JPS6342055B2 - - Google Patents

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JPS6342055B2
JPS6342055B2 JP58170313A JP17031383A JPS6342055B2 JP S6342055 B2 JPS6342055 B2 JP S6342055B2 JP 58170313 A JP58170313 A JP 58170313A JP 17031383 A JP17031383 A JP 17031383A JP S6342055 B2 JPS6342055 B2 JP S6342055B2
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JP
Japan
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radiation
heat
cooling
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cooled
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JP58170313A
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JPS6062515A (ja
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Masao Tooyama
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Kikusui Kagaku Kogyo KK
Original Assignee
Kikusui Kagaku Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は放射冷却壁、屋根材、特に熱の放射を
利用して壁、屋根の冷却を行なう放冷構造に関す
るものである。
従来から、建築物内の冷房は蒸気の凝縮・膨張
を利用したランキンサイクル型の冷却器を利用し
た装置が巾広く用いられている。
しかし、このようなランキンサイクル型の冷却
装置は装置を作動させるためにエネルギを必要と
し、このエネルギを変換する際多くの損失が発生
する。このため、エネルギの利用効率が悪く、冷
却費が高くなる欠点があつた。特に電力エネルギ
を使用する冷却装置においては、エネルギコスト
の上昇に伴ない冷却費は年々増加する傾向にあ
る。また、このようなランキンサイクル型の冷却
装置は、エネルギの変換行程が多いため、装置全
体が複雑かつ大型になり設備費用が高価になる欠
点があつた。
このため、エネルギ源が安くしかも簡単かつ安
価な構造で優れた冷却能力を有する冷却装置の開
発が望まれていた。
そして、このような冷却装置の提供を可能とす
る理論が、オーストラリアのA.K.Headにより提
案された。この理論は、熱の移動の3態様、すな
わち放射・対流・伝導のうち放射による熱の移動
に着目して放射冷却を行なうものである。そし
て、本発明者はこの理論を利用して壁・屋根より
冷却を行なう構造を発明した。
第1図にはこの理論に基づく冷却装置が示され
ている。この冷却装置は、被冷却体が導入され一
部を除いて被冷却体を外部から断熱する箱状の断
熱容器10と、この断熱容器10の内部に開口部
に向けて設置された熱放射体12とから形成され
断熱容器10の開口部には放射光を透過するカバ
ー16が設けられ、熱放射体12には図示しない
被冷却体が伝導接触されている。
そして、この冷却装置は、冷却装置内部の熱放
射体12と冷却装置外部との間でカバー16を介
して行なわれる放射光の授受により熱放射体12
が放射冷却され、この熱放射体12に伝導接続さ
れた被冷却体を冷却する。
ところで、冷却装置の外部から熱放射体12の
放射面14に入射する外光には、太陽からの日射
100および大気からの熱放射200が有り、他
方、冷却装置の内部から外部へ放出される放射光
には放射面14の温度に応じて放射される熱放射
300がある。従つて、前述した放射冷却による
被冷却体の冷却を行なうためには、日射100お
よび熱放射200により冷却装置の内部に入力さ
れる熱量より放射面14からの熱放射300によ
り冷却装置外部に放出される熱量の方が多くなる
ことが必要となる。
第2図には放射面14で授受される各放射光1
00,200,300の放射スペクトルが示され
ている。ここにおいて、放射面14から冷却装置
外部に放出される熱放射300の光エネルギは放
射面14の温度により変化するが、冷却装置を使
用する室温範囲内での変化では常に約10μm付近
の波長でピークをもつとみなしてよい。他方、大
