JPS6342989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用バンジヨウ型デイフアレン
シヤルギヤ装置の分野・組付作業を行う際に用い
て好適な被締結物の固定治具に関するものであ
る。

（従来技術） デイフアレンシヤルケースを固定するための治
具としては、従来より円形のリペアスタンドが知
られており、このものを用いてデイフアレンシヤ
ルケースを固定する場合は、先ず、リペアスタン
ドをバイス台にセツトする一方、デイフアレンシ
ヤルケースのフランジ部にスペーサを４本のボル
トで取り付けた後に該デイフアレンシヤルケース
をリペアスタンドの円形プレートの上に載せて、
前記スペーサと円形プレートを複数のボルトで締
結することにより、デイフアレンシヤルケースを
固定している。

しかしながら、このものによればボルト締め等
の作業手順が多く、かつ作業者２人による共同作
業となつているために作業性の悪いものになつて
いる。しかも、リペアスタンドはサイズ別（イン
チ別）になつているので、各種のデイフアレンシ
ヤルケースに対応できるようにするためには、こ
れに応じてサイズ別に数多くのリペアスタンドを
取り揃えなければならない。また、デイフアレン
シヤルケースのサイズが変わると、その都度サイ
ズ合わせを行う必要があるので、作業者にとつて
面倒な作業になつている。

（考案の目的） 本考案は、この点に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、デイフアレンシヤルギヤ装置の分解・
組付作業を簡単かつ迅速に行い得るようにした被
締結物の固定治具を提供することにある。

（考案の構成） 上記の目的を達成するための本考案の構成は次
のとおりである。

固定治具本体の一側端部に、デイフアレンシヤ
ルケース等の被締結物の外周面が当接自在な切欠
湾曲部と、前記被締結物のフランジ部が挿入自在
な間隙と、前記フランジ部のフランジ孔に連通自
在なピン孔およびボルト孔とを形成し、 前記ピン孔には前記フランジ孔を挿通可能なロ
ツクピンを着脱可能に取り付け、前記ボルト孔に
はフランジ孔を挿通可能な連結ボルトを螺合し、 さらに前記固定治具本体の一側端部における前
記切欠湾曲部の両側は、前記間隙に進入自在でか
つ前記被締結物を挟持可能な一対の位置調整しう
る挟持プレートを任意の位置に固定可能に設け、 前記固定治具本体の他側端部には、前記切欠湾
曲部と反対方向にのびるシヤフトを延設し、該シ
ヤフトに中空の支持部材を回転自在に嵌合し、該
シヤフトおよび支持部材には、該支持部材を該シ
ヤフトに対して回動不能に固定するロツクピンが
挿入自在なピン孔を形成したというものである。

（作用） この固定治具を使用して被締結物を固定する場
合は、先ず、固定治具本体に設けた支持部材をバ
イス台等に取り付けた上で、この固定治具本体の
切欠湾曲部に被締結物の外周を当接させ、次い
で、被締結物のフランジ部の孔にロツクピンを挿
入し連結ボルトで被締結物を固定治具本体に軽く
締め付ける。

この後、一対の挟持プレートを被締結物の外周
の大きさに応じて適当な位置まで移動させて、締
付ボルトによつて挟持プレートを締結固定するこ
とにより、被締結物を確実に保持固定することが
できる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第４図
に基いて説明すると、１はデイフアレンシヤルケ
ース２の外周に当接する切欠湾曲部３が形成され
ている固定治具本体で、これにはデイフアレンシ
ヤルケース２のフランジ部４に形成されているフ
ランジ孔４ａに嵌合する１本のロツクピン５、フ
ランジ孔４ａに挿入してデイフアレンシヤルケー
ス２を固定治具本体１に連結するための２本の連
結ボルト６が具備されている。連結ボルト６の上
部６ａは、第２図に示すように、直角に倒せるよ
うになつている。７はロツクピン５が挿入される
ピン孔、７ａは連結ボルト６が螺合されるボルト
孔、７ｂはフランジ部４が挿入される間隙であ
る。

８はデイフアレンシヤルケース２を挟持するた
めの一対の挟持プレートで、挟持プレート８は固
定治具本体１の切欠湾曲部３の両側において、挟
持プレート８に形成した長孔９と該長孔９に遊嵌
して係合する締付ボルト１０により、切欠湾曲部
３側へ移動できるよう位置調整可能に固定されて
いる。締付ボルト１０の上部１０ａは、第３図に
示すように、直角に倒せるようになつている。

