JPS6342383Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は太陽電池時計に関するものである。

〔背景技術〕

従来、太陽電池時計において、太陽電池セルを
配設するにつき、外装ケースの一部に太陽電池セ
ルを複数個配列していた。そのため、太陽電池セ
ルの表面全体が外からよく見え、外観上好ましく
ない。

第１図および第２図は従来例を示す。図におい
て、１は太陽電池セル、２は環状のプリント基
板、３はリード線、４は時計ムーブメント、５は
分針、６は時針である。プリント基板２には配線
パターンが施されており、12個の太陽電池セル１
が６個ずつ直列に２組並列接続されている。この
例では太陽電池セル１が見えるうえ、リード線３
やプリント基板２のパターンおよび半田付部等が
見え、外観上好ましくない。これを見えないよう
に覆うとなれば、太陽電池セル１の位置決め精度
を得ることが大変であり、また太陽電池セル１の
有効面積も減少して好ましくない。

そこで、文字板の周囲に太陽電池セルを垂直に
立てて内向きに配列し、その内側にプリズム状の
リングからなる導光体を設けて前方から進入する
光を太陽電池セルに導くものを案出した。これに
よれば、太陽電池セルが直接に見えずに従来のも
のに比べて外観が向上する。しかし、太陽電池セ
ルの表面基板や、リード線、プリント基板のパタ
ーン等が導光体を介して外部から見え、また外観
が不十分であつた。

〔考案の目的〕

この考案は、太陽電池セルが外部から直接に見
えず、かつ接続導体が外部から全く見えず外観に
優れ、また構造の簡単な太陽電池時計を提供する
ことを目的とする。

〔考案の開示〕

この太陽電池時計は、本体板の中央部に前方へ
突出した文字板部を設け、前記文字板部の前方に
透光性の前面カバーを設け、この前面カバーの後
面外周縁に、前面から入つた光を外周に導く環状
の導光体を一体に突設し、この導光体からさらに
後方に突出して前記本体板に接する外周壁を前記
前面カバーに一体に設け、前記前面カバーの外周
を若干の隙間を介して囲む外周リングを前記本体
板に取付け、前記外周リングの内周前縁に前記前
面カバーの外周部に係合する押えフランジを一体
に突設し、前記外周壁の外周面に対面する多数の
太陽電池セルを設けたフレキシブルプリント基板
を前記外周壁と前記外周リングとの間の隙間に収
納し、前記太陽電池セルの表面電極および前記フ
レキシブルプリント基板の太陽電池セル側面に露
出したパターンを前記導光体よりも前記外周壁側
に位置させたものである。

この考案の一実施例を第５図ないし第１０図に
示す。図において、１０は本体板であり、中央部
分が前方へ円形に突出して文字板部１０ａとなつ
ている。文字板部１０ａの中央にムーブメント嵌
合孔１１が設けられ、ムーブメント１２が嵌合し
ている。ムーブメント１２は２重軸状の出力軸を
有し、分針１３および時針１４が取付けられてい
る。１５は円板状の前面カバーであり、裏面外周
に外周壁１５ａを有する。前面カバー１５はアク
リル等の透明の樹脂からなり、外周壁１５ａの内
面の基端部に全周にわたりプリズム状の導光体１
６が一体に形成されている。導光体１６の傾斜面
１６ａの角度αは45゜である。前面カバー１５は
本体板１０の外周縁に固定された外周リング１７
の押えフランジ１７ａで押え込まれている。外周
リング１７と前面カバー１５の外周壁１５ａとの
間の隙間１８には、帯状のフレキシブル基板１９
に複数個の太陽電池セル２０を取付けてなる太陽
電池ブロツク２３が文字板部１０に対して垂直に
収容されている。太陽電池ブロツク２３は隙間１
８の全周に設けられている。第８図はフレキシブ
ルプリント基板１９のパターン１９ａを示し、第
９図はこれに太陽電池セル１７が取付けられた状
態を示す。太陽電池セル２０は、リード線２１と
パターン１９ａにより４個並列に接続され、これ
を一組として６組直列に接続されている。したが
つて、太陽電池セル２０の４倍の面積のものが６
個直列にされたことになる。太陽電池セル２０は
フレキシブルプリント基板１９の上部に配置さ
れ、パターン１９ａの太陽電池セル２０で覆れな
い部分は太陽電池セル２０よりも下側に設けられ
ている。