気から放射面14に入射する熱放射200の光エ
ネルギは波長10μm付近の8〜13μmの範囲の特定
波長域で大きく落ち込んでいる。このため、放射
面14から冷却装置外部に放出される熱放射30
0の熱量は冷却装置外部から放射面14に入射す
る熱放射200の熱量に比し大きい。
従つて、第1図に示す冷却装置を日射100の
無い夜間に使用すれば、放射面14から冷却装置
外部に放出される熱量が冷却装置外部から放射面
14に入射される熱量に比し大きくなるため、熱
放射体12は放射冷却され、この熱放射体12に
伝導接触された被冷却体も冷却される。
A.K.Headの理論はこのような考えを更に一歩
進めたものであり、反射面14で授受される放射
光100,200,300を選択的に反射・吸収
して、昼夜にかかわりなく優れた冷却能力を備え
た放射冷却装置を得ようとするものである。すな
わち、第1図のような冷却装置に使用する放射面
に、8〜13μmの特定波長域で放射率および吸収
率が高く、この特定波長域以外の波長域、すなわ
ち、8μm以下および13μm以上の波長範囲で反謝
率の良い反射面(以後選択放射面と記す)を使用
することを内容とする。
このように冷却装置の放射面14に選択放射面
を使用すれば、太陽からの日射100はすべて放
射面14で反射され、昼間でも太陽からの日射1
00が無い夜間の使用と同じ条件となる。従つ
て、昼夜を問わず冷却装置は充分に冷却されるこ
ととなる。
また、第2図に示す放射スペクトルから明らか
な如く、日射100のみを反射するだけであれば
放射面14の選択性を4μm以下の波長範囲に限定
すれば充分である。にもかかわらずA.K.Headの
理論では反射面14に8〜13μm以外の波長範囲
で反射率の高いことを要求するのは、冷却装置の
冷却能力を高めるためである。
すなわち、大気から放射面14に入射される熱
放射200の熱量と放射面14から冷却装置外部
に放出される熱放射300の熱量とを比較する
と、その全総量では放射面14から放出される熱
放射300の方が勝つているが、8μm以下の波長
範囲および13μm以上の波長範囲では大気からの
熱放射200の方が部分的に勝つている。従つて
放射面14で授受される放射光200,300の
スペクトルを8〜13μmに限定することにより、
放射面14に出入りする総熱量の差を大きくして
冷却能力を高めることができる。
そして、このA.K.Headの理論に基づいた放射
冷却装置として、A.W.HarrisonまたはG.Troise
により提供された放射冷却器が知られている。
第3図には、A.W.Harrisonらにより提案され
た放射冷却装置が示されている。この放射冷却装
置は、熱放射体12の放射面14に前述した選択
放射性をもたせるため、厚さ6mmのアルミニウム
板14aの金属面にTiO2を35%含む白色ペイン
トの塗膜14bを被覆して放射面14を形成して
いる。
しかし、このような放射面14では前記A.K.
Headの理論に示す特定波長域での選択性はほと
んど期待できず、放射冷却装置の冷却能力は極め
て低いものであつた。
また、G.Troiseらにより提案された放射冷却
装置は、アルミニウム板の金属面に厚さ12.5μm
のTEDLAR(登録商標)の薄膜を被覆して熱放
射体12の放射面14を形成したものである。し
かし、この冷却装置の放射面14は特定波長域に
対しある程度の選択性を発揮するが、前記A.K.
Headの理論で説明した選択性に比し充分な選択
性を発揮するものではない。従つて、G.Troise
の提案の冷却装置は冷却能力が低く、特に放射面
14の可視光に対する反射率が低いため、放射面
14に日射100が入射される日中の冷却能力が
著しく低下する欠点があつた。
このため、A.K.Headの理論に基づき優れた冷
却能力を有する冷却装置の開発が望まれていた。
本発明はこのような従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、放射光に対し充分な選
択性を有する熱放射体を備え、昼夜を問わず優れ
た冷却能力を発揮することが可能な放冷構造を持
つた放射冷却壁,屋根材を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明の放射冷却
壁,屋根材は、被冷却体が導入され一部を除いて
被冷却体を外部から断熱する構造となつた壁材ま
たは屋根材と、前記断熱構造体枠の露出部を覆う
熱放射体とを含み、前記熱放射体は、被冷却体と
伝導接触し反射率および熱伝導率の高い金属から
なる伝導層と、該伝導層に被覆され外光に含まれ
る光エネルギの小さい波長域において高い放射率
(吸収率)を有しかつその他の波長域において高
い透過率を有するCoCr2O7/K2SO4,Si3N4
K2SO4またK2SO3/K2SO4等の2層構造の無機材
