内側板２のスライド穴２Ｂに挿入されて前後
方向に摺動自在と成つている。１１はこの下焼網
１０の下方に設けられた、上記可動ヒータ５と同
様構成の下固定ヒータで、碍子５Ｃを内側板２の
第２の円穴に嵌め込むことにより支持されてい
る。又１２は回転軸６に設けられたアームで、回
転円板８を所定位置に固定する役目をする。１３
は調理器の開閉扉、１４はこの開閉扉１３と下焼
網１０とを連結するアームである。又Ｂは熱の放
散経路を示す。

この考案の改良前のものは以上のように構成さ
れており、二段焙焼をする場合には、第２図に示
す如く、切換えレバー７にて回転円板８を回動さ
せて可動ヒータ５、下固定ヒータ１１とが縦方向
に一列に並ぶようにセツトすると共に、可動ヒー
タ５間に上焼網９をセツトする。そして上下焼網
９，１０上に被調理物を夫々載せて焙焼する。

又一段焙焼する場合には、上焼網９を取外した
後、切換えレバー７にて回転板８を回動させて可
動ヒータ５が水平方向に並ぶようにセツトし、そ
して下焼網１０上に被調理物を載せて焙焼する。

ところで、上述したようにこの考案の改良前の
ヒータ装置にあつては、その碍子５Ｃの外径が全
長に亘つて同径のものであつたので、内側板２の
弧状長穴２Ａの幅Ｌが大きくなり、よつて調理中
に熱が矢印の如く回転円板８と内側板２との間の
隙間を通じて弧状長穴２Ａより調理室３外に多量
に放出されてヒータ５，１１の熱を有効に利用で
きない欠点があつた。

この考案は上述の欠点を着目してなされたもの
で、加熱空間の熱が、碍子が貫通する長穴より放
散されるのを減少させることのできる可動ヒータ
装置を提供しようとするものである。

以下この考案の一実施例を第５図及び第６図に
おいて説明する。

即ち碍子５Ｃにおける回転円板８の取付穴８Ａ
及び内側板２の弧状長穴２Ａを貫通する部分の外
径K₁をガラス管当接側の外径K₂より所定値だけ
細径としている。又上記外径K₁を、上記外径K₂
より細径としたことに伴ない、回転円板８の取付
穴８Ａを、上記外径K₂に合致するよう先に説明
したものに較べ細径とすると共に、内側板２の弧
状長穴２Ａの幅Ｌも、先に説明したものに較べ幅
狭としている。

又碍子５Ｃと接続端子５Ｄとの間に、弧状長穴
２Ａの幅Ｌより大きい外径K₃を有する断面コ字
状の円状外碍子５Ｇを介在させてナツト５Ｅにて
締付けている。

更に又１対の回転円板８間の寸法も、碍子５Ｃ
の段部５Ｆが回転円板８に当接し、可動ヒータ５
が回転円板８間に挾持されるよう考慮している。

なお他の構成及び動作については、先に説明し
たものと同様であるので説明を省略する。

従つて、この考案の実施例によれば、内側板２
の弧状長穴２Ａの幅Ｌが先に説明したものに較べ
狭くなり、よつて調理中に上記弧状長穴２Ａを通
じて調理室３外に放出される熱が少なくなる。

又ヒータ５が、その碍子５Ｃの段部５Ｆを回転
円板８に当接させて１対の回転円板８間に挾持さ
せているので、回転円板８より脱落することがな
く、又回転円板８がねじれたり、たわんだりする
こともない。

更に又、碍子５Ｃの反ガラス管当接側に弧状長
穴２Ａの幅Ｌより大きい外径K₃を有する外碍子
五５を設けているので、ガラス管５Ａが破損した
場合にあつても、外碍子５Ｇが内側板２に引掛か
り、よつて碍子５Ｃ、接続端子５Ｄ等が傾き接続
端子５Ｄ等が非充電部に触れるというような危険
性も全くない。

なお上記実施例において、回転円板８にヒータ
５を取付けたものについて説明したが、回転円板
８を用いることなくヒータ５をスライドさせるも
のについても同様の効果を奏する。

又上記実施例にあつては、調理器に組込まれた
ヒータ装置について説明したが、他の器具にもこ
の考案は適用できる。

以上のようにこの考案によれば、碍子の長穴貫
通部の外径を、管当接側の外径より細径としたの
で、ヒータ装置により加熱される加熱空間の熱
が、碍子が貫通する長穴より放散されるのを減少
させることができ、効率よく加熱空間を加熱する
ことができる。

又この考案によれば、碍子の反管当接側に、長
穴の幅より大きい外寸法を有する外碍子を設けて
いるので、管が破損したとしても、碍子、接続端
子等が傾き、接続端子等が非充電部に触れるとい
うような危険性も全く無なる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は改良前のヒータ装置を組込ん
だ調理器に関し、第１図は一部断面側面図、第２
図は第１図の−線断面図、第３図は第１図の
Ａ部拡大図、第４図は第３図の−線線断面
図、第５図及び第６図はこの考案の一実施例に関
し、第５図は第３図に対応した図、第６図は第５
図の−線断面図である。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示
し、２は内側板、２Ａは長穴、５は可動ヒータ、
５Ａはガラス管、５Ｂは端子棒、５Ｃは碍子、５
Ｇは外碍子である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にヒータ線を設けた管の端部に、上記ヒー
   タ線を支持する碍子を設けたヒータと、このヒー
   タの碍子が貫通する所望長さの長穴を有する部材
   とを備え、上記ヒータを上記部材の長穴に沿つて
   移動させるように構成して成る可動ヒータ装置に
   おいて、上記碍子の長穴貫通部の外径を、管当接
   側の外径より細径とすると共に、上記長穴の幅
   を、碍子の細径部に対応して幅狭とし、かつ上記
   碍子の反管当接側に、上記長穴の幅より大きい外
   寸法を有する外碍子を設けて成る可動ヒータ装
   置。