前面カバー１５の導光体１６は、前面カバー１
５の前方から進入した光を太陽電池セル２０の下
縁部を除く略全面に導く高さ幅に形成され、太陽
電池セル２０のリード線２１を接続した表面電極
２２は、導光体１６との対面範囲よりも下側に、
すなわち文字板部１０ａの裏側に位置している。
また、リード線２１およびパターン１９ａの露出
部分も導光体１６との対面範囲よりも下側に位置
している。

このように、太陽電池セル２０を垂直とし、前
面カバー１５の外周縁にプリズム状の導光体１６
を形成したので、前面カバー１５の前方から導光
体１６に入つた光は、太陽電池セル２０の受光面
に入る。太陽電池セル２０の表面電極２２やリー
ド線２１やプリント基板１９のパターン１９ａ等
は、導光体１６との対面範囲よりも文字板部１０
ａの裏側に位置しているので、外部からは見えな
い。前面から見えるのは、第５図に示すように、
太陽電池セル２０が導光体１６を介して像２０′
として見えるだけである。しかも、長方形の太陽
電池セル２０でありながら扇形に見え、太陽電池
セル２０の相互間の隙間も平行な隙間に見える。
このように、外部から太陽電池セル２０が直接に
見えず、導光体１６を通した像２０′として見え
るだけであり、しかもリード線２１等の接続導体
は全く外部からは見えないので、外観が向上す
る。

また、前面カバー１５の外周に導光体１６およ
び外周壁１５ａを突設し、その外周に配置した外
周リング１７と前記外周壁１５ａとの間に、太陽
電池セル２０を取付けたフレキシブルプリント基
板１９を保持しているため、フレキシブルプリン
ト基板１９を保持するための構造が簡単である。
しかも、前面カバー１５に導光体１６からさらに
突出して外周壁１５ａを設け、この外周壁１５ａ
を本体板１０に突設させ、かつ外周リング１７に
押えフランジ１７ａを設けることにより、前面カ
バー１５を外周リング１７で本体板１０に固定し
ている。そのため、このことからも部品点数が少
なく、構造が簡単である。

〔考案の効果〕

この考案の太陽電池時計は、導光体を介して太
陽電池セルに光を導くようにしたため、太陽電池
セルが外部から見えず、外観が良い。しかも、太
陽電池セルの表面電極およびフレキシブルプリン
ト基板の太陽電池セル側面に露出したパターンを
導光体よりも外周壁側に位置させているため、こ
れら表面電極やパターンが導光体を介して外部か
らは全く見えず、より一層外観が良くなる。

また、前面カバーの外周に導光体および外周壁
を突設し、その外周に配置した外周リングと前記
外周壁との間に、太陽電池セルを取付けたフレキ
シブルプリント基板を保持しているため、フレキ
シブルプリント基板を保持するための構造が簡単
である。さらに、前面カバーに導光体からさらに
突出して外周壁を設け、この外周壁を本体板に突
設させ、かつ外周リングに押えフランジを設ける
ことにより、前面カバーを外周リングで本体板に
固定している。そのため、このことからも部品点
数が少なく、構造が簡単という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の平面図、第２図はその断面
図、第３図は他の従来例の部分平面図、第４図は
その断面図、第５図はこの考案の一実施例の平面
図、第６図はその断面図、第７図は同じくその部
分拡大断面図、第８図は同じくそのプリント基板
の展開図、第９図は同じくそのプリント基板の太
陽電池セル取付状態の展開図、第１０図は同じく
そのプリント基板の配置状態を示す部分正面図で
ある。 １０……本体板、１０ａ……文字板部、１２…
…ムーブメント、１５……前面カバー、１６……
導光体、１７……外周リング、１９……フレキシ
ブルプリント基板、１９ａ……パターン、２０…
…太陽電池セル、２１……リード線、２２……表
面電極、２３……太陽電池ブロツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体板の中央部に前方へ突出した文字板部を設
   け、前記文字板部の前方に透光性の前面カバーを
   設け、この前面カバーの後面外周縁に、前面から
   入つた光を外周に導く環状の導光体を一体に突設
   し、この導光体からさらに後方に突出して前記本
   体板に接する外周壁を前記前面カバーに一体に設
   け、前記前面カバーの外周を若干の隙間を介して
   囲む外周リングを前記本体板に取付け、前記外周
   リングの内周前縁に前記前面カバーの外周部に係
   合する押えフランジを一体に突設し、前記外周壁
   の外周面に対面する多数の太陽電池セルを設けた
   フレキシブルプリント基板を前記外周壁と前記外
   周リングとの間の隙間に収納し、前記太陽電池セ
   ルの表面電極および前記フレキシブルプリント基
   板の太陽電池セル側面に露出したパターンを前記
   導光体よりも前記外周壁側に位置させた太陽電池
   時計。