JPS6343704B2 - - Google Patents

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JPS6343704B2
JPS6343704B2 JP54057868A JP5786879A JPS6343704B2 JP S6343704 B2 JPS6343704 B2 JP S6343704B2 JP 54057868 A JP54057868 A JP 54057868A JP 5786879 A JP5786879 A JP 5786879A JP S6343704 B2 JPS6343704 B2 JP S6343704B2
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JP
Japan
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current
peak
polarization
corrosion
potential
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JP54057868A
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JPS55149049A (en
Inventor
Takashi Yamamoto
Hiroshi Amako
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Priority to US06/130,443 priority patent/US4294667A/en
Priority to DE19803010750 priority patent/DE3010750A1/de
Priority to GB8010450A priority patent/GB2048492A/en
Publication of JPS55149049A publication Critical patent/JPS55149049A/ja
Publication of JPS6343704B2 publication Critical patent/JPS6343704B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N22/00Investigating or analysing materials by the use of microwaves or radio waves, i.e. electromagnetic waves with a wavelength of one millimetre or more
    • G01N22/04Investigating moisture content
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A24TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
    • A24BMANUFACTURE OR PREPARATION OF TOBACCO FOR SMOKING OR CHEWING; TOBACCO; SNUFF
    • A24B9/00Control of the moisture content of tobacco products, e.g. cigars, cigarettes, pipe tobacco

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は被覆金属材の腐食評価試験方法に関す
る。 一般に金属板は主として防食のため表面塗装が
行われている。この塗膜の防食性能は塗膜の電気
抵抗による抵抗分極作用に負う所がきわめて大で
ある。したがつて、現在種々の高抵抗塗膜が例え
ば鋼板等に塗装されるようになつているが、水を
完全に遮断することができず、そのため、塗膜下
では腐食が進行する。また、この塗膜に欠損が存
在すると塗膜抵抗が高くなけばなる程、塗膜の欠
損部分の腐食が大きくなる。したがつて、いわゆ
る塗膜損傷およびひび割れして腐食するチツピン
グコージヨン(chipping corrosion)が重要な問
題となつている。 被覆金属板の腐食作用は塗膜の抵抗分極作用の
外に、塗膜の置かれた状況下での腐食液の作用、
例えば顔料をも含めた塗膜より溶出する物質の腐
食の抑制、又は促進作用が考えられる。 現在、塗膜鋼板の腐食評価方法としては天然バ
クロ試験、浸セキ試験、人工促進試験等が広く行
われている。しかしながら、これら試験方法はい
ためつけ因子を与えた後、その試験結果を主とし
て目視による観察を行うにすぎず、塗膜鋼板の腐
食作用機構、試験方法の意義を明らかにするには
不充分である。そのため、従来方法では腐食に対
し有用な塗膜の開発に有意義な情報を与えること
ができなかつた。 更に、上記塗装鋼板の腐食におけるアノード反
応に対応してその近傍ではカソード反応が生じる
ものであり、該カソード反応に基因する生成原子
状水素の鋼中への拡散により生ずる水素脆性腐食
等の腐食現象も構造物の応力腐食割れの防止の観
点から見逃すことができない。更に、電解液以外
の腐食液(例えば原油)または土中あるいは腐食
ガス中の塗膜の耐食性能を知ることも重要であ
る。 この様に塗装鋼板における腐食現象を定量的に
解析するためには物理量としての情報を得なけれ
ばならない。特に腐食反応過程を追跡することが
できる電気化学的手法がこの種腐食評価方法とし
ては適している。しかしながら、塗装鋼板の塗膜
は高抵抗を有するため、裸鋼板と同様の電気化学
的方法では腐食反応機構を推定するための信頼性
を高い測定結果を得ることができない。そこで本
発明者らは種々研究の結果、塗膜鋼板を自然電極
電位で電解設定した後て分極操作を行うことを基
本とする、分極曲線を得る方法、微少電流−電位
変化を検出する方法および塗膜抵抗を検出する方
法ならびに塗装鋼板の非塗膜側を自然電極電位で
電解設定して塗膜側から非塗膜側に拡散してくる
原子状水素の電解電流を検出する方法を提案する
に至つた。 本発明の第1の目的はこれらの一連の電気化学
的試験方法を被覆金属材に適用することにより被
覆金属材の腐食評価に有意義な電気化学的情報を
検出する方法を提供することにある。 本発明の第1の目的は塗膜性能を検査すべき
塗料を所定の金属板の少なくとも片面に塗布し、
所定の腐食媒体に接触させる工程と、該試料板
の塗膜側をその自然電極電位で電解設定する工程
と、上記試料板の塗膜面をパルス分極等により
分極させて塗膜面に欠損が有るか無いかを検出す
る工程と、塗膜欠損が無い場合は、塗膜抵抗の
分極作用に相当する値を補償した微少電流−電位
変化を検出し、塗膜欠損が有る場合は陰および/
または陽分極曲線を検出する工程と、上記試料
板が耐硫化物割れまたは耐水素脆性腐食用試料で
あるかまたはそれ以外の試料であつても塗膜の腐
食媒体中の挙動判断が不必要または行えない場合
は上記塗膜面の試料板裏面に非塗膜面を形成して
(例えば、媒体がガス、電解液以外の液または固
体)アルカリ性溶液に接触させ、該非塗膜面にお
いてイオン化する電解電流を検出する工程とを含
む方法により達成することができる。以下塗膜側
と非塗膜側との電解電流を区別のため、前者は分
極電流、後者を電解電流という。 上記方法において、工程でパルス分極法を使
用すると、該分極により塗膜金属板の塗膜面と対
極との間に流れるパルス分極電流を利用して塗膜
の電気抵抗が測定できるし、要すればこの塗膜抵
抗を利用して塗膜の吸水率を検出することができ
る。 上記の工程ではパルス電極または直線分極法
により塗膜に欠損があるかないかを検出すること
ができる。 塗膜に欠損がない場合は、分極電流−電位変化
は抵抗支配となつて略々直線となる。この変化か
ら塗膜抵抗の分極作用に相応する値を差し引いた
微少電流−電位変化を求めるとこれより腐食電流
を求めることができる。 塗膜に欠損がある場合は、陰および/または陽
分極曲線により腐食電流を求めることができる。 特に陰分極曲線にはピークまたは段部が現われ
る場合が有り、該ピークまたは段部の電位の経時
的変化は塗膜欠損部域のサビ幅の変化と、該ピー
クまたは段部の電流値の経時的変化は腐食電流の
経時的変化と相関関係があることを見い出した。
したがつて、ピークまたは段部の電位および電
流、またはその経時変化を検出することにより、
被覆金属材の浸漬時間に対するサビ巾および腐食
電流すなわち腐食量の経時変化と相関関係を有す
る電気化学的情報を検出することができる。 また、上記陰分極曲線のピークまたは段部の面
積がサビ巾と関連することを見い出した。したが
つて、この面積またはその経時変化を追跡するこ
とにより被覆金属材の腐食挙動を一層明らかにす
ることができる。 陰分極曲線の経時変化には大きく分けて、後述
するように2種ある。したがつて、その変化に対
応する方法によりピークまたは段部の面積を求め
るのがよい。 上記方法を実施する装置としては特に試料板
が両側から挾合する一対の測定セル容器と、試
料板の塗膜側をその自然電極電位で電解設定する
第1ポテンシヨスタツト手段と、パルス分極等
により塗膜欠損の有無を検出する手段と、試料
板の非塗膜側を対基準電極零電位で定電位電解す
る第2ポテンシヨスタツト手段と、装置全体の
操作を制御するステツプ制御手段と、各検出手
段の入力信号を集録演算し、表示手段に腐食評価
に必要な出力を表示させる集録演算手段を備える
ことが重要である。 特に、塗膜欠損の有無を検出する手段がパルス
電圧印加手段およびパルス分極電流検出手段を含
むとき、上記両手段の信号を入力信号として上記
集録演算手段により塗膜の電気抵抗信号、要すれ
ば、塗膜の吸水率信号を出力させることができ
る。 分極曲線または微少電流−電位変化から、腐食
電流を求める場合は分極電流検出手段または微少
電流検出手段および昇電圧印加手段の出力信号
を、上記集録演算手段に入力し、腐食電流を演算
させることもできる。 更に、陰分極曲線にピークまたは段部がある場
合に、そのピーク電位、電流を求めたい場合は、
ピーク検出手段を分極電流検出手段に接続する一
方、上記ステツプ制御手段に接続し、ピーク有り
の信号で別途設けたピーク電位および/または電
流検出手段を作動させ、検出されたピーク電位お
よび/または電流信号を上記集録演算手段に入力
させればよい。他方、ピーク面積を求めたい場合
は、上記ピーク有りの信号により上記集録演算手
段内で形成されつつあるまたは形成された陰分極
曲線のピーク面積を演算させればよい。 特に、塗膜に欠損がある場合の腐食評価試験方
法としては従来、塗膜にクロスカツトを入れ、カ
ツト付近のフクレおよびサビ巾を目視により観察
する方法が行なわれているが、被膜下の腐食欠損
部から被膜に沿つて広がる傾向にあるのかまたは
深部に向つて進行する傾向があるのか、すなわち
腐食形態を外部より電流に関係する情報、例えば
腐食体積を組合せることにより腐食形態を判定す
ることは困難である。また、被覆金属物が水中ま
たは土中に埋設されている場合、かかる腐食評価
試験を適用することは困難である。一般に被覆金
属物の電極電位等を測定する電気化学的方法も行
なわれているが、いずれも腐食評価試験としては
充分でなく、また煩雑な解析作業を必要とする欠
点があつた。 本発明者は上記方法を使用して被覆金属面の分
極挙動を種々検討の結果、塗膜欠損のある被覆金
属材を陰分極させると分極曲線にピークまたは段
部が現れる場合があり、解析の結果該ピークまた
は段部の有無が塗膜欠損部域の腐食形態と一定の
関係があることを見い出した。したがつて、本発
明の第2の目的は腐食評価に利用し得る被覆金属
材の塗膜欠損部域の腐食形態を検出し得る電気化
学的手法を提供することにある。 本発明の第2の目的は塗膜欠損の被覆金属材陰
分極曲線のピークまたは段部の有無を検出すると
ともにその自然電極電位と基体金属の自然電極電
位と比較し、貴または卑であることを検出するこ
とにより行うことができる。 上記腐食形態の判断は定性的であるので、これ