料若しくはビニールフロライド―ビニリデンフロ
ライドコポリマ,ポリオキシプロピレン,二沸化
ビニリデン,ポリプロピレンまたはエチレン四沸
化エチレンコポリマ等の単層構造の有機材料から
なる選択放射層とから形成され、前記特定波長域
においては外光の光エネルギ吸収および被冷却体
からの熱放射を行なうとともに、特定波長域以外
の波長域においては外光を反射して被冷却体を冷
却することを特徴とする。
次に本発明の好適な実施例を図面に基づき説明
する。
第4図には本発明の好適な実施例が示されてい
る。本発明の放射冷却壁は、図示しない被冷却体
が導入され一部を除いてこの被冷却体を外部から
断熱する構造となつた壁枠20と、この断熱壁枠
20内部で被冷却体と伝導接触し断熱壁枠20の
露出部を覆う熱放射体22と、から形成されてい
る。実施例において、断熱壁枠20は一面を開口
する箱状に形成され、熱放射体22は板状に形成
され、断熱壁枠20の内部で断熱壁体20の開口
部を覆うように設けらている。
本発明の特徴的事項は、前記熱放射体22に前
A.K.Headの理論で説明した特定波長域における
選択性、すなわち外光100,200に含まれる
光エネルギの低い8〜13μmの特定波長範囲で放
射率が高く、外光100,200に含まれる光エ
ネルギの高い8μm以下および13μm以上の波長範
囲で反射率の良い選択性を与えることにある。そ
のため、本発明は、第5図に示すように、被冷却
体と伝導接触し熱伝導率および反射率の高い金属
からなる伝導層22aと、CoCr2O7/K2SO4
Si3N4/K2SO4またはK2SO3/K2SO4等の2層構
造の無機材料若しくはビニールフロライド―ビニ
リデンフロライドコポリマ,ポリオキシプロピレ
ン,2沸化ビニリデン,ポリプロピレンまたはエ
チレン四沸化エチレンコポリマ等の単層構造の有
機材料からなり前記伝導層22aに被覆される選
択放射層22bとから熱放射体22を形成したこ
とを特徴とする。これは次のような理由による。
すなわち、伝導層22aを形成する金属の反射
率はすべての波長範囲の光に対して高く、また、
選択放射層22bを形成する前記2層構造の無機
材料および単層構造の有機材料は8〜13μmの波
長範囲の光に対し高い放射率を示しそれ以外の波
長範囲の光に対し高い透過率を示す。従つて、こ
の熱放射体22は、8〜13μmの特定波長域の光
を選択放射層22bで吸収し、これ以外の波長範
囲の光を熱伝導層22aの金属面で全反射してし
まうため、8〜13μmの特定波長域で高い放射率
を示し、これ以外の波長域、すなわち8μm以下お
よび13μm以上の波長範囲の光に対して高い反射
率を示すことになる。
なお、本実施例においては、熱伝導層22a
を、厚さ0.8mm、縦1m、横0.5mの鏡面アルミニウ
ム板を用いて形成し、選択放射面22bを、エチ
レン四沸化エチレンコポリマの一種である厚さ
25μmのアフレツクスフイルム(登録商標)を用
いて形成している。このアフレツクスフイルムの
アルミニウム板上への被覆は静電力を利用して行
なわれる。
第6図にはアルミニウム板およびアフレツクス
フイルムを用いて形成された本実施例の熱放射体
22の分光反射率の特性が示されており、前記
A.K.Headの理論で説明した特定波長域における
選択性が優れていることが理解される。
また、本実施例の放射冷却壁は、断熱壁枠20
による断熱効果を充分なものにするため、断熱壁
枠20を厚さ30mmの発泡ウレタンで形成し、その
内面に壁枠20から熱放射体22への輻射熱の伝
達を防止する厚さ0.1mmのアルミ箔24を貼着し
ている。そして熱放射体22とアルミ箔24の内
側には冷却効果を利用するように水を満たしてお
く。
そしてまた、冷却器の開口部には、外気を遮蔽
し冷却効果を良くするため、カバー押え26によ
りカバー28が取付けられている。このカバー2
8はすべての波長域の光に対して透明であるよう
厚さ20μmのポリエチレンフイルムで形成されて
いる。
本発明は以上の構成からなり次にその作用を説
明する。
本発明の放射冷却壁を実際に使用した場合、冷
却壁の内部と外部との間における熱の移動は、第
7図に示す如く、放射による熱の移動の他に、断
熱壁枠20を介しての熱伝導および空気の対流に
よる熱の移動が考えられる。ところが、実施例に
おいては、断熱壁枠20が優れた断熱性を有する
とともにその内面に熱放射体22からの輻射熱の
伝達を防止するアルミニウム箔24が貼着されて
いるため、断熱壁枠20を介しての熱伝導はほと
んど無視できる値となる。また、カバー28によ
り冷却壁内部は外気と遮蔽されていることとあい
まつて、熱放射体22の表面温度が外気温度より
低い場合には空気の対流による熱の移動も無視で
きる値となる。
従つて、本発明の放射冷却壁を壁材として使用
した場合、熱放射体22においては前述したA.
