JPS6343660B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ヒートポンプ装置による冷暖房時
の冷媒循環量の差を制御する装置を備えた冷暖房
装置に関するものである。

通常、冷凍サイクルでは蒸発温度によつて適正
冷媒流量が異なり、蒸発温度が高くなるに伴ない
大きな冷媒流量が必要であるが、液凍サイクルの
減圧装置としてキヤピラリチユーブを用いたもの
では、その冷媒流量の調整幅が小さく、蒸発温度
が高いときには冷媒流量が不足し、蒸発器出口冷
媒の過熱度が大きくなりすぎて圧縮機の温度が上
昇したり、蒸発温度が低いときには、冷媒流量が
過大になつて圧縮機に液もどりを生じたりするこ
とがある。従つて、これらの問題点を解決するた
めに第１図に示すような冷凍サイクルが考えられ
る。すなわち、第１図において、１は圧縮機、２
は凝縮器、３は減圧装置で、第２図に示すように
外管３１内に軸心部に冷媒通路３２及び外周にス
パイラル通路としての小径のスパイラル状溝３３
を有する内管３４を嵌挿してなる熱交換部（図示
せず）を備えている。そして、スパイラル状溝３
３及び冷媒流通路３２を互いに並列になるように
入口管３５，３６及び出口管３７を介して凝縮器
２の出口及び後述する蒸発器の入口に接続し、入
口管３６に凝縮器２からの液冷媒一部の流量を調
整する電気式膨脹弁などの流量調整弁３９を設け
ることにより構成したものである。この流量調整
弁３９の調整によつて前記スパイラル状溝３３を
流通する冷媒の冷却量を制御する。４は蒸発器
で、これらの機器１〜３と順次接続され冷凍サイ
クルを形成している。従つて、圧縮機１及び凝縮
器２は通常の冷凍サイクルと同様に作用するが、
減圧装置３においては凝縮器２から供給された液
冷媒はスパイラル状溝３３を流通し、減圧され、
蒸発器４で蒸発して冷却作用をなす。また、凝縮
器２から供給された液冷媒の一部は流量調整弁３
９で減圧され、冷媒流通路３２内で蒸発してスパ
イラル状溝３３内を流通する冷媒を冷却するの
で、スパイラル状溝３３内の冷媒流量は増大す
る。すなわち、スパイラル状溝３３内で発生して
いる冷媒の２相流中のガス含有量が冷却量が多く
なるにしたがつて少なくなり、流体抵抗が減少す
るためである。従つて、流量調整弁３９の開度を
調整すれば冷却量を変えることができるので、例
えば蒸発器４の出入口の温度を検出し、蒸発器４
の出口温度がその入口温度よりも常に少し高くな
るように流量調整弁３９を制御すると蒸発器４出
口で冷媒が完全にガス化してわずかに過熱度がつ
き、常に適正な冷媒流量が冷凍サイクル内を循環
させることができる。

ところで、冷房サイクルと暖房サイクルとでは
その能力が異なり、冷房サイクル時の冷媒循環量
を多くとる必要がある。つまり、冷房サイクル時
にはスパイラル状溝３３を短かく、暖房サイクル
時は長くとる必要があるため上述した減圧装置３
を用いてヒートポンプ式冷暖房サイクルを構成す
る場合、冷房用及び暖房用減圧装置を用意し、互
いに並列接続して冷房および暖房サイクルで使い
分ければよいが、容量の異なる減圧装置を２個製
作しなければならず、また装置としても大形にな
る。従つて冷房及び暖房兼用の減圧装置にするこ
とが要求されるが、上述したようにスパイラル状
溝３３内を流れる冷媒流量を冷却量によつて制御
する減圧装置では、冷房サイクル時におけるスパ
イラル状溝３３の長さによつてその容量を選定す
るため暖房サイクル時には冷媒流量が過大になり
圧縮機への液パツクが生じてしまう欠点がある。

この発明は、上記欠点を除去すべくなされたも
ので、以下、この発明の一実施例を第３図に基づ
き説明する。同図において、１００は圧縮機、１
０１は四方切換弁、１０２は外気と熱交換する非
利用側熱交換器、１０３は水と熱交換する利用側
熱交換器、１０４は非利用側及び利用側熱交換器
１０２，１０３の間に設けられた減圧装置で、第
１図に示した減圧装置３と同様に構成されている
が、流量調整弁３９は外気温及び利用側熱交換器
１０３の出口水温の検出信号に基づき制御され
る。１０５，１０６はそれぞれ非利用側及び利用
側熱交換器１０２，１０３から減圧装置１０４の
入口管３５へのみ流通を許容する第１および第２
の逆止弁、１０７，１０８は減圧装置１０４の出
口管３７から利用側及び非利用側熱交換器１０
３，１０２へのみ流通を許容する第３及び第４の
逆止弁、１０９は逆止弁１０８の出口管４０と非
利用側熱交換器１０２の入口とに接続されるキヤ
ピラリチユーブである。