と腐食電流に関係する情報、例えば腐食体積を組
合せることにより腐食形態の判断は立体的にな
る。 塗膜と基体金属表面間に金属メツキ層または陰
極防食膜層が存在する場合、金属メツキ等が存在
しない場合とは上記ピークまたは段部の有無と塗
膜欠損部域の腐食形態の関係において逆の関係が
成立する場合があるが、基体金属の自然電極電位
との比較および/または陽(アノード)分極曲線
中のピークまたは段部の有無の検出により金属メ
ツキ層の有無、陰極防食膜有無の判断をも行うこ
とができる。 更に、欠損部のサビ巾(ヨコ方向腐食の場合)、
孔食深さに関係する情報を加えるためには、陰分
極曲線中にピークがある場合は該ピークの電位、
電流面積を検出すればよい。上記ピークがない場
合、またはピークがある場合であつても、上記非
塗膜面における水素イオン化電流の経時変化のう
ち、第2ピーク以後の電気量または第3ピークの
電気量を求めるとよい。 上記方法を実施する装置にあつては、陰分極曲
線のピーク検出手段、被覆金属材の自然電極電位
を検出する第1自然電極電位検出手段および基体
金属の自然電極電位信号入力手段を演算手段に接
続し、該演算手段の出力する腐食形態信号を表示
手段に表示させるようにすることにより構成する
ことができる。 上記ピーク手段に陽分極曲線中のピークまたは
段部の検出を行わせれば、金属メツキ層の有無等
も判断し得る。 また、上記演算手段に腐食電流に関する信号を
入力すれば、表示手段に立体的な腐食形態を図示
させることができる。 更に、サビ巾または孔食深さに関する情報とし
て、陰分極曲線のピーク電位、電流およびまたは
面積信号および/または電解電流変化の第2ピー
ク以後の電気量または第3ピークの電気量を上記
演算手段に入力すれば、腐食形態の表示は一層実
際的になる。 本発明の第3の目的は電解質液以外の腐食ガ
ス、水蒸気、土中、原油中における塗膜の防食性
能を電気化学的に測定することにある。 この目的は塗膜側と反対側の非塗膜面にアルカ
リ性溶液を接触させ、定電位電解することにより
達成することができる。すなわち、得られる水素
イオン化による電解電流情報を介して塗膜側の腐
食反応を推定することができる。 本発明の他の目的および利点は以下の記載によ
り明らかとなろう。 以下、添付図面を用いて本発明に係る具体例を
詳細に説明する。 第1図は被覆された金属の腐食状態を判断する
装置のブロツク図で、2個の測定セル1,1′間
に一方の面が塗装され、他方の面は塗装されてい
ない被覆金属板Wがはさまれている。左側測定セ
ル1には腐食媒体、例えば3wt%NaCl溶液がみ
たされ、被覆金属板Wの塗膜面側と接触してい
る。右側測定セル1′には水素イオン濃度の低い、
例えばアルカリ溶液がみたされ、非塗膜面側と接
触している。 また、上記測定セル1には塗膜面側を自然電極
電位で電解設定後、昇圧分極して分極曲線を得る
ために基準電極Rと対極Cとを挿入するとともに
ポテンシヨスタツト2にそれぞれ接続し、塗膜側
測定系(以下、アノード反応測定系という)を形
成している。他方、測定セル1′には非塗膜面側
を、自然電極電位で電解設定後、水素イオン化電
位で電解して電解電流を測定するために基準電極
R′と対極C′とを挿入するとともに両者を被覆金属
板Wとともにポテンシヨスタツト2′にそれぞれ
接続し、非塗膜側測定系(以下カソード反応測定
系という)を形成している。 アノード反応測定系において、ポテンシヨスタ
ツト2には自然電極電位検出回路3が接続され、
該電位信号に基づき、ポテンシヨスタツト2が被
覆金属板Wを自然電極電位で電解設定するよう
に、上記電位信号と逆極性であつて絶対値が同じ
である信号がポテンシヨスタツト2に対自然電極
電位自動設定回路4を介して送られる。 また、自然電極電位で電解設定後、被覆金属板
Wにパルス電圧を印加して塗膜欠損有無の検出等
に利用される塗膜抵抗に関する情報を得るべく、
パルス電圧発生回路5がポテンシヨスタツト2に
接続されている。更に、被覆金属板Wを一定速度
で分極すべく、昇圧発生回路6がポテンシヨスタ
ツト2に接続している。 ポテンシヨスタツト2からは上記パルス電圧発
生回路5からのパルス電位により被覆金属板Wを
パルス分極した時に対極Cとの間に流れるパルス
電流が電解電流検出回路7を介してパルス電流記
憶回路8に入力される。絶対値同一の陰陽パルス
電圧が被覆金属板Wに印加される場合は、被覆金
属板Wの塗膜面に塗膜欠損があるか否かを判断す
るために、パルス電流値比較回路9にもパルス電
流信号が入力され、該比較回路9からは塗膜欠損
有無検出信号(塗膜欠損があれば、陰陽パルス電
流に対応するパルス電流値の絶対値又は両者より
算出される塗膜抵抗値が20%以内の差異であれ
ば、欠損無しと、それ以上であれば欠損有りと判
断される。)を出力する。なお、塗膜欠損の有無
は下記に詳述する昇圧分極法により、E−iの関
係が略直線関係にあれば、欠損無し、直線関係か
ら大きくはずれる(i=aEにおいてaが±10%
以上)場合欠損有りと判断してもよい。しかしな
がら、パルス分極法によれば、塗膜抵抗および塗
膜吸水率を検出することもできるので、都合がよ
い。そのため、塗膜抵抗検出回路10および吸水
率検出回路11が設けられる。 また、ポテンシヨスタツト2から電解電流検出
回路7を介して被覆金属板Wの昇圧による分極電
流がピーク検出回路12に入力される一方、E−
i記憶回路13および/またはE−logi記憶回路
14に入力される。ピーク検出回路12は微分回
路で構成することができる。ピーク検出回路12
で分極曲線中のピークまたは段部が検出される
と、同時にその時のピーク電位および/または電
流を検出回路15で検出する。また、上記ピーク
検出回路のピーク検出信号はピーク面積検出回路
16に送られ、ピーク面積検出回路16に作動さ
せ、E−logi記憶回路14が記憶するE−logi分
極曲線からそのピークの面積を検出する。このE
−logi分極曲線からは腐食電流、腐食電位も検出
回路17により検出される。 上記E−i記憶回路13に記憶されたE−i分
極曲線からは上記塗膜抵抗検出回路10からの出
力信号に基づき、検出回路26から分極抵抗が検
出される。 最後に、上記自然電極電位検出回路3からの電
位信号は自然電極電位記憶回路18に一旦記憶さ
れるとともに基体金属例えば鉄の自然電極電位と
比較回路19により比較され、その比較信号が出
力される。 カソード反応測定系においては、ポテンシヨス
タツト2′には電解電流検出回路7′が接続されて
おり、該回路7′を介して水素電解電流信号を記
憶回路21に入力する。一方、該信号は第2ピー
ク検出回路22にも導入され、電解電流の経時変
化の第2ピークの有無、要すればさらに第2ピー
クの電気量を検出する。更に上記電解電流信号は
第3ピーク検出回路23にも導入され、第3ピー
クの立上がり時間および要すれば第3ピークの電
気量を検出する。 上記各検出信号は集録回路20に一旦入力さ
れ、演算回路24を介して表示回路25に送ら
れ、被検査試料である被覆金属材Wの腐食状態を
腐食形態を含めて総合的に表示する。 上記各手段をさらに具体的に説明する。 上記測定セル1,1′は第2図に示す構造を有
するものを使用するのが好ましい。 第2図において、上記測定セル1,1′は左側
セル容器101と同一形状の右側セル容器102
とからなり、試験片Wの被測定面側(図中左側)
を被測定面と同一面積の打抜口Aを有するシリコ
ンゴム製弾性絶縁板103で保護するとともに試
験片W裏面(図中右側)も同一材質及び同じ大き
さの打抜口、もしくは被測定面積より大きい打抜
口Bを有する弾性絶縁板104で保護し該弾性絶
縁板103,104の外側を上記左側セル容器1
01のフランジ101aと右側セル容器102の
フランジ102aとを図示せぬ挾合手段で挾合し
て両面から押圧し、挾合固定して組立てられる。 上記左側セル容器101は、その上部側面に、
カロメル電極、銀一塩化銀電極等の安定な電極電
位を示す基準電極Rを容器内に挿入する第1取付
筒105と、白金、銀又はカーボン等の対極Cを
同じく容器101内に挿入する第2取付筒106
が設けられている。もちろん、右側セル容器10
2のように第2取付筒106を設けないで対極
C′を第1取付筒105に基準電極R′とともに、設
置できる。基準電極R′と対極C′とを接近させて
も、測定値には何んら影響を与えない。更に、容
器101内にはらせん状に配置する加熱筒107
が設けられ、端面に位置する入口107aから所
定の温水を加熱筒107内に送入し、出口107
bから排出して、容器101内の電解液を一定温
度に保温することができるようになつている。 尚、上記右側セル容器102は、左側セル容器
101と略々同一構造を有しているので、同一番
号を付し説明を省略する。 上記左側セル容器101には所定濃度のNaCl
溶液が、右側セル容器102には所定濃度の
NaOH溶液が満され、左側測定セル1では被覆
金属板Wの塗膜側の分極挙動に関する電解を行
い、右側測定セル102では非塗膜面側の水素電
解を行う。 本測定セル101,102を使用する利点は
測定面積が打抜口Aにより正確かつ容易に設定で
き、測定値の比較が正確に行うことができる。
測定セル101と102の液に温度差を与え、促
進試験を行うことができる。測定セル101側
の電解槽と測定セル102側の電解槽とが弾性絶
縁体103と104により分離されているので、
被覆金属板Wに対するカソード反応およびアノー
ド反応とをコンパクトな容器により追跡すること
ができる。測定セル102側にはNaOH溶液
等のアルカリ溶液が満されているので、非塗膜面
の挙動が塗膜面側の腐食挙動に影響を与えない。
測定セル101と102との中の液は電気的に
短絡されていない。 被覆金属板Wの塗膜面側を自然電極電位で電解
設定し、昇圧分極を行なうためには第3図に示す
原理の装置を使用する。 基準電極Rは電圧可変な電池Vを直列に接続し
た後、増巾器AMPに接続してある。該増巾器の
出力側は電流計Aを介して対極Cに接続してい
る。一方、電流計Aの出力側は対数変換器、コン
ピユータあるいは記録計等電流変化を読み取る記
録計Bに接続している。また、基準電極Rと被覆
金属板Wとの間の電位差を知るため、電圧計Eを
基準電極Rとアース間に接続してある。この電圧
計Eの出力側は記録計B′に接続してある。もち
ろん、記録計Bに接続させ、電圧変化に対する電
流の対数値変化(V−logi図)を図示させてもよ
い。 被覆金属板Wを分極させるに当り、まず基準電
極Rと被覆金属板W間の電位差(Eo)を測定し、
このEoと同じ値で逆極性の−Eoに電池Vの出力
を調整し、増巾器AMPの入力a−b間の電位差
を略ゼロに設定する。この調整により、AMPの
出力は略ゼロとなるため、対極Cには電流は流れ
ない。一方、被覆金属板Wにも電流が略流れず、
自然電極電位で電解されている状態にあるといえ
る。 この状態から、電圧可変電池Vを調節して、被
覆金属板Wをある一定の電位勾配θ(電圧変化△
V/時間変化△t)をもつて分極させ、被覆金属
板Wの分極曲線、特にカソード(陰)分極曲線を
求める。 このように被覆金属板Wを自然電極電位で電解
設定すれば、被覆金属板Wと対極Cとの自然電極
電位差により生ずる誤差電流は流れない。塗膜欠
損のある場合は、欠損部域の分極電流が他の塗膜
部分に比して大きく、他の塗膜部分の分極電流を
無視することができるが、他の塗膜部分の分極電
流をも測定値から除去することができる。 上記自然電極電位で電解設定した後、微少塗膜
欠損を有する被覆金属板Wを分極させる操作を自
動的に行うには第4図および第5図に示す装置を
使用するのがよい。 第4図において、1は測定セルで、他は前述し
たと同様のセル構造を有するので、同一部材には
同一記号を付して説明を省略する。 次に、電極電位測定手段202は塗膜抵抗(塗
装金属板W−基準電極R間の抵抗)より充分高い
(1014Ω以上)入力抵抗を有する高入力抵抗変換
器203と該変換器203を介して上記基準電極
Rに接続するとともに他端が接地された電圧計2
16とからなり、下記する印加電圧によつて生ず
る電解電流が極力入力されないようにして、塗装
金属板Wの自然電極電位変化を正確に測定してい