K.Headの理論に基づく放射光の授受が行なわ
れ、昼夜を問わず優れた冷却能力が発揮される。
すなわち、本発明の放射冷却壁はその熱放射体
22が第6図に示す如き分光反射率特性を示し、
8μm以下および13μm以上の波長範囲で100%に近
い反射率、8〜13μmの波長範囲で高い放射率を
有する。
このため、冷却壁の外部からカバー28を介し
て熱放射体22に向けて入射される太陽からの日
射100は、その波長が4μm以下であるため、そ
の大部分が熱放射体22で反射されてしまう。従
つて、太陽からの日射100による冷却壁内部へ
の熱の移動は無視される。
また、冷却壁の外部からカバー28を介して熱
放射体22に入射される大気からの熱放射200
も、その大部分が熱放射体22で反射されてしま
い、光エネルギの小さい8〜13μmの波長範囲の
熱放射のみが熱放射体22で吸収される。
また、冷却壁の熱放射体22からは熱放射体2
2の表面温度に応じた熱放射300が有り、カバ
ー28を介して冷却壁の外部に射出される。ここ
において、熱放射体22は8〜13μmの範囲で放
射率が高いため、熱放射体22からの熱放射30
0は光エネルギの大きい8〜13μmの波長範囲で
行なわれる。
従つて、この熱放射体22で授受される放射光
による熱の移動は、光エネルギの小さい8〜
13μmの波長範囲における大気からの熱放射20
0および光エネルギの大きい8〜13μmの波長範
囲における熱放射体22からの熱放射300によ
る熱の移動を考慮すればよい。8〜13μmの波長
範囲におけるこれら各熱放射200、300によ
る熱の移動は、第2図からも明らかな如く、熱放
射体22からの熱放射300による方が圧倒的に
多い。
故に、本発明の放射冷却壁では冷却壁外部から
入る熱量より冷却壁外部へ出て行く熱量の方が多
くなり、昼夜を問わずに優れた冷却能力が発揮さ
れる。すなわち、このようにして熱放射体22が
冷却されると、この熱放射体22に伝導接触して
いる被冷却体も冷却されることになる。
第8図には本実施例の放射冷却壁の冷却能力の
実測データが示されている。この実測データは熱
放射体22温度の経時変化を夜間と日中とに分け
て測定している。曲線aは夜間における冷却能力
を示すものであり、外気温が25℃の時に約3時間
で熱放射体22の温度を7℃まで冷却できること
が確認される。曲線bは日中における冷却能力を
示すものであり、外気温が30℃の時に約2時間で
熱放射体22の温度を15℃まで冷却できることが
確認される。
このように、本発明の放射冷却壁は実測データ
からも昼夜を問わず優れた冷却能力を発揮するこ
とがわかる。
従つて、本発明の放射冷却壁は、例えば実施例
1のように、放射面22の裏面に被冷却体として
水を直接貯蔵してもよいし、その放射面22の裏
面に被冷却体として水の流路を設ければ簡単に冷
水が得られ、その冷水を室内のフアンコイルユニ
ツト等に導びけば充分な冷房を行なうことが可能
である。このため、住宅用またはビニールハウス
等の冷房には最適である。また、本発明の放射冷
却壁は単に冷房にとどまらず、その優れた冷却能
力から他の巾広い分野への応用も可能である。
なお、本実施例においては、鏡面アルミニウム
板の表面に厚さ25μmのアフレツクスフイルムを
被覆して熱放射体22の選択放射層22bを形成
したが、アフレツクスフイルムの厚さはこれに限
られない。しかし、鏡面アルミニウム板の表面に
被覆するアフレツクスフイルムの厚さが40μm以
上になると、8〜13μmの波長範囲の放射率は上
昇するが、それ以外の波長範囲での反射率が低下
してしまい、有効な冷却ができないという問題が
生じる。また、アフレツクスフイルムの厚さが
10μm以下になると、8〜13μmの波長範囲での反
射率が上昇し放射率が大巾に低下してしまうた
め、冷却能力が悪くなる。従つて、鏡面アルミニ
ウム板の表面に被覆するアフレツクスフイルムの
厚さは10〜40μmが適当である。
また、本実施例においては、熱放射体22の選
択放射層22bを二沸化ビニリデンの一種である
アフレツクスフイルムで形成したが、これに限ら
ず、CoCr2O7/K2SO4,Si3N4/K2SO4または
K2SO3/K2SO4等の種類の2層構造の無機材料
や、ビニールフロライド―ビニリデンフロライド
コポリマ、ポリオキシプロピレン、ポリプロピレ
ンまたは二沸化ビニリデン等の種類の単層構造の