また、図中実線矢印は暖房サイクル、点線矢印
冷房サイクル時の冷媒の流通方向を示す。

まず、暖房サイクル時においては、利用側熱交
換器１０３が凝縮器として作用し水を加熱すると
共に冷媒は凝縮液化する。そして液冷媒は第２の
逆止弁１０６，スパイラル状溝３３、及び第４の
逆止弁１０８とキヤピラリチユーブ１０９を経て
非利用側熱交換器１０２に至り、ここで蒸発して
圧縮機１００に戻る。一方、利用側熱交換器１０
３からの液冷媒の一部は第１図のものと同様流量
調整弁３９を経てスパイラル状溝３３内を流通す
る冷媒を冷却して冷媒流量を適正に制御する。こ
のとき流量調整弁３９には外気温度及び水温の検
出信号に基づき演算された電圧を印加し、弁開度
を決定する。これは外気温及び水温につて冷暖房
能力が決められることによるものである。また、
冷房サイクル時においては暖房サイクルとは逆サ
イクルになるため非利用熱交換器１０２からの液
冷媒は第１の逆止弁１０５を経て暖房時同様減圧
装置１０４を流通し、第３の逆止弁１０７を経て
利用側熱交換器１０３に至り水を冷却する。

上述したように減圧装置１０４は冷房サイクル
に合せて選定しているが、暖房時にはキヤピラリ
チユーブ１０９を通してさらに減圧され、利用側
熱交換器１０２へ供給されるので冷媒流量は過大
になることはなく、従つて圧縮機への液バツクを
防止することができる。

なお減圧装置として第４図に示すように外管３
１内にキヤピラリチユーブ３３をコイル巻きして
挿入してスパイラル状溝の代用とし、キヤピラリ
チユーブ３３の周囲に流量調整弁３９で減圧され
た冷媒を流通させるようにしても同様の効果があ
る。

以上のようにこの発明では、液冷媒一部の流量
を調整する流量調整弁および冷媒通路、スパイラ
ル通路からなる熱交換部を有しこの熱交換部のス
パイラル通路を流通する冷媒の冷却量を制御する
減圧装置とキヤピラリチユーブを直列に設け、冷
房サイクル時には減圧装置のみを冷媒流通させ、
暖房サイクル時には減圧装置とキヤピラリチユー
ブとを直流に流通させることにより冷暖房共に適
正冷媒流量が確保でき、圧縮機への液バツクを防
止することができる。

また、減圧装置にキヤピラリチユーブを追加す
るだけでよいためその構成も簡単になり、安価で
信頼性の高い冷暖房運転を実現できるヒートポン
プ式冷暖房装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は冷凍サイクル図、第２図は第１図の冷
凍サイクルに用いられる減圧装置の構成図、第３
図はこの発明の一実施例を示すヒートポンプサイ
クル図、第４図はこの発明の他の実施例を示す減
圧装置の構成図である。 なお図中同一符号は同一または相当部分を示
す。図中、１００は圧縮機、１０１は四方切換
弁、１０２，１０３は非利用側及び利用側熱交換
器、１０４は減圧装置、１０５〜１０８は第１乃
至第４の逆止弁、１０９はキヤピラリチユーブで
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 液冷媒一部の流量を調整する流量調整弁およ
   びこの流量調整弁の出入口側に各々が管体を介し
   て互いに並列するように接続された冷媒通路、ス
   パイラル通路からなる熱交換部を有しこの熱交換
   部のスパイラル通路を流通する冷媒の冷却量を前
   記流量調整弁の調整によつて制御する減圧装置
   と、この減圧装置の出口側に流路を介して各々接
   続された利用側熱交換器、非利用側熱交換器とを
   備え、これら両熱交換器のうち非利用側熱交換器
   に接続する前記流路にキヤピラリチユーブを挿入
   し、暖房サイクル時には前記減圧装置と前記キヤ
   ピラリチユーブを作用させ、冷房サイクル時には
   前記減圧装置のみを作用させるように構成したこ
   とを特徴とするヒートポンプ式冷暖房装置。