る。 さらに塗装金属板Wを腐食液中において自然電
極電位で電解するように、即ち、上記対極Cと塗
装金属板W間の電極電位差によつて生ずる電流を
略々零の状態に設定する測定準備手段204は、
上記高入力抵抗変換器203に並列に接続された
サーボ機構208と第1演算器205とそして、
上記サーボ機構208によつて出力電圧が設定さ
れる補償信号供給手段206とを備える。さらに
第5図を用いて詳細に説明すればまず第1演算器
205は、その入力側は、上記高入力抵抗変換器
203と補償信号供給手段206のポテンシヨメ
ータP1に接続するとともに出力側は上記対極C
に接続して、上記高入力抵抗変換器203の出力
(電位信号)と、上記供給手段206の出力(補
償信号)とを演算して打消し上記塗装金属板Wと
対極C間の電極電位差によつて生ずる誤差電流を
略々零にしている。 次に補償信号供給手段206はポテンシヨメー
タP1と直流電源E1と分配抵抗R9、R10とを並列に
接続してなり、上記分配抵抗R9、R10の分岐点か
ら常態接点L6を介して接地される一方、出力側
はポテンシヨメータP1を介して上記第1演算器
205に接続され、かつ、常閉接点L7を介して
接地されている。したがつて上記接点L7がON状
態(閉状態)においては、出力電圧(補償信号)
は上記演算器205に入力せず、接点L7がoff状
態(開状態)でかつ常開接点L6がON(閉)状態
で補償信号が上記第1演算器205に入力するよ
うになつている。 さらにサーボ機構208は、比較器209とサ
ーボモータ210と比較信号供給手段211とか
らなり、負帰還回路を構成している。すなわち、
比較器209はサーボ増幅器で、その入力側は、
上記高入力抵抗変換器203に接続するとともに
比較信号供給手段211に接続する一方、出力側
は常開接点L0を介して上記サーボモータ210
に接続され、一旦上記高入力抵抗変換器203の
出力(電位信号)と上記比較信号供給手段211
の出力(比較信号)とを比較し、その差信号であ
ある出力を上記サーボモータ210に入力し、こ
れを駆動する。 比較信号供給手段211はポテンシヨメータ
P2と直流電源E2と分配抵抗R7、R8とを並列に接
続されてなり、上記分配抵抗R7、R8の分岐点は
接地する一方、上記ポテンシヨメータP2を介し
て、上記比較器209に接続し、比較信号を入力
している。さらに、サーボモータ210は、上記
比較信号供給手段211のポテンシヨメータP2
と上記補償信号供給手段206のポテンシヨメー
タP1を同時に変位させるものであり、上記比較
器209の出力によつて駆動し、上記電位信号自
体によつて該電位信号を打消す補償信号を設定す
る。そしてまた上記常開接点L0をONからoffに
切換えることによつてサーボモータ210への比
較器209からの入力を遮断し、上記設定された
補償信号を保持するようになつている。 以上の構成をもつて上述の測定準備が行なわれ
る。次に、上記被覆金属板Wと基準電極R間に正
又は負の勾配の直流低電圧を印加する電源207
は、ポテンシヨメータP3と直流電源E3と分配抵
抗R11、R12を並列に接続してなり、出力側であ
るポテンシヨメータP3は、常開接点L8を介して、
上記補償信号供給手段6の分配抵抗R9、R10の分
岐点に接続されるとともに、分配抵抗R11、R12
の分岐点は接地されている。したがつてポテンシ
ヨメータP3の変位により正又は負の勾配の直流
低電圧が印加電圧供給電源207から出力され、
補償信号に重畳して第1演算器205に入力し、
そして上記対極Cに至り、被覆金属板Wと基準電
極R間に上記出力電圧が印加することになる。 次いで、塗膜欠損部分に流れる微少外部分極電
流を測定する装置212は、第2演算部217と
補正信号供給手段218とを備える。詳しくは、
第2演算器217は、可変抵抗R7と並列に接続
され、その入力側は、増巾器214を介して上記
塗装金属板に接続するとともに、出力側は電流計
220を介して接地されている。 尚、213は多段抵抗器で、抵抗R1〜R5と、
常開接点L1〜L4及び常閉接点L5を各々直列に接
続するとともに、全体を並列に接続してなり、上
記接点の切換によつて適宜適当な電圧降下が得ら
れるものである。 補正信号供給手段218はポテンシヨメータ
P4と直流電源E4と分配抵抗R13、R14を並列に接
続してなり出力側であるポテンシヨメータP4
介して上記第2演算器217に接続するとともに
上記分配抵抗R13、R14の分岐点を接地している。 そして、上記直流電圧印加電源207のポテン
シヨメータP3と上記補正信号供給手段218の
ポテンシヨメータP4は、シンクロナスモータ2
19によつて同時にある一定速度で変位するよう
なつており、上述のように、上記対極Cと基準電
極R間に正又は負の電位勾配の直流低電圧を印加
するようシンクロナスモータ219を駆動すれ
ば、それに対応する、塗装金属板Wの外部分極の
信号として電解電流変化が上記多段抵抗器213
によつて適当な電圧降下を受けて増巾器214に
入力して増巾された後、測定信号として第2演算
器217に入力する。一方補正信号供給手段21
8は、いま、直流電源E4の出力電圧は、ポテン
シヨメータP3変位と同期したポテンシヨメータ
P4の変位によつて、上記印加電圧変化と同一勾
配をもつて変化し、該出力電圧を補正信号として
第2演算器217に入力し、その差信号を電流計
220に出力して塗膜部分に流れる電流を補償
し、塗膜欠損部分にのみ流れる電流部分を測定し
得るようになつている。また、上記補正信号を欠
損前の塗膜抵抗を示す電流−電位勾配をポテンシ
ヨメータP4の変位によつて示すように直流電源
E4を設定しておけば塗膜欠損前後の外部分極電
流差も検出できる。また、上記装置においては、
塗膜抵抗を示す値の電流を補償するようになつて
いるが、塗膜欠損部分に流れる電流が塗膜部分に
流れる電流に比して充分大きければ(例えば、
100倍程度であれば無視できる)、上記第2演算器
217を介して、塗膜欠損部の外部分極電流を求
めず接点L10を開いて上記増巾器214に一端を
接続し、他端が接地する電流計215をもつて直
接測定してもよい。 次に、上記構成を有する塗膜欠損部の分極電流
測定装置Tの作動を順を追つて説明する。 まず接点L5及びL7を開き、それ以外の接点を
開いて自然電極電位測定手段2をもつて塗装金属
板Wの自然電極電位を測定する。 詳しくは、塗装金属板Wの基準電極Rに対する
電極電位差(自然電極電位)は高入力抵抗変換器
203を介して電圧計216に出力され、自然電
極電位変化が記録される。 次に、接点L6及びL0を閉じて、測定準備手段
204を作動し、塗装金属板Wと対極Cとの電極
電位差によつて生ずる誤差電流を略々零に設定す
る。すなわち、高入力抵抗交換器203の出力
(電位信号)は、演算器205に入力されるとと
もに、比較器209に入力されている。いま、比
較器209には最初上記電位信号を打消す電圧−
Vsを供給する比較信号が入力される一方、上記
演算器205にも補償信号−Vsが入力されてお
り、上記比較器209の出力はなく、サーボモー
タ210は停止したままで、上記演算器205の
出力は零となつている。 いま、塗装金属板Wが腐食し、その電極電位が
VsよりΔVだけ上昇したとする。 すると、この電位信号Vs+ΔVは第1演算器2
05及び比較器209に入力され、比較器209
からは比較信号との差分ΔVが出力されるととも
に第1演算器205からも電位上昇分ΔV電位が
出力される。しかしながら、上記比較器209か
らの信号ΔVはサーボモータ210に入力し、該
サーボモータ210の駆動により、ポテンシヨメ
ータP1,P2を変位させ、比較信号供給手段21
1より−(Vs−ΔV)の比較信号を出力し、比較
器209に入力してその出力を零にする。このサ
ーボモータ210の駆動が停止すると同時に補償
信号供給手段206からは−(Vs+ΔV)の補償
信号が出力し、上記演算器205に入力され、上
記電位信号の入力を打消し、演算器205の出力
は零となる。 したがつて、塗装金属板Wと対極Cとの間に流
れようとする電流(誤差電流)は略々零に設定さ
れる。 この状態を塗装金属板Wが塗装金属板の自然電
極電位で電解されているという。 上記測定準備が終ると、次に接点L0、L6を開
する一方、接点L8を閉じて、印加電圧供給電源
207のポテンシヨメータP3をシンクロナスモ
ータ219で変位させ、正又は負の勾配をもつて
印加電圧を変化させ、それによつて上記塗装金属
板Wと対極C間に流れる電流を第2演算器217
に入力するとともに、上記シンクロナスモータ2
19で同時に変位するポテンシヨメータP4を備
える補正信号供給手段218から補正信号を上記
第2演算器217に入力し、上記測定信号iと補
正信号の差電流Δiを出力し、増巾して該出力を
電流計220で計測する。 より詳細に説明すれば、接点L0を開すると、
上記比較器209とサーボモータ210の接続が
遮断して、上記直流印加電圧によつて生ずる電流
がサーボモータ210に入力され、かつかく自然
電解電位で電解している状態をはずれることを防
止するため、上記補償信号の電圧が保持されるこ
とになる。 次に接点L6を開し、接点L8を閉すると、一定
の印加電圧が上記対極Cと基準電極R間にかかる
ことになる。 その後シンクロナスモータ219を駆動し、ポ
テンシヨメータP3をA方向に変位させると、印
加電圧は、正の勾配をもつて増加し、塗装金属板
Wのアノード外部分極曲線の電流信号−iが上記
第2演算部217に入力することになる。反対に
ポテンシヨメータP3をB方向に変位させると印
加電圧は負の勾配をもつて減少し、塗装金属板W
のカソード外部分極曲線の電流信号+iが上記第
2演算器217に入力することになる。 上記シンクロナスモータ219の駆動は補正信
号供給手段218のポテンシヨメータP4を上記
ポテンシヨメータP3のA方向と同期してA′方向
に変位させる。反対に、ポテンシヨメータP3
B方向の変位に同期してポテンシヨメータP4
B′方向に変位する。いま直流電源E4は、ポテン
シヨメータP4の変位によつて予じめ測定された
塗膜抵抗に上記印加電圧供給手段からの電圧変化
を加えれば得られる電流−電位勾配の電流(補正
信号)を供給するように設定されており、補正信
号供給手段218から補正信号を第2演算器21
7を入力し上記アノード又はカソード外部分極曲
線の電流信号±iから塗膜抵抗に相応する補正信
号(いま補正信号は電圧信号として第2演算器2
17に入力するが、該演算器217内で塗膜抵抗
値で電流値に変換されるものである)が差引かれ
た差電流Δiが第2演算器217から出力され、
電流計220で計測される。 この電流信号Δiを上記塗装金属板Wの電極電
位と相関させて記録させてゆけば、目的とする微
少塗膜欠損塗装金属板Wの欠損部の分極曲線が得
られる。 上記装置は被覆金属板Wの塗膜抵抗を測定する
機能をも備えている。自然電極電位で電解設定し
た(測定準備)後、パルス分極法により塗膜抵抗
を求めると、被測定系を乱すことのない低電圧で
あつても充分正確な測定値を得ることができる。 すなわち、第4図および第5図において、上記
測定準備が終ると、次に接点L0、L6を開する一
方接点L9を閉じてパルス電源207aからパル
ス信号を供給し、電解電流測定手段212をもつ
て塗膜抵抗を測定する。 まず接点L0を開し、上記比較器209とサー
ボモータ210の接続を遮断して、パルス信号が
サーボモータ210に入力して、誤動作するのを
防止した後(即ち、パルス信号がサーボモータ2
10に入力されると、このパルス信号を打消すよ
うな補償信号が出力されるようになり、塗膜抵抗
信号としての電解電流が得られない結果となる)
パルス電源207aからパルス信号VPを出力さ
せると、該パルス信号は、補償信号供給手段20
6を介して、補償信号に重畳して演算器205に
入力される。しかしながら、補償信号は上記電位
信号で打消されるため演算器からは、パルス信号
のみが出力し、対極Cに入力する。 したがつて、基準電極Rと対極C間にVPの電
圧が印加され、このVPの電圧に対応した電流で
ある対極C及び塗装金属板W間に流れるこの電解
電流信号を、上記多段抵抗器213を介して、適