固定治具本体１の切欠湾曲部３と反対の側端面
には、ピン孔を有するシヤフト１１の一端が固着
され、シヤフト１１には四角柱状の支持部材１２
が回動可能に装着されている。支持部材１２のシ
ヤフト１１に対する回動は、支持部材１２に形成
したピン孔１３にロツクピン（ロツク部材）１４
を挿入することにより回動不可能となるように構
成されている。１５は支持部材１２を回動不可能
に締め付けると共にシヤフト１１からの支持部材
１２の離脱を防止するためのロツクナツトであ
る。

この固定治具によつてデイフアレンシヤルケー
スを固定する場合は、第４図に示すように、ロツ
クピン１４により支持部材１２をシヤフト１１に
対し回動不可能にロツクし、支持部材１２をバイ
ス台１６に固定して取り付けた上で、固定治具本
体１の切欠湾曲部３にデイフアレンシヤルケース
２の外周を当接させ、この状態でデイフアレンシ
ヤルケース２のフランジ部４のフランジ孔４ａに
ロツクピン５を挿入すると共に、２本の連結ボル
ト６でデイフアレンシヤルケース２を固定治具本
体１に軽く締め付けて連結する。

デイフアレンシヤルケース２を固定治具本体１
に連結したら、次に一対の挟持プレート８をデイ
フアレンシヤルケース２の外周に当接する位置ま
で長孔９に沿つて移動させて、締付ボルト１０で
挟持プレート８を締め付けて固定する。これによ
つて、デイフアレンシヤルケース２はバイス台１
６に取り付けられた固定治具本体１に確実に保持
固定されることとなる。

本実施例では連結ボルト６および締付ボルト１
０の上部を直角に倒せるように構成したので、ス
パナ等の工具を使用することなく上記両ボルト
６，１０の締結操作を行うことができる。なお、
デイフアレンシヤルギヤ装置の分解・組付作業時
は、作業安全の確保のためロツクピン１４および
ロツクナツト１５により支持部材１２を回動不可
能にロツクするものとする。

支持部材を回動不可能にロツクするロツク部材
としては、ロツクピンやロツクナツトの他に、例
えばロツク溝とこれに嵌合可能に設けた移動式ロ
ツク片により構成することも可能である。

なお上記では被締結物としてデイフアレンシヤ
ルケースを例にとつて説明したが、これに限らな
いこともちろんである。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、ボルト締め等の
作業手順が従来に較べて少くなり、かつ１人の作
業者によつてデイフアレンシヤルケースの固定作
業を単独で行うことができるので、作業性が向上
するという効果を奏する。また、デイフアレンシ
ヤルケースを挟持するための一対の挟持プレート
を位置調整可能に固定する構成としたので、この
固定治具１台で各種のサイズの異なるデイフアレ
ンシヤルケースを簡単かつ迅速に固定することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す一部分解斜視
図、第２図は第１図連結ボルトの拡大斜視図、第
３図は第１図の締付ボルトの拡大斜視図、第４図
は第１図のものを使用してデイフアレンシヤルケ
ースを固定したときの状態を示す平面図である。 １……固定治具本体、２……デイフアレンシヤ
ルケース、３……切欠湾曲部、４……フランジ
部、４ａ……フランジ孔、５……ロツクピン、６
……連結ボルト、７……ピン孔、８……挟持プレ
ート、９……長孔、１０……締付ボルト、１２…
…支持部材、１３……ピン孔、１４……ロツクピ
ン、１５……ロツクナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 固定治具本体の一側端部に、デイフアレンシヤ
   ルケース等の被締結物の外周面が当接自在な切欠
   湾曲部と、前記被締結物のフランジ部が挿入自在
   な間隙と、前記フランジ部のフランジ孔に連通自
   在なピン孔およびボルト孔とを形成し、 前記ピン孔には前記フランジ孔を挿通可能なロ
   ツクピンを着脱可能に取り付け、前記ボルト孔に
   はフランジ孔を挿通可能な連結ボルトを螺合し、 さらに前記固定治具本体の一側端部における前
   記切欠湾曲部の両側には、前記間隙に進入自在で
   かつ前記被締結物を挟持可能な一対の位置調整し
   うる挟持プレートを任意の位置に固定可能に設
   け、 前記固定治具本体の他側端部には、前記切欠湾
   曲部と反対方向にのびるシヤフトを延設し、該シ
   ヤフトに中空の支持部材を回転自在に嵌合し、該
   シヤフトおよび支持部材には、該支持部材を該シ
   ヤフトに対して回動不能に固定するロツクピンが
   挿入自在なピン孔を形成したことを特徴とする被
   締結物の固定治具。