有機材料を用いて選択放射層22bを形成した場
合にも、熱放射体22の分光反射率は第6図に近
い特性を示すことが実験により確認されている。
また、第9図には本発明の放射冷却壁の他の実
施例が示されており、厚さ1mmの鏡面アルミニウ
ム板を用いて伝導層22aを形成し、この鏡面ア
ルミニウム板の表面に二沸化ビニリデンの一種で
あるKFフイルム(登録商標)を熱溶着して選択
放射層22bを形成している。このKFフイルム
は厚すぎても薄すぎても冷却器の冷却能力を悪化
させるため、5〜20μm程度の厚さに設定するの
が適当である。実施例においては9μmの厚さに形
成されている。
そして、本実施例においては、アルミニウム板
で形成された伝導層22aの裏面に、被冷却体と
して内径10mmφ、外径12mmφのアルミニウム製チ
ユーブからなる流路30を複数本溶接固定してい
る。
従つて、この放射冷却壁を屋外壁として使用し
流路30に通水することにより、冷水を簡単に得
ることがきる。これは、流路30を流れる水の熱
が伝導層22aを介して選択放射層22bに迄伝
導され、この選択放射層22bから外部に放射さ
れるからである。
実験によれば、第9図の放射冷却壁を600×900
×90の大きさで作成し、南面向きに設置し動作さ
せたところ、外気温25℃の条件の下、放射面積1
m2当り1時間につき10℃の冷水が14.5得られ
た。
また、本実施例の如く、伝導層22aの裏面に
アルミニウム製チユーブからなる流路30を複数
本溶接固定することにより、熱放射体22の機械
的強度および耐候性を向上させることができ、冷
却壁全体の耐久性の向上が図られる。そして、本
実施例では壁材として使用したが屋根材としても
使用できる。
以上説明したように、本発明によれば、熱放射
体が8μm以下および13μm以上の波長範囲で高い
反射率を示し8〜13μmの波長範囲で高い放射率
を示すため、A.K.Headの理論に基づく放射冷却
を充分に行ない、昼夜を問わずに優れた冷却能力
を発揮する放射冷却壁、屋根材を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はA.K.Headの理論の説明図、第2図は
放射面に授受される放射光の放射スペクトルの特
性図、第3図は従来の放射冷却装置の説明断面
図、第4図は本発明の放射冷却壁の好適な実施例
の斜視図、第5図は第4図の放射冷却壁の熱放射
体の拡大断面図、第6図は第5図に示す熱放射体
の分光反射率の特性図、第7図は放射冷却壁にお
ける熱の移動の説明図、第8図は第4図に示す放
射冷却壁の冷却能力測定データを示す特性図、第
9図は本発明の他の実施例の断面図である。 20…断熱壁枠、22…熱放射体、22a…伝
導層、22b…選択放射層、30…被冷却体。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 被冷却体が導入され一部を除いて被冷却体を
    外部から断熱する構造となつた壁材または屋根材
    と、前記断熱容器の露出部を覆う熱放射体とを含
    み、前記熱放射体は、被冷却体と伝導接触し反射
    率および熱伝導率の高い金属からなる伝導層と該
    伝導層に被覆された外光に含まれる光エネルギの
    小さい波長域において高い放射率(吸収率)を有
    しかつその他の波長域において高い透過率を有す
    るCoCr2O4/K2SO4,Si3N4/K2SO4または
    K2SO3/K2SO4等の2層構造の無機材料若しくは
    ビニールフロライド―ビニリデンフロライドコポ
    リマ,ポリオキシプロピレン,二沸化ビニリデ
    ン,ポリプロピレンまたはエチレン四沸化エチレ
    ンコポリマ等の単層構造の有機材料からなる選択
    放射層とから形成され、前記特定波長域において
    は外光の光エネルギ吸収および被冷却体からの熱
    放射を行なうとともに、特定波長域以外の波長域
    においては外光を反射して被冷却体を冷却するこ
    とを特徴とする放射冷却壁、屋根材。
JP58170313A 1983-09-14 1983-09-14 放射冷却壁,屋根材 Granted JPS6062515A (ja)

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