当に電圧を降下して増巾器214で増巾し電流計
215で測定記録する。このパルス信号の電圧は
塗装金属板の自然電極電位に対して充分小さく設
定されているため自然電極電位に影響を与えるこ
となく、したがつて連続してパルス信号を間欠的
に印加しながら、塗装金属板の自然電極電位も測
定可能である。尚このパルス信号に逆極性のもの
を組合せたり階段上に印加電圧波形を形成でき、
例えば塗装金属板に流れる電流の方向の相異がも
たらす、直流抵抗差等を容易に検出できる。 また、以上の接接点開閉動作をまずt0からt1
で接点L5、L7を開き、塗装金属板Wの電極電位
を測定する動作をさせる。次いでt1からt2まで、
接点L0、L5、L6を閉じ、塗装金属板と対極との
電極電位差で流れる誤差電流を略々零に設定し、
塗装金属板を自然電極電位で電解する塗膜抵抗測
定準備動作を行わせる。さらにt2からt5まで接点
L0、L6を開し、接点L9を閉じ、t2からt3までは+
VP、t4からt5までに−VPのパルス電圧を印加し、
塗装金属板と対極に流れる電解電流iP、−iPを測定
する。この動作をプログラムを組んで順次繰返し
行なえば、自然電極電位と自然電極電位で電解し
つつ塗膜抵抗を自動的長期にわたつて測定するこ
とができる。 腐食電流および腐食電位検出回路17は第6図
に示すように構成してもよい。 第6図において、1は測定セルで、無機又は有
機質を含有する樹脂製塗膜を表面に有し、一部鋭
利な刃物で傷つけられた鋼板である試料板Wと、
カロメル電極、銀−塩化銀電極等安定な電極電位
を有する基準電極Rと、白金等の塗装を有しない
金属板である対極Cとを3又は5%の食塩水等の
腐食液中に浸漬してなる。 302は試料板Wを自然電極電位で電解し測定
誤差になる誤差電流を零に設定する手段で、一端
がスイツチSW1を介して接地された直流電源E1
をポテンシヨメータP1を介して演算増幅器30
3の入力側に接続するとともに該入力側に上記基
準電極Rを、その出力側に適当な可変抵抗R0
介して対極Cを接続してなり、例えば一端が接地
された電圧計304が示す電位(試料の基準電極
に対する電極電位差)と反対符号の電圧をポテン
シヨメータP1によつて電源Eの出力電圧を調節
して演算増幅器303に入力し、その出力を零に
し、微少加電圧時の微少分極電流を正確に測定で
きるようになつている。 306は試料を分極させるため、被覆金属板W
に直線的勾配をもつて変化する過電圧を印加する
手段で、一端が接地された直流電源E3の他端を
ポテンシヨメータP3及びスイツチSW3を介して
積分回路307に接続し、積分回路307によつ
て徐々に増加する出力電圧を上記スイツチSW1
作動により接点○ハに接続して上記直流電源E1
出力電圧に加算するようになつている。 308は0〜10mVの微少過電圧を被覆金属板
Wに印加する手段で、直流電源E4をポテンシヨ
メータP4を介して接点○ロに接続し、スイツチ
SW1の操作により0〜10mVの微少電圧を対極C
に印加し腐食電流測定時の最大分極電流に応じて
適当な電流増幅度を予じめ決定されやすくなる。
即ち、10mV印加時の分極電流値を測定しその約
100倍の分極電流まで過電すれば、ほとんどの試
料板Wがターフエル勾配を求めるに充分な範囲ま
で分極されることに着目し、上記最大分極電流値
を算出する基準となる分極電流を求めるものであ
る。 309は比較回路で、積分回路307の出力側
に接続され、印加電圧が入力されるとともにもう
一つの入力10mVが比較電圧として入力されてお
り印加電圧が10mVになり両者の入力の差がゼロ
になつたときその信号を、試料板Wにスイツチ
SW4及び多段電流増巾器310を介して接続する
ホールド回路311及び、上記スイツチSW4に入
力し、印加電圧10mV、即ち試料板Wを10mV分
極させたときスイツチSW4を開成するとともにホ
ールド回路311にその時の電流増巾器310の
出力電圧を保持するようになつている。 一方、試料板Wは接地されている。対極Cと可
変抵抗R0間に5個の比較回路312〜316が
互いに並列に接続されており、各比較回路312
〜316にはもう一つの入力として、上記電圧印
加手段308の最終印加電圧時の分極電流によつ
て生ずる上記可変抵抗R0のIRドロツプの電圧変
化と同じ大きさの比較用基準電源E5を設け、ポ
テンシヨメータP5の各分割点と接続している。
詳しくは、いまIRドロツプをE(V)とすると基
準電源E5の出力電圧をE(V)に設定し、比較回
路312には10/100E(V)、比較回路313には 17.8/100E(V)、比較回路314には31.6/100E(
V)、 比較回路315には、56.3/100E(V)、比較回路3 16には100/100E(V)即ち、対数的には等差間隔 の電圧がポテンシヨメータP5を介して分割され、
各比較回路312〜316に入力し分極電流によ
る抵抗R0のIRドロツプともう一つの入力電圧が
一致すれば信号を出すようになつている。ここに
おいて上記各比較回路312〜316への入力電
圧は固定しておき、試料板Wによつて設定された
上記好ましい最大分極電流値による電圧降下が、
基準電源E5の出力電圧値と一致するよう可変抵
抗R0の抵抗値を設定する。 各比較回路312〜316の出力側は各ホール
ド回路318〜322の入力側に接続されるとと
もに、各ホールド回路318〜322の入力側に
はもう一つの入力として基準電極Rと接続され、
各比較回路の一致信号が順次入力して、その時の
基準電極Rと試料板Wとの電極電位差が各ホール
ド回路318〜322に順次記憶保持されるよう
になつている。 そして各ホールド回路311及び318〜32
2の出力側はホールド回路323を介してデジタ
ルパネルメータ324に接続され各測定点の電圧
を表示するようになつている。 次に以上の構成の腐食電流測定装置を使用して
各種試料板の腐食電流を測定した場合を説明す
る。 参考例 1 試料板として一般の自動車のボデイー等の下塗
りに用いられる電着塗料を7×14×0.08cmの鉄板
に塗装した塗装板を使用した。被塗物鋼板はミガ
キ鋼板(JIS・G・3141)で、電着塗料はマレイ
ン化油を主体とする固形分10%で、PH=8で、こ
の塗料中に鋼板を浸漬し、30℃の液温で直流の
200Vを3分間加電圧して塗装する。塗装後、水
洗し、170℃で30分間乾燥し、塗膜を硬化させ塗
装鋼板を作成する。膜厚は25μである。 そしてこの塗装鋼板の塗膜表面より鋼板に達す
る傷を鋭利なナイフで与え、その長さを10mmの直
線とし、その傷の面積(鋼が液に接する面積)は
顕微鏡観測で3.2×10-2cm2である。この傷より半
径2cmの円形の大きさの塗膜表面を残し、それ以
外を防水性テープでシールし、塗膜中への水の浸
入を防止(他の傷及び鋼板の端、塗装鋼板裏面等
の影響を防止するため)した後に測定液に浸漬す
る。測定液は3%Naclの50℃で、この測定液に
は対極である白金及び基準電極である飽和カロメ
ル電極(S.C.E.)も同時に浸漬し、試料極である
傷を有する塗装鋼板を50mV/minの速度で直線
的に加電圧を加え分極させる。分極は液中に於い
て、試料極から対極へ電流が流れる方向、いわゆ
るアノード分極である。この分極時の電流変化を
検出し計測する。 まず、印加手段308によつて10mVと被覆金
属板Wに印加し基準分極電流を測定すると約2.0
×10-7Aを示したので、可変抵抗R0を流れる最大
分極電流2×10-5Aを最終測定点(100%)とし、
以下0.2×10-5A(10%)、0.356×10-5A(17.8%)、
0.632×10-5A(31.6%)、1.126×10-5A(56.3%)と
対数値が等差になる分極電流値を各測定点として
設定すべく、予じめ対数的等差間隔に分割された
比較電圧に一致するよう即ち最大電圧降下が2V
になるよう可変抵抗R0を105Ωに設定した。 ここにおいて抵抗R0に流れる分極電流が2×
10-5Aを示す時の過電圧は約200mVであり、過
電圧と分極電流の対数値が直線関係になる領域ま
で試料板Wは分極せられている。そして、過電圧
は、50mV/minの直線的勾配をもつて増加する
よう積分回路307を設定した。 そして試料板Wを腐食液に48時間浸漬した後試
料板Wを自然電極電位で電解しつつ過電圧印加手
段306で試料板Wを自然電極電位からアノード
分極させてゆくと、10mV過電圧されたときの分
極電流がホールド回路311に電圧フルスケール
1Vに対して0.835Vと記録された。したがつて、
1.67×10-7Aである。 更に試料板Wを分極させてゆくと各測定点の分
極電流に対する過電圧は順次各ホールド回路31
8〜322に第1表のごとく記録された。
【表】 この時の最適過電圧差は56.3%の測定点37mV
及び100%の測定点の過電圧差36mVが略近似し
ているため56.3%以上において略々過電圧と分極
電流の対数値が直接関係の領域にあることが予測
されるため37mVを採用した。いま対数値の分極
電流値差1を4等分割しているため、ターフエル
勾配は37×4=148mVとなる。 ちなみに、上記分極電流を対数変換して過電圧
に対する値を自記々録したlogi−E曲線から作図
による外挿法によつて求めたターフエル勾配も
148mVを示した。 したがつて、上記測定結果は充分に信頼できる
ものである。 同様にカソード反応におけるターフエル係数を
求めれば、 icpr.=1/2.3・ba・bc/ba+bc・Δi/ΔE ……(1) (ただし、ΔEは過電圧差、ΔiはΔEに相当する分
極電流、baはアノードターフエル係数、bcはカ
ソードターフエル係数を示す。) より、icpr(腐食電流)を求めることができる。 本例の場合、簡略式 icpr.=ba/2.3・Δi/ΔE ……(2) に基づき、腐食電流を求めると、 icpr.=148×10-3/2.3×1.67×10-7/10×10-3=1.07
×10-6(A) となつた。 上記実施例は等分割電流値を基準としてターフ
エル勾配を求める場合を示したが、等分割電圧値
を基準としてターフエル勾配を求めることもでき
る。 この場合、Ecpr.から電位を等分してE1、E2、E3
………Ex点を設定し、各点における分極電流の
対数値logi1、logi2、logi3………logixを検出し、
その差θ1(=logi1−0)、θ2(=logi2−logi1)を

め、同じ値(10%以内は許容される。)である勾
配がターフエル接線となる。例えば、第7図にお
いて、左側アノード分極曲線では、θ3〜θ6が略々
等しい勾配を有するので、点2〜6を通る接線
がアノード分極曲線のターフエル接線となる。同
様に、右側カソード分極曲線においては、接線
がターフエル接線となる。したがつて、接線お
よびの交点の電流値icpr.が腐食電流であるから、
これを読みとる。実際には、両ターフエル勾配が
求まると、アノード側は方向へ上記と等しい電
位間隔で電位を分割し、各電位点の電流値をアノ
ード側のターフエル勾配を利用して求め、ターフ
エル接線をカソード側に延長する。一方、カソー
ド側は方向へ上記等電位間隔で電位を分割し、
その各電位点の電流値をカソード側のターフエル
勾配を利用して求め、ターフエル接線をアノード
側に延長する。この両者の電流値を比較回路で比
較して、一致した値を腐食電流として検出する。 第8図はアノード反応測定系(塗膜側測定系)
(第3図参照)とカソード反応測定系(非塗膜側
測定系)とを組合せた場合の原理的回路図で、上
記カソード反応測定系におけるポテンシヨスタツ
ト2′および電解電流検出回路7′は第8図右側の
ように構成される。すなわち、右側測定セル1′
内に挿入された比較電極R′は直流電源V′を介し
てポテンシヨスタツト2′に接続され、該ポテン
シヨスタツト2′の出力側は電解電流測定装置
7′を介して対極C′に接続している。上記直流電
源V′により上記被覆金属板Wの非塗膜側面の対
基準電極電位は略々零となるように設定され、非
塗膜側面は原子状水素がイオン化するに必要な状
態となる。この被覆金属板Wの裏面の初期電位は
ポテンシヨスタツト2′により維持される。これ
により、非塗膜側面において原子状水水素がイオ
ン化するとき生ずる電解電流が被覆金属板Wと対
極C′との間に流れ、上記測定装置7′により検出
される。 被覆金属板Wの対比較電極電位を略々零に自動
的に設定するためには、第4図および第5図の装
置の一部を使用することができる。その必要な回
路部を第9図に示す。第9図において、第5図と
同一部品には同一番号を付してある。 第9図において、接点L0、L6を開いた状態に
して、接点L5、L7を閉じると、被覆金属板Wの
裏面の電位が基準電極R′に対してOVとなるに必
要なだけの電力が、演算器205より出力され
る。つまり、被覆金属板Wの裏面(非塗膜面)が
基準電極R′に対してOVの電位に設定された状態
の定電位電解が行なわれる。この時の被覆金属板
Wの裏面(非塗膜面)と、対極C′の間に流れる電
解電流を装置7′で検出すれば、これが金属内を
透過してきた原子状水素の放電電流値である。な
お、206,209,210,211およびこれ
らに附随する装置は、被覆金属板Wの裏面(非塗
膜面)の電位を自然電極電位に設定するための装
置である。 図面においては、電解電流の大きさにより、測
定レンジの切換を行うべく、例えば、多段抵抗器
213の各並列抵抗R1〜R5とそれぞれ接続する
ロータリーソレノイドスイツチLを備えている。
そのため、多段抵抗器213の電圧降下V0が比
較電源221の出力電圧V1より大となる(V0
V1)時、比較器222で差信号を取出し、それ
を増巾器223により増巾してリレーを作動さ
せ、差信号の大きさに応じて適切なレンジ切換
(L5→L4………orL1)を行なう。 以下、第1図に示す腐食評価測定装置の操作を
第10図および第11図にしたがつて説明する。 第10図は操作フローチヤートで、第1図と同
一装置には同一番号を付する。全体の制御はマイ
クロコンピユータにより行われるのがよい。 試料は片面に所定の塗膜を形成し、他面には塗
膜を形成することなく、測定セル1,1′間に挾
合設定する。 上記試料が耐硫化物割れまたは耐水素脆性腐食
用試料であるときは測定セル1側には電解質液以
外の腐食用気体(SO2ガス、水蒸気)または液体
(原油)あるいは固体(土壤)を満し、測定セル
1′には所定のアルカリ性溶液(例えば、NaOH
溶液)を満す。したがつて、この場合、非塗膜側
の測定を行い、塗膜側の測定は行わずまたは行う
ことができない。 電解質液中の挙動判断が必要である場合は、測
定セル1側に所定の電解質液(例えば、NaCl溶
液)を満し、塗膜側の測定を行う。非塗膜側の測
定を行う必要のある場合または塗膜側の温度促進
試験を行う場合は所定のアルカリ性溶液を測定セ
ル1′側に満す。 したがつて、所定の試験条件を図示しないステ
ツプ制御手段に入力する。このステツプ制御手段
は次の測定工程を制御する。試料が耐硫化物割れ
または耐水素脆性腐食用試料でない場合(NOの
場合)であつて、かつ電解質液中の挙動判断が必
要である場合(YESの場合)塗膜側測定を行う。 塗膜側測定(ここでは便宜上アノード反応測定
という)の場合、自然電極電位検出回路3で試板
板Wの電極電位を測定し、一旦記憶回路18で記
録してデータを得る一方、該電極電位を基準と
して試料板Wを自然電極電位で電解設定する。該
電解設定状態はポテンシヨスタツト2により維持
される。 この電解設定状態においてパルス電圧発生回路
5から試料板Wと対極C間に陰陽パルスを印加し
て試料板Wをパルス分極する。パルス分極により
試料板Wと対極C間に流れる陰陽パルス電流を記
憶回路8で記憶する一方、判断回路9に送り陰陽
パルス電流が同一か否かを判断させる。実質的に
略々同一と認められる場合(YESの場合)、上記
試料板Wには塗膜欠損がない(データ)ので、
割り算回路27で上記記憶回路8に記憶された陰
陽パルス電流値を陰陽パルス電圧値で割算して塗
膜の電気抵抗(データ)および塗膜中の吸水率
(データ)を検出する。他方、実質的に同一で
ないと認められる場合(NOの場合)は塗膜欠損
あり(データ)と表示される。 上記塗膜の電気抵抗および塗膜の吸水率は次の
ようにして検出する。 第12図のように自然電極電位から+EPおよ
び−EPだけパルス分極すると、第13図のよう
なパルス分極電流変化が得られる。パルス分極初
期の最大値iP0の0.3679倍の所の時間τが時定数に
なるため、5τの時間のときの電流値iPを用いて、
塗膜抵抗RfをRf=EP/iPにもとずき検出する。
塗膜抵抗Rfが求まれば、塗膜の静電容量C=
τ/Rfを求めることができる。また、パルス分
極した時のパルス電流の減衰曲線がi=EXP〔−
(1/RfCf)t〕で表わされるので、これより
Cf、Coを求め、吸水率AP=100log(Cf/Co)/
log80(%)より吸水率を求めることができる。 パルス分極が終ると、次に昇圧電圧発生回路6
から一定勾配をもつて試料板Wを昇圧分極させ
る。 試料板Wに実質的に塗膜欠損がないと認められ
る場合は、塗膜金属板Wと対極C間に昇電圧発生
回路6から直流電圧を印加し、該印加電圧を正又
は負の勾配をもつて変化させ、上記塗装金属板W
と対極C間に流れる電解電流を測定信号として引
算回路28に入力する一方、該引算回路28に昇
電圧発生回路6から出力される上記印加電圧変化
と同一勾配をもつて変化する直流電圧を塗膜の電
気抵抗により除して得られる補正信号として入力
し、上記引算回路28をもつて上記測定信号と補
正信号との差信号を取り出し、微少電流−電位変
化(データ)を検出する。すなわち、試料板W
に実質的に塗膜欠損が認められない場合は、昇圧
分極(第14図)に対しそれと相対して略々直線
的に変化する分極電流変化(第15図)が得られ
るにすぎないが、この場合の上記微少電流−電位
変化を取り出すと(第16図参照)、 icpr.= EP 2/(ΔE・Δi・iP 2)・1/exp{(ΔE)} よりicpr.を求めることができる。 試料板Wに塗膜欠損がある場合は、陰陽logi−
E分極曲線を記憶回路14に記憶させ、この陰陽
分極曲線を表示する一方、該陰陽分極曲線から腐
食電流検出回路17により腐食電流および腐食量
(データ)を検出する。更に、ピーク検出回路
12により陰分極曲線上にピークがあるか否かを
検出する。 このピーク検出回路12は微分回路で構成する
ことができる。陰分極曲線を形成するd
(logi)/d(E)変化は第17図に示すような分極
曲線中のピークを形成するとからに転じ、さ
らにに転じる。すなわち、点Aおよび点Bで上
記微分値は零となる。したがつて、微分回路が零
出力を2度出力するときは、ピークありと判断し
てよく、第1零出力時の電位および電流を検出回
路15で検出すれば、その値がピーク電位および
ピーク電流となる。各分極曲線(試料板Wの分極
曲線は腐食液と接触後、一定時間毎に測定され
る。)のピーク電位およびピーク電流は記憶回路
29に記憶され、その経時変化(データ)が測
定される。 陰分極曲線のピーク面積はピーク面積検出回路
16により求められる。 陰分極曲線のピークの経時変化には第18図の
ようにからへと全体的に陰分極曲線が上方に
(分極電流が増加)変化する場合と第19図のよ
うに陰分極曲線の実質的にピーク部のみが上方に
隆起する(→)場合とがある。前者の場合
は、分極曲線のターフエル勾配を前述と同様の
手法を用いてターフエル接線′を形成し、該接
線より上部の分極曲線で囲まれた面積を積分回路
を用いて求めればよい。積分開始点E1は接線か
ら実測値がはずれた時点とし、積分終了点は上記
ピーク検出回路12の微分回路が第2番目の零出
力を出力する点Bの電位EBとして、面積∫EB E1(E
)−(E′)を求める。 ただし、(E)は分極曲線を示す関数、
(E′)は接線を示す関数とする。後者の場合
は、分極曲線と分極曲線またはの交点を積
分開始点E1および終了点E2とし、積分回路によ
り面積∫E2 E1(EorE)−(E)を求めれば
よい。ただし、(E)、(E)、(E)
は分極曲線〜の関数である。 ピークがある場合(YESの場合)、比較回路1
9により分極前の試料板Wの電極電位と基体金属
の電極電位(通常、試料板Wの基体金属は鉄であ
るので、鉄の自然電極電位が用いられる。実際に
は、腐食環境(PH、温度等)により鉄の電位は異
なつてくるので、測定される環境中での裸の鉄の
電極電位を用いる。)と比較して、基体金属の電
極電位より卑か貴かを判断する。卑である場合
(YESの場合)、塗膜欠損部は孔食傾向にある。
したがつて、孔食(データ)であることを表示
するとともに腐食量またはその経時変化を考慮し
て欠損断面の孔食状態を立体的に表示する。貴で
ある場合(NOの場合)、塗膜欠損部の腐食はヨ
コ方向に広がる(ヨコ方向腐食)傾向にある。し
たがつて、ヨコ方向腐食(データ)であること
を表示するとともに腐食量ならびにピーク電位、
ピーク電流および/またはピーク面積またはその
経時変化を考慮して欠損断面のヨコ方向腐食状態
を立体的に表示する。 一方、ピークがない場合(NOの場合)も比較
回路19により分極前の試料板Wの電極電位と基
体金属の電極電位とを比較し、卑である場合
(YESの場合)は塗膜欠損部がヨコ方向腐食、貴
である場合(NOの場合)は孔食傾向にあるの
で、上記と同様その旨表示する。なお、陰分極曲
線にピークがある場合とない場合とは腐食形態の
逆の関係にあることに留意すべきである。 更に、塗膜と基体金属表面との間に金属メツキ
層または陰極防食膜が存在するか否かの情報を
得、これを利用する場合は、陽(アノード)分極
曲線中にピークが存在するか否かの判断または基
体金属と被覆金属との自然電極電位の差の判断を
行えばよい。 アノード分極曲線中にピークまたは段部が有る
場合、上記メツキ層が存在する。かかる分極は
Ecpr.から貴な方向に500mV分極させ、その範囲
でピークまたは段部が存在するか否かを判断すれ
ばよい。 試料板の欠損はこの金属メツキ層にも存在して
いなければならない。欠損がない場合は、この金
属メツキ層自身が金属基体であると試料板浸漬初
期においては判断されることになり、欠損が基体
金属部に達した時点でメツキ層ありの判断がされ
ることになる。 具体的には第11図に示す手法によつて行う。 試料鋼板Wは昇圧分極法によりEcpr.から卑な方
向に約1000mV分極させて、陰(カソード)分極
曲線を求める一方、Ecpr.から貴な方向に約500m
V分極させて、陽(アノード)分極曲線を求め
る。 上記陰分極曲線からはピークまたは段部の有無
を検出し、有りの信号と無しの信号のいずれ
かを得る。一方、陽分極曲線からもピークまたは
段部の有無を検出し、有りの信号と無しの信号
およびのいずれかを得る。更に、試料鋼板W
の自然電極電位Ecpr.と裸鋼板の同一腐食環境下の
電極電位EFeとを比較して、Ecpr.<EFe(卑)の信
号またはEcpr.>EFe(貴)の信号のいずれかを
得る。 陰分極曲線にピーク有りの信号が得られる場
合、金属メツキ層無しの信号が得られるととも
にEcpr.>EFeの貴信号が得られるときに腐食形
態は「ヨコ方向腐食」となる。金属メツキ層有り
の信号が得られる場合はEcpr.<EFeの卑信号
が得られるときに腐食形態は「孔食」となる。ま
た、金属メツキ層の代りに陰極防食膜有りの信号
が得られる場合(金属メツキ層無しの信号が
得られるが、Ecpr.<EFeの卑信号も検出され
る。)も腐食形態は「孔食」となる。金属メツキ
層がないにもかかわらず、試料鋼板WのEcpr.
EFeより卑となることは金属メツキ層がある場合
と同等の機能を有する防食膜が存在するからであ
る。 陰分極曲線にピーク無しの信号が得られる場
合、金属メツキ層無しの信号が得られるととも
にEcpr.>EFeの貴信号が得られるときに腐食形
態は「孔食」となる。金属メツキ層有りの信号
が得られるとともにEcpr.<EFeの卑信号が得ら
れるとき(または陰極防食膜有りの信号が得ら
れるとき)は腐食形態は「ヨコ方向腐食」とな
る。 塗膜欠損部の腐食断面を立体的に表示するモデ
ル図の作成は次のようにして行われる。 考慮すべき信号(データ)の種類として、腐
食体積、孔食またはヨコ方向腐食の腐食形態、
ピーク面積、ピーク電位およびピーク電流
が挙げられる。 腐食体積とは腐食量(Wg=icpr.・hr/k;k
は電気化学当量、hrは浸漬時間である。)を比重
ρで除した値である。したがつてVcpr.(cm3)=
icpr.・hr/k・ρとなる。本発明では、上述のよ
うにして腐食電流icpr.を求めることができるから、
浸漬時間hrを計測するとともに電気化学当量kお
よび基体金属比重ρ定数として与えれば、目的の
腐食体積Vcpr.を求めることができる。 孔食の場合、塗膜欠損部から塗膜と金属表面の
界面において横方向に広がるサビ巾lは実質的に
存在しないものとみなすことができるので、塗膜
欠損部の表面積Dを考慮して腐食体積Vcpr.の大き
さのみをモデル化すればよい(第20図参照)。
なお、欠損部の表面積Dは試料板Wと同じ環境中
での裸の基体金属の腐食電流密度(icpr/cm2)K1
を予め測定しておくと、試料板Wを腐食媒体に浸
漬した直後の腐食電流icpr.(これをいまK2とお
く。)を実測すれば、D=K2/K1(cm2)の関係式
より求めることもできる。 ヨコ方向腐食の場合、以下の実施例より、ピー
ク電位が卑な程、ピーク電位におけるピーク電流
とターフエル接線との差(実質的なピークの高
さ)が大きい程またはピーク面積が大きくなる
程、サビ巾lも大となる(第21図参照)。した
がつて、ピーク電位、電流および/またはピーク
面積の経時変化とサビ巾との関係を考慮すれば、
モデル図の精度が向上する。なお、Hは一般に数
μ〜数十μの高さであり、正確な値を求めずとも
モデル図作成は困難でない。 なお、上記陰分極曲線のピーク電位PEおよび
ピーク面積PAより自然防食下での塗膜の剥離面
積A1を推定することができる。すなわち、A1
PAおよびPEとの間には A1=k′(PA×PB) 〔ただし、k′はA1下でのピークの電位ならびに
ピークの面積に関係した定数である。〕が成立す
る。 以下実施例にもとずいて、陰分極曲線のピーク
有無と腐食形態との関係、ピーク電位、電流およ
びピーク面積ならびにその経時変化とサビ巾等と
の関係を明らかにする。 実施例 1 試験板としてアミン硬化型エポキシ樹脂系塗料
(コポンEA−9:日本ペイント(株)製)を膜厚
200μに塗装した鋼板(JIS.G、3141軟鋼板 寸法
15×7×0.08mm)を用いた。この被覆鋼板Wは一
側面に欠陥部Hが存在する(予じめ、顕微鏡観察
にて約1×10-3cm2の塗膜欠損が生じていたことを
確認した)。これを、第22図に模式的に図示す
るように欠陥部H付近に銀−塩化銀基準電極Rと
白金対極Cとを設置した。 上記試料鋼板Wを浸漬時間毎(50、100、200、
500、1000時間毎)にカソード(陰)分極(50m
V/min)すると、各陰分極曲線に第23図に示
すピークP1、P2、P3、P4、P5が現われ、各ピー
クP1〜P5の電位は浸漬時間の経過とともに卑方
向に移動する傾向が観測された。 一方、各浸漬時間毎に第24図に示す欠陥部H
域のサビ幅(イ)および塗膜剥離幅((イ)+2×(ロ))を
従来方法にもとずき測定した。 上記ピーク電位の経時的変化に対し、サビ幅
(図中×印)および剥離幅(図中〇印)の経時的
変化を対応させると、第25図に示すように略直
線関係にあることがわかる。 これより、陰分極曲線にピークが現われる場
合、このピーク電位の経時的変化を測定すれば、
塗膜欠損部域のサビ幅および塗膜剥離幅を推定で
きることが理解できる。 実施例 2 エポキシ樹脂系塗料A(ペーストと硬化剤との
二液型自然乾燥塗料であつて、PVC40%;NV80
%;(組成)添加剤(タレ防止剤+界面活性剤)、
防錆顔料+体質顔料、エポキシ樹脂)のAまたは
ポリエステル樹脂系塗料B(エポキシ樹脂の代り
にポリエステル樹脂を含有する以外は塗料Aと同
じ)をそれぞれ500μの厚さに塗装した実施例1
と同一の鋼板をそれぞれ、3%NaCl水溶液(30
℃)に浸漬し、浸漬時間(略500時間)毎に陰分
極(50mV/min)させて、各分極曲線に現われ
たピーク電位を検出するとともに、各浸漬時間に
おける欠損部(各々約1×10-3cm2の欠損部が存在
することを顕微鏡観察により予じめ観認されてい
る)域のサビ巾を測定した。 500時間浸漬時の試料鋼板AおよびBの陰分極
曲線を第26図に示す。第26図からわかるよう
に、試料鋼板Aにはピークが見られるが、試料鋼
板Bにはピークが現われていない。試料鋼板Bに
ついては浸漬時間1500時間後に初めてピークが現
われた。 500時間浸漬時の試料鋼板AおよびBのサビ幅
を観察すると、試料鋼板Aはサビ幅が横方向に広
がる傾向が見られ、試料鋼板Bは孔食になりやす
い傾向が見られた。 この結果より、試料鋼板Aの場合、陰分極曲線
にピークおよび段部が現われると、サビ幅がその
地点から横方向に広がる挙動を見せるものと推定
することができる。 なお、上記試料鋼板AおよびBの各分極曲線の
ピーク電位の経時的変化(第27図参照)はサビ
幅の経時的変化(第28図参照)と同一傾向を示
し、両者の間に相関関係があることがわかる。 実施例 3 ポリエチレン系塗料を数mmの厚さに塗装した鋼
管CおよびD(ともに内径100mm、厚さ5mmの鋼管
であつて、塗料を塗装する前に予じめDはリン酸
亜鉛皮膜処理を施したもので、Cは無処理)を10
%含水率の土壌であつて、かつ深さ約1mの所に
設置し、施工時微少な傷が発生したと思われる個
所を実施例1と同様の方法で陰分極させた。浸漬
100時間後の陰分極曲線を第29図に示す。試料
鋼管CおよびDはともに分極曲線にピークが現わ
れている。各浸漬時間毎の陰分極曲線から通常行
なわれているいわゆる外挿法を用い、腐食電流を
求めると、浸漬時間に対する腐食電流の経時変化
は第30図に示すとおりである。試料鋼管Cおよ
びDはともに塗膜欠損部から横方向にサビが広が
る傾向があるが、第30図より試料鋼管Cの方が
試料鋼管Dよりも第10倍早く広がることが推測さ
れる。この傾向は第29図の各分極曲線のピーク
部の電流値の差に相当する。したがつて、ピーク
電流より腐食電流と同じ腐食評価を行なえること
が理解できる。事実、上記分極曲線のピーク電流
の経時的変化(第31図参照)はサビ幅の経時的
変化(第32図参照)および腐食電流の経時的変
化(第30図参照)と略同一の傾向を示す。 一般的に、浸漬初期より極めて卑な電位を示す
ピークが認められる場合、すなわち、浸漬初期で
極めてサビが広がる場合、ピーク電位が徐々に卑
となる実施例2の場合と異なり、ピーク電位は浸
漬経時によりあまり卑な方向に変化しにくい傾向
にある。したがつて、このような場合、ピーク電
流は、上記したように腐食電流に略対応するた
め、ピーク電流がサビ幅の変化の判断の代りとな
り得る。このためピーク電流値およびその経時的
変化からサビの形態およびその広がりを推定する
こともできる。 実施例 4 市販の溶融亜鉛メツキ鋼板E(15×7×0.03cm)
および市販の溶融亜鉛メツキ鋼板に通常のクロム
酸処理を施したものFにエポキシ樹脂系塗料(市
販のカラートタン用塗料)を塗装(膜厚:約
50μ、170℃×10分間乾燥)した試料板Eおよび
Fと、通常の電気亜鉛メツキ鋼板F′に上記エポキ
シ樹脂系塗料を同一条件で塗装した試料板F′を実
施例2と同様にしてそれぞれ各浸漬時間において
各陰分極曲線を測定した。第33図は浸漬20時間
後の各陰分極曲線を示す。試料板E,Fおよび
F′は共に約−1Vの自然電極電位を示すが、その
分極曲線においては試料板FおよびF′についてピ
ークまたは段部が現われるが、試料板Eの分極曲
線にはピークが現われず、分極曲線の立上がりが
試料板FおよびF′より大きい。一方、同一試料板
について同一条件における目視による腐食評価を
行なうと、サビ幅の経時的変化は第34図に示す
とおり、試料板FおよびF′はサビ幅の増加があま
り見られないのに対し、試料板Eはサビ幅の増加
が著しい。すなわち、試料板FおよびF′において
は塗膜欠損部域には孔食が進展しているのが確認
された。 これより、亜鉛メツキ鋼板では陰分極曲線にピ
ークおよび段部が発生する場合は孔食挙動を示
し、陰分極曲線がピークおよび段部を有さず立上
がるときはサビ幅が増加する挙動を示す傾向にあ
ると推定することができる。すなわち、Eはメツ
キ層のみが腐食され、基体の鋼板は防食されてい
る。従つて、Eのicpr.の電気量がサビ巾の変化と
なる。一方、F′,Fはメツキによる基体鋼板の防
食反応は少なく、試料板FおよびF′の孔食深さの
経時的変化は分極曲線のピーク電位の経時的変化
(第35図参照)あるいはicpr.より推定できること
はいうまでもない。 この結果は、実施例2の鋼板上に亜鉛メツキを
施していない試料板のその陰分極曲線から推定さ
れる腐食挙動と反対になることに留意すべきであ
る。 実施例 5 実施例4に用いた溶融亜鉛メツキ鋼板Fに市販
塗料G(PVC35%、NV60%、エポキシ−アクリ
ル系樹脂、防錆顔料なし)およびH(市販塗料G
において、防錆顔料を含むもの)を塗装(膜厚:
約15μ)した試料板GおよびHについて実施例2
と同様にして各浸漬時間毎に陰分極曲線を測定し
た。第36図aは浸漬250時間後の試料板Gおよ
びHの陰分極曲線を示す。両分極曲線とも下向き
のピークまたは段部が現われ、サビ幅が横方向に
広がる傾向にあると推定される。しかし、試料板
Gの分極曲線は立上がりが見られる一方、試料板
Hの分極曲線は略一定になる。 サビ幅の経時的変化(第37図参照)を見る
と、試料板Gのサビ幅は試料板Hのサビ幅より常
に大きく、ピーク電位の経時的変化(第38図参
照)と一致する。しかし、実施例4の試料板Eの
分極曲線(第33図E)と比較すると電流値が略
同一の変化を示すのに対しサビ幅の経時的変化は
略1/2であるので、本実施例での試料板において、
陰分極曲線におけるピークおよび段部が表われる
とサビ幅の増加より、孔食挙動が支配的であると
推定できる。 したがつて、陰分極曲線のピークの有無、ピー
クの電位および電流値から総合的な腐食評価も行
なうことができる。例えば、試料板Gの分極曲線
(第36図aのG)のピークの有無、ピーク電位、
ピーク電流から、試料板Gの腐食挙動は実施例4
の試料板EとFの両方の腐食挙動を示すものと判
断し得る。 第36図bは浸漬250時間後の試料板Gおよび
Hの陽分極曲線を示す。分極初期において段部が
陽分極曲線中に見られるのは、分極初期には亜鉛
メツキ膜の溶解反応が支配的であるが、分極電位
が貴になるに従つてこの溶解反応が抑制され、分
極電流が昇電位に追随しないために起るものと考
えられる。なお、その後分極電流がまた昇電位に
追随して増加するのは基本金属である鉄の溶解反
応が存在するためであろう。この現象は塗膜と基
本金属間に金属メツキ層が存在する場合に特有の
ものである。したがつて、この陽分極曲線中のピ
ークまたは段部の有無の検出により金属メツキ層
の有無を検出し得る。 実施例 6 実施例5の試料板HおよびI(試料板Hの亜鉛
メツキ鋼板より表面スパングル(spangle)が大
きいものに同一塗料を塗装したもの)について実
施例2と同様にして浸漬初期(0.5時間)と各浸
漬時間毎に陰分極曲線を測定した。結果を第39
図(試料H)および第40図(試料I)に示す。
第39図において浸漬初期の分極曲線を基準とし
た各分極曲線のピーク部の面積(浸漬初期の分極
曲線と各分極曲線とにより囲まれる面積)の経時
的変化とサビ幅の経時的変化(第37図参照)と
は相関関係があることがわかる。したがつて、ピ
ーク部の面積よりサビ幅を推定することができ
る。第40図のピーク部の面積の経時的変化もサ
ビ幅の経時的変化と相関関係を示す。しかしなが
ら、第39図に示すピーク部の面積の増加率は第
40図のピーク部の面積の増加率より大きく、サ
ビ幅の変化と反応の傾向を示す。すなわち、第3
9図は実施例4のH、第40図はGに各々似た傾
向となる。したがつて、ピーク部の面積および/
または経時的変化を見れば、腐食挙動、特にサビ
幅およびその変化が推定できる。 第41図は浸漬0.5時間後の試料板Iの陽分極
曲線を示す。試料板Iは金属メツキ層を有するた
め、第36図bの場合と同様、その陽分極曲線中
にはピークまたは段部が現われている。 以上の実施例は、本発明の腐食評価試験方法の
1例を示すものである。 一般に、スキマ腐食の研究あるいは実用的評価
においては、第42図に示すように、金属と金属
あるいは金属と非金属の間のスキマによる腐食挙
動が問題視され、かつ金属の面と液との接触
面積が大きい試料を対象としている。ところが、
被覆金属材の場合(以下特に金属材を鋼板とする
と)、被膜に微少欠損が存在する場合(第43図
参照)には欠損の幅Wあるいはこの長さが小さ
く、かつ金属が液と接触していても、実際に
は液は欠損幅Wの真下の金属と接触するにすぎ
ない。被膜中の吸水による電気抵抗減少によ
り、被膜と金属間に液が浸入し、金属を分
極すると、膜中も電流が流れるが、一般に欠損
部W間を介して流れる電流よりはるかに小さい。
したがつて、第42図の場合と第43図の場合と
を同じ条件で陰(カソード)分極を行つても金属
に電流が流れる(カソード分極される)面積は第
43図の場合の方が小さい。 ところが、第43図のように欠損部からサビ
(黒色部)が広がり、ある深さに達したとすると、
スキマ幅を含めたHが第42図のHと同じ値であ
つたとしても欠損幅Kに対応する金属面○イはサビ
が広がる金属面○ロは小さい。しかし、第42図の
場合、液と接触するスキマ部以外の金属面○イ′と
スキマ部の金属面○ロ′との面積を比較すると、は
るかに○イ′の方が大きく、第42図のスキマ内
○ハ′の挙動は見掛け上○イ′の反応に支配されて、認
められにくい。一方、第43図の場合は○イは○ロの
面積に比して小さいため上記したようにスキマ内
の反応○ロも○イの反応と同様に認められることにな
る。このため、○イと○ロの部分の、あるいは液と
○イと○ロとの各々の酸素量の差あるいはイオン濃度
差、分極による液組成の変化量の差などが異な
る。よつて○ロ内の挙動がカソード分極曲線上に例
えば、ピークまたは段部となつて表われることに
なる。ところが、第43図の点線○ハのように深く
腐食し、サビ幅○ニ、ハクリ幅○ホが小さいと、スキ
マ○ロの部分が小さくなり、略○ハ中の挙動が見かけ
上、測定されることになり、通常のカソード分極
曲線に似てくる。したがつて、ピークが認められ
なくなるといえる。 以上のことから、ピークの発生の機構は塗膜下
のスキマ腐食の現象によるものであり、このこと
から、ピークの有無により欠損部の腐食形態を推
定することができ、きわめて価値のある腐食評価
試験方法が提供できる。 なお、陰分極曲線に現われるピーク電位および
電流値は温度上昇に伴ない、ともに増加(電位は
卑側に)する傾向が見られる。予備的腐食評価を
行うにあたつては、自然界における腐食環境と適
合させるとすれば、一般に15〜40℃の測定が好ま
しいといわれている。もちろも、腐食挙動の温度
依存性の検討には上記温度変化に伴うピーク電位
等の変化を観察することは有意義である。 また、分極速度は試料板の分極挙動に影響を与
えるから、適宜の条件を選択するのがよい。 一般に、10〜500mV/minの分極速度が選ば
れる。この範囲において、ピーク電圧は貴な方向
に変化し、かつピーク電流は分極速度の増大とと
もに増加する傾向がある。 また、分極曲線の作成方法については、通常実
施されている金属の該防食反応の検討に於いて
は、電流と電圧の関係を記録計に記録させている
場合が多いが、本発明においてはある電位のとき
の電流を記憶し、これらの記憶値をつなぎ合せる
ことによつてi−Eおよびlogi−Eの分極曲線が
想定できる場合をも含むものである。この場合、
ピーク電流またはピーク電位を求めるには例えば
上記分極曲線が想定される電流変化を微分回路を
介して微分して、ゼロになるときの電流または電
位を求めることにより検出することができる。 以上の説明は塗膜側の反応に関する測定につい
てであるが、以下に非塗膜側反応に関する測定に
ついて説明する。 第10図において、試料が耐硫化物割れまたは
耐水素脆性腐食用試料である場合(YESの場合)
またはNOの場合であつて、電解質液中の挙動判
断が不必要又は不可能である場合(NOの場合)、
非塗膜側(試料板の裏側)をアルカリ性液と接触
させ、ポテンシヨスタツトで定電位電解を行う。
まず、腐食条件を定め、ポテンシヨスタツト2′
で比較電極電位に対して零にし、その初期電位に
維持すると、非塗膜面とアルカリ性液の界面で原
子状水素がイオン化して、試料板Wと対極C′との
間にイオン化電流が流れる。これを電解電流測定
装置7′で測定し、記憶回路21でこの変化を記
憶する一方、これを表示する(データ)。 実施例 7 試料板Wとして厚さ0.8mmのミガキ鋼板にリン
酸亜鉛化成被膜処理を施こし、その片面にメラミ
ン−アルキド系樹脂に防錆剤1wt%を混入した塗
料を膜厚35μに塗装(乾燥条件:140℃、30分間)
したものを使用し、左側測定セル1に3%NaCl
溶液を入れ、50℃に液温を維持する一方、右側測
定セル1′に1NNaOH溶液を入れ、15℃に液温を
維持する。試料板Wを比較電極電位に対して零に
設定し、25時間定電位電解を行なうと、対極C′と
試料片W間に流れる電解電流変化は第44図点線
Aに示されるものであつた。 この電流変化は次のように考察される。 ここで、点線Aには3つのピークが表われてい
るから、その第1ピークをP1、第2ピークをP2
第3ピークをP3とするとともに第3ピークの立
上り点までの時間をtcとすると、各P1、P2、P3
tcは次なる意味をもつて推測される。 第1ピークP1は試料板Kの各溶液との接触初
期における電解電流変化であるから、試料板Wの
反応順序から、非塗装面の鋼とNaOH溶液との
腐食−防食反応と推測される。 なぜならば、両溶液を50℃の等温に維持して両
面に温度勾配を加えないときにも第1ピークP1
は0.1時間程度で発生し、そのピーク電流が10μA
程度で、もし塗膜下の鋼板の腐食により水素が溶
解し、これが非塗装面に透過して示されると仮定
すると発生時間が早くかつ電流が多すぎるからで
あり、 一方、非塗装面の表面状態によつてその電流値
もことなり、又定電位電解せず自然電極電位の変
化を測定すると、第1ピークP1付近に電極電位
の極小を示す変化を示し、非塗装面の腐食−防食
反応が生じているからである。この非塗装面の
NaOH溶液との反応による電解電流は第44図
B曲線によつて示される。 したがつて、第1ピークP1以後は上記B曲線
に本発明の測定対象である鋼中の原子状水素が非
塗装面から溶出し、イオン化する反応すなわちH
→H++e-との反応によつて生ずる電流が重畳し
たものであると推測される。 この変化に第2ピークP2、第3ピークP3が見
られるのは、塗装面側においてNaCl溶液が塗膜
下金属面に到達し、そこで腐食反応が起り、カソ
ード反応によつて生じた(H++e+→H)原子状
水素が金属面に浸透して、鋼中に溶解していた原
子状水素を非塗装面から追い出して生じるもの
と、腐食反応によつて鋼中に溶解した原子状水素
が非塗装面から溶出を開始して生ずるものである
と推測される。 もちろん反応順序からして第2ピークP2は極
めて初期(具体的には浸漬して液が塗膜下に到着
したとき)に水素が鋼中に溶解したものが裏側に
溶出されてイオン化するときの電解電流(第44
図C曲線)が第44図Bの残余電流に重畳して生
じたものである。 第3ピークP3は上記第44図C曲線で示され
た電解電流変化が終了して、その後生じる腐食反
応によつて生じた原子状水素が鋼を透過して非塗
装面でイオン化して生じる電解電流(第44図D
曲線)が主に第44図B曲線で示される残余電流
に重畳して生ずるものである。 このことはNaCl溶液を飽和にすると塗膜内へ
の溶液拡散が遅いので第2ピークP2が現われに
くい点、又第3ピークP3の立上がり点tcが目視に
よる赤さび等のサビ発生時点と対応することか
ら、確認される。 このように、第44図A曲線は第44図B,
C,Dの曲線で示される電解電流の合成された変
化であるから、これを解析すれば、塗装金属板の
耐食性すなわち塗膜下の腐食、金属内の水素脆
性、応力腐食等の評価を行なうことができる。 実施例 8 試料片として3コート、3ベーク塗装系塗料を
ミガキ鋼板にリン酸亜鉛化成被膜処理を施したそ
の片面に塗装したものを使用した。ただ、中塗塗
料は腐食がされやすいものと腐食がされにくいも
のとを二種類使用した。前者の試料片をB、後者
の試料片をAとし、上記実施例7と同一試験条件
で電解電流の経時的変化を測定した。その結果は
第45図に示される。 このグラフによると、腐食しやすい塗料が塗装
されている試料片Bの第3のピークP3の立上が
り点tcまで即ち、測定開始後15時間位までは試料
片AとBとの電解電流の変化は同じであるが、そ
の後試料片Aでは第3ピークP3の立上がり点tcま
で17〜18時間要した。又、試料片Aの第3ピーク
P3の立上がり勾配は試料片Bの第3ピークP3
立上がり勾配に比してなだらかである。 第2ピークP2が同一であるのは試料片A,B
の塗膜中への水の拡散速度に余り差が無かつたた
めであろう。また、塗装面側の腐食液浸透速度と
それに伴なう腐食反応等によつて総合的に生ずる
溶解水素の追い出し力並びに、溶解水素が透過す
る鋼組織等が同一であるためと推論される。これ
は塗膜内への溶液拡散を押えた場合にも第2ピ
ークが表われたことと、逆に飽和NaCl溶液では
脱水作用が働き認められ難かつたこと等からし
て、水分子が塗膜下金属にわずかでも達したこと
によつて起るものであること。塗膜形成側の鋼
板を電解研磨すると表面加工ひずみ層がなくな
り、第1ピークP1以後の電流が非常に多いこと。
第2ピークP2の発生時間tの対数値logtと塗装
面側の浸漬液の温度との関係は直線関係になり、
この勾配は塗膜内への浸漬液の拡散係数Dの対数
値logDと測定温度との関係の勾配と同一となる
こと、等のことより上記の推論が確認される。 したがつて、浸漬後の拡散性を第2ピークP2
の発生時間tで判断することができる。 定量的に求める場合、第2ピークの発生時間t
は塗膜側に腐食液を接触させた後、液が塗膜内に
拡散し、金属表面で腐食されて発生した原子状水
素が金属内を拡散して非塗面表面に到達する時間
と考えることができるから、tP2=lf 2/Df+lH 2
DH 〔ただし、lfは塗膜厚、lHは金属板厚、Dfは液の
塗膜中への拡散係数、DHは金属中の水素の拡散
係数である。〕が成立し、DHを与えれば Df(tP2−lH 2/DH)/lf 2 から検出することができる。 また、第2ピークP2の有無は塗膜種とも関係
している。常乾型の場合、塗膜下の鋼面付近の水
の存在量は焼付型に比して多量であり、たえず腐
食反応が進行しており、新たに塗膜を介して鋼面
に到達する水との反応に対し敏感でないが、焼付
型はこれとは反対に極めて敏感である。したがつ
て、焼付型では第2ピークP2の発生が認められ、
常乾型では第2ピークが認められない。また経時
劣化型塗膜においても第2ピークは認められなか
つた。 第3ピークP3の立上がり点tcが試料片Aよりも
試料片Bの方が早いことは、tc点が第44図C曲
線(鋼中に溶解していた水素の溶出現象に伴なう
イオン化電流変化)とD曲線(腐食反応によつて
新たに鋼中に溶解した水素の溶出現象に伴なうイ
オン化電流変化)との交点に略々一致することか
らして、試料片Bの方が腐食し始めるのが早いこ
とを示す。このことは、塗料の特性、赤さびの発
生と一致していることから確認される。 特に水素脆性や割れ等の水素に基因する腐食反
応を起す高張力鋼においては破断時間Tと第3ピ
ークP3の立上がり時間tcとの間には、 T=C・tc−k(hrs) 〔ただし、Cは鋼材自身の特性(例えば、引張強
度が大きい程、小さくなる。)と試料板Wに加わ
つている引張応力の大きさ(印加応力が大きい
程、小さい。)に関係した定数、kは鋼材の厚さ
(厚くなる程、大きくなる)に関係した定数であ
る。〕が成立することが見い出されている。 第3ピークP3の立上がり勾配が試料片Bの方
が急なのは溶解水素の発生速度が大きいことを示
すので、これは腐食反応が早いことを示す。 また、第3ピークP3の面積(電気量Q3を示す)
は塗膜側の腐食反応によつて生ずる原子状水素の
鋼中への溶解量を示すので塗装面の腐食量と関連
する。 このことは、第3ピークP3の電気量から計算
した塗装鋼板中へ溶解した水素量と目視で鑑察し
た糸さびの発生長さFlとの関係を示す第46図及
びソルトスプレーテストの目視による腐食巾lcpr.
との関係を示す第47図ならびに顕微鏡観察によ
る孔食深さHpとの関係を示す第47図の結果か
ら確認される。 したがつて、第3ピークの電気量Q3とヨコ方
向腐食の場合のサビ巾lcpr.との関係式は、 lcpr.=a1Q3−k1 〔ただし、a1は腐食環境に関する定数、k1は腐食
環境および塗膜中の水可溶物のPHに関する定数で
ある。〕と表わすことができる。 また、第3ピークの電気量Q3と孔食の場合の
孔食深さHpとの関係式は、 Hp=a1・Q3 第3ピークの電気量と塗膜側の糸サビの長さと
の関係式は、 Fl=a2・Q3 〔ただし、a1は前記と同意義、a2は腐食環境およ
び塗膜に関する定数である。〕と表わすことがで
きる。 また、第3ピークP3の電気量Q3は試料板Wの
自然電極電位(腐食電位)Ecpr.とは比例関係にあ
り、 Ecpr.=−a3Q3+E0(volt) 〔ただし、a3およびE0は腐食環境に関係した定数
である。〕が成立する。例えば、塗膜中からの水
可溶物質のPHが小さい程、上記定数a3は大きくな
り、定数E0は卑となる。他方、そのPHが高くな
るとa3は零に近ずく。また、Q3も上記PHと関係
し、 Q3=k SPH−8 〔ただし、kは塗膜中の可溶物、腐食環境、塗膜
の拡散係数等に関係した定数、SPHは塗膜下金属
表面のPHである。〕と表わすことができる。更に、
E0は例えばZnメツキ層またはジンクリツチ下塗
り塗膜が存在する場合は非常に卑(−)な電位で
あり、Q3も一般に大きい。Znメツキ層等が塗膜
と金属表面間に存在する場合は防食性能が大であ
ることとも関係して、防食性能をAfとすると、 Af=|Ecpr.|+Q3 〔ただし、Ecpr.は同一腐食環境下における鋼電位
より常に卑(−)であることを要する。〕で表わ
すことができ、腐食電位Ecpr.と第3ピークの電気
量Q3から防食性能を推定し得る。 なお、第44図、第45図に示すような第3ピ
ークP3が見られないものがある。例えば、鋼板
としてミガキ鋼板にリン酸亜鉛被膜処理を施した
ものにスチレン−ブタジエン3元ブロツクコポリ
マー塗料の防錆剤としてタンニン酸を1wt%を混
入した塗料を片面塗装したものを試料片とし、塗
装面側には50℃の3%NaCl溶液を、非塗装面側
には15℃の1NNaOH溶液を接触させ、20時間浸
漬しその電解電流を測定した場合を挙げることが
できる(第49図参照)。この場合、第3ピーク
P3が見られない原因は目視鑑察と対比すると、
この場合赤さびが発生せず黒さびとサビの無いア
ルカリ性ブリスターが混在して発生していたこと
によるものと思われる。 この塗膜側のブリスターと第3ピークの電気量
Q3の関係は、試料板Wの測定面積当りのブリス
ターの面積の割合をB(%)とすると、 B=1/(b・Q3)×100(%) 〔ただし、bは前記と同意義〕と表わすことがで
きる。 もちろん、第44図の説明で明らかにしたよう
に第44図Aの曲線は、B,C,D曲線の合成で
あり、各曲線の特性より例えばD曲線の立上がり
が早ければ、第2ピークP2が表われ難い等その
塗装鋼板の特性及び腐食液との関係により種々変
化するものであることに留意すべきである。 したがつて、特に第2ピーク、第3ピークに着
目し、その検出を行う。 第2ピーク検出回路は前述の陰または陽分極曲
線のピークまたは段部の検出に用いられると同等
の微分回路が用いられてよい。第2ピークが有る
場合(YESの場合)、試料板の塗膜は焼付型塗膜
であると判断できる(データ)。第2ピークが
無い場合(NOの場合)、試料板の塗膜は常乾型
または経時劣化型塗膜であると判断できる(デー
タ)。 第3ピーク検出回路23も第2ピーク検出回路
22と同等の手段をもつて構成されてよい。 第3ピークがある場合(YESの場合)は、そ
のピーク面積を測定し、塗膜側の腐食反応に関与
する水素量(データ)を検出する。次に第3ピ
ークの立上り勾配を測定し、水素拡散速度(デー
タ)を検出する。更に、第3ピーク立上り時間
tcを検出し、試料板Wの破断時間(データ)を
予測する。一方、第3ピークがない場合(NOの
場合)は第3ピークの立上りもないので、耐食性
良好(データ)の表示を行う。 第50図は上記電解電流変化から第2ピーク
P2の有無、第2ピークP2の面積(電気量)、第2
ピークP2の発生時間、第3ピークP3の有無、そ
の立上り時間tcおよび第3ピークP3の発生時間な
らびに第3ピークP3の面積(電気量)を検出す
ることのできる装置のブロツク図である。 第50図の装置に、第44図中点曲線Aで示さ
れる典型的な電解電流変化が電解電流検出手段
7′(第1図の手段に対応)を介して入力すると、
曲線Aの極大・極小点P1、x、P2、tcおよびP3
までの経時時間、すなわち第1ピーク頂点までの
時間、第2ピーク立上りまでの時間、第2ピーク
頂点までの時間、第3ピーク立上りまでの時間、
第3ピーク頂点までの時間が検出されるとともに
第2ピークP2の面積、第3ピークP3の面積(こ
こでは第3ピーク立上り以後の面積)が検出され
る。この各信号は第1図に示す集積回路20に送
られる。 詳しくは、非塗膜側の測定開始とともに電解電
流信号は微分回路401に入力する一方、引算回
路402に入力する。 微分回路401に入力した信号はここで微分さ
れる。上記曲線Aの極大点P1時点の信号が微分
回路401に入力すると、出力は零となる。微分
回路401の出力側には零電位検出回路403が
接続されており、ここで変曲点有りが検出され
る。この変曲点有りの信号は一旦増巾器404で
増巾され、接点切換回路405に入力される。そ
れにより接点切換回路405は多段接点L1の測
定開始時の接点A1から接点A2に切換わる。 接点A1〜A5には発振器406が接続されてお
り、発信器406はスタート(測定開始)信号に
よりパルス信号を計時回路407に送り、該回路
にパルス数をカウントさせ、経時時間を記憶また
は表示させる。該パルス数は計時回路408にも
送られ、該回路に次の極小点xまでのカウント数
を加算カウントさせる。接点A1〜A5は極大・極
小点P1、x、P2、tcにおいて切換わるので、各計
時回路407〜411には各変曲点までの経時時
間が記憶または表示されることになる。 試料によつて、第2ピークP2が表われない場
合がある。この場合は、第2ピークP2に関する
計時回路408および409の出力がtc時間およ
びP3時間となることに留意すべきである。 一方、引算回路402に入力した電解電流信号
は所定目的と直線関係のない鋼板裏面とNaOH
との防食・腐食作用に伴う電流分(第44図中曲
線Bで示される。)を含むので、これを差引くた
めに曲線Bの変化を予め記憶する記憶回路412
からスタート(測定開始)信号により出力させ
て、引算回路402に入力させる。したがつて、
引算回路402からの出力信号は曲線Aの変化か
ら曲線Bの変化を差し引いた、すなわち曲線Cと
曲線Dの変化の合同変化となる。この補償された
出力は積分回路413に入力される。この積分回
路413の出力側は上記接点切換回路405で制
御される多段接点L2を介してP2面積表示回路4
14およびP3面積表示回路415に接続してい
る。P2面積表示回路414は接点A2〜A4に接続
しているので、変曲点xから変曲点tcまでの曲線
Cの積分値が表示される。P3面積表示回路41
5は接点A4〜A5に接続しているので、変曲点tc
以後の曲線Dの積分値が表示される。これらの面
積値(電気量)は上述の目的のため、集録演算手
段20に送られる。 以上のように、試料板Wの塗膜側(表側)およ
び非塗膜側(裏側)の双方または片方から試料板
Wの腐食評価に有効な定性的または定量的測定値
を本発明方法にしたがつて得ることができる。上
記測定値のうち、使用者は適宜所望の測定値を選
択することができる。実用中の塗装金属材におい
ては腐食環境、塗膜特性(膜厚を塗めた塗膜の内
容、前処理の内容)、引張応力および金属特性
(金属種、厚さ等)を考慮して腐食評価を行うこ
ともできる。また、本発明装置においては例え
ば、集録演算手段の各機能を独立の手段によつて
構成することもできる。ステツプ制御手段におい
ても総合的に各ステツプを制御する手段で構成す
る必要もない。すなわち、装置設計は本発明の要
旨を逸脱することなく、当業者であれば種々変形
および修正可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施するための腐食評価
試験装置のブロツク図、第2図は第1図の装置の
測定セルに使用するに適する測定セルの断面図、
第3図は被覆金属材の塗膜側を自然電極電位で電
解設定し、昇圧分極を行うための装置の原理図、
第4図および第5図は第3図に示す装置原理にも
とずき、その操作を自動的に行うことができる装
置のブロツク図およびその回路図である。第6図
は腐食電流および電位検出装置の回路図、第7図
は腐食電流および電位を求める第6図とは別の手
法の説明図、第8図は被覆金属材の非塗膜側を定
電位電解するための装置の原理図、第9図は第8
図の原理に基づき、その操作を自動的に行うこと
ができる装置の回路図、第10図は第1図の装置
の操作フローチヤート図で、データ〜との関
係が示されている。第11図は腐食断面モデル図
作成のためのフローチヤート図である。第12図
はパルス分極法において、使用されるパルス波形
図、第13図は第12図のパルス電圧を使用して
得られるパルス電流の波形図、第14図は直流昇
圧分極法に使用される印加電圧の変化を示すグラ
フ、第15図は第14図の印加電圧変化に対応し
て生ずる分極電流の変化を示すグラフ、第16図
は微少電流−電位変化を示すグラフ、第17図は
本発明方法において得られる陰分極曲線の変化を
示すグラフ、第18図、第19図は陰分極曲線の
ピーク面積を求める方法を説明するためのグラ
フ、第20図は腐食形態が「孔食」である場合の
欠損部断面モデル図、第21図は腐食形態が「ヨ
コ方向腐食」である場合の欠損部断面モデル図、
第22図は本発明方法の実施態様を示す模式的説
明図、第23図は実施例1における各浸漬時間毎
の陰分極曲線を示すグラフ、第24図は塗膜欠損
部域における腐食形態を示す模式的断面図(ただ
し、点線は孔食を、実線はサビ幅が横方向に広が
る場合を示す。)、第25図は実施例1におけるピ
ーク電位の経時的変化とサビ幅(×印)および塗
膜剥離幅(〇印)の経時的変化の相関図、第26
図は実施例2における試料鋼板AおよびBの陰分
極曲線の1つ(浸漬時間500時間)を示すグラフ、
第27図は実施例2におけるピーク電位の経時的
変化を示すグラフ、第28図は実施例2における
サビ幅の経時的変化を示すグラフ、第29図は実
施例3における試料鋼管CおよびDの陰分極曲線
の1つ(浸漬時間100時間)を示すグラフ、第3
0図は実施例3における腐食電流の経時的変化を
示すグラフ、第31図は実施例3におけるピーク
電流の経時的変化を示すグラフ、第32図は実施
例3におけるサビ幅の経時的変化を示すグラフ、
第33図は実施例4における試料板E,Fおよび
F′の陰分極曲線の1つ(浸漬時間20時間)を示す
グラフ、第34図は実施例4におけるサビ幅の経
時的変化を示すグラフ、第35図は実施例4にお
けるピーク電位の経時的変化を示すグラフ、第3
6図a,bは実施例5における試料板GおよびH
の陰および陽分極曲線の1つ(浸漬時間250時間)
を示すグラフ、第37図は実施例5におけるサビ
幅の経時的変化を示すグラフ、第38図は実施例
5におけるピーク電位の経時的変化を示すグラ
フ、第39図は実施例6における試料板Hの各浸
漬時間における陰分極曲線を示すグラフ、第40
図は実施例6における試料板Iの各浸漬時間にお
ける陰分極曲線を示すグラフ、第41図は実施例
6における試料板Iの陽分極曲線を示すグラフ、
第42図は通常のスキマ腐食の形態を示す説明
図、第43図は本発明における腐食形態の説明図
である。第44図、第45図、第49図は本発明
によつて測定した電解電流の経時変化を示すグラ
フ、第46図、第47図および第48図は塗膜側
の腐食により鋼中に溶解した水素濃度と糸さびの
長さ、ヨコ方向腐食の腐食巾および孔食腐食の孔
食深さとの対比を示すグラフ、第50図は電解電
流変化のピーク有無およびピークの面積を検出す
る装置のブロツク図である。 1,1′……測定セル、2,2′……ポテンシヨ
スタツト、3……自然電極電位検出回路、4……
対自然電極電位自動設定回路、5……パルス電圧
発生回路、6……昇電圧発生回路、7,7′……
電解電流検出回路、8……パルス電流記憶回路、
9……パルス電流比較回路、10……塗膜抵抗検
出回路、11……吸水率検出回路、12……ピー
ク検出回路、13……E−i記憶回路、14……
E−logi記憶回路、15……ピーク電位、ピーク
電流検出回路、16……ピーク面積検出回路、1
7……腐食電流、腐食電位検出回路、18……自
然電極電位記憶回路、19……電極電位比較回
路、20……集録回路、21……電解電流記憶回
路、22……第2ピーク検出回路、23……第3
ピーク検出回路、24……演算回路、25……表
示回路、26……分極抵抗検出回路。W……被覆
金属板、R,R′……基準電極、C,C′……対極。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 金属板の少なくとも片面に塗膜性能を検査す
    べき塗料を塗布して塗膜を形成した試料板を備
    え、該試料板に所定の腐食媒体を接続して、試料
    板の塗膜側反応を測定するに際し、まず上記試料
    板の自然電極電位を、基準電極を介して検出し、
    上記試料板の塗膜面を該電位で電解設定し、次い
    で該塗膜面を対極を介して陰陽パルス分極または
    昇圧分極させて試料板と対極間に流れる陰陽パル
    ス電流を検出して記憶回路で記憶し、かつ該陰陽
    パルス電流の電流値をパルス電流値比較回路に入
    力して、該比較回路で陰陽パルス電流値の絶対値
    の差異、または該陰陽パルス電流値より算出され
    る両者の塗膜抵抗値の差異が一定の基準値以内で
    あれば欠損なしと判断する一方、上記の差異が一
    定の基準値以上であれば欠損ありと判断するよう
    にして、塗膜欠損がない場合は上記試料板の正ま
    たは負の昇圧分極により生ずる分極電流を検出す
    るに当り、塗膜抵抗の分極作用に相当する電流分
    を減算して微少電流−電位変化を検出することに
    より腐食電流を求める一方、塗膜欠損がある場合
    は上記試料板の正または負の昇圧分極により生ず
    る分極電流を検出して陰および/または陽分極曲
    線を形成することにより腐食電流を求めるように
    したことを特徴とする被覆金属板の腐食評価試験
    方